近江学研究所の活動の進捗

『紀要 第5号』を発刊・WEB公開します!

紀要第5号

紀要第5号

2015年度近江学研究所『紀要』第5号を発刊しました。
近江に関する論考・研究調査報告など6点が発刊されました。
今年度からは、近江学研究所の客員研究員が寄稿もあり、充実した紀要となりました。
また、電子化し、WEB公開することになりましたので、ぜひ、ご覧ください。
= 紀要 第5号 目次 =
1、福家俊彦(天台寺門宗総本山三井寺執事長・本研究所客員研究員)
「町田久成と三井寺法明院」
2、水本邦彦(京都府立大学名誉教授、長浜バイオ大学名誉教授・本研究所客員研究員)「堅田藩の百姓一揆 -安永八年(一七七九)の代表訴訟-」
3、永江弘之(本研究所研究員・本学教授)・大原歩(本研究所研究員)
「生活文化の聞き取り調査、及び、仰木ふるさとカルタ制作」後編
4、吉村俊昭(本研究所研究員・本学教授)
「近江の絵馬」現況調査 調査報告2
5、石川亮(本研究所研究員)
「近江の水をめぐる3」
6、加藤賢治(本研究所研究員)
「真野法界寺の六斎念仏~大津市真野中村の念仏講が繋ぐコミュティの現状と課題~」
ダウンロードは>>> こちらから 
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成安造形大学附属近江学研究所紀要 第5号
発行日 平成28年3月24日
発行者 木村至宏
編集  成安造形大学附属近江学研究所
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文化誌『近江学』第8号(特集 山は語る)発刊しました

文化誌8号表紙

文化誌8号表紙

人々の生活は、常に山の恵みに依存し、
それを意識しながら営みを長く続けてきた
― 木村至宏

成安造形大学附属近江学研究所は、初年度から発刊してまいりました文化誌『近江学』第8号(特集 山は語る)を下記の通り出版いたしました。
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文化誌『近江学』第8号(特集 山は語る)
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[見所紹介]
今回の特集テーマは「山は語る」です。
近江の山は、地理的にも、文化・風景・暮らしを創り出してきました。
その姿を、論考やインタビュー、対談、そしてグラビアページなど様々な切り口で語ります。
オールカラー。
木村至宏所長が書き下ろした近江の山の総論、
宗教の母なる山「比叡山」での千日回峰行と呼ばれる苦行、
高島と若狭をむすぶ鯖街道のある奥地「朽木」の山で行われてきた「ホトラ山」でのくらし、
近江富士「三上山」の存在、
近江商人の雅な文化を育んだ綿向山、
考古資料から読む近江の山城、
自然の力強い風景を生み出す比良山系の醍醐味など、
見所が満載です。
★今号の注目★
哲学者の鷲田清一氏による書き下ろしエッセイ「滋賀と私」があります。
「美の滋賀」発信懇話会座長として、滋賀県の「美しさ」はどこになるのかを提言としてまとめた鷲田氏。いま滋賀のおかれる現状をみすえて語られることばには、多くの示唆がこめられています。
★新シリーズ★
今号から始まった新シリーズ「近江の食」。近江学研究所研究員によるリサーチを行い、特集テーマにあわせた「近江の食」の魅力をお伝えするコーナーになっています。
ぜひチェックください!
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[目次]
■「巻頭言 - 山は語る」
木村 至宏(近江学研究所所長)
■「近江の山」
木村 至宏(近江学研究所所長)
■「滋賀と私」
鷲田 清一(京都市立芸術大学学長・哲学者)
■「ペーパーカットと私」
今森 光彦(写真家)
■《対談》 「ホウダンの山ー命めぐる山の恵み」 
榎本 邦雄×大岩 剛一(近江学研究所客員研究員)
■「山に溶け込むー悉皆成仏の思想」
加藤 賢治(近江学研究所研究員)
■「近江の『山』の城」
中井 均(滋賀県立大学教授)
■「神座す山『綿向山』」
岡井 健司(日野町教育委員会生涯学習課主任)
■「近江の山 比良連山」
山本 武人(「同人 近江山歩き」代表)
■「三上山」
寿福 滋(写真家)
■新シリーズ《近江の食シリーズ ―山》
・「香魚」      藤澤 武夫(クリエイティブディレクター)
・「余呉の山カブラ」 吉村 俊昭(近江学研究所研究員)
・「政所茶」     小嵜 善通(近江学研究所研究員)

