おうみブログ
近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。
津田睦美研究員 ニューカレドニア移民史の研究が取材されました!

加島貢太郎所 蔵
2012年12月14日、
ニューカレドニアに日本人が移住をして120年になることを記念し、
現地の日本人墓地にて慰霊碑の落成式がありました。
長年、ニューカレドニアの日系移民史に関する研究を進めてきた津田睦美准教授・本研究所研究員。
今回の落成された慰霊碑には、津田睦美准教授が、
ニューカレドニアで死亡した日本人移民の死亡証明書に記されたアルファベットの名前をもとに、
突き止めることが出来た229人分の漢字表記の名前が記されました。
また、2012年12月15日付け朝日新聞全国版(社会欄)にて、取材記事が掲載されました。 →こちらから
日本人移民120周年慰霊碑落成式典について →日本人会ホームページより
津田睦美研究員について → 津田睦美ホームページより
フォーラム会員限定講座第5回「石造道標に見る道の機能」を開講しました。
12月15日(土)、今年度最後となる近江学フォーラム会員限定講座が開講されました。
近江学研究所木村至宏所長が「石造道標に見る道の機能」と題して、今年度の最終回を締めくくられました。

木村 至宏 近江学研究所 所長
冒頭では、道標研究を始められた時、道標探しに夢中になり、
時間を忘れて帰りの電車が無くなってしまったというエピソードなどを話され、
続いて、道標の形や、背景、意義など詳しい資料をもとに解説されました。

後半は、調査の際に撮影された道標約20基をスライドで紹介され、
現代の交通標識とは違い、一基ずつにその歴史や物語が見えてくると
道標の魅力を語られました。
また、道標を中心としながら、街道やその地域に伝わる伝承、
近江商人の活躍など話は多岐に広がり、木村所長の近江に関する知識の深さに改めて感心されられました。
道標の研究は昭和40年代前半から始まり、いわば木村所長の研究の出発点、
すなわち木村近江学の原点と言えるものです。
今年度の締めくくりにふさわしい講義にフォーラム会員の皆さんの顔は満足そうに見えました。

報告:加藤賢治
日時:2012年12月15日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:木村 至宏氏 (附属近江学研究所 所長)
文化誌『近江学』第5号、特集「木と暮らし」完成しました!
文化誌『近江学』5号が完成しました!!
特集テーマは「木と暮らし」。
木造船・丸子船・木地師・朽木盆・雑木林・鎮守の森、絵馬、雁皮紙など、
近江の木にまつわる世界を語ります。
(さらに…)
淡海の夢風景展 10周年のお茶会・授賞式を開催しました!
本日はその淡海の夢企画が、10周年を迎えることを記念して、
「淡海の夢 10周年のお茶会」を開催しました。

開会のごあいさつ 木村所長
企画・監修する永江弘之研究員より、10年をふりかえって、
2003年よりはじまった淡海の夢写生会や公募展「風景展」が、
本学周辺に広がる、人々と自然がつながりをつくるなかで育んてきた里山を描くことを通して、
その魅力をみんなで伝えていこうとつづけているというお話がありました。

また、写生会を発案した 井上直久先生が駆けつけてくださりました。

イラストレーター 井上直久先生
ホームページ 「井上直久のイバラード日記」はこちらから
写生会参加者や、風景展出展者のみなさんと
短い時間ですが、楽しく交流ができました。


食&夢工房の地元の柚子をつかった柚子茶でおもてなししました。

出品者の方から、嬉しいカステラのさしいれ。
また、後半には 本年度の風景展 授賞式を行いました。
10周年記念賞として、
●近江学研究所 所長賞 1作品
●淡海の夢賞 1作品
●ブライアン・ウィリアムズ賞 1作品
入賞作品として、
●ホルベイン賞 5作品
●クサカベ賞 5作品
以上13作品の授賞式を行いました。






ブライアン賞では、映像による作品コメントを上映
受賞された皆様、おめでとうございます!
寒い中、お集まりいただいたみなさま、ありがとうございました。
淡海の夢2012風景展 受賞作品発表!!!
本日(12月5日)より開催しました「淡海の夢2012風景展」は、
一般の方と学生の応募作品による公募風景展です。
本年度は、52作品が出展しています。

