おうみブログ2022-03-29T17:42:04+09:00

おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

近江学フォーラム会員限定講座がスタートしました!

講座名:「近江と渡来人」
日 時:平成23年6月18日(土) 10:40~12:00
場 所:成安造形大学 聚英ホール
講 師:井上満郎 氏(京都市歴史資料館 館長)

近江学フォーラム会員限定講座がスタートしました!

近江学研究所が主催します会員制の「近江学フォーラム」は、おかげさまで昨年よりまして多くの方々に参画いただいております。そのフォーラムの中心的な事業としまして会員限定講座を開講しています。
6月18日(土)はその第1回目の講座が開講されました。全6回ある限定講座のトップは「近江と渡来人」と題して、日本古代史がご専門で京都市歴史資料館館長の井上満郎先生にご登壇いただきました。
講座のはじめに、下にアジア大陸があり上に日本列島が横たわっているという大変珍しい位置関係の地図が紹介され、「このように見ると、日本列島は島国として独立しているというよりもアジア大陸の一部に見えませんか」と問いかけられました。日本海側沿岸部で「貸泉」という中国の貨幣が多数発掘されていることからも縄文、弥生という古代から大陸文化は日本に入ってきており、大陸と日本の間には大きな隔たりがなかったと考えられると持論を語られました。また、今に伝わる文献から見ると古代の国際ルートは朝鮮半島から北陸へ入り、近江を経て山城(京)、大和へとつながっていたことがわかり、近江国はその通り道にあたり、文化が往来し、多くの渡来人が定住、都にもなったと近江の地理的な重要性を強調されました。
最後に、古代の日本の人口に触れられ、当時の渡来人の人口の割合から考えると、現在の日本人もその多くは大陸民族の子孫であるといえると話され、海を隔て遠くにあると考えていた大陸文化を大変身近に感じることができました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

連続公開講座「近江~大地のかたちー穴太衆積みー」開講しました

講座名 『近江~大地のかたち―穴太衆積み―』
日 時 平成23年6月11日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 粟田純司氏(穴太衆第十四代目石匠)
対 談 大岩剛一

6月11日(土)連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第1弾の2回目が、「大地のかたち~穴太積み」と題して開催されました。今回は一般から230名の応募があり、聚英ホールが満席となりました。
当日の講座は近江学研究所大岩剛一研究員(本学住環境デザインコース教授)のコーディネイトで「穴太衆」第14代目石匠の粟田純司さんをお迎えし、講演と対談というかたちで行ないました。
はじめの40分間は粟田さんによる講演で、湖西地域にある古墳群にある横穴式石室見られる石積みにその原点があり、信長の安土城築城により全国の城にその技術が広がったという「穴太衆積み」の起源や、野面積みといわれる「穴太衆積み」独特の技法もスライドによって解説されました。
対談では、大岩研究員がその技術を裏で支える精神的な部分について粟田さんに質問され、粟田さんは師匠である先代に「石の声を聞け」厳しく指導されながらその境地を知ることができたと語られました。石を生き物のように身体で感じ、数式では計りきれないファジーな感覚によって何百年と崩れることのない石積みをつくるという「穴太衆積み」の技術は非常に素晴らしいと大岩研究員がまとめられました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

淡海の夢2011 仰木・棚田写生会を開催しました

6月4日(土)・5日(日)の2日間、附属近江学研究所主催の写生会が前回の湖族の郷堅田に続き第2回目として仰木の棚田を舞台に行なわれました。
主催者で担当の近江学研究所研究員でイラストレーション領域の永江弘之准教授が2日間引率し、ご指導いただきました。
両日とも多少風はありましたが、写生日和に恵まれ、一般参加者、学生とも存分に写生会を楽しまれました。
秋には第3回目として比叡山麓坂本の町で写生会を開催します。また、11月末から12月にかけてこの淡海の夢2011の公募展覧会を本学【キャンパスが美術館】のメインギャラリーで開催する予定です。写生会にご参加いただきたくさんのご応募を期待しています。
附属近江学研究所研究員 加藤賢治

2011年6月6日|Categories: お知らせ, 公開講座|

近江学研究所主催連続公開講座始まる!

