おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

イベント

日吉大社所蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬 復元模写 記者発表を行ないました。

取材撮影風景

取材撮影風景

成安造形大学附属近江学研究所は、
本日(2014年7月24日)、今年度、日吉大社所蔵の長沢芦雪(ながさわろせつ)筆の「猿図(さるず)」絵馬の復元模写に取り組む「日吉大社所蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬 復元模写プロジェクト」について、記者発表を行ないました。
記者発表には、5社より取材いただきました。
また、日吉大社から井口禰宜、須原権禰宜に出席いただき、
本研究所からは、木村所長、吉村研究員、西久松研究員、加藤研究員が説明を行ないました。

絵馬研究の主担当である吉村研究員から解説

絵馬研究の主担当である吉村研究員から解説

絵馬を復原することになった経緯は、
昨年度から近江学研究所で取り組んできた「近江の絵馬現況調査」の中で、この絵馬の存在を知り、日吉大社様の全面的なご協力をいただき、復元模写の機会を得ました。

日吉大社の井口禰宜、須原権禰宜も取材を受けていただきました

日吉大社の井口禰宜、須原権禰宜も取材を受けていただきました

この絵馬は、江戸時代、円山応挙の弟子として京都で活躍した絵師長沢芦雪が39歳の頃に描いたものです。
猿の親子が描かれ、ほぼ剥落しているものの落款部がはっきりと残り、芦雪の作だと考えられます。

絵馬復元模写に取り組む、美術領域4年の今岡一穂さんも取材を受けました。

絵馬復元模写に取り組む、美術領域4年の今岡一穂さんも取材を受けました。

今後は成安造形大学美術領域日本画コースと附属研究機関である近江学研究所が協働し、この絵馬の復元模写に取り組みます。
この復元模写に取り組む学生にとっては、先人の画業に触れながら絵馬を復元するという大変貴重な経験となると考えています。
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[復元模写 公開作業 第1弾]
絵馬復元作業を 成安造形大学「オープンキャンパス(7月27日)」にて公開します

日時 7月27日(日) 10:00~ 12:30~ 15:00~
場所 成安造形大学E棟 1階 美術領域 OPEN STUDIOコーナーにて
作業内容 絵馬の剥落をとめるための、樹脂の充てん作業
当日のお問い合わせは、受付にて、近江学研究所(加藤)までご連絡ください。
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日吉大社の長沢芦雪筆「猿図」絵馬について
テキスト:小嵜善通(成安造形大学芸術学部教授、附属近江学研究所研究員)

復元模写にとりくむ日吉大社蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬

復元模写にとりくむ日吉大社蔵 長沢芦雪筆「猿図」絵馬

親子の猿を描いた本絵馬は、落款から江戸後期の京都の画家長沢芦雪(1754〜99)が寛政4年(1792)に描いたものと判明する。画面の剥落が著しく図様も定かでないため既に美術的価値は失われているが、朱文氷形「魚」印の欠損の有無により、記年銘の希少な芦雪作品の年代を分ける指標となる作例として重視されてきた作品である。また、奉納者である藤井正脩は、広島城下一の呉服商富士屋の一族で、その京都店の三代目主人である。芦雪が寛政6年に広島に下向し、多くの作例を当地に残すこととなるキーパーソンがこの藤井正脩であったことを知らせてくれる点においても、本絵馬の資料的価値は高い。
芦雪は写実的な作風で知られる円山応挙の弟子で、師の様式に基づきながらも、動きのある、意表をついた奇抜な作風で知られる。和歌山県の無量寺、成就寺、草堂寺の襖絵がつとに名高い。また、子供や動物の親子を描いた作品が多く認められる点は、彼の4人の子供がいずれも夭逝するなど、家庭運の薄かったことが作品に影を落としているとも考えられている。
絵馬のデータ
外 形 縦78.7cm×横90.4cm
画 面 縦68.3cm×横80.0cm
墨書銘 「奉納 寛政四壬子五月吉祥日 藤井正脩」
落 款 「蘆雪写」
印 章 朱文氷形「魚」印(欠損のない完全印)
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『長沢芦雪 絵馬「猿図」復元模写プロジェクト』 記者発表
日 時:平成26年7月24日 (木) 11:00〜12:00
場 所:成安造形大学聚英館2階小会議室
出席者:木村 至宏(成安造形大学 名誉教授、附属近江学研究所所長)
吉村 俊昭(成安造形大学 芸術学部教授、近江学研究所研究員)
西久松吉雄(成安造形大学 芸術学部教授、美術領域主任、近江学研究所研究員)
井口  健(山王総本宮日吉大社 禰宜)
須原 紀彦(山王総本宮日吉大社 権禰宜)
今岡 一穂(美術領域日本画コース4年生)

