研究プロジェクト

日吉大社赤鳥居前に「日吉山王宮曼荼羅」の境内図を奉納(記者発表報告)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)」 (原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」
(原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

成安造形大学美術領域日本画コースの学生有志が、2015年5月から7カ月間取組んできた「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」が完成いたしました。
先人の画業に触れながら、室町時代に描かれた日吉大社蔵 紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」を基に現代版として原画を制作するというプロジェクトの成果です。
監修・指導として、近江学研究所の吉村研究員が関わりました。
完成に際し、12月15日(火)日吉大社にて、お披露目の記者会見が行われました。
当日は、2016年の干支絵馬のお披露目も合わせて行われ、赤鳥居の前で、絵馬の奉納の神事が行われました。

境内図として設置されました

境内図として設置されました

奉納の神事

奉納の神事

奉納の神事

奉納の神事

奉納された「日吉山王宮曼荼羅」の前で、記念撮影。 左から 馬渕宮司、橋爪さん、梶浦さん、今岡さん、吉村研究員、須原禰宜

奉納された「日吉山王宮曼荼羅」の前で、記念撮影。
左から 馬渕宮司、橋爪さん、梶浦さん、今岡さん、吉村研究員、須原禰宜

取材の様子

取材の様子

奉納の後は、社務所の2階にて記者会見。
吉村研究員はじめ、原画制作に中心的に関わった学生3名、今岡一穂さん(美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)、梶浦隼矢さん(美術領域日本画コース研究生)、橋爪千夏さん(美術領域日本画コース3年生)が出席し、制作への想い、難しかったところなどお話をしました。
日吉大社の矢部禰宜は、「桃山時代~室町時代に描かれた山王宮曼荼羅の現代版が、今描かれることに意味があると感じている」とおっしゃっていました。

社務所にて記者会見

社務所にて記者会見

馬渕宮司のご挨拶

馬渕宮司のご挨拶

吉村俊昭研究員

吉村俊昭研究員

美術領域日本画コース卒業生・美術領域アシスタント  今岡 一穂さん

美術領域日本画コース卒業生・美術領域アシスタント 
今岡 一穂さん

美術領域日本画コース研究生 梶浦隼矢さん

美術領域日本画コース研究生
梶浦隼矢さん

美術領域日本画コース3年生 橋爪千夏さん

美術領域日本画コース3年生
橋爪千夏さん

===============================
「日吉山王宮曼荼羅」制作について
===============================
〈解説〉
日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)は、中央に八王子山を配し社殿草木を俯瞰的に描いた、室内に置ける観相のために描かれた礼拝図である(大津市歴史博物館「比叡山」図録より)。日吉山王宮曼荼羅は鎌倉時代から江戸時代にかけて多く描かれ諸所に名品が残る。
現代の宮曼荼羅図を描くにあたり、比叡山延暦寺蔵、日吉大社蔵の絹本宮曼荼羅図を参考に、礼拝図よりも境内図としての説明要素を強調しながら、遥拝対象の社殿、磐、草木を具体的に描くように努めた。何分、大きな宮曼荼羅となるため、1/4の草稿(下書き)作成から1/2の原画作成、写真データによる拡大図と3段階の制作過程を踏み、日吉神社から社殿、遥拝所の説明を受けながら描き進めた。
霞による遠近の表現や、自然風景を柔らかく抒情的に描くやまと絵の画風を取り入れて画面構成するのは、日本画専攻の学生にとっても日常の作品表現とは異なる。社殿草木の象徴的な形や色彩の表現については、幼いころより現代的な写実表現を基礎にしてきた経験とは異質であり、かなりの戸惑いがあった。しかし、伝統的な和の表現技法や線描、金泥紛や岩絵具など描画材料の扱いはかえって新鮮に映り、学生の日常制作に新たな視点を与えたといえる。
礼拝図の要素は少なくなっているが、多くの参拝の方々に境内図として見ながらも、礼拝の気持ちで現代の日吉山王宮曼荼羅の美しさを楽しんでいただければ嬉しく思います。           (吉村俊昭)

 紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」(一部)

紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」(一部)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)」 (原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」
(原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

