近江学研究所の活動の進捗

加藤研究員が「近江屋研究プロジェクト」研究報告会にて発表します


本研究所の研究員である、加藤賢治研究員が、
研究に関わっている文化・経済フォーラム滋賀主催
「近江屋研究プロジェクト」研究報告会にて発表を行ないます。
<「近江屋」研究プロジェクト研究報告会>
現代近江屋考 ~近江屋という屋号から見えるもの~2  
「近江屋-龍馬暗殺の謎」

今回は、龍馬暗殺の場所となった「近江屋」にスポットをあて、龍馬暗殺の謎について
幕末維新ミュージアム霊山歴史館副館長の木村幸古氏にご講演いただきます。
また「近江屋清右衛門」の屋号を受け継ぐ株式会社「近清」代表取締役・櫻井慎也氏に
ご登壇いただき、「近江屋」という伝統をブランドとして活躍される今を語っていただきます。
日時:平成25年12月22日(日)14時~16時
場所:ピアザ淡海3F 大会議室(滋賀県立県民交流センター)
入場無料・要申込

主催:文化・経済フォーラム滋賀
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第1部 「近江屋研究プロジェクト研究報告」
報告者:加藤 賢治 氏(成安造形大学附属近江学研究所研究員)
第2部 【特別講演】「近江屋-龍馬暗殺の謎」
講演者:木村 幸比古 氏(幕末維新ミュージアム霊山歴史館副館長)
第3部 インタビュー「近江屋という屋号」
ゲスト:櫻井 慎也 氏(株式会社「近清」代表取締役)
聞き手:加藤 賢治 氏(成安造形大学附属近江学研究所研究員)
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申込チラシはこちらから!
お問合先/お申込先
文化・経済フォーラム滋賀事務局
((公財)滋賀県文化振興事業団 事務局本部内)
〒520-0044 滋賀県大津市京町四丁目3-28
TEL:077-522-8369 FAX:077-522-9647
Email:bunka-keizai@shiga-bunshin.or.jp

文化誌『近江学』第6号(特集 火の物語り)発刊しました

成安造形大学附属近江学研究所は、「芸術による社会への貢献」を教育の理念とする
成安造形大学の附属研究機関として2008年4月に発足し、
この3月で開所6周年を迎えることになります。
このたび、近江学研究所では、初年度から発刊して参りました
文化誌『近江学』第6号(特集 火の物語り)を下記の通り出版いたしました。

文化誌「近江学」6号表紙

文化誌「近江学」6号表紙

文化誌「近江学」第6号
特集    「火の物語り」

■内容紹介
近江の火にまつわる世界に着目し、「火の物語り」を特集。
比叡山の「不滅の法灯」に関する論考、国産の櫨にこだわった「和ろうそく」
職人へのインタビュー、国友鉄砲鍛冶からつづく花火職人の想いなど。
不滅の法灯、火祭り、かまどの火、常夜灯、和ろうそく、花火師など、
近江の火にまつわる世界を、様々な切り口で語ります。
■目次
● 「火と営みの文化」
木村 至宏 (近江学研究所 所長)
● 比叡山の「不滅の法灯」
武 覚超 (比叡山延暦寺執行)
● 《対談》「櫨の和ろうそくー命が宿る炎」
大西 明弘 (和ろうそく職人)×大岩 剛一 (近江学研究所客員研究員)
●「人を包み込む自然 琵琶湖」
今森 光彦 (写真家)
●「近江の火祭りー火の風流を楽しむ」
米田 実 (日本民俗学会評議員)
●「村における信仰の灯ー神主の献灯、講の常夜灯」
大塚 活美 (京都府立総合資料館主査)
●「花火 夏の風物詩湖国の花火を訪ねて」
加藤 賢治 (近江学研究所研究員)
●「火と食」
岩田 康子 (有限会社ブルーベリーフィールズ紀伊國屋代表取締役)
●「蒲生氏郷の光」
寿福 滋 (写真家)
●「安土城随想ー安土山より三上山を眺む」
小嵜 善通 (本学教授・近江学研究所研究員)
●《インタビュー》成安のファインアート「田辺由子ー思考と触覚の造形」
辻 喜代治 (本学教授・近江学研究所研究員)
●《近江の意匠Ⅴ》「麻の物語ーすべては近江の蚊帳生地との出会いから」
河原林 美知子 (近江学研究所客員研究員)
●「仏領ニューカレドニアの滋賀移民 犬上郡 多賀町 リリアンの墓参り 」
津田 睦美 (本学准教授・近江学研究所研究員)
●「仰木ふるさとカルター気持ちやいのちをカルタに映す」
永江 弘之 (本学准教授・近江学研究所研究員)
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文化誌「近江学」第6号
1,800円+税
ISBN978-4-88325-495-8 C1402
AB 96ページ 並製
初版発行年月日:2014年1月10日
書店発売日:2013年12月20日
発行    成安造形大学附属近江学研究所
〒520-0248滋賀県大津市仰木の里東4丁目3-1
発行者   木村 至宏(近江学研究所所長)
編集    辻 喜代治(近江学研究所研究員)
写真    寿福 滋
デザイン  大向デザイン事務所
印刷    宮川印刷株式会社
発売元   サンライズ出版株式会社
〒522-0004滋賀県彦根市鳥居本町655-1
発効部数  1,600部
定価    1,800円+税
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<購入方法>
◎12月中旬には、滋賀県下の主な書店にて販売いたします。
「サンライズ出版WEBサイト」から>>>こちらから
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近江の火にまつわる文化の総論「火と営みの文化」 著:木村至宏 写真:寿福滋