寺島 典人氏:2014近江学フォーラム会員限定講座 第2回

日時:2014年7月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:寺島 典人氏(大津市歴史博物館学芸員)
タイトル:「近江の仏像とその見方」

寺島典人氏

寺島典人氏


 7月12日(土)、近江学フォーラム会員限定講座「近江の仏教文化」シリーズ第2弾、
「近江の仏像とその見方」を開催しました。
 講師には、大津市歴史博物館学芸員で仏像の調査・研究がご専門の寺島典人先生にご登壇いただきました。
 この日は、湖南市の古刹をめぐる現地研修(10月5日開催)のための事前講義として設定しており、専門的な仏像研究の話ではなく、現地研修で拝観する仏像の種類や、信仰のかたち等をわかりやすく紹介していただきました。
 はじめに、仏像の基本として、釈迦誕生仏から、苦行像、涅槃像、仏舎利、塔の紹介、そして、インドのバラモン教から異端派として登場してきた仏教の六道輪廻転生という思想の解説がされました。
如来の印を学ぶ受講者のみなさん

如来の印を学ぶ受講者のみなさん


 そのうえで、仏像を①如来部、②菩薩部、③明王部、④天部という4つのグループにわけて解説いただきました。
具体的には、釈迦如来や西方極楽浄土の阿弥陀仏、大日如来の手のかたちや、観音菩薩が三十三に姿を変えることや、不動明王の不思議、梵天・帝釈天の偉大さなど、少ない時間でしたが複雑な仏像の形式を詳しくまたわかりやすく解説いただきました。

 最後には神仏習合や本地垂迹など神像の話しにも触れられ、近江の仏像を中心としながら信仰の深さを知ることができました。
講座修了後、「仏像のわからなかった難しいところを教えていただき、現地研修が楽しみです」「先生の話し方がわかりやすく大変勉強になりました」など満足度の高いメッセージをたくさんいただきました。
報告:加藤賢治(近江学研究所研究員)
寺島 典人氏 プロフィール
1969年北海道札幌市生れ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程中退。仏教美術(彫刻史)専門。

仰木ふるさとカルタが布絵本になりました!

完成した布カルタ。カルタの担当だった永江研究員にお披露目。

完成した布カルタ。カルタの担当だった永江研究員にお披露目。


大津市のボランティアグループ「布絵本サークルさえずり」は、
50~80代の洋裁を得意とするお母さんたちの集まりです。
その「さえずり」のみなさんが、
昨年4月に近江学研究所が研究活動の成果として発表した「仰木ふるさとカルタ」を
布絵本の題材にして、制作をされました。
昨年の7月頃から制作をはじめられ、この度48枚が完成し、
展覧会にてお披露目をすることになりました。
干し柿もひとつひとつが膨らみをつくっています

干し柿もひとつひとつが膨らみをつくっています


背景などの布は染めなおしたり、昔の布を使ったりと工夫しています

背景などの布は染めなおしたり、昔の布を使ったりと工夫しています


7月は、滋賀銀行本店ロビーにて展示されます。
8月は、仰木ふれあい夏祭りに合わせて、近江学研究所とタイアップ!
会場である仰木太鼓会館にて1日だけですが展示し、
仰木のみなさんに布カルタをお披露目します。
1枚1枚に絵に合わせて技法が工夫され、
とても魅力的な布カルタになっています。
ぜひ、興味がある方はご覧ください。