日吉山王宮曼荼羅 原画のデータ
外 形  縦120cm×横180cm
制作期間 2015年5月~2015年11月
作図指導 吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
制作者
吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
今岡 一穂(いまおか かずほ/美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)
梶浦 隼矢(かじうら じゅんや/美術領域日本画コース研究生)
橋爪 千夏(はしづめ ちなつ/美術領域日本画コース3年生)
大野久留実(おおの くるみ/美術領域日本画コース3年生)
土師志津佳(はぜ しづか /美術領域日本画コース2年生)
前田 彩乃(まえだ あやの/美術領域日本画コース2年生)
奉納先  山王総本宮日吉大社
==============
マスコミにも紹介されました
==============
朝日新聞 「申の大絵馬登場 学生作、境内図も 日吉大社」(滋賀版)2015年12月20日付けhttp://www.asahi.com/articles/ASHDH3GB3HDHPTJB008.html

日吉大社所蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬 復元模写完成 記者発表(ご案内)

復元模写された「猿図絵馬」 撮影:岡田健

復元模写された「猿図絵馬」
撮影:岡田健

<日吉大社所蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬  復元模写完成奉告祭・記者発表のご案内>
2014年7月から9カ月間取組んできました日吉大社所蔵の長沢芦雪筆の「猿図」絵馬の復元模写が完成いたしました。
成安造形大学美術領域日本画コースと附属研究機関の近江学研究所が協働し、先人の画業に触れながら絵馬を復元するというプロジェクトの成果です。
下記の通り、日吉大社にて、完成奉告祭・記者発表、絵馬の一般特別拝観、拝殿への掲示を行います。
一般の方にも特別拝観いたしますので、ぜひ、足をお運びください。

日 時:平成27年5月19日 (火) 16:00〜17:00
場 所:日吉大社 西本宮(拝殿) WEBサイト
出席者:
木村  至宏(成安造形大学名誉教授、附属近江学研究所所長)
吉村  俊昭(成安造形大学芸術学部教授、近江学研究所研究員)
西久松 吉雄(成安造形大学芸術学部教授、美術領域主任、近江学研究所研究員)
馬渕  直樹(山王総本宮日吉大社 宮司)
井口   健(山王総本宮日吉大社 禰宜)
須原  紀彦(山王総本宮日吉大社 権禰宜)
今岡  一穂(美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)
橋爪  千夏(美術領域日本画コース3年生)
大野 久留実(美術領域日本画コース3年生)
次 第:
○修祓
○祝詞奏上
○鈴祓
○玉串奉奠(宮司・成安造形大学)

○宮司挨拶
○取材・質疑応答
○一般特別拝観
○絵馬の拝殿掲示
================
<復元された「猿図」絵馬について>

復元模写された「猿図絵馬」 撮影:岡田健

復元模写された「猿図絵馬」
撮影:岡田健

現在の原画

現在の原画

僅かな描画痕跡しか残っていない絵馬の復元は、作者や奉納にかかわる資料収集が重要となるため、多くの時間を収集と読み解きに費やした。作品調査は多くは写真資料によるものだが、和歌山草堂寺のご好意で群猿図を拝見し蘆雪の筆使いを確認することができた。
猿の絵は原画でかすかに見て取れる「耳」と手足指から親子猿の向きを決定して、猿の全体像を想定したが、母猿の視線は習作を重ねて奉納目的から決定した。また、足元の草花は蘆雪作品の優しさを表現できるように努めた。背景は金箔か金砂子か判断に苦しんだが、違和感の少ない金砂子を採用した。奉納文字はほとんど読み取れない部分もあったが筆致を詳細に確認してようやく復元に至った。
作品に取り掛かる前の習作や資料作りは学生たちにとって苦難の作業であったが、根気よく取り組んで復元の成果をあげたことは特筆すべきことである。
(吉村俊昭)
絵馬のデータ
外 形 縦78.7cm×横90.4cm
画 面 縦68.3cm×横80.0cm
墨書銘 「奉納 寛政四壬子五月吉祥日 藤井正脩」
落 款 「蘆雪写」
印 章 朱文氷形「魚」印(欠損のない完全印)
制作期間 2014年7月~2015年4月
作図指導 吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
制作者
吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
今岡 一穂(いまおか かずほ/美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)
橋爪 千夏(はしづめ ちなつ/美術領域日本画コース3年生)
大野久留実(おおの くるみ/美術領域日本画コース3年生)
奉納先
山王総本宮日吉大社 西本宮(拝殿)




===========
日吉大社蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬復元プロジェクトについて
詳しくは>>>こちらから
===========

文化誌『近江学』第7号(特集 金への畏敬)発刊しました


成安造形大学附属近江学研究所は、「芸術による社会への貢献」を教育の理念とする
成安造形大学の附属研究機関として2008年4月に発足し、
開所7年目を迎えることになりました。
このたび、近江学研究所では、初年度から発刊してまいりました
文化誌『近江学』第7号(特集 金への畏敬)を下記の通り出版いたしました。
今号から編集長が小嵜善通研究員が務めることになりました。
12月20日には店頭に並びますので、ぜひお手に取ってみてください。

