近江学研究所では、年2回、
客員研究員のみなさまをお招きして研究会を開催しています。
先日、今年度第2回目の近江学研究会を開催しました。

研究所では今年度「禍(わざわい)」をテーマに研究活動を進めてきました。
その成果をまとめた文化誌『近江学』第14号の刊行を目前に、
いよいよ来年度以降の研究プロジェクト・研究テーマについての議論が
最終段階を迎えています。

今回の議題は、前回に引き続き3ヵ年研究プロジェクト「結・コミュニティ」について。
はじめに大原歩客員研究員より、本研究所で検討を重ねてきた3年間の研究の進め方や
各年の研究テーマ案について説明があり、その後、様々な意見が交わされました。

 

 

1年目の研究プロジェクトは、
「ファーストプレイス(地縁・血縁)のコミュニティ」として
「縁」や「惣」を研究テーマとして検討しています。

結縁高名の具体例として愛知井の話からはじまった意見交換では、
水利に関わる結束・対立の姿として、荘園から中世・近世にかけて続いてきた人々のつながり、
「惣」の背景にある用水をめぐる村々の関係性などについて、
客員研究員のみなさまから貴重なお話をお聞きすることができました。

また研究所が「堅田の変遷」に着目していることに対して、
中世後期以降など年代を絞らないと難しいのではないかといったご意見や、
近世の堅田については文書や絵図など新たに発見されたものが多く出てきている
といった情報提供がありました。

様々なご意見を受けて、年明けの学内研究会では、
来年度の研究テーマや内容についてさらに検討を進め
今後の研究活動の方向性を決定していきたいと思います。

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第26回近江学研究会

日時:令和4年12月19日(月) 9:30-11:00

出席者(50音順):
[客員研究員] 大原歩氏、髙梨純次氏、山本晃子氏、和田光生氏
[所 長] 小嵜善通
[副所長] 加藤賢治
[研究員] 石川亮、永江弘之、真下武久
[オブザーバー] 田口真太郎

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