I棟1階アートサイトにて開催 タイトルパネルが目印です

滋賀県(近江)の風景を様々な表現で描かれている力作ばかりです

本年度は写真作品も多数出展されています

展示会場前には近江学研究所の紹介コーナーも!
この企画は、今年で10周年を迎えました。
それを記念して、例年通りの入賞10作品(ホルベイン賞・クサカベ賞)とは別に、
10周年記念賞としまして、
本研究所木村所長が選ぶ 「近江学研究所 所長賞」
企画・監修する永江弘之准教授が選ぶ 「淡海の夢賞」
風景画家ブライアン・ウィリアムズ氏が選ぶ 「ブライアン・ウィリアムズ賞」を、
設置しました!
それでは、各受賞作品を発表します。
■■■■■■■■■■ 淡海の夢2012 10周年記念賞作品 ■■■■■■■■■■
【近江学研究所所長賞】
絵画 溝辺 行雄 『黄葉坂本』 (油性ドローイングペン、水彩、パステル)
【淡海の夢賞】
絵画 早川 忍 『晩秋』 (岩絵具)
【ブライアン・ウィリアムズ賞】
絵画 梶本 奈津実 (本学イラストレーション領域学生) 『黄映』 (アクリル絵具)
【ホルベイン賞】
絵画 井上 弘 『内湖の冬』 (琵琶湖ヨシ紙、ヨシペン、アクリル絵具、不透明水彩)
絵画 関田 真美子(本学イラストレーション領域学生) 『夏の色』 (アクリルガッシュ、メディウム)
絵画 瀧 光太郎 『仰木の棚田』 (油絵具)
絵画 中島 勝 『湖をきれいに』 (透明水彩)
絵画 藤森 絢子(本学イラストレーション領域学生) 『路地裏の公園』 (アクリル絵具)
【クサカベ賞】
写真 加藤 國子 『正月』
絵画 岸本 早永(本学イラストレーション領域学生) 『かわる里』 (透明水彩、アクリル絵具)
絵画 平川 克治 『かくれ里』 (鉛筆)
絵画 弘 雅子 『穴太の技』 (水彩)
写真 吉田 信介 『高島針江もんどり漁』 (紙:ハーネミューレSUGARCANE300 8sm)
受賞された皆様おめでとうございます!!!
===========
展覧会『棚田・里山、湖辺(こべ)の郷 淡海の夢2012 風景展』
期間 12月5日(水)~15日(土) -日曜休館-
時間 12:00~18:00
会場 成安造形大学 I棟 1階 ギャラリーアートサイト
企画・監修/永江弘之(成安造形大学 准教授・附属近江学研究所研究員)
協賛/ホルベイン工業株式会社、株式会社クサカベ
主催/成安造形大学 附属近江学研究所
===========
関連企画「10周年のお茶会」
ささやかなティーパーティーと授賞式を行ないます。ぜひお気軽にご参加ください。
日時 12月8日(土)14:00~15:00
場所 I棟 1階プレゼンルーム (会場であるギャラリーアートサイト隣の教室になります)
参加費・申込不要
===========
「近江 里山フィールドワーク」今森光彦先生のマキノの雑木林「萌木の国」で枝打ち!
12月2日(日)「近江 里山フィールドワーク」の最後の授業が行われました。
この日は大変気温が低くなりましたが、時折晴れ間がのぞく天候に恵まれ、
今森光彦本学客員教授が管理する雑木林「萌木の国」で授業が行われました。
午前11時JRマキノ駅に集合、雑木林に入ると早速今森教授から、
「もともとこの辺りの雑木林はクヌギやコナラなどが中心で、燃料を生産する薪炭林として活用されており、
人間の手が丁寧に入り、多くの生物とともに共存してきた。そして現在は炭の需要が無くなり、
シイタケのホダ木をつくるための雑木林を残して、極端に少なくなってしまったが、
生物多様性を考えるとき、この雑木林が持つ力をじっくり見つめ直す必要がある」など、
雑木林の歴史や機能についての解説がありました。

熱心に解説する今森教授

雑木林の中で今森教授の解説を受ける学生
今森教授が管理する雑木林は、カブトムシの棲家をつくるような役割があり、
夏にはここで親子対象の「萌木の国昆虫教室」が行われています。
この日はそのイベントに参加された親子連れも来られ、学生達も一緒に晩秋の雑木林に
欠かせない枝打ち作業などの手入れを行ないました。

枝打ち作業
作業の中には強風で倒れた太い櫟(くぬぎ)の木を裁断することや、
細かい枝を集めて昆虫の寝床をつくったりすることなどがあり、
またその作業途中に見たこともないような虫を発見すると、そこで今森教授の昆虫教室が始まったりしました。

倒れたクヌギを細かく裁断する学生

コオロギとキリギリスの両方の特徴を持っているコロギスの生態を解説する今森教授

学生がコロギス発見!
作業の途中に、引率の佐藤悦子特別講師が、ドングリの実の種類や昆虫の話など、
雑木林が持つ生物多様性の話がありました。
戦後にたくさんの木の実や昆虫を生産する雑木林が減少し、実を付けない杉・檜(ひのき)の人工林が増殖したことで、
獣の棲家が無くなり、現代の獣害問題なども引き起こしていることなど、
学生達は、雑木林の中で貴重な知識を得ることができました。

22種類あるというドングリの種類を確認

シイタケのホダ木をつくる雑木林を見学
この授業は、前半に仰木の集落が保有するいわゆる人工林に入り、その森を守るという森林活動を体験し、
最後にかつて人間が共存していた雑木林を体験するという流れになっています。
一見、同じように見える森林ですが、その役割や機能は全く異なり、
今後の森林のあり方や人間との関わりを考える機会になったと思います。
この体験を学生達がどのように考え、まとめるか、最終レポートに期待したいと思います。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治