近江の〝金”にまつわる文化の総論 著:木村至宏

近江の〝金”にまつわる文化の総論
著:木村至宏

宗教学者 山折哲雄が語る「黄金のかけ橋」 著:山折哲雄

宗教学者 山折哲雄が語る「黄金のかけ橋」
著:山折哲雄

附属近江学研究所 文化誌『近江学』第7号出版
<内容紹介>
特集テーマは「金への畏敬」。野鍛冶、銅鐸、曳山の飾り金具、江若鉄道など、
近江の金、銅、鉄など近江を支えた金属全般にまつわる世界を、論考やインタ
ビュー、対談、そしてグラビアページなど様々な切り口で語ります。
●「金の文化」
木村 至宏 (近江学研究所 所長)
●「黄金のかけ橋」
山折哲雄 (宗教学者)
●《対談》「野鍛冶ー大地に命を吹き込む鉄」
西川 征一 (野鍛冶職人三代目)×大岩 剛一 (近江学研究所客員研究員)
●「近江の風景 沖島」
今森 光彦 (写真家)
●「湖北の鍛冶ー草野鍛冶」
森岡 榮一 (長浜市長浜城歴史博物館副参事)
●「銅鐸埋納とその後」
徳網 克己 (野洲市歴史民俗博物館館長)
● 「曳山に輝く金具」
和田 光生 (大津市文化財保護課参事)
● 「琵琶湖見聞録」
寿福 滋 (写真家)
●「鉄路の記憶ー思い出の江若鉄道」
木津 勝 (大津市歴史博物館学芸員)
●成安のファインアート 「鉄からはじまる好奇心」
宇野 君平 (本学准教授)
●《近江の意匠ⅤI》 「土人形の魅力ー東近江の小幡人形を訪ねて」
加藤 賢治 (近江学研究所研究員)
●「イラストマップの魅力」
MON (本学准教授)
=======================
文化誌「近江学」第7号
成安造形大学附属近江学研究所 編

1,800円+税
ISBN978-4-88325-552-8 C1402
AB 96ページ 並製
初版発行年月日:2015年1月10日
書店発売日:2014年12月20日
発行    成安造形大学附属近江学研究所
〒520-0248滋賀県大津市仰木の里東4丁目3-1
発行者   木村 至宏(近江学研究所所長)
編集    小嵜 善通(近江学研究所研究員)
写真    寿福 滋
デザイン  大向デザイン事務所
印刷    宮川印刷株式会社
発売元   サンライズ出版株式会社
〒522-0004滋賀県彦根市鳥居本町655-1
発行部数  1,600部
定価    1,800円+税
=======================
<購入方法>
◎12月中旬には、滋賀県下の主な書店にて販売いたします。

◎「サンライズ出版WEBサイト」から>>>こちらから
=======================

近江で鉄を打つ、野鍛冶職人西川征一氏との対談 著:大岩剛一

近江で鉄を打つ、野鍛冶職人西川征一氏との対談
著:大岩剛一

大津祭の曳山の美しさを印象づける「飾り金具」の論考 著:和田光生

大津祭の曳山の美しさを印象づける「飾り金具」の論考
著:和田光生

写真家寿福滋による「金への畏敬グラビアページ」

写真家寿福滋による「金への畏敬グラビアページ」

「鉄路の記憶~思い出の江若鉄道」 著:木津勝

「鉄路の記憶~思い出の江若鉄道」
著:木津勝

東近江の土人形〝小幡人形″を訪ねて 著:加藤賢治

東近江の土人形〝小幡人形″を訪ねて
著:加藤賢治

日吉大社所蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬 復元模写 記者発表を行ないました。

取材撮影風景

取材撮影風景

成安造形大学附属近江学研究所は、
本日(2014年7月24日)、今年度、日吉大社所蔵の長沢芦雪(ながさわろせつ)筆の「猿図(さるず)」絵馬の復元模写に取り組む「日吉大社所蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬 復元模写プロジェクト」について、記者発表を行ないました。
記者発表には、5社より取材いただきました。
また、日吉大社から井口禰宜、須原権禰宜に出席いただき、
本研究所からは、木村所長、吉村研究員、西久松研究員、加藤研究員が説明を行ないました。