近江の火にまつわる文化の総論「火と営みの文化」
著:木村至宏 写真:寿福滋

比叡山延暦寺執行が語る「不滅の法灯」の物語り 著:武覚超

比叡山延暦寺執行が語る「不滅の法灯」の物語り
著:武覚超

民俗学者米田実氏のよる、近江の火祭りを読み解き、地域に引き継がれる「風流」に関する論考

民俗学者米田実氏のよる、近江の火祭りを読み解き、地域に引き継がれる「風流」に関する論考

国産櫨を使った和ろうそく職人・大西明弘氏の手仕事を追うインタビュー 著:大岩剛一 写真:永江弘之

国産櫨を使った和ろうそく職人・大西明弘氏の手仕事を追うインタビュー 著:大岩剛一 写真:永江弘之

櫨の和ろうそくができるまでの取材をイラスト図解で表現 イラスト・編集:大原歩

櫨の和ろうそくができるまでの取材をイラスト図解で表現
イラスト・編集:大原歩

国友鉄砲鍛冶の歴史をくみ活躍する「花火師」へのインタビュー 著:加藤賢治

国友鉄砲鍛冶の歴史をくみ活躍する「花火師」へのインタビュー
著:加藤賢治

米田 実氏:近江学フォーラム会員限定講座 第5回

日時:2013年12月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:米田 実氏(日本民俗学会評議員)
タイトル:「民俗の力―近江の地域史と伝承―」

講師:米田実氏

講師:米田実氏


今年度のフォーラム会員限定講座の最終回は、日本民俗学会評議委員で甲賀市教育委員会事務局
歴史文化財課市史編さん室室長の米田実先生にご登壇いただきました。
 講演は「民俗の力 –近江の地域史と伝承−」と題し、甲賀市油日の油日神社や「奴振り」で
知られる油日祭りを例に挙げながら、急速に変わりつつある祭礼について語っていただきました。
 はじめに、祭礼のような無形の民俗文化財は、国宝や重要文化財のようないわゆる有形の
文化財と違って、伝承として受け継いできた人物がいなくなればその時点で無くなってしまう
非常にはかない文化財であるとしながら、歴史資料ともなる貴重で素晴らしいものであると紹介されました。
 それらの祭礼が、高度経済成長の時代から急速に形を変え、農村と都市の境が曖昧となってきている近年、
伝統の祭礼を何のためにやっているのかという問いかけに答えられず、重層的で複雑な村落の
素晴らしい儀礼が簡素化あるいは消滅する場合も多くなってきているとの現状も報告されました。
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 講義の終盤には、五年に一回行われるという油日祭りの「奴振り」を紹介する映像が流され、
その祭礼を見ることで近世の村組織の構造が理解できることや、それらを後世に伝えることで
村の人々の絆が深まって行く現状を理解することができました。
 民俗文化財を継承することは、第三者として村の外から見れば美しいものであるかもしれないが、
それらを受け継ぐために祭礼を行っている村の人々の苦労は計り知れない。その両面を知りながら、
現代の民俗文化財のあり方を常に考えなければならない。
今回の講座では民俗の持つ素晴らしき「力」と、その継承の難しさを改めて学ぶことができました。
報告:附属近江学研究所研究員 加藤賢治 
講師プロフィール
1959年大津市生れ。立命館大学経済学部卒、同文学部史学科中退。日本民俗学とくに祭礼文化史に関心を持ち、滋賀県内を中心に調査・研究を進め、各自治体史などに執筆する。現在甲賀市史編さん室勤務。日本民俗学会評議員
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連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」 近江~屋根のかたち-檜皮葺-