■《近江の意匠シリーズⅦ》「攀桂堂 十五代藤野雲平 雲平筆」

西久松 吉雄(近江学研究所研究員)
■「日吉大社蔵 絵馬 ー 長沢芦雪筆「猿図」絵馬復元模写」
吉村 俊昭(近江学研究所研究員)

木村近江学とも言われる「山・道・湖」の第一弾 として山の総論を掲載 「巻頭言 ―山は語る」「近江の山」著:木村至宏所長 写真:寿福滋

木村近江学とも言われる「山・道・湖」の第一弾
として山の総論を掲載
「巻頭言 ―山は語る」「近江の山」著:木村至宏所長 写真:寿福滋

「神座す山 綿向山」 著・写真:岡井 健司

「神座す山 綿向山」
著・写真:岡井 健司

ホトラ山の草を原料とした肥づくりの仕組み 「ホウダンの山」 榎本 邦雄×大岩 剛一 写真:永江弘之

ホトラ山の草を原料とした肥づくりの仕組み
「ホウダンの山」
榎本 邦雄×大岩 剛一 写真:永江弘之

1日に約60kmの山道を歩く比叡山の千日回峰行の背景にある悉皆成仏の思想 「山に溶け込むー悉皆成仏の思想」著:加藤賢治

1日に約60kmの山道を歩く比叡山の千日回峰行の背景にある悉皆成仏の思想
「山に溶け込むー悉皆成仏の思想」著:加藤賢治

新シリーズ《近江の食シリーズ ―山》

新シリーズ《近江の食シリーズ ―山》

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附属近江学研究所 文化誌『近江学』第8号出版
特集   「山は語る」
発行    成安造形大学附属近江学研究所
〒520-0248滋賀県大津市仰木の里東4丁目3-1
発行者   木村 至宏(近江学研究所所長)
編集    小嵜 善通(近江学研究所研究員)
写真    寿福 滋
デザイン  大向デザイン事務所
印刷    宮川印刷株式会社
発売元   サンライズ出版株式会社
〒522-0004滋賀県彦根市鳥居本町655-1
発効部数  1,600部
定価    1,800円+税
*12月中旬には、滋賀県下の主な書店にて販売。
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[購入方法]
◎12月中旬には、滋賀県下の主な書店にて販売いたします。
◎「サンライズ出版WEBサイト」から>>>こちらから
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日吉大社赤鳥居前に「日吉山王宮曼荼羅」の境内図を奉納(記者発表報告)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)」 (原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」
(原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

成安造形大学美術領域日本画コースの学生有志が、2015年5月から7カ月間取組んできた「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」が完成いたしました。
先人の画業に触れながら、室町時代に描かれた日吉大社蔵 紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」を基に現代版として原画を制作するというプロジェクトの成果です。
監修・指導として、近江学研究所の吉村研究員が関わりました。
完成に際し、12月15日(火)日吉大社にて、お披露目の記者会見が行われました。
当日は、2016年の干支絵馬のお披露目も合わせて行われ、赤鳥居の前で、絵馬の奉納の神事が行われました。

境内図として設置されました

境内図として設置されました

奉納の神事

奉納の神事

奉納の神事

奉納の神事

奉納された「日吉山王宮曼荼羅」の前で、記念撮影。 左から 馬渕宮司、橋爪さん、梶浦さん、今岡さん、吉村研究員、須原禰宜

奉納された「日吉山王宮曼荼羅」の前で、記念撮影。
左から 馬渕宮司、橋爪さん、梶浦さん、今岡さん、吉村研究員、須原禰宜

取材の様子

取材の様子

奉納の後は、社務所の2階にて記者会見。
吉村研究員はじめ、原画制作に中心的に関わった学生3名、今岡一穂さん(美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)、梶浦隼矢さん(美術領域日本画コース研究生)、橋爪千夏さん(美術領域日本画コース3年生)が出席し、制作への想い、難しかったところなどお話をしました。
日吉大社の矢部禰宜は、「桃山時代~室町時代に描かれた山王宮曼荼羅の現代版が、今描かれることに意味があると感じている」とおっしゃっていました。