絵馬研究の主担当である吉村研究員から解説

絵馬研究の主担当である吉村研究員から解説

絵馬を復原することになった経緯は、
昨年度から近江学研究所で取り組んできた「近江の絵馬現況調査」の中で、この絵馬の存在を知り、日吉大社様の全面的なご協力をいただき、復元模写の機会を得ました。

日吉大社の井口禰宜、須原権禰宜も取材を受けていただきました

日吉大社の井口禰宜、須原権禰宜も取材を受けていただきました

この絵馬は、江戸時代、円山応挙の弟子として京都で活躍した絵師長沢芦雪が39歳の頃に描いたものです。
猿の親子が描かれ、ほぼ剥落しているものの落款部がはっきりと残り、芦雪の作だと考えられます。

絵馬復元模写に取り組む、美術領域4年の今岡一穂さんも取材を受けました。

絵馬復元模写に取り組む、美術領域4年の今岡一穂さんも取材を受けました。

今後は成安造形大学美術領域日本画コースと附属研究機関である近江学研究所が協働し、この絵馬の復元模写に取り組みます。
この復元模写に取り組む学生にとっては、先人の画業に触れながら絵馬を復元するという大変貴重な経験となると考えています。
==========
[復元模写 公開作業 第1弾]
絵馬復元作業を 成安造形大学「オープンキャンパス(7月27日)」にて公開します

日時 7月27日(日) 10:00~ 12:30~ 15:00~
場所 成安造形大学E棟 1階 美術領域 OPEN STUDIOコーナーにて
作業内容 絵馬の剥落をとめるための、樹脂の充てん作業
当日のお問い合わせは、受付にて、近江学研究所(加藤)までご連絡ください。
==========
日吉大社の長沢芦雪筆「猿図」絵馬について
テキスト:小嵜善通(成安造形大学芸術学部教授、附属近江学研究所研究員)

復元模写にとりくむ日吉大社蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬

復元模写にとりくむ日吉大社蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬

親子の猿を描いた本絵馬は、落款から江戸後期の京都の画家長沢芦雪(1754〜99)が寛政4年(1792)に描いたものと判明する。画面の剥落が著しく図様も定かでないため既に美術的価値は失われているが、朱文氷形「魚」印の欠損の有無により、記年銘の希少な芦雪作品の年代を分ける指標となる作例として重視されてきた作品である。また、奉納者である藤井正脩は、広島城下一の呉服商富士屋の一族で、その京都店の三代目主人である。芦雪が寛政6年に広島に下向し、多くの作例を当地に残すこととなるキーパーソンがこの藤井正脩であったことを知らせてくれる点においても、本絵馬の資料的価値は高い。
芦雪は写実的な作風で知られる円山応挙の弟子で、師の様式に基づきながらも、動きのある、意表をついた奇抜な作風で知られる。和歌山県の無量寺、成就寺、草堂寺の襖絵がつとに名高い。また、子供や動物の親子を描いた作品が多く認められる点は、彼の4人の子供がいずれも夭逝するなど、家庭運の薄かったことが作品に影を落としているとも考えられている。
絵馬のデータ
外 形 縦78.7cm×横90.4cm
画 面 縦68.3cm×横80.0cm
墨書銘 「奉納 寛政四壬子五月吉祥日 藤井正脩」
落 款 「蘆雪写」
印 章 朱文氷形「魚」印(欠損のない完全印)
===========
『長沢芦雪 絵馬「猿図」復元模写プロジェクト』 記者発表
日 時:平成26年7月24日 (木) 11:00〜12:00
場 所:成安造形大学聚英館2階小会議室
出席者:木村 至宏(成安造形大学 名誉教授、附属近江学研究所所長)
吉村 俊昭(成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
西久松吉雄(成安造形大学 芸術学部教授、美術領域主任、近江学研究所研究員)
井口  健(山王総本宮日吉大社 禰宜)
須原 紀彦(山王総本宮日吉大社 権禰宜)
今岡 一穂(美術領域日本画コース4年生)

文化誌『近江学』第6号(特集 火の物語り)発刊しました

成安造形大学附属近江学研究所は、「芸術による社会への貢献」を教育の理念とする
成安造形大学の附属研究機関として2008年4月に発足し、
この3月で開所6周年を迎えることになります。
このたび、近江学研究所では、初年度から発刊して参りました
文化誌『近江学』第6号(特集 火の物語り)を下記の通り出版いたしました。