日時:2013年11月30日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:河村 直良氏 (株式会社河村社寺工殿社 代表取締役)
対談:小嵜 善通(本学教授・本研究所研究員)
タイトル:「近江~屋根のかたち-檜皮葺-」

講師の河村直良さん

講師の河村直良さん


11月30日(土)、近江学フォーラム連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」の4回目を開催しました。今回は、檜皮葺や杮葺を専門とされておられる河村直良氏を講師としてお迎えしました。
社寺などの伝統建築のなかでも、檜皮葺や杮葺は格式の高い和風建築に用いられてきたものですが、河村氏はこれまで県内では三井寺や石山寺、日吉大社などの檜皮葺工事に携わってこられました。
小嵜善通 研究員(本学教授)

小嵜善通 研究員(本学教授)


専門的な話がはずむ対談

専門的な話がはずむ対談


当日は、檜皮の現物だけでなく、檜皮採取や檜皮葺に用いる道具なども持って来ていただき、その使用方法をうかがうとともに、原皮師(もとかわし)が行う檜皮採取の方法や時期、また、檜皮は10年ほどで再生し、2回目以降の檜皮が実際に使用されていること、さらに、檜皮葺の寿命や、檜皮を留める竹釘のことなど、普段知る機会の少ない貴重なお話をうかがうことができました。
持続可能な材料を用いる檜皮葺の工法が、現在よく耳にするようになったエコの考え方にも通じると指摘された点や、「視る」ということが様々な状況においていかに大切かということを熱く語られる河村氏がたいへん印象的でした。

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報告:小嵜 善通

寺島典人氏:近江学フォーラム会員限定講座第4回開講

日時:2013年11月16日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:寺島 典人氏 (大津市歴史博物館学芸員)
タイトル:「快慶とその弟子行快-仏師の癖と分業-」

寺島典人氏

寺島典人氏


11月16日(土)、近江学フォーラム会員限定講座の4回目が開催されました。
今回は、「快慶とその弟子行快」と題して、大津市歴史博物館学芸員の寺島典人先生にご登壇いただきました。
新進気鋭の研究者である寺島先生を紹介する木村所長

新進気鋭の研究者である寺島先生を紹介する木村所長


寺島先生は美術史の中でも彫刻史がご専門で、今回は、前段で仏像がいつ頃、誰によって制作されたかを
判定する手段をわかりやすく解説していただきながら、後半は、その中でも非常に多く作品が残る快慶と
その弟子行快について、作風やその判定に関する最新の研究成果を発表していただきました。
はじめに、仏像の基礎知識をプリントで学びました

はじめに、仏像の基礎知識をプリントで学びました


寺島先生は、仏像の顔や、全体のスタイル、衣紋は仏像の制作を依頼する人の意向が反映され、
仏師の個性や特徴が出にくいが、耳や手足、指など造形的にあまり重要でない部分に仏師の癖などが
見られると解説され、最新の研究として仏像の耳を対象にした調査の事例を示されました。
耳のかたちだけですべてが解るわけではないが、仏像を刳り貫いた様子や、その他の造形的な特徴、
そしてそこに書かれた墨書(銘文)もすべて含めて、誰がいつ頃何のために制作したかが
徐々に解ってくるという地道な研究の姿を知ることができました。

今回、寺島先生にお話しいただいた研究内容は、今年の12月に発刊が予定されている
小学館の『日本美術全集7 運慶・快慶と中世寺院』の中で発表されるということです。
その難しい研究内容を丁寧な資料とともに、解りやすく解説いただき、終了後のアンケートにも
「難しい仏像の研究を解りやすく紹介していただき、新しく知ることがたくさんありました。」と
満足度の高い回答がいくつもありました。
報告:附属近江学研究所研究員 加藤賢治 