社務所にて記者会見

社務所にて記者会見

馬渕宮司のご挨拶

馬渕宮司のご挨拶

吉村俊昭研究員

吉村俊昭研究員

美術領域日本画コース卒業生・美術領域アシスタント  今岡 一穂さん

美術領域日本画コース卒業生・美術領域アシスタント 
今岡 一穂さん

美術領域日本画コース研究生 梶浦隼矢さん

美術領域日本画コース研究生
梶浦隼矢さん

美術領域日本画コース3年生 橋爪千夏さん

美術領域日本画コース3年生
橋爪千夏さん

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「日吉山王宮曼荼羅」制作について
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〈解説〉
日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)は、中央に八王子山を配し社殿草木を俯瞰的に描いた、室内に置ける観相のために描かれた礼拝図である(大津市歴史博物館「比叡山」図録より)。日吉山王宮曼荼羅は鎌倉時代から江戸時代にかけて多く描かれ諸所に名品が残る。
現代の宮曼荼羅図を描くにあたり、比叡山延暦寺蔵、日吉大社蔵の絹本宮曼荼羅図を参考に、礼拝図よりも境内図としての説明要素を強調しながら、遥拝対象の社殿、磐、草木を具体的に描くように努めた。何分、大きな宮曼荼羅となるため、1/4の草稿(下書き)作成から1/2の原画作成、写真データによる拡大図と3段階の制作過程を踏み、日吉神社から社殿、遥拝所の説明を受けながら描き進めた。
霞による遠近の表現や、自然風景を柔らかく抒情的に描くやまと絵の画風を取り入れて画面構成するのは、日本画専攻の学生にとっても日常の作品表現とは異なる。社殿草木の象徴的な形や色彩の表現については、幼いころより現代的な写実表現を基礎にしてきた経験とは異質であり、かなりの戸惑いがあった。しかし、伝統的な和の表現技法や線描、金泥紛や岩絵具など描画材料の扱いはかえって新鮮に映り、学生の日常制作に新たな視点を与えたといえる。
礼拝図の要素は少なくなっているが、多くの参拝の方々に境内図として見ながらも、礼拝の気持ちで現代の日吉山王宮曼荼羅の美しさを楽しんでいただければ嬉しく思います。           (吉村俊昭)

 紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」(一部)

紙本彩色「日吉山王宮曼荼羅図」(一部)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら)」 (原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

「日吉山王宮曼荼羅(ひえさんのうみやまんだら」
(原画2枚組みを撮影し、PCにて合成編集)

日吉山王宮曼荼羅 原画のデータ
外 形  縦120cm×横180cm
制作期間 2015年5月~2015年11月
作図指導 吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
制作者
吉村 俊昭(よしむら としあき/成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
今岡 一穂(いまおか かずほ/美術領域アシスタント、美術領域日本画コース卒業生)
梶浦 隼矢(かじうら じゅんや/美術領域日本画コース研究生)
橋爪 千夏(はしづめ ちなつ/美術領域日本画コース3年生)
大野久留実(おおの くるみ/美術領域日本画コース3年生)
土師志津佳(はぜ しづか /美術領域日本画コース2年生)
前田 彩乃(まえだ あやの/美術領域日本画コース2年生)
奉納先  山王総本宮日吉大社
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マスコミにも紹介されました
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朝日新聞 「申の大絵馬登場 学生作、境内図も 日吉大社」(滋賀版)2015年12月20日付けhttp://www.asahi.com/articles/ASHDH3GB3HDHPTJB008.html

淡海の夢2015風景展関連企画 アーティストトークを行ないました

日時:2015年12月12日(土)15:00~16:30
場所:成安造形大学 I棟プレゼンルーム
講師:永江弘之(イラストレーション領域准教授・本学附属近江学研究所研究員)、待井健一(イラストレーション領域非常勤講師)
タイトル:淡海の夢2015風景展 アーティストトーク

