おうみブログ2022-03-29T17:42:04+09:00

おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

第13回近江学フォーラム 現地研修「文化財の宝庫 三井寺を訪ねて」報告

2022年10月15日(土)に、第13回近江学フォーラム 現地研修「文化財の宝庫 三井寺を訪ねて」を開催しました。
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、バスでの移動は行わず、
現地集合・現地解散、午前と午後の二部に分けて人数を分散して実施しました。

今回の現地研修には、近江学フォーラム会員のみなさま39名(午前の部22名/午後の部17名)、スタッフ8名が参加。
当日は朝から快晴で日中は少し暑いくらいの良いお天気となりました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいた園城寺(三井寺)のみなさまありがとうございました。

■現地研修のようす

 

仁王門を出発後、加藤副所長の解説を聴きながら釈迦堂、鐘楼を経て金堂へ向かいます。
金堂内では、秘仏である本尊や数々の仏像、そして金堂の建造物としての特徴などについて加藤副所長がお話ししました。

金堂の次は閼伽井屋を見学。
ここでは石川研究員から本堂と湧き水との関係性などについてお話がありました。

 

特別拝観の光浄院客殿では、本研究所の参与でもある福家俊彦 長吏に
書院造の特徴などについて詳しくご解説いただいた後、
小嵜所長が襖絵について解説しました。

 

光浄院客殿を出た後は、加藤副所長の解説を聴きながら
霊鐘堂や一切経蔵、三重塔、唐院などを見学。
文化財収蔵庫へ向かいます。

 

文化財収蔵庫では、再び福家 長吏にお越しいただき、
現在ユネスコ「世界の記憶」の国際登録に向けて国内候補に選定されている
円珍に関する貴重な文書典籍に関してお話いただきました。
その後、文化誌『近江学』第13号で小嵜所長が執筆された
「園城寺 勧学院客殿障壁画」について小嵜所長の解説を聴いていただき、現地研修は終了。

 

最後に、お時間のある方を対象にオプションツアーとして
加藤副所長が百体堂、観月舞台、観音堂をご案内しました。

(写真:真下武久研究員)
※光浄院客殿および文化財収蔵庫内の写真は
特別に許可をいただいて記録用に撮影したものです。

■参加者アンケートより(一部抜粋)

「住宅建築から障壁画まで、くわしく説明して頂き、大満足の1日でした。」
「福家様にお話を聞けてありがとうございました。」
「何度も訪れた三井寺でしたが、今日は知らないことばかり、貴重な体験をさせていただきました。」
「小嵜先生の日本画の見方の説明がおもしろかったです。柱の丸、角の違いも勉強になりました。時代によってふすま絵の描き方や好みがある事も興味深かったです。」
「50年振りに三井寺を参拝し、当時を懐かしく思い出すとともに、貴重な場所も拝見でき非常に価値のある研修でした。」

2022年10月19日|Categories: フィールドワーク, 近江学フォーラム|

【開催決定】第13回近江学フォーラム現地研修

第13回近江学フォーラム現地研修「文化財の宝庫 三井寺を訪ねて」に
お申込みのフォーラム会員のみなさま

本日(10/15)の現地研修は、予定通り開催いたします。
新型コロナウイルス感染防止対策に十分ご留意いただき、
ご参加くださいますようお願い申し上げます。
どうぞお気をつけてお越しください。

成安造形大学附属近江学研究所 10月15日(土)7:15

2022年10月15日|Categories: 近江学フォーラム|

「淡海の夢2022 堅田・湖族の郷写生会」を開催しました!

「淡海の夢2022 堅田・湖族の郷写生会」
日時:10月8日(土)9:30~16:00
場所:大津市堅田周辺
講師:永江 弘之(本学イラストレーション領域教授・本研究所研究員)、待井 健一(本学非常勤講師)

10月8日(土)、大津市堅田にて、公開講座「淡海の夢2022 堅田・湖族の郷写生会」を開催しました。「淡海の夢」は、年2回の写生会と公募風景展を通して、近江の素晴らしさを体感し、近江の固有の価値を再発見する講座です。
前日は終日雨が降っていて写生会翌日の日曜日も雨の予報でしたが、写生会当日の土曜日だけは少し肌寒いものの写生日和となり、一般の方25名、学生10名にご参加いただきました。

今回の写生会の会場である堅田は、琵琶湖の水運・漁業など、湖上の特権を持つ堅田衆(湖族)が栄えた歴史ある町です。その町並みをはじめ、蓮如や一休和尚、松尾芭蕉ゆかりの寺院、浮御堂、堅田漁港など、趣深い湖辺の風景が魅力です。
今回は本部として本福寺の本堂をお借りして開催しました。

はじめに講師から風景を描くポイントや写生中の注意点などの説明を受けていただいた後、参加者のみなさんは、それぞれ描きたい風景を探しに堅田の町へ。講師は、写生中のみなさんを巡回して個別に風景写生のコツについてアドバイスを行いました。

15:30からは、本福寺本堂にて作品鑑賞会を開催。お互いの作品を見ながら感想を言い合ったり、ご自身の作品について講師に質問されている方も多くいらっしゃいました。一般の方と学生との交流も生まれ、学生にとっても刺激のある時間になったことと思います。

講座終了後、受講者のみなさんからは、
「すごく楽しかったです。しばらく絵を描くことから離れていたので、貴重な時間と体験させていただきました。」
「堅田ははじめてでしたので、こんなにいい景色がたくさんあるところを知れて感激です。」
「目の前の景色をどのように表現すればよいのか迷うばかりですが先生のアドバイスには本当に助けられました。」
など、たくさんのご感想をいただきました。