カルタの解説書布カードも。文字はすべて手書きです。

カルタの解説書布カードも。文字はすべて手書きです。


展示情報(1)
日時:2014年7月1日(火)~7月31日(木) 9:00~14:30 土日祝休み
場所:滋賀銀行本店ロビー(京阪浜大津より徒歩5分)
作品:鈴木靖将作「ごんぎつね」、成安造形大学製作「仰木ふるさとカルタ」など展示します。
展示情報(2)
日時:2014年8月2日(土) 17:30~20:30
場所:仰木ふれあい夏祭り会場 仰木太鼓会館前広場
作品:成安造形大学製作「仰木ふるさとカルタ」
「仰木ふるさとカルタ」について 
学生12名が参加し、2年をかけて、
大津市仰木地区のおじいちゃんおばあちゃんから生活文化の聞き取りをし、
読札・絵札を制作しました。
昭和40~60年代の記憶のつまった、想いをこめた素敵なカルタです。
>>くわしくは、こちらから

淡海の夢2014-仰木・棚田写生会を開催しました

6月21日(土)に淡海の夢2014「仰木・棚田写生会」を開催しました。
当日は、曇天で雨も心配されましたが、無事写生会は開催されました。
曇り空が続きましたが、雲が多い天気で、暑すぎない写生日和になりました。
一般の参加者17名と本学イラストレーション領域の学生7名の写生会となりました。
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開催にあたり、写生会企画者の永江研究員から開催のあいさつと、写生のポイントと仰木の棚田の獣害問題による柵の設置の説明が行われました。
続いて、今回の写生会の講師をしていただく本学非常勤講師のグラフィックデザイナーの板東勲先生の紹介が行われました。
板東先生が出版された関西の老舗飲食店を水彩画で描いた「味のある風景」(淡交社)の紹介もされました。

左:永江研究員 右:板東先生

左:永江研究員 右:板東先生


その後、参加者のみなさんは緑が広がる棚田へ写生に向かわれました。
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写生のアドバイスをする板東先生

写生のアドバイスをする板東先生


講評会では、日頃写生をされている方から、写生会にはじめて参加された方や数十年ぶりに絵を描いた方まで様々な参加者の力作ぞろいの作品が講評会で並びました。
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講評は永江研究員と板東先生が一つ一つの作品を丁寧に講評しました。
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大きな棚田桜は、光合成をするためにどんどん広がり大きくなるのでドーム型を意識して描くのがコツなど、日頃、自然や風景と向き合って描かれている永江先生や板東先生の具体的で的確なアドバイスがありました。
参加者のみなさんからは先生のアドバイスや他の人の絵を見ることで参考になった、楽しい一日になったと喜びの声をいただきました。
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今回の写生会のようすをネコのミモロが取材をしてくれました!
詳しくは>>こちらから
板東勲先生が出版された『味のある風景』については>>こちらから

宇佐美英機氏:2014近江学フォーラム会員限定講座 第1回

日時:2014年6月28日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:宇佐美 英機氏(滋賀大学教授)
タイトル:「近江商人と信仰」

宇佐美英機氏

宇佐美英機氏


6月28日(土)、今年度1回目の近江学フォーラム会員限定講座を開催しました。
今年度の会員限定講座は、合計5回の限定講座に一つのテーマ(今年度は「近江の仏教文化」)を設けました。これは、会員の皆様からのご要望におこたえしたもので、毎年行っています現地研修内容も限定講座に関連させました。
そのこともあり、今年度は多くの会員様に入会いただき、会員限定講座初回の今回も今までになくたくさんの参加者に来場いただきました。

この日の演題は、「近江商人と信仰」。近江商人研究の第一人者である滋賀大学経済学部教授の宇佐美英機先生にご登壇いただきました。
宇佐美先生は「今までも、近江商人が信仰心に富んだ人々であったいわれてきたが、決して信仰がもとになって商人が生まれてきたわけではない」としながら、「豊郷町出身の初代伊藤忠兵衛の信仰心と商売の関わり方を通じて、その接点を探ることは非常に意味がある」と語られました。
滋賀大学経済学部附属史料館所蔵 「中井源左衛門家文書 後発見