左:待井先生 右:永江先生

左:待井先生
右:永江先生


12月8日(火)からギャラリーアートサイトにて開催している「淡海の夢2015風景展」の関連企画として、12月12日(土)アーティストトークを行ないました。
講師は、ファンタジックな風景画をてがける待井健一先生(イラストレーション領域非常勤講師)と、本展覧会や写生会の企画者で、主にアクリル絵具で風景画を描く永江弘之(イラストレーション領域准教授・本学附属近江学研究所研究員)が担当しました。
まず、待井先生の原画を見せていただき、どのような風景画を描いているかを知ってから、お二人それぞれの風景画を描く魅力について語っていただきました。
また、「淡海の夢2015風景展」の入賞作品についての講評をスライドで作品をみながら行いました。
約25人の出品者や学生、教員の皆さんが参加され、熱心にメモをとりながら聞き入っていました。


原画を見ながら、風景画の魅力について解説

原画を見ながら、風景画の魅力について解説


スライドで受賞作品の総評を行いました

スライドで受賞作品の総評を行いました


プレゼンルームでのレクチャーが終わった後は、展覧会場にて出品者の皆さんの作品について解説を行うなど、18時近くまで会場はにぎわいました。
寒い中お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。
展覧会は12月19日(土)まで開催中です。

《展覧会の様子を映像で撮影しました(1分30秒)》
「淡海の夢2015風景展」、そして同時開催している「湖国を描く絵画展」の様子を映像でまとめました。
永江弘之研究員のインタビューも入っています。ご覧ください。※この映像は、びわこ放送で放映されました。
撮影・編集:新立翔(地域連携推進センター)

木村至宏氏:2015近江学フォーラム会員限定講座 第5回

日時:2015年12月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:木村至宏氏(近江学研究所所長)
タイトル:近江の偉人たち近世「芭蕉と近江」

木村至宏所長

木村至宏所長


平成27年度近江学フォーラム会員限定講座の締めくくりは、木村所長に、ご専門の中でも特に力を入れて研究された松尾芭蕉について、熱く語っていただきました。
「近江の風景をこよなく愛したという松尾芭蕉には、大津や堅田にたくさんの門人がおり、頻繁に彼らを訪ねてこの地にやってきた。晩年には、石山に幻住庵、膳所に無名庵を築き、大津絵の筆のはじめは何仏、鎖(じょう)あけて月さし入れよ浮御堂、など有名な句を残した。」など、芭蕉の生涯が年表でじっくり紹介されました。
最後に木曽(源)義仲に対する芭蕉の思いと、その思いによって芭蕉の亡骸が大阪から、大津に移され、木曽義仲の墓所の隣に葬られたという話が語られ、芭蕉という偉大な人物と、近江という風光明媚で歴史文化風土豊かな土地との素晴らしい出会いがあったと締めくくられました。


■講演内容
芭蕉は42歳のとき初めて近江を訪れました。
その後、木曽義仲の眠るそばの無名庵を定宿にし、多くの門人と交遊し、「行く春を近江の人と惜しみける」などの名句を残します。とくにこよなく近江の風景を愛した芭蕉が、近江を第二の故郷にした経過を探ります。

■講師プロフィール

1935年滋賀県生れ。大谷大学大学院文学研究科中退。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。‘09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。‘96年第40回京都新聞文化賞受賞。‘04年滋賀県文化賞受賞。‘13年平成25年地域文化功労者文部科学大臣表彰
主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001サンライズ出版)、「日本歴史地名大系滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数

第7回近江学フォーラム現地研修 開催


2015年10月3日(土)、第7回目近江学フォーラム現地研修が行なわれました。
今年のテーマは、「近江の偉人の足跡を訪ねて」です。
近江学フォーラム会員限定講座として、9月26日(土)に「俳人・森川許六の絵画」と題して、大彦根城博物館学芸員の髙木文恵氏より講演いただき、現地研修で訪れる彦根の井伊家ゆかりの禅寺龍潭寺の森川許六の襖絵について、事前勉強を行ないました。

(撮影:津田睦美研究員)

(撮影:津田睦美研究員)


今年は近江の偉人を訪ねる現地研修です。
近江商人伊藤忠兵衛の生家、ヴォーリズ建築、彦根藩主井伊家ゆかりの寺、近世の俳人・絵師 森川許六の襖絵、小堀遠州作庭と伝わる庭など、それぞれの人物の足跡をたどりました。
当日は、現地研修を始めて一番のお天気に恵まれ、東京や福岡、和歌山、岡山などの遠方や、兵庫、大阪、京都、滋賀の京阪神から近江学フォーラム会員80名の方がご参加いただきました。
バス2台に分かれて、コースをめぐり、各箇所では解説を行いました。
多賀大社 参集殿