文化誌「近江学」6号表紙

文化誌「近江学」6号表紙

文化誌「近江学」第6号
特集    「火の物語り」

■内容紹介
近江の火にまつわる世界に着目し、「火の物語り」を特集。
比叡山の「不滅の法灯」に関する論考、国産の櫨にこだわった「和ろうそく」
職人へのインタビュー、国友鉄砲鍛冶からつづく花火職人の想いなど。
不滅の法灯、火祭り、かまどの火、常夜灯、和ろうそく、花火師など、
近江の火にまつわる世界を、様々な切り口で語ります。
■目次
● 「火と営みの文化」
木村 至宏 (近江学研究所 所長)
● 比叡山の「不滅の法灯」
武 覚超 (比叡山延暦寺執行)
● 《対談》「櫨の和ろうそくー命が宿る炎」
大西 明弘 (和ろうそく職人)×大岩 剛一 (近江学研究所客員研究員)
●「人を包み込む自然 琵琶湖」
今森 光彦 (写真家)
●「近江の火祭りー火の風流を楽しむ」
米田 実 (日本民俗学会評議員)
●「村における信仰の灯ー神主の献灯、講の常夜灯」
大塚 活美 (京都府立総合資料館主査)
●「花火 夏の風物詩湖国の花火を訪ねて」
加藤 賢治 (近江学研究所研究員)
●「火と食」
岩田 康子 (有限会社ブルーベリーフィールズ紀伊國屋代表取締役)
●「蒲生氏郷の光」
寿福 滋 (写真家)
●「安土城随想ー安土山より三上山を眺む」
小嵜 善通 (本学教授・近江学研究所研究員)
●《インタビュー》成安のファインアート「田辺由子ー思考と触覚の造形」
辻 喜代治 (本学教授・近江学研究所研究員)
●《近江の意匠Ⅴ》「麻の物語ーすべては近江の蚊帳生地との出会いから」
河原林 美知子 (近江学研究所客員研究員)
●「仏領ニューカレドニアの滋賀移民 犬上郡 多賀町 リリアンの墓参り 」
津田 睦美 (本学准教授・近江学研究所研究員)
●「仰木ふるさとカルター気持ちやいのちをカルタに映す」
永江 弘之 (本学准教授・近江学研究所研究員)
=======================
文化誌「近江学」第6号
1,800円+税
ISBN978-4-88325-495-8 C1402
AB 96ページ 並製
初版発行年月日:2014年1月10日
書店発売日:2013年12月20日
発行    成安造形大学附属近江学研究所
〒520-0248滋賀県大津市仰木の里東4丁目3-1
発行者   木村 至宏(近江学研究所所長)
編集    辻 喜代治(近江学研究所研究員)
写真    寿福 滋
デザイン  大向デザイン事務所
印刷    宮川印刷株式会社
発売元   サンライズ出版株式会社
〒522-0004滋賀県彦根市鳥居本町655-1
発効部数  1,600部
定価    1,800円+税
=======================
<購入方法>
◎12月中旬には、滋賀県下の主な書店にて販売いたします。
「サンライズ出版WEBサイト」から>>>こちらから
=======================

近江の火にまつわる文化の総論「火と営みの文化」 著:木村至宏 写真:寿福滋

近江の火にまつわる文化の総論「火と営みの文化」
著:木村至宏 写真:寿福滋

比叡山延暦寺執行が語る「不滅の法灯」の物語り 著:武覚超

比叡山延暦寺執行が語る「不滅の法灯」の物語り
著:武覚超

民俗学者米田実氏のよる、近江の火祭りを読み解き、地域に引き継がれる「風流」に関する論考

民俗学者米田実氏のよる、近江の火祭りを読み解き、地域に引き継がれる「風流」に関する論考

国産櫨を使った和ろうそく職人・大西明弘氏の手仕事を追うインタビュー 著:大岩剛一 写真:永江弘之

国産櫨を使った和ろうそく職人・大西明弘氏の手仕事を追うインタビュー 著:大岩剛一 写真:永江弘之

櫨の和ろうそくができるまでの取材をイラスト図解で表現 イラスト・編集:大原歩

櫨の和ろうそくができるまでの取材をイラスト図解で表現
イラスト・編集:大原歩

国友鉄砲鍛冶の歴史をくみ活躍する「花火師」へのインタビュー 著:加藤賢治

国友鉄砲鍛冶の歴史をくみ活躍する「花火師」へのインタビュー
著:加藤賢治

八王寺山の家・自力建設プロジェクト ワークショップ開催!2日目

2013年8月17日(土)、18日(日)の2日間、昨年度から建材素材集めや上棟式などに取り組んできた大津市仰木地区の「仰木自然文化庭園構想 八王寺組」が主催する、拠点となる小屋の建設ワークショップに参画しました。
この活動は、近江学研究所が、研究活動「八王寺山の家”地域拠点”自力建設プロジェクト」の一環として、地元仰木との活動を授業化し、研究員と学生が参画するものです。
1日目の作業は>>>こちらから
<2日目の作業の様子>
八王寺山の家・自力建設プロジェクト 藁積み・荒壁づくりワークショップの2日目。
1日目にも増して快晴。