近江学研究所では、滋賀県内の風景を、さまざまな視点・アプローチで表現した作品を集めた公募展「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2022 風景展」の出品作品を募集しています。詳細は下記をご覧ください。
【出品申込締切 2022年10月29日(土)〔当日消印有効〕】
https://omigaku.org/fundamental/region/#ominoyume

2022年10月12日|Categories: 公開講座|

【開催決定】「淡海の夢2022写生会」堅田・湖族の郷写生会

淡海の夢2022 堅田・湖族の郷写生会
お申込みの皆さま

本日(10/8)の写生会は、予定通り開催いたします。
寒さ対策、新型コロナウィルス感染防止対策に十分ご留意いただき、
ご参加くださいますようお願い申し上げます。
どうぞお気をつけてお越しください。

成安造形大学附属近江学研究所 10月8日(土)7:15

2022年10月8日|Categories: お知らせ, 公開講座|

近江―受け継ぐかたち「長浜の漆文化の継承 曳山修復を手がける塗師」講座映像視聴会 報告

公開講座 近江のかたちを明日につなぐ
近江―受け継ぐかたち
「長浜の漆文化の継承 曳山修復を手がける塗師」

【講座映像視聴会】
日時:9月24日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 多目的室
講師:渡邊嘉久 氏(株式会社渡邊美術工藝 代表取締役・長浜仏壇塗師)※映像出演
対談:真下武久(本学准教授・近江学研究所研究員)

2022年度第2回目の公開講座をオンデマンド配信と講座映像視聴会で開催しました。
オンデマンド配信は9月9日から9月23日まで。
配信終了の翌日に講座映像視聴会を大学内で実施しました。

今回は、今年3月に発刊した文化誌『近江学』第13号掲載の
「長浜の漆文化の継承 曳山修復を手がける塗師 渡邊嘉久氏」に登場する
株式会社渡邊美術工藝 代表取締役 渡邊嘉久さんを講師にお招きし、
取材を行った本研究所の真下武久研究員とともに、
本には書ききれなかった渡邊さんのお仕事や長浜の漆文化についてお話しいただきました。

講座前半では、まず「漆」そのものの特徴についてご解説いただいた後、
長浜と漆の歴史や渡邊さんご自身が漆のお仕事を継承されるまでのエピソード、
そして、曳山修復をはじめとする様々なお仕事の様子から
漆文化継承のために行われている現在の活動に至るまで、幅広くお話しいただきました。

後半は、渡邊さんが現在取り組まれている常喜椀の復刻や、
漆を接着剤として使用する金継ぎ教室について、
実際の作品を見せていただきながら、真下研究員と対談を行いました。

【受講者アンケートより抜粋】
「余呉で漆から樹液をとっていること初めて知りました。」
「いろいろなアイデアで漆の良さを広めてらっしゃること素晴らしいです。伝統として残してほしいです。」
「常喜椀というものを初めて知りました。後継者不足や後継者の技術向上の場の不足など問題は沢山ありますが、これから先も引き継いで行ってほしいと思いました。」
「少々大津祭りに関与している者にとって後継者不足、資材不足等同じような問題を抱えておられる現状がつぶさに分かりました。」

[講師プロフィール]

渡邊嘉久 氏(株式会社渡邊美術工藝 代表取締役・長浜仏壇塗師)
1963年(昭和38年)長浜市生まれ。大学卒業後、銀行員などを経て家業の渡邊仏壇店の三代目として漆塗りの仕事に就く。父渡邊信雄のもとで浜仏壇の漆塗り、長浜曳山漆工品の修復に携わる。2010年(平成22年)株式会社渡邊美術工藝を設立し代表に就任。それ以降、各地の山車修復の仕事を手がけるようになる。仏壇仏具の漆塗り、山車の修復と並行して、長浜漆器『常喜椀』の製造販売、長浜に漆の木を増やす活動にも取り組む。

2022年9月30日|Categories: 公開講座|

2022年度 研究テーマ「禍」について

2022年度 研究テーマ

2022 年度の研究テーマは、「近江の禍(わざわい)」。新型コロナウイルス感染症がもたらした大きな「禍」の渦中に、近江学研究所では、改めて近江で起こった様々な禍、そしてその時人々が禍とどう向き合い乗り越えてきたかを検証することで、先人の知恵を現在そして未来に活かす手段を見いだそうと研究活動を進めています。

元三大師護符(大津市 西教寺)

研究者一覧(50音順)

今森光彦 (写真家・成安造形大学 客員教授)
大原 歩 (京都大学大学院技術補佐員)
岡井健司 (近江日野商人ふるさと館 館長)
金 再奎 (滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 専門研究員)
髙梨純次 (公益財団法人秀明文化財団 理事(MIHO MUSEUM研究・展示担当))
高橋大樹 (大津市歴史博物館学芸員・総合地球環境学研究所共同研究員)
對馬佳菜子 (仏像・地域文化プロデューサー)
畑中英二 (京都市立芸術大学美術学部総合芸術学科教授)
福井智英 (長浜市長浜城歴史博物館 館長)
横谷賢一郎 (大津市歴史博物館 学芸員)

木村至宏 (成安造形大学附属近江学研究所顧問)

石川 亮 (成安造形大学芸術学部 准教授・附属近江学研究所研究員)
加藤賢治 (成安造形大学芸術学部 教授・附属近江学研究所副所長)

成果発表 文化誌「近江学」第 14 号(2023 年 2 月 10 日発刊予定)

2022年8月29日|Categories: 研究プロジェクト|
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