多賀大社 参集殿


昼食は、多賀大社参集殿へ。
昼食前には、多賀大社片岡禰宜によるごあいさつと、
食後は、木村所長によるミニレクチャーがあり、今回取り上げた偉人と彦根地域にまつわる歴史・文化のお話がありました。
ご挨拶   多賀大社 片岡禰宜

ご挨拶  
多賀大社 片岡禰宜


木村至宏所長によるレクチャー

木村至宏所長によるレクチャー


[コース案内]
■ 浄土宗 宗安寺/彦根市
佐和山城正門を移築した赤門がある宗安寺。石田三成の念持仏「千体仏」、本尊の阿弥陀如来像は淀殿の念持仏が祀られる。また大坂夏の陣で敗れた豊臣方の勇将木村重成の首塚でも知られています。
吉村俊昭研究員と加藤賢治研究員による木村重成の首塚の解説も行いました。
 
浄土宗 宗安寺 佐和山城正門を移築した赤門

浄土宗 宗安寺
佐和山城正門を移築した赤門



木村重成の首塚(撮影:津田睦美研究員)

木村重成の首塚(撮影:津田睦美研究員)


■ 臨済宗龍潭寺 /彦根市
井伊家発祥の地、井伊谷(現静岡県浜松市)から移建し開山した井伊家の菩提寺。
森川許六筆による山水・人物・花鳥・走獣など多様な襖絵、昊天和尚と小堀遠州合作と伝わる「鶴亀蓬莱庭園」など、井伊家との縁が深く、見所が多いお寺でした。
小嵜善通研究員による森川許六についての解説と、住職による 龍潭寺の歴史や庭園の解説を聞き、堪能しました。
臨済宗  龍潭寺

臨済宗  龍潭寺


(撮影:津田睦美研究員)

(撮影:津田睦美研究員)


住職による解説 (撮影:津田睦美研究員)

住職による解説
(撮影:津田睦美研究員)


森川許六筆と伝わる襖絵 (撮影:津田睦美研究員)

森川許六筆と伝わる襖絵
(撮影:津田睦美研究員)


■ 多賀大社
「伊邪那岐大神は淡海の多賀に坐すなり」(古事記712年)とあり、古くから多賀の地で、熊野・伊勢と並び厚い信仰を集める。多賀大社の総本山。多賀大社前の絵馬通りのおみやげ物も楽しみました。
多賀大社

多賀大社


■ 伊藤忠兵衛記念館/犬上郡 豊郷町
伊藤忠・丸紅の創始者、初代伊藤忠兵衛の旧邸、二代忠兵衛の生家である豊郷本家。繊維卸から「総合商社」への道を拓いた その足跡を見学しました。
記念館ボランティアスタッフの方が解説くださいました。
伊藤忠兵衛記念館 (撮影:津田睦美研究員)

伊藤忠兵衛記念館
(撮影:津田睦美研究員)


ガイドによる解説 (撮影:津田睦美研究員)

ガイドによる解説
(撮影:津田睦美研究員)


■ 豊郷小学校旧校舎群/犬上郡 豊郷町
昭和12年に竣工された「豊郷尋常高等小学校」。
丸紅の専務である古川鉄治郎による私財3分の2もの寄付を元に、ヴォーリズが設計され「東洋一の小学校」といわれた。地域のボランティアガイドの解説に合わせて、館内をめぐり、「貴賓室」「理科室」など特別見学しました。
豊郷小学校旧校舎群 (撮影:津田睦美研究員)

豊郷小学校旧校舎群
(撮影:津田睦美研究員)


豊郷小学校旧校舎講堂 (撮影:津田睦美研究員)

豊郷小学校旧校舎講堂
(撮影:津田睦美研究員)


(撮影:津田睦美研究員)