仰木ふるさとカルタ原画展-在りし日の里山のくらし

成安造形大学附属近江学研究所では、開学20周年記念事業「2013秋の芸術月間SEIAN ARTS ATTENTION VOL.5「Sites-ふうこうのありか-」」にて、「仰木ふるさとカルタ原画展-在りし日の里山のくらし」を開催いたします。

琵琶湖をのぞむ豊かな里山に囲まれた千年以上の歴史を持つ農村集落「大津市仰木」。
本展は、その仰木にて、二年間にわたり聞き取り調査を行い制作した「仰木ふるさとカルタ」原画48枚と、関連する民具や野良着などを展示します。
【会期】※台風のため会期開始日が変更になりました
変更後…2013年10月29日(火)~12月1日(日)12:00-18:00 入場無料
11月10日(日)は作家・研究スタッフが在廊します。
※休館日11月11日(月)~15日(金)

【会場】
成安造形大学【キャンパスが美術館】G棟103(ライトギャラリー横)
仰木ふるさとカルタの取り組みについて詳しくはこちらから
成安造形大学【キャンパスが美術館】

石丸正運氏:近江学フォーラム会員限定講座第3回開講

会場風景

会場風景


日時:2013年9月28日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:石丸 正運氏 (美術史家)
タイトル:「画人 近江蕪村 -紀楳亭と横井金谷-」
9月28日(土)、近江学フォーラム会員限定講座の3回目を開催しました。今回の講師は、近江学研究所の参与で美術史家の石丸正運氏を講師に迎え、「画人 近江蕪村—紀楳亭と横井金谷−」と題して語っていただきました。
石丸氏は「紀楳亭(1734〜1810)と横井金谷(1761〜1832)は近江ゆかりの文人画家であるが、与謝蕪村(1716〜83)の画風にきわめて近いスタイルで描いた作品を残している。楳亭ははやくから絵俳諧を蕪村に師事して学び、金谷は蕪村に私淑して画業を育んでいる。」と、資料を基にわかりやすく二人の画業を解説されました。
楳亭が京都から大津に移住したのは、京都での天明の大火がきっかけであるが、大津は蕪村のあこがれていた芭蕉ゆかりの地でもあり、風光明媚な自然環境が大きく影響したと大津の近江の美しさが強調されました。また、大津には楳亭の墓所や旧宅の石碑などが残っていると紹介されました。
近世の著名な文人画家を育てた近江の魅力を改めて知る機会となりました。
近江学研究所研究員 加藤賢治
石丸正運氏

石丸正運氏



石丸先生所蔵の横井金谷画の掛軸

石丸先生所蔵の横井金谷画の掛軸

連続講座第3回「受け継ぐかたち②-北近江の地酒・冨田酒造ー」開催

日時:2013年9月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:冨田 泰伸氏 (冨田酒造有限会社 十五代蔵元)
対談:加藤賢治・石川 亮(本研究所研究員)
タイトル:「近江~受け継ぐかたち②-北近江の地酒・冨田酒造-」
9月14日(土)、近江のかたちを明日につなぐ−受け継ぐかたち−の2回目ということで、加藤、石川2名の研究員がコーディネートし、湖北木之本の名酒七本槍で知られる冨田泰伸さんに登壇いただきました。
今回は、400年以上の歴史を持つという老舗の酒蔵であるということ、そして、知られざる湖北木之本の魅力も知っていただこうと第1部は私(加藤)が「湖北の要衝木之本」という内容で賤ヶ岳や余呉湖、伊香具神社など木之本を中心とした湖北を紹介しました。続いて冨田さんが登場。酒造りを中心に地元を巻き込んだ様々な取り組みについてお話をいただき、最後に石川亮研究員から非常に興味深い冨田酒造のWebサイトを紹介し、冨田酒造の商品開発などに触れながら対談が行なわれました。

 第1部木之本の紹介の中では、冨田さんの曾祖父である冨田八郎氏が滋賀県最古の図書館である「江北図書館」の理事長兼館長を努められ、現在もお父さんである光彦氏が引き継ぎ、湖北地域の歴史文化の継承に寄与されているということにも触れました。

木之本について解説する加藤研究員

木之本について解説する加藤研究員


 第2部で冨田さんは、愛する地元に良いものを残したい一心で、今があると自己紹介の中で語られ、近年の日本酒離れを憂いながら、厳しい酒造りの現状や、酒造りの行程など興味深く貴重なお話を語っていただきました。
冨田酒造有限会社 十五代目蔵元 冨田泰伸氏

