おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

公開講座

連続公開講座 吹田政雄氏「高島扇骨と近江扇子」報告

日時:2015年9月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:吹田政雄氏(有限会社すいた扇子2代目)
対談:大原歩(近江学研究所研究員)
タイトル:「近江~風のかたちー高島扇骨と近江扇子ー」

講師 吹田 政雄 氏 (有限会社すいた扇子2代目)

講師 吹田 政雄 氏
(有限会社すいた扇子2代目)

9月12日(土)、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズの3回目の講演会を
滋賀県高島市安曇川町にて高島扇骨や近江扇子を製造販売を継承し、2代目となる吹田政雄さんをお迎えして開催しました。
対談は、大原歩研究員が行ないました。
扇子ができるまでを解説

扇子ができるまでを解説

仲骨が全員に配られました

仲骨が全員に配られました

はじめに、吹田政雄さんから、「扇子ができるまで」の作業工程過程を実際の道具を見せながら解説。
その後、作業工程の中の「締直し」の作業をご披露いただき、締直しの作業前と作業後の違いを触って感じさせていただきました。
扇骨の仲骨の「締直し」作業

扇骨の仲骨の「締直し」作業

職人の技を触って感じる

職人の技を触って感じる

そして、後半は、大原研究員が吹田政雄さんに質問する形式で、扇子ができるまでに多くの職人が分業し、組織で扇子をつくる仕組みについてや、国産扇骨の90パーセントが高島扇骨であり、そのほとんどが京扇子として販売されている事実とその歴史について。
また、吹田さんが扇子の伝統産業として行われている「絵付け体験」や、地元の方々と協働で立ち上げた安曇川沿いの竹林を整備し、安曇川産の扇骨を復活させる活動の「竹林整備組合」についてを聞かせていただきました。
大原研究員(左)と対談

大原研究員(左)と対談

また、昨年滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ扇骨だけでつくる扇子「扇骨扇子」のデザイン提案の事業についても紹介し、高島発の新しい試みが始まっていることも話されました。
高島の「地場」で350年の歴史ある伝統産業は、一人ひとりの職人と、その地域のネットワークで育まれているということが伝わる講演となりました。
【講演内容】
近江の伝統産業として約350年の歴史を誇る扇子の骨格である高島扇骨。 全国の生産量の約90%を占めることはあまり知られていません。 扇骨の生産工程は親骨で18工程もありすべて手作業で行われます。 15歳で扇骨職人となり滋賀県扇子工業協同組合前理事長である吹田政雄氏をお招きし、その繊細で複雑な加工作業を見せていただきます。 また、近年取り組む地元の若手職人が設立した「SENKOTSU工房」や安曇川の竹林整備などについてなど、新たな「近江扇子」の未来を語っていただきます。
【吹田 政雄 氏プロフィール】
1948年滋賀県生まれ。1963年15歳で、有限会社「すいた扇子」2代目の扇骨職人となる。2007年~2015年滋賀県扇子工業協同組合理事長。工房には、扇子の絵付け体験や扇子作りを学ぶスペースをつくり、地元や観光客に地場産業を学ぶ取り組みを精力的に行っている。
【すいた扇子】について詳しくは「高島市観光協会」>>>こちらから
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.3「高島扇骨と近江扇子」
2015年9月1日(火)~9月25日(金)12:00-18:00
休館日:日祝 ※ただし、9月12日(土)は開館
会場:聚英館1階フロア
詳しくは>>>こちらから
「高島扇骨と近江扇子」展 成安造形大学聚英館1階

「高島扇骨と近江扇子」展
成安造形大学聚英館1階

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子

近江扇子の展示・販売
2015年9月8日(火)~9月25日(金)11:00-18:00
会場:カフェテリア「結」内ミュージアムショップ
Closed on Sundays/日祝休館

太田浩司氏:2015近江学フォーラム会員限定講座 第2回

日時:2015年7月11日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:太田浩司氏(長浜城歴史博物館館長)
タイトル:「小堀遠州-その生涯と芸術性」