「棚田・里山、湖辺の郷ー淡海の夢2015風景展」開催・受賞作品発表

淡海の夢2015風景展DM1110(一部)(画像面)
「淡海の夢2015風景展」
今年で13年目を迎える、公募風景展です。
琵琶湖を中心とした湖国の自然や風景、町並みは今、次世代に引き継ぎたい美しく貴重な日本の原風景として
広く注目されています。
一般の方や学生の作品を通して、近江の素晴らしい景観と固有の価値を再発見していただけると幸いです。
また、関連企画として、アーティスト・トークを開催します。
企画者の永江弘之研究員と、写生会の講師と賛助作品を出品いただいている待井健一先生(イラストレーション領域非常勤講師)が、展示作品や風景写生の醍醐味について語ります。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
【公募展】  「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2015風景展」
【会 期】  12月8日(火)~12月19日(土)
12:00~18:00 | 入場無料 | 日曜休館 |
【会 場】  成安造形大学 ギャラリーアートサイト
【関連企画】 アーティスト・トーク
12月12日(土)15:00~16:30
会場:成安造形大学 I棟1階プレゼンルーム(アートサイト横教室)
「淡海の夢」企画者の永江弘之と、本学非常勤講師の待井健一が、展示作品や風景写生会の醍醐味について語ります。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
入場無料・申込不要
【企画・監修】永江弘之(成安造形大学准教授・近江学研究所研究員)
【主 催】  成安造形大学附属近江学研究所
【協 賛】  株式会社クサカベ、ホルベイン工業株式会社
【作品数】55点
【淡海の夢2015風景展 受賞者】(五十音順)
クサカベ賞

■玉本 望さん『反射』(油絵)

2015クサカベ賞 玉本 望さん『反射』(油絵)

2015クサカベ賞 玉本 望さん『反射』(油絵)


■鯰江 浅樹さん『幻案寺』(鉛筆画)
 2015クサカベ賞 鯰江 浅樹さん『幻案寺』(鉛筆画)


2015クサカベ賞 鯰江 浅樹さん『幻案寺』(鉛筆画)


■新谷 婦美子さん『あはうみ』(日本画)
2015クサカベ賞 新谷 婦美子さん『あはうみ』(日本画)

2015クサカベ賞 新谷 婦美子さん『あはうみ』(日本画)


■西本 明夫さん『Dreams time』(写真)
2015クサカベ賞 西本 明夫さん『Dreams time』(写真)

2015クサカベ賞 西本 明夫さん『Dreams time』(写真)


■福永 勝治さん『魚群シリーズ鯉「越冬」』(油絵具、カラースプレー、クレパス、鉛筆)
2015クサカベ賞 福永 勝治さん『魚群シリーズ鯉「越冬」』(油絵具、カラースプレー、クレパス、鉛筆)

2015クサカベ賞 福永 勝治さん『魚群シリーズ鯉「越冬」』(油絵具、カラースプレー、クレパス、鉛筆)


ホルベイン賞 
■奥居 慧さん『かおる陽』(クレパス)
2015ホルベイン賞 奥居 慧さん『かおる陽』(クレパス)

2015ホルベイン賞 奥居 慧さん『かおる陽』(クレパス)


■金崎 留美子さん『古木』(水彩画)
2015ホルベイン賞 金崎 留美子さん『古木』(水彩画)

2015ホルベイン賞 金崎 留美子さん『古木』(水彩画)


■仁志出 孝春さん『6月の庭園』(アクリル・ボールペン)
2015ホルベイン賞 仁志出 孝春さん『6月の庭園』(アクリル・ボールペン)

2015ホルベイン賞 仁志出 孝春さん『6月の庭園』(アクリル・ボールペン)


■野田 さゆかさん『堅田水路』(アクリル)
2015ホルベイン賞 野田 さゆかさん『堅田水路』(アクリル)

2015ホルベイン賞 野田 さゆかさん『堅田水路』(アクリル)


■細矢 昌孝さん『棚田の思ひ出(仰木の棚田にて)』(アクリル)
2015ホルベイン賞 細矢 昌孝さん『棚田の思ひ出(仰木の棚田にて)』(アクリル)

2015ホルベイン賞 細矢 昌孝さん『棚田の思ひ出(仰木の棚田にて)』(アクリル)