滋賀大学経済学部附属史料館所蔵
「中井源左衛門家文書 後発見


最後に、「近世江戸時代には、確かに仏教や儒教を中心とした価値観や行動規範が存在し、例えば世間のために奉仕をするという考え方は商人の活動に限らず多くの人々が道徳として持っていた。明治に入り合理主義が流入したことで、それらの信仰心や道徳が薄れてきたことは誰もが認識していることである。今、近江商人も含め、近世の信仰、価値観、道徳心を再度かえりみて、現代社会の社会に生かしていくことが求められている」とまとめられました。
報告:加藤賢治(近江学研究所研究員)
宇佐美 英機氏 プロフィール
1951 年福井県生れ。同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了。京都大学博士(文学)。滋賀大学経済学部教授。経済学部附属史料館長。主に日本経営史を研究、とりわけ近江商人の経営・社会活動を研究。近年は伊藤忠兵衛家、伊藤長兵衛家の分析にとりかかっている。主な著作『初代伊藤忠兵衛を追慕する―在りし日の父、丸紅、そして主人』、『近世京都の金銀出入と社会慣習』、『近世風俗志(守貞謾稿)』などがある。第7 回徳川賞(佳作)、第26 ハン六学術賞受賞。

西久松吉雄研究員 作品集出版・記念個展のお知らせ

作品集カバー

作品集カバー


成安造形大学美術領域教授・日本画家の西久松吉雄研究員が、
作品集を出版、また記念個展を開催します。
作品集は、1970年の高校生時代から2014年の新作までの作品と写生、小下絵が掲載されている集大成となっています。
作品論として、岩城見一氏(元京都国立近代美術館長・京都大学名誉教授)と加藤賢治研究員が執筆しました。
編集デザインは、成安造形大学卒業生の浅野豪氏が担当しました。
ぜひ、お手に取ってみてください。
また、作品展にも足をお運びください。
詳細については、こちらのPDFをダウンロードください>>>「西久松吉雄作品集出版について」
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作品集
古の贈り物 日本画家 西久松吉雄の世界

2014年6月24日発行
171mm×200mm 
240ページ 
作品144点掲載
定価3,500円+税 
発行者:西久松吉雄
編集デザイン:浅野 豪
印刷:サンエムカラー株式会社
発売元:サンライズ出版株式会社
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展覧会
作品集出版記念 西久松吉雄日本画展 古の贈り物Ⅳ

展示作品「樹霊一祖」

展示作品「樹霊一祖」



生活あーと空間 ぱるあーと
6月24日[火]-29日[日] 午前11時-午後6時(最終日は午後5時まで)
住所:〒602-8031 京都市上京区西洞院通り下立売南入 東裏辻町408
TEL:(075)231-5479 
駐車場はありません。
公式ホームページは>>>こちら
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同時展示中
所蔵品展「心に残る日本の風景」

2014年6月5日[木]-7月6日[日]月曜休館
中信美術館
〒602-8048 京都市上京区下立売通油小路東入西大路町136-3(京都府庁正門西約100メートル)
TEL:075-417-2323 

連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第2回大西明弘氏、巧氏講演しました

日時:2014年6月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:大西 明弘氏 (有限会社大與3代目 代表取締役会長)
   大西 巧氏 (有限会社大與4代目 代表取締役社長)
対談:大原 歩 (本学非常勤講師・本研究所研究員)
タイトル:「近江~灯火のかたち-和ろうそくで暮らしをデザインする-」

6月14日(土)、連続講座第2回目「近江のかたちを明日につなぐ~灯火のかたち~」として、滋賀県高島市の近江今津にて大正三年に創業し今年で100年を迎えた「和ろうそく大與(だいよ)」3代目大西明弘氏、4代目大西巧(さとし)氏を講師にご登壇いただきました。
今回は、まずはじめに和ろうそくの火を灯し、その光の力を会場で共有しました。