冨田酒造有限会社 十五代目蔵元 冨田泰伸氏


 第3部では、素晴らしいWebサイトを拝見しながら石川研究員が質問を投げかけ、地域の篤農家(とくのうか)や地元の農業高校との連携、海外市場への進出、酒粕ジェラートや石けん、Tシャツやストラップなどの新商品の開発の話など、直接儲けにつながらないが、つくる人、買う人、地域の人みんなが笑顔になれるような取り組みについて熱く語っていただきました。
 受け継ぐかたちの2回目、伝統の酒造りを基礎としながら、地域とともにつくり、グローバルに展開するという、これからの酒造りのあり方にチャレンジされている冨田さんの活躍をしっかりみせていただきました。
冨田氏と対談をする石川研究員

冨田氏と対談をする石川研究員


冨田酒造㈲のwebサイトを見ながら商品の解説をしながら対談

冨田酒造㈲のwebサイトを見ながら商品の解説をしながら対談


冨田酒造㈲のグッズ

冨田酒造㈲のグッズ


 会場からは、「盛んに新商品開発へと活動をされている冨田さんの行動力に敬服します」「このような活動を教えていただく機会をいただき感謝します」など多数の前向きな感想をいただきました。
 冒頭に紹介した江北図書館を受け継いだ先代や先々代の行動力を受け継いだ冨田泰伸さんは、酒造りにとどまらず、広く地域を網羅してその新しい魅力を創出し、発信されることでしょう。
成安造形大学附属近江学研究所研究員 加藤賢治
冨田酒造webサイト>>こちらから

八王寺山の家・自力建設プロジェクト ワークショップ開催!2日目

2013年8月17日(土)、18日(日)の2日間、昨年度から建材素材集めや上棟式などに取り組んできた大津市仰木地区の「仰木自然文化庭園構想 八王寺組」が主催する、拠点となる小屋の建設ワークショップに参画しました。
この活動は、近江学研究所が、研究活動「八王寺山の家”地域拠点”自力建設プロジェクト」の一環として、地元仰木との活動を授業化し、研究員と学生が参画するものです。
1日目の作業は>>>こちらから
<2日目の作業の様子>
八王寺山の家・自力建設プロジェクト 藁積み・荒壁づくりワークショップの2日目。
1日目にも増して快晴。

まず、始めに八王寺組の上坂会長からごあいさつがありました。

そして、カイルさんより、ストローベイルハウスの特性についてレクチャーがあり、
今日の作業行程、作業の分担について説明がありました。
学生たちもそれぞれ作業を分担しています。

土壁に隠れるベイルを覗く「真実の窓」の窓部分を汚れないように養生をする作業。

ベイルを留める竹杭の先端をとがらせる作業

「真実の窓」ができる下面の壁にレリーフをつくることになり、イラストレーション領域の学生たちは急遽デザイン案を考えることに。
テーマは「棚田」です。
そして、2層目の荒壁塗り作業。

1層目の土よりも、藁を沢山入れて、強度をつよめます。この土をベイルとベイルのくぼみや、壁の形の成形に使います。
土づくりが重労働。男の人たちが交代しながら行ないます。

壁の上面のラインをきれいにみせるように、指示を仰ぎながら、土をのせて、形を整える作業を繰り返します。
午前の作業は終了。

お昼ごはんは、鹿肉カレー!

そして、二種類の夏野菜たっぷりサラダ。
身体が元気になります。
レリーフ案が決まりました。イラストレーション領域3年のツリアンディカ・アンジャニさんのデザインです。


レリーフをつくっていきます。
壁面の形成が整い、レリーフができました。
14時、いよいよ仕上げとなる3層目を塗っていきます。

仕上げの土は、粉砕した藁スサをたくさん混ぜて、水分を含んだ柔らかい土です。
これをゴム手袋の手で、すーっと上塗りしていきます。手のひらで壁を撫でていきます。

撫でていくと、すこしづつ光沢が生まれていきます。

そして、2日間の作業が終わり、小屋の中には存在感のある、美しい壁が立ち上がりました。

2日間、暑い中で長時間の作業でしたが、
学生たちが地域の方や、一般の方々になじみながら、
作業を率先して、みんなを引っ張るように動いている姿はとても頼もしくみえました。
そして、この小屋が、地域の方々にとっても、関わった多くの方にとっても大切な場所になることがわかりました。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうござました。