成安造形大学キャンパスが美術館webサイトはこちら
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また、学内のギャラリーで他にも“風景の展覧会”開催されます!あわせてご高覧ください!!
「第20回 湖国を描く絵画展 ―湖国の表現展2015―」/ ライトギャラリーと、G棟103教室
会期:12月8日(火)〜12月17日(木) 12:00〜18:00
日曜休・入場無料 ※入賞作品のみ展示
「イラストレーション領域3年選択科目作品展【風景描写】」/ クロッシングギャラリー(C棟102教室)
会期:12月8日(火)〜19日(土)
会場:クロッシングギャラリー(C棟102号室)
日曜休・入場無料
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連続公開講座 藤森照信氏『神様の作った自然と人の作る建築のつなぎ方ー』報告

日時:2015年11月21日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:藤森 照信 氏(建築史家、建築家[工学博士])
タイトル:特別公開講座 『近江~縄文のかたちー神様の作った自然と人の作る建築のつなぎ方ー』

藤森 照信 氏

藤森 照信 氏


この日は、「近江のかたちを明日につなぐ」連続公開講座シリーズの特別講座として、日本国内はもとより、世界でご活躍されている建築家の藤森照信先生にご登壇いただきました。
藤森先生は、一貫して自然素材や植物を用いて、独創的な建築をつくり続け、藤森先生の思想に賛同する建築集団「縄文建築団」が建築に関わることも大きな特徴となっています。
滋賀県においては、2015年の1月に近江八幡の北ノ庄にオープンした「たねやグループ」のフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡 メインショップ(草屋根)」を手がけられ、自然と人を結びつける建築のあり方を提案されています。
講座では、藤森先生がこれまでに設計された建築物が解説され、「建築物にはつぎ目という厄介なものがあるが、人間や動物には、つなぎ目は無い」など藤森哲学の一端が所々で披露されました。
建築作品について語る

建築作品について語る


満席の会場

満席の会場


■講座内容
藤森氏は建築史家として近代建築史、都市史研究の第一人者として多くの業績を残され、1991年に出身地の長野県茅野市で「神長官守矢資料館」を建築家としてはじめて設計されました。
以後は、一貫して自然素材や植物を用いて、これまで20作品を超える独創的な建築を創り続け、建設業者が対応できない建築の一部を藤森氏の思想に賛同する建築集団「縄文建築団」が行うことも藤森建築の大きな特徴となっています。
また、藤森氏が参加する「路上観察学会」の活動は、都市の隠された神秘や社会背景を浮びあがらせ、藤森氏の建築物に影響していると考えられます。
2015年1月滋賀県近江八幡市に完成した「たねやグループのフラッグシップ店 ラ コリーナ 近江八幡メインショップ〈草屋根〉」ができるプロセスを含め、自然と人と対話しながらつくる「フジモリ哲学」に迫ります。
■藤森 照信 氏プロフィール (建築史家、建築家[工学博士])
1946年長野県諏訪郡宮川村(現茅野市)生まれ。‘71年東北大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院にて近代建築、都市計画史専攻。‘86年赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を結成。‘91年神長官守矢資料館で建築家デビュー。東京大学生産技術研究所教授、東京大学大学院教授を経て、現在東京大学名誉教授。‘06年第10回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展にて日本館コミッショナーを務める。‘15年滋賀県近江八幡市北之庄「ラ・コリーナ たねやフラッグシップ店〈草屋根〉」竣工
主な受賞:1980年日本都市計画学会賞、‘83年毎日出版文化賞、‘86年建築探偵の冒険・東京篇サントリー学芸賞、‘97年日本芸術大賞、2001年日本建築学会賞受賞。

佐々木悦也氏:2015近江学フォーラム会員限定講座 第4回

日時:2015年11月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:佐々木悦也氏(高月観音の里歴史民俗資料館副参事/学芸員)
タイトル:「誠信外交の実践者・雨森芳洲~異文化理解のこころを学ぶ~」

講師 佐々木悦也先生

講師 佐々木悦也先生

近江の近世の偉人たちを顕彰する今年度の近江学フォーラム会員限定講座は、今回で四回目となります。
この日は、長浜市の高月観音の里歴史民俗資料館副参事で学芸員の佐々木悦也先生にご登壇いただき、
「誠信外交の実践者」と題して朝鮮通信使を通じて異文化交流を実践した雨森芳洲についてお話いただきました。