まず、始めに八王寺組の上坂会長からごあいさつがありました。

そして、カイルさんより、ストローベイルハウスの特性についてレクチャーがあり、
今日の作業行程、作業の分担について説明がありました。
学生たちもそれぞれ作業を分担しています。

土壁に隠れるベイルを覗く「真実の窓」の窓部分を汚れないように養生をする作業。

ベイルを留める竹杭の先端をとがらせる作業

「真実の窓」ができる下面の壁にレリーフをつくることになり、イラストレーション領域の学生たちは急遽デザイン案を考えることに。
テーマは「棚田」です。
そして、2層目の荒壁塗り作業。

1層目の土よりも、藁を沢山入れて、強度をつよめます。この土をベイルとベイルのくぼみや、壁の形の成形に使います。
土づくりが重労働。男の人たちが交代しながら行ないます。

壁の上面のラインをきれいにみせるように、指示を仰ぎながら、土をのせて、形を整える作業を繰り返します。
午前の作業は終了。

お昼ごはんは、鹿肉カレー!

そして、二種類の夏野菜たっぷりサラダ。
身体が元気になります。
レリーフ案が決まりました。イラストレーション領域3年のツリアンディカ・アンジャニさんのデザインです。


レリーフをつくっていきます。
壁面の形成が整い、レリーフができました。
14時、いよいよ仕上げとなる3層目を塗っていきます。

仕上げの土は、粉砕した藁スサをたくさん混ぜて、水分を含んだ柔らかい土です。
これをゴム手袋の手で、すーっと上塗りしていきます。手のひらで壁を撫でていきます。

撫でていくと、すこしづつ光沢が生まれていきます。

そして、2日間の作業が終わり、小屋の中には存在感のある、美しい壁が立ち上がりました。

2日間、暑い中で長時間の作業でしたが、
学生たちが地域の方や、一般の方々になじみながら、
作業を率先して、みんなを引っ張るように動いている姿はとても頼もしくみえました。
そして、この小屋が、地域の方々にとっても、関わった多くの方にとっても大切な場所になることがわかりました。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうござました。

八王寺山の家・自力建設プロジェクト ワークショップ開催!1日目

2013年8月17日(土)、18日(日)の2日間、昨年度から建材素材集めや上棟式などに取り組んできた大津市仰木地区の「仰木自然文化庭園構想 八王寺組」が主催する、拠点となる小屋の建設ワークショップに参画しました。
この活動は、近江学研究所が、研究活動「八王寺山の家”地域拠点”自力建設プロジェクト」の一環として、地元仰木との活動を永江弘之研究員(イラストレーション領域准教授)をはじめ研究員を中心に、授業化をして、学生も一緒に研究活動をするものです。
<2日間の作業>
小屋の内装にストローベイルの壁面を作ります。
1日目は、ストローベイルという稲藁を圧縮したブロックを積み上げ、
2日目は、ベイルの上から土を塗り、土壁を作るという作業を行いました。
ワークショップの指導には、特別講師として2名お招きしました。
アメリカ人のカイル・ホルツヒューターさん。
日本大学にて環境建築を研究しながら、自ら左官業を極める活動をおこなっている方で、これまでもストローベイルハウスのワークショップを数多く手掛けています。
そして、この昨年まで本研究所の研究員・本学教授であった建築家の大岩剛一先生。
今年度からは客員研究員として、この研究に携わっておられます。
日本でストローベイルハウスの設計をされて、自然素材の自ら作る建築の在り方をワークショップを通して普及していく活動をされています。

左:大岩剛一先生 右:カイル・ホルツヒューターさん

左:大岩剛一先生 右:カイル・ホルツヒューターさん

カイル・ホルツヒューターさんについては>>>こちらから
大岩剛一先生のストローベイルハウス活動については>>>こちらから
<1日目の作業の様子>

午前中は、八王寺組メンバーと上仰木農業組合の皆さんと、成安造形大学スタッフ、学生、そして講師の先生方のみで、
午後に行う一般公開ワークショップの準備を進めました。
まずは、小屋にストローベイルを運び込みます。