八王寺山の家・自力建設プロジェクト ワークショップ開催!1日目

2013年8月17日(土)、18日(日)の2日間、昨年度から建材素材集めや上棟式などに取り組んできた大津市仰木地区の「仰木自然文化庭園構想 八王寺組」が主催する、拠点となる小屋の建設ワークショップに参画しました。
この活動は、近江学研究所が、研究活動「八王寺山の家”地域拠点”自力建設プロジェクト」の一環として、地元仰木との活動を永江弘之研究員(イラストレーション領域准教授)をはじめ研究員を中心に、授業化をして、学生も一緒に研究活動をするものです。
<2日間の作業>
小屋の内装にストローベイルの壁面を作ります。
1日目は、ストローベイルという稲藁を圧縮したブロックを積み上げ、
2日目は、ベイルの上から土を塗り、土壁を作るという作業を行いました。
ワークショップの指導には、特別講師として2名お招きしました。
アメリカ人のカイル・ホルツヒューターさん。
日本大学にて環境建築を研究しながら、自ら左官業を極める活動をおこなっている方で、これまでもストローベイルハウスのワークショップを数多く手掛けています。
そして、この昨年まで本研究所の研究員・本学教授であった建築家の大岩剛一先生。
今年度からは客員研究員として、この研究に携わっておられます。
日本でストローベイルハウスの設計をされて、自然素材の自ら作る建築の在り方をワークショップを通して普及していく活動をされています。

左:大岩剛一先生 右:カイル・ホルツヒューターさん

左:大岩剛一先生 右:カイル・ホルツヒューターさん

カイル・ホルツヒューターさんについては>>>こちらから
大岩剛一先生のストローベイルハウス活動については>>>こちらから
<1日目の作業の様子>

午前中は、八王寺組メンバーと上仰木農業組合の皆さんと、成安造形大学スタッフ、学生、そして講師の先生方のみで、
午後に行う一般公開ワークショップの準備を進めました。
まずは、小屋にストローベイルを運び込みます。

小屋のベイルを積む壁面には、ベンチにする箇所に木枠がとりつけられています。

土に混ぜるワラを「押し切り」という道具をつかって5cmに切っていきます。
学生たちは以前も使用したことがあるので、手馴れています。

カイルさんの指導で、土が付きやすいように、木枠などにシュロ縄や麻縄を巻きつけていきます。

お昼のお弁当は、仰木の上坂さんお手製。とても美味しかった。

午後からは一般参加の方も一緒に作業を進めていきます。
参加者は八王寺組の棚田ボランティアやオーナーなどに参加されている常連の方や、ストローベイルハウスについて関心をもっている方が埼玉や広島など遠方からも駆けつけられていました。
まず、八王寺組会長の上坂雅彦さんからご挨拶。

はじめにカイルさんから作業工程について説明があり、各人に仕事を振り分けていきます。
皆、グループになりながら作業を進めていきます。

ベイルを積み始めました。2段目からは竹串を打ち込んでベイルを固定していきます。

通常の大きさのベイルでは狭い場所に合わせて、「カスタムベイル」を作ります。
午前中にカイルさんから指導を受けた学生が指導者となっています。頼もしい姿です。

どんどん高くベイルが積みあがってきました。

順調にベイル積みが進んだので、次の行程「下塗り」作業へ。
粘土質の強い土(藁を少なめに混ぜる)を、ベイルに薄く塗りつけていきます。
2日目に塗る土との接着剤代わりになるもの。
今日の作業はここまで。

夕方からは、八王寺組が交流会としてバーベキューを開催してくれました。
暑い中、熱中症にもならず一日が終わりました。明日もがんばるぞ、乾杯!

交流会では、大岩先生が設計し、カイルさんが壁を手掛けたという神奈川県にあるお寺ができるまでのドキュメンタリーDVDが上映されました。今回と同じように多くの人が集って、「場所」を作り出していました。
最後に上坂会長から、
「これは現代版の「結」だと思う。たくさんの人の気持ちがつながる場所にしていきたい」との言葉に、
とても胸があつくなる気持ちになりました。
<2日目につづく>

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