木村所長による紹介を受ける佐々木先生

木村所長による紹介を受ける佐々木先生

前半部分は、朝鮮通信使に関する記録をユネスコの世界記憶遺産に登録する動きについて紹介され、
先日長浜城歴史博物館他で開催された展覧会に出品された朝鮮通信使に関する貴重な史料について、スライドを交えて解説がありました。
後半は、雨森芳洲という人物が、どのように外交について考えていたかなど、雨森芳洲の思想に関する考察が熱く語られました。
中国語や朝鮮語を学ぶための教科書の作成や、通訳者の育成、徳川幕府と朝鮮通信使との2度にわたる折衝役など、芳洲の偉業を臨場感を持って理解することができました。
佐々木先生は、まとめとして、芳洲が成し遂げた最も大事な事績は、現代の外交の精神にも繫がる「誠信」を持った外交のあり方であると強調されました。
朝鮮の文化を理解し、わが国との違いをしっかり認識したうえで、交流を行うことがいわゆる「誠信の交わり」というもので、これを実践することが真の異文化交流であり、国際交流であるとう芳洲の思いを知ることができました。

(報告:加藤賢治 近江学研究所研究員)

学生にもわかりやすく、クイズも交えた講座

学生にもわかりやすく、クイズも交えた講座


【講座概要】
長浜市高月町雨森出身と伝える雨森芳洲(1668~1755)は、江戸時代中期、対馬藩(現長崎県対馬市)に仕えた儒学者です。藩では文教をつかさどるかたわら、内政・外交・藩主の御用人などを務めました。ことに外交面では、隣国朝鮮との交流で「誠信の交わり」を説き、朝鮮通信使を通じて善隣外交を実践した国際人です。 その「対等互恵」「相互理解」の思想は、そのまま現代の国際認識にも当てはまり、時空を超えてなお、我々に多文化共生の指針を示し続けています。
【講師プロフィール】
佐々木悦也 氏(高月観音の里歴史民俗資料館副参事/学芸員)
1960年生まれ。大谷大学文学部卒業。湖北地方の仏教文化をはじめ、歴史・民俗・先人など幅広く調査研究をおこなうほか、各種講座の企画運営、地域の文化財の保護、メディアを利用して文化財情報の発信などをおこなっている。現在、日本と韓国が共同で進めている「朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産登録」の日本学術委員会委員も務めている。主な著書 『近江歴史回廊 近江観音の道』(共著・淡海文化を育てる会)、『京都・滋賀 かくれ里を行く』(共著・淡交社)、『宗家記録と朝鮮通信使』(共著・朝日新聞社)、『江戸時代人づくり風土記25滋賀』(共著・農文協)『雨森芳洲関係資料調査報告書』(滋賀県教育委員会編)
◆高月観音の里歴史民俗資料館 WEBサイトは>>こちらから

淡海の夢2015-堅田・湖族の郷写生会を開催しました

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10月18日(日)、淡海の夢2015「堅田・湖族の郷写生会」を開催しました。
天候に恵まれ、暑さを感じるくらいの雲一つない快晴のなかで写生会はスタート。
一般のかた20名、学生10名の30名の参加をいただきました。
はじめに、堅田漁業会館前で企画者の永江研究員から写生のポイントの解説やコツのレクチャーがあり、その後参加者のみなさんは写生場所を探しに行かれました。
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快晴で琵琶湖も空も青々と美しく、絶好の写生日和
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講評会では、永江研究員と本学非常勤講師の待井先生から、参加者の描きたかったポイントや、狙いなどを聞きながら丁寧な講評が行われました。
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思い思いの場所で描かれた作品の講評をする講師の永江研究員と待井先生
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講評では琵琶湖と空の構図のバランスのとり方や、今回のような快晴の日の写生のポイントの解説がありました。
快晴の風景には、空の青さの影響で影の色に青味があったり、明暗がはっきりするので、そこもよく観察するとより魅力的な絵になるとのアドバイスがありました。
野外での写生の醍醐味を味わうことができる一日になりました。
またこの日は、堅田にぎわい市も開催されていて、堅田の町はにぎやかな一日となっていました。
堅田にぎわい市の様子
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