小屋のベイルを積む壁面には、ベンチにする箇所に木枠がとりつけられています。

土に混ぜるワラを「押し切り」という道具をつかって5cmに切っていきます。
学生たちは以前も使用したことがあるので、手馴れています。

カイルさんの指導で、土が付きやすいように、木枠などにシュロ縄や麻縄を巻きつけていきます。

お昼のお弁当は、仰木の上坂さんお手製。とても美味しかった。

午後からは一般参加の方も一緒に作業を進めていきます。
参加者は八王寺組の棚田ボランティアやオーナーなどに参加されている常連の方や、ストローベイルハウスについて関心をもっている方が埼玉や広島など遠方からも駆けつけられていました。
まず、八王寺組会長の上坂雅彦さんからご挨拶。

はじめにカイルさんから作業工程について説明があり、各人に仕事を振り分けていきます。
皆、グループになりながら作業を進めていきます。

ベイルを積み始めました。2段目からは竹串を打ち込んでベイルを固定していきます。

通常の大きさのベイルでは狭い場所に合わせて、「カスタムベイル」を作ります。
午前中にカイルさんから指導を受けた学生が指導者となっています。頼もしい姿です。

どんどん高くベイルが積みあがってきました。

順調にベイル積みが進んだので、次の行程「下塗り」作業へ。
粘土質の強い土(藁を少なめに混ぜる)を、ベイルに薄く塗りつけていきます。
2日目に塗る土との接着剤代わりになるもの。
今日の作業はここまで。

夕方からは、八王寺組が交流会としてバーベキューを開催してくれました。
暑い中、熱中症にもならず一日が終わりました。明日もがんばるぞ、乾杯!

交流会では、大岩先生が設計し、カイルさんが壁を手掛けたという神奈川県にあるお寺ができるまでのドキュメンタリーDVDが上映されました。今回と同じように多くの人が集って、「場所」を作り出していました。
最後に上坂会長から、
「これは現代版の「結」だと思う。たくさんの人の気持ちがつながる場所にしていきたい」との言葉に、
とても胸があつくなる気持ちになりました。
<2日目につづく>

『仰木ふるさとカルタ』記者発表を行いました。


4月23日(火)『仰木ふるさとカルタ』完成記者発表を行いましたので、ご報告します。
仰木ふるさとカルタは、成安造形大学附属近江学研究所の「生活文化の聞き取り調査、及び、仰木ふるさとカルタ制作」プロジェクトとして、2011年から2年間、永江弘之研究員(本学准教授)と学生スタッフ12名で取り組みました。

滋賀県大津市仰木地区の老人クラブ連合会の協力を得て、60歳?90歳代を対象に「仰木ふるさと五感体験アンケート」や、藁細工や納豆餅づくりなど体験を含めた聞き取り調査を行い、それをもとに仰木の方と48の言葉を選び出し、学生が絵札を描き、いろはかるたを制作しました。

永江弘之研究員

永江弘之研究員


出席者は、
「生活文化の聞き取り調査、及び、仰木ふるさとカルタ制作」プロジェクト担当研究員である、
永江 弘之(成安造形大学附属近江学研究所研究員/本学イラストレーション領域准教授)
加藤 賢治(成安造形大学附属近江学研究所研究員)
大原 歩 (成安造形大学附属近江学研究所研究員)

インタビューを受ける(左から)小林さんと鈴木さん

インタビューを受ける(左から)小林さんと鈴木さん

また、プロジェクト参加学生スタッフ12名の内5名が参加。
梅下 菜々美(イラストレーション領域 研究生)
後藤 美子 (空間デザイン領域 4年)
小林 佳紫 (イラストレーション領域 4年)
鈴木 沙希 (イラストレーション領域 4年)
宮本 暖子 (イラストレーション領域 4年)

取材を受ける(左から)仰木地区の飯田さんと飛田さん

取材を受ける(左から)仰木地区の飯田さんと飛田さん

また調査協力者であり、
研究活動していた2011年・2012年の歴代仰木学区老人クラブ連合会長であった飯田昌孝さん、飛田幸男さんに参加いただき、取材を受けていただきました。
また、テレビ取材が3社あり、随時放映されます。
《びわ湖放送》
本日23(火) きらりん滋賀 17:50~18:10
《NHK》
本日23(火) おうみ発610 18:10~19:00
《ZTV滋賀放送局》
●「おうみ!かわら版(滋賀)」(15分)
初回 24(水)18:00~
他26日(金)まで再放送が繰り返されます。
●「Weekly!かわら版(滋賀)」(30分)
4月27日(土)~5月3日(金) 6:00~ 17:00~
ぜひ、成果をご覧ください!