はじめに櫨蝋の和ろうそくの光を感じました。

はじめに櫨蝋の和ろうそくの光を感じました。


第1部として大西明弘氏に、櫨蝋の手掛けの和ろうそくについて写真と映像を元に「櫨蝋」「灯芯」「手掛け」という手仕事による和ろうそくの製造過程について解説いただきました。
うるし科の櫨の実を乾燥させて搾った「櫨蝋」は、櫨を摘む人が少なくなり、生産地は九州の2か所のみになっていることなど、原料入手のおける問題について、自然災害や高度経済成長などの歴史背景を含めてこれまでの経過を語っていただきました。
また、櫨100%の大與の和ろうそくと、櫨100%ではない和ろうそくの火を灯すことで素材の違いが読み解けることを実際に見比べながら解説いただきました。
大西明弘氏

大西明弘氏


第2部では、大西巧(さとし)氏に登場いただき、大原研究員から質問を投げかけながら、これからの100年に和ろうそくをつなげていく新たな「米糠ろうそく」の取り組みについて対談いただきました。4代目として家業を継ぐ決意をしたきっかけとなった父のことばについて、そして、和ろうそくを人の暮らしの中へ取り戻すために「米糠蝋」を使いブランド化した「お米のろうそく」をつくりだした経緯についてお話しいただきました。
第2部の対談風景

第2部の対談風景


大西巧氏からは、「ろうそくの火について、かつて人が扱えないほど大きな力があった「火」を、人の知恵と技術によって扱うことができるようになったのが「ろうそく」であった。人と火をつなぐ「ろうそく」の存在をもう一度感じて暮らしに取り入れてほしい」と印象的でとても気持ちのこもったメッセージを投げかけられました。
大西 巧氏

大西 巧氏


大原 歩研究員

大原 歩研究員


会場からは、「和ろうそくに対する情熱が伝わってきた」「自然と人間が長い歴史をかけて積み上げてきた素晴らしさを実感することができました」「生活の中でろうそくを取り入れてみようと改めて考えさせられました」など多数のご感想をいただきました。
確かな技術と素材を使い生み出される3代目の和ろうそく。
伝統文化で終わらせない新しい視点から和ろうそくを考え、打ち出す4代目の和ろうそく。
100周年の新ブランド名の通り「火と人(hitohito)」をつなぎ、人と人をつなぐ「灯し火」として新しい魅力を創り出されていくものとして、とても希望を感じました。
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また、今回の講座は、
午後に開催した芸術文化研究所公開講座「大與とgrafの 人の事・モノの事・コトの事」と連動して行なわれました。
午後は、コーディネーターを津田睦美研究員が行ない、講師にgraf代表・デザイナーの服部滋樹氏をお迎えし、大與が100年を記念して新ブランドを立ち上げるに至った経緯について、ブランディングを行なったgrafの服部滋樹氏のこれまでの仕事から探っていく内容で開催されました。
そして、夕方からは学内のカフェテリア結にて、大與の100年記念パーティーを開催されました。
4代目の大西巧さんとのつながりから滋賀県のさまざま作り手や表現者の方々が集まり、大與のこれからを応援するアットホームな温かい素敵な会となりました。
近江学研究所として、この大與の歴史の1ページをサポートできたことを嬉しく思います。
パーティにて、大西巧氏によるご挨拶

パーティにて、大西巧氏によるご挨拶


報告:大原歩(近江学研究所研究員)
<大與のご紹介>
ホームページは>>>こちらから
<大與のお知らせ>
びわ湖放送「滋賀経済NOW」
6月21日(土) 22:00~22:30 大西巧さん 
※放映の中で、今回の講座の風景が流れます。
■詳しくは>>>こちらから
「比叡の光」
6月22日(日)、29日(日) 2週にわたり放映 大西明弘さんが和ろうそくについて語ります
[京都放送(KBS)] 日曜日8:45~9:007:45~8:00
[びわ湖放送(BBC)] 日曜日7:45~8:00
■詳しくは>>>こちらから

大原歩研究員がレイカディア大学の授業を行ないました

大津市仰木地区。比叡山山麓の尾根沿いに集住する民家群をみる。

大津市仰木地区。比叡山山麓の尾根沿いに集住する民家群をみる。


滋賀県社会協議会が主催する60歳以上の方が2年間学びを深める「レイカディア大学」。
そのびわこ環境学科35期生の2年次の授業として、5月28日(水)、近江学研究所研究員の大原が講義とフィールドワークを担当しました。
テーマは「棚田の水循環システム」
午前中は成安造形大学にて講義として、
近江学研究所の研究活動として2010年に実施した棚田の水利調査を基に、
大津市仰木地域で営みの中で作られてきた水利用のしくみについてお話しました。
大津市仰木 平尾地区の棚田(航空写真)