講座名 『近江~大地のかたち―信楽焼―』
日 時 平成23年5月28日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 奥田博土氏(元信楽陶芸作家協会会長)
対 談 辻喜代治

5月28日(土)、近江学研究所では今年度初めての試みとして一つのテーマで講座を結ぶ連続公開講座を開講することになりました。
「近江のかたちを明日につなぐ」というテーマで、近江学研究所研究員がコーディネイターとして造形家を招聘し、第1弾「大地のかたち」、第2弾「風景のかたち」、第3弾「魂のかたち」と3つのステージに別け、それぞれ2回ずつ連続講座を開講します。
この日はその第1弾の1回目、「大地のかたち-信楽焼-」と題し、辻喜代治研究員がコーディネイト、現在国際的に活躍されている陶芸家奥田博土(おくだひろむ)氏を迎えて、現代陶芸の諸相について語っていただきました。
奥田氏は江戸期から代々続く信楽の献上茶壷をつくる窯元に生まれ、奥田三衛門家15代目として陶芸をはじめられました。1969年の大阪万博では、太陽の塔の裏面にあるタイル地の「黒い太陽の顔」を故岡本太郎氏とともに制作され、これを転機として陶彫の世界に入られました。以後、アメリカやヨーロッパを舞台に現代アート作品を次々に発表され、最近は信楽高校でのワークショップなどの開催など、後進の造形教育にも力を入れておられます。講座では、これらのスライドに加えて、自然環境にもう一度真摯な目を向けようというメッセージがこもった直近の作品なども含め、たくさんのスライドを紹介していただきました。
最後に辻喜代治研究員は、信楽から一歩も出ることなくここの土にこだわり、そしてその思想は常に未来を見ているという奥田氏はこの講座のテーマである「近江のかたちを明日へつなぐ」をいままさに実践されているとその制作活動を賞賛されました。

報告:附属近江学研究所研究員 加藤賢治

近江歴史回廊大学の授業を担当しました!

坂本公民館

坂本公民館

東照宮

東照宮

5月21日(土)、坂本公民館2階大会議室で第13回近江歴史回廊大学「近江の歴史を築いた人々」クラスの授業を行いました。
この日はこのクラスの2日目の授業日で、私は3時間目の授業を担当しました。内容は坂本周辺のフィールドワークです。
はじめ30分程度プロジェクターで坂本周辺の歴史スポットの紹介とその背景にある宗教民俗を解説しました。その後、屋外へ出て慈眼大師天海大僧正が建立した滋賀院門跡、その墓所である慈眼堂、近江出身の幕府お抱えの大工の棟梁甲良宗広が日光東照宮の試作品として建設したといわれる日吉東照宮を見学しました。
この授業は天海大僧正にスポットを当て、信長によって壊滅的な打撃を受けた比叡山延暦寺を家康の腹心として復興に務めたことや家康の死後東照大権現として日光東照宮を建設した偉業などを中心に解説しながら天海ゆかりの遺跡を巡りました。
この日は初夏の蒸し暑さもありましたが、30名の熱心な受講生の皆さんは最後まで熱心に勉強されていました。

報告:附属近江学研究所 研究員 加藤賢治

2011年5月25日|Categories: おうみブログ, フィールドワーク|

堅田居初氏庭園と「天然図画亭」を見学してきました。

5月14日(土)、堅田の国指定名勝庭園と茶室「天然図画亭(てんねんずえてい)」を見学してきました。
この庭園と茶室は、中世から琵琶湖の湖上特権を確立し、繁栄していた堅田衆の名家、居初(いそめ)家のもので、現在、ご当主居初寅夫氏が一般公開にご尽力されています。この日もご当主自ら解説をいただきました。庭園は琵琶湖と三上山(通称近江富士)を借景とする国指定名勝庭園です。
ヨシ葺き入母屋造の茶室は千利休の孫千宗旦の四天王の一人である藤村庸軒とその弟子で堅田郷士北村幽安の合作で、天和元年(1681)頃に完成しました。中には海北友松作といわれる障子の腰板に描かれた花鳥画や室町時代の袈裟型の手水鉢など見るものがたくさんあります。
この茶室から見る庭園は絶景であり、近世多くの文人墨客がここを訪れたといわれています。
初夏のひと時、堅田の名勝庭園で湖国の風流を楽しむのも良いものです。

成安造形大学附属近江学研究所研究員 加藤賢治

2011年5月24日|Categories: おうみブログ, エッセイ|
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