八王寺山の家・自力建設プロジェクト 模型完成!


本研究所で2010年から3ケ年計画で取り組んでいる近江学研究「里山~水と暮らし」。
大津市仰木地域をフィールドに、大学教員が研究員を務め、学生と共に調査・研究を進めています。
本年度は、第3期目として、大岩剛一研究員を中心に
上仰木地域で棚田保全活動や地域活性化活動を行っている、農業組合の有志で結成した「八王寺組」が
取り組んでいる「拠点づくり」に参加しています。
建築素材である「木、藁、竹、土」などを地元から採集し、
自分たちの手で建設する「自力建設」プロジェクトに参加・協力し、
家づくりの実践を体験しながら地域の素材と技術を学び、
地域住民との交流を深めていきます。
この一年は、素材を収集するプログラムに取り組んできましたが、
1月「棟上げ作業」を行うことができました。
=============================
過日、3月23日(土)に 完成した模型を見ながら、
学生たちも一緒に、
次年度の作業行程などの打ち合わせを行いました。

主担研究員の大岩剛一研究員は、今年度で成安造形大学を退任されます。
次年度は客員研究員として、この研究活動にたずさわってもらうことになりました。
次年度は、仰木の藁でストローベイルをつくり、
ベイルの壁をおこして、土壁をぬり、有機的な内装をつくっていきます。
作業は、ワークショップ形式にすることに決定。
時期も8月頃に行うことになりました。

外壁にする焼杉板

外壁にする焼杉板

山桜の木はこのまま活かしたいなぁと大岩先生

山桜の木はこのまま活かしたいなぁと大岩先生


次年度の活動をご期待ください!

八王寺山の家・自力建設プロジェクト 棟上げ作業やりました!

本研究所で2010年から3ケ年計画で取り組んでいる近江学研究「里山~水と暮らし」。
大津市仰木地域をフィールドに、大学教員が研究員を務め、学生と共に調査・研究を進めています。
本年度は、第3期目として、大岩剛一研究員を中心に
上仰木地域で棚田保全活動や地域活性化活動を行っている、農業組合の有志で結成した「八王寺組」が
取り組んでいる「拠点づくり」に参加しています。
建築素材である「木、藁、竹、土」などを地元から採集し、
自分たちの手で建設する「自力建設」プロジェクトに参加・協力し、
家づくりの実践を体験しながら地域の素材と技術を学び、
地域住民との交流を深めていきます。
この一年は、素材を収集するプログラムに取り組んできましたが、
いよいよ小屋が立ち上がる「棟上げ作業」を行うことができました。
=======
1月27日(日)、昨晩からの雪が心配でしたが、快晴にめぐまれました。
凍てつく寒さの中、朝9時より八王寺山で、小屋の棟上げ作業が始まりました。

この日は、八王寺組のメンバーの他、棚田ボランティアの方がた、
仰木地元の大工さんなど大勢が集まりました。

まず建材・資材を現場に運び入れます。

たくさんの建材を棟梁の指示に合わせて、テンポよく組み上げていきます。

学生が刻んだホゾ穴も、無事に組み上げられていきます。

午前中の間に「母屋」まで組み上げました。ここで、一服をします。

一服をしながら、感慨深げに小屋を見渡す棟梁。

一服が終わって、タテをみる作業です。

タテとは、建物が垂直に建っているかを、重りを使って確かめて、
調整する作業です。建物全体をロープで引っ張り整えていきます。
屋根材をとりつけるための「垂木」を張り始めます。

垂木まで張られたところで、棟上げ式が執り行われました。
「ミズキ」に御幣と麻を柱にくくり、日本酒一升とお餅を用意します。

そして、棟梁による祝詞と拍手。皆も一緒に行いました。

建物の四隅から「餅まき」を行い、棟上げ式が終了します。

皆で乾杯し、お昼ごはんです。
仰木では、昔から棟上げ式では「かしわめし」の振る舞いがきまり。
この日も、鶏肉と生姜のきいたかしわ飯のおにぎりに、
イノシシと地元野菜たっぷりのしし汁、
仰木のお餅のおぜんざいが振る舞われました。
午後は、屋根張りです。杉板と防水シートを張ります。

半分ほど張り終わると、私たちも作業を手伝わせていただけました。


作業は16時までかかりましたが、
立派な小屋ができました!

皆さま、大変お疲れ様でした。
これからは、来年の春の竣工を目指して、
一年かけてワークショップを通して進めていきます。
近江学研究所では、研究活動の一環として来年度も取り組みます。

Go to Top