おうみブログ
近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。
【開催決定】「淡海の夢2024写生会」堅田・湖族の郷写生会
淡海の夢2024 堅田・湖族の郷写生会
お申込みの皆さま
本日(10/12)の写生会は、予定通り開催いたします。
熱中症対策および日かげでの寒さ対策に十分ご留意いただき、
ご参加くださいますようお願い申し上げます。
どうぞお気をつけてお越しください。
成安造形大学附属近江学研究所 10月12日(土)7:15
<誤植のお詫び・訂正のお知らせ>
近江学フォーラムの会報誌で、フォーラム会員及び文化施設等にも配布しております近江通信紙Vol.31内の表記に誤りがございました。
深くお詫び申し上げますとともに,下記の通り訂正させていただきます。
●該当箇所:2⾴、「3拠点生活のすゝめ 」の執筆者名
【誤】三宅 正治
↓
【正】三宅 正浩
近江学フォーラム会員限定講座「惣-私たちの公」報告
令和6年度 第2回 近江学フォーラム会員限定講座
「惣-私たちの公」
【会員限定講座】
日時:7月27日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:水本邦彦 氏|歴史学者・京都府立大学名誉教授
令和6(2024)年度第2回目の近江学フォーラム会員限定講座を開催しました。
今回の会員限定講座では、日本において、14世紀ごろから19世紀後半に作られた「惣」というコミュニティに存在した
独自の「掟」、いわゆる「公(おおやけ)」について歴史学者であり、京都府立大学名誉教授の水本邦彦氏にご講演いただきました。
「私たちによる、私たちのための、そして私たちを縛る」いわゆる「公」というものは、村人が自ら作ったゆるぎない掟として
絶対的な力を持っていたと解釈されています。
水本先生には、実際に今に伝わる古文書をもとに、掟でつながる江戸の村社会の姿を紐解いていただきました。
受講者のみなさんからは、
・身近な地域の掟などの歴史を知ることができて面白かった。
・草肥農業から金肥農業への変化の話が面白かった。
・江戸時代の「惣」の維持管理の状況がよく分かりました。
かなり厳しい掟を決め、惣を維持しており、惣の自治を守っていたことがうかがえました。
・日本の村の生い立ち、村の縛りの原点がよく分かる講義であった。
などといったご感想をいただきました。
[講師プロフィール]
水本邦彦氏(歴史学者・京都府立大学名誉教授)
1946年、群馬県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。京都府立大学名誉教授・長浜バイオ大学名誉教授。
専攻は日本近世史。古文書に加えて、絵図や屏風絵などを活用しながら、日本近世という時空間の構造的・写実的な描写をめざしている。
主な著書に『近世の村社会と国家』(東京大学出版会)、『徳川の国家デザイン』(小学館)、『草山の語る近世』(山川出版社)、『村 百姓たちの近世』(岩波新書)などがある。
第20回参与会議 報告
令和6年7月8日(月)10時から第20回附属近江学研究所参与会議を開催しました。
参与会議は、県内の経済、文化、宗教、芸術など第一線でご活躍される参与の方々と、
成安造形大学の理事長、学長をはじめとする関係者にご出席いただき、
近江学研究所の活動に対してのご意見をいただくという重要な会議です。
会議では、研究所の昨年度後期から今年度前期の事業報告と研究活動についてスライドで紹介し、
参与の方々並びに学内関係者から様々なご意見をいただきました。
また、今年度2年目となる「近江のコミュニティ『惣・座・講』研究プロジェクト」に関する研究報告については
参与の皆様から、
文化誌「近江学」のテーマは独自性が高く、他大学ではできないテーマである。
近江は、地域を考える上で恵まれた場所。未来を守る取り組みをする上で重要な場所である。
などのご意見をいただきました。
今回の参与会議でいただいた様々なご意見を今後の事業運営や研究活動に活かしながら、
次年度に向けて、ますます近江学研究を深めていきたいと思います。
第29回近江学研究会 報告
近江学研究所では、年2回、
客員研究員のみなさまをお招きして研究会を開催しています。
先日、今年度第1回目の近江学研究会を開催しました。
本研究所では令和5年度から令和7年度にかけて、「近江のコミュニティ『惣・座・講』研究プロジェクト」を行っています。
2年目となる今回は、今年度の研究テーマの「座」の報告、そして次年度の研究テーマとなる「講」について、近江学研究所副所長の加藤賢治研究員から説明があり、その後、意見交換を行いました。
意見交換の中では、伝統的な「講」が減少している現状や現代の講について地域での事例を交えながらの紹介がなされたり、
「講」という言葉の位置づけについてなど、様々な意見が交わされました。
近江学研究所では、今年度の研究テーマ「座」についての研究活動を進めながら、
今回の研究会で出た様々な意見を次年度の「講」の研究につなげていこうと考えています。
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第29回近江学研究会
日時:令和6年6月17日(月) 9:30-11:00
出席者(50音順):
[客員研究員] 大原歩氏、木津勝氏、髙梨純次氏、對馬佳菜子氏
[顧 問] 木村至宏氏
[所 長] 小嵜善通
[副所長] 加藤賢治
[研究員] 石川亮、田口真太郎、永江弘之、真下武久、三宅正浩
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【公開講座】近江-はじまりのかたち「近江の惣村 自治コミュニティのはじまり」報告
近江-はじまりのかたち
「近江の惣村 自治コミュニティのはじまり」
日時:6月15日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:水野 章二 氏|滋賀県立大学名誉教授
令和6(2024)年度2回目の公開講座を行いました。
今回の公開講座では、近江の「惣」について
滋賀県立大学名誉教授の水野 章二 氏にご講演いただきました。
近江は惣村の宝庫と言われ、その名残を各地で見ることができます。
惣村とは、一般に中世後期の自治性の高い村落のことを指し、祭礼や年中行事を行い、強いつながりを維持してきました。
本講座では水野先生に湖東蒲生野の「今堀」、琵琶湖の最北端葛籠尾崎の先端近くの「菅浦」など近江を代表する中世自治村落をご紹介いただきながら、強い規制力を作り出し、紛争や飢餓、自然災害を乗り越えてきた村落の姿を眺め、人々の知恵を探ることができました。
受講者のみなさんからは、
・昔の人達の暮らしぶりや結束の様子など興味が持ててよかった
・先生の語り口が大変面白かった。一度、菅浦、大浦方面を訪ねてみたいと思う。
・かつての村の生存の厳しさと立ち向かう村民の決意団結の一端を知ることができた。
・幅広くまた深くお話が展開して、とても楽しく聞かせていただきました。
などといったご感想をいただきました。
[講師プロフィール]
水野 章二 氏(滋賀県立大学名誉教授)
1954 年、名古屋市生まれ。京都大学文学部・同大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。滋賀県立大学名誉教授・滋賀大学経済学部附属史料館客員研究員。専攻は日本中世史。中世の村落・荘園の実態分析や環境史・災害史研究に取り組んでいる。主な著書は『日本中世の村落と荘園制』(校倉書房)・『中世の人と自然の関係史』(吉川弘文館)・『里山の成立』(吉川弘文館)・『災害と生きる中世』(吉川弘文館)などがある。