大津市仰木 平尾地区の棚田(航空写真)


棚田の水利用と井堰(いぜ)

棚田の水利用と井堰(いぜ)


研究成果については、近江学研究紀要1号に収録しています。
こちらからPDFデータをダウンロードできます>>>>近江学研究紀要1号
午後は、快晴の中、大津市仰木へフィールドワークへ。
平尾地区の棚田を水路を辿ってあるき、コイゼの工夫について確認をし、
仰木の信仰の中心にある龍の神(クラオカミノカミ)が祀られる「滝壺神社」をお参りするなど、
1200年ほどの歴史を持つ仰木の集落における「水と暮らし」について学ぶプログラムとしました。
闇龗神(クラオカミノカミ)が祀られる滝壺神社。

闇龗神(クラオカミノカミ)が祀られる滝壺神社。


参加者の方々は、それぞれ地元で活躍されている方が多く、
滋賀県各地の農業の様子や、これからのあり方などについて
活発な感想や意見を交わしながら一緒に歩かせていただきました。
受講者のみなさま、ありがとうございました。
滋賀県社会福祉協議会 レイカディア大学について>>>こちらから
報告:大原歩

淡海の夢2014-坂本・石垣と里坊の町写生会開催しました

5月24日(土)に淡海の夢2014「坂本・石垣と里坊の町写生会」を開催しました。
25名の一般の参加者と本学イラストレーション領域の学生10名が参加し賑やかな写生会となりました。
写生前に、企画者で講師の永江弘之研究員から、参加者へ写生のポイントを解説がありました。
その後、清々しい快晴のなか、新緑が美しい坂本に参加者のみなさんはそれぞれ写生に向かわれました。

写生前に参加者へ写生のポイントを解説する永江研究員

写生前に参加者へ写生のポイントを解説する永江研究員


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写生会中にも、永江研究員が、参加者のみなさんにアドバイスに回られました。
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約5時間の写生を終えて、生源寺の別当大師堂をお借りして、永江研究員と本学非常勤講師の待井健一先生の講評会が行われました。
二人の講師の丁寧で熱心な講評と参加者からの質疑応答で、講評会はとても盛り上がりました。
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講評をする永江研究員

講評をする永江研究員


講評をする待井先生

講評をする待井先生


同じ場所を写生しても、捉え方や表現方法は様々だったり、何度も坂本は写生会場になっていますが、今まで知らなかった場所を写生場所に選ばれる参加者の作品を見ることで、先生方も発見があると仰っていました。
何度も参加されている方から数十年ぶりに絵を描いた方や初心者の方も交えて、和やかで楽しい雰囲気のなかで講評は終了しました。
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次回の淡海の夢は6月21日(土)開催の仰木・棚田写生会です。
写生会はどなたでも参加できます。ご興味のある方は是非ご参加ください。
申込はこちらから

石川亮研究員の展覧会のお知らせ

「山のかたち八のかたち 二月」2014年 近江和紙・インクジェットプリント 445×370㎜

「山のかたち八のかたち 二月」2014年 近江和紙・インクジェットプリント 445×370㎜


本研究所の石川亮研究員(美術家)が、
明日からサイギャラリーにて展覧会を行ないます。
ぜひ、足をお運びください。
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石川 亮 展 
全体ー水「 送ル・取ル 」
2014年5月27日(火)ー6月14日(土)
正午ー午後7時
月曜・日曜日休廊/土曜日5時まで
初日午後6時よりオープニングパーティ
会場:サイギャラリー
〒550-0002 大阪市西区江戸堀 1-8-24 若狭ビル4階
tel./06-6225-4115 fax./06-6225-4114
詳しくは
サイギャラリーホームページより>>こちらから   
石川亮研究員については>>>こちらから     

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