太田浩司先生

太田浩司先生



今日は会員限定講座の第2回目「小堀遠州 その生涯と芸術性」と題し、長浜城歴史博物館 太田浩司館長にご登壇いただきました。
茶人、庭の作庭で有名な小堀遠州(現在の長浜市小堀町生まれ)ですが、文化人というのは一面に過ぎず、今で言う政府の官僚で、公人であった。
その中でお城や将軍宿泊用御殿など幕府の作事奉行(建築)や普請奉行(土木)を務め、その建物はもちろん作庭の陣頭指揮をとった。
寛永十一年(1634)には幕府ナンバー2の立場にあり、京都伏見に居を構えながら江戸へ参上するなど多忙を極めた中で、さまざまな幕府の官僚業務を担い、その目利きが養われまた評価されたのではないか。
庭師や茶人ではなく官僚としての小堀遠州の本来の姿を太田先生ならではの視点で多くの資料をもとに詳しく説明をしていただきました。
さることながら小堀遠州の庭は自然の中に人工的な直線や曲線の美を見事に配し、西洋的な造園方法を日本の庭園に導入したことが顕著であり、全国にあまたある小堀遠州作の庭には遠州好み、伝遠州作であることは否めないが、岡山県高梁市の頼久寺の小堀遠州作「禅院式枯山水蓬莱庭園は見事であると紹介いただきました。
是非、みな様もお足を運んでみてはいかがでしょうか。
(報告:前阪良洋)



講演内容:
小堀遠州は一般には茶人として知られるが、その姿は実に多彩です。彼が活躍した江戸初期は、大規模城郭建造ラッシュの時代と言えるが、その多くに普請・作事奉行として関わり、建物に付属する庭園の設計指導も行いました。さらに、幕府の行政官として国奉行・伏見奉行・上方郡代・直轄領代官などを歴任、備中国(岡山県)や畿内近国の支配、その地で起きる様々な訴訟を裁いていました。本講座は、遠州がこの多忙な生活の中で、「綺麗さび」と言われる芸術的センスを、如何に磨いていったかを考えます。
講師プロフィール:
1961年東京都生れ。明治大学大学院文学研究科修士課程修了(史学専攻)。1986年市立長浜城歴史博物館へ就職。以来、一貫して湖北・長浜の歴史研究に取り組む。現在、長浜市長浜城歴史博物館館長。著書『テクノクラート小堀遠州』『近江が生んだ武将石田三成』ほか。

淡海の夢2015-仰木・棚田里山写生会開催しました


6月20日(土)に、淡海の夢2015「仰木・棚田里山写生会」を開催しました。
前日までの雨で、天候が心配されたものの、当日は午前中に少し雨が降りましたが、曇り空の過ごしやすい一日となりました。
一般の参加者22名、学生20名のみなさんが参加いただきました。
今年で12年を迎えた仰木写生会。
これまでは大津市仰木・平尾地区の棚田風景を写生ポイントとして、
地域の方々に協力いただき開催してきましたが、
12年目の今年は平尾より比叡山側にある上仰木地区にポイントを移し、開催することになりました。

開催にあたり、上仰木自治会館にて写生会企画者の永江弘之研究員からの開催のあいさつと、
写生ポイントなどの説明が行われました。
その後、参加者のみなさんは、写生へ向かわれました。
高台から見渡す棚田と集落、その奥に広がる琵琶湖。
奥行きのある魅力的な風景が広がっています。



15時半頃、永江弘之研究員と、イラストレーション領域の阪東勲講師による講評会が上仰木自治会館にて行なわれました。
最後には、永江先生、阪東先生の作品についても説明があり、
約1時間、みなさん熱心に聞き入っておられました。


参加者のみなさんからは素晴らしい写生場所であった。講評が参考になった。という喜びの声をいただきました。
次回は、10月18日(日)淡海の夢2015堅田・湖族の郷写生会を開催します。
申込み・詳細は>>>こちらから

連続公開講座 細居源悟氏「ー土人形の魅力小幡人形ー」報告

日時:2015年6月13日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:細居源悟氏(小幡人形九代目当主)
対談:加藤賢治(近江学研究所研究員)
タイトル:「近江~かわいらしさのかたちー土人形の魅力 小幡人形ー」

 壇上にならんだ小幡人形たち

壇上にならんだ小幡人形たち


6月13日(土)、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズの2回目の講演会を
東近江市五個荘町にて小幡人形を製造販売を継承し、9代目となる細居源悟さんをお迎えして開催しました。
対談は、加藤賢治研究員が行ないました。
会場風景

会場風景


はじめに、加藤賢治研究員から、小幡人形の作られてきた東近江市五個荘町を訪ね、小幡人形の地域での広がりや細居家の歴史について紹介されました。郷土玩具として全国に広がった「土人形」。その元になったといわれる伏見人形についてなど、時代の移り変わりとともに変移してきた郷土玩具の歩みについて解説されました。
加藤賢治 近江学研究所研究員

加藤賢治 近江学研究所研究員


細居源悟さん (小幡人形9代目当主

細居源悟さん (小幡人形9代目当主


初代 安兵衛が作った土人形の型」について話すお二人

初代 安兵衛が作った土人形の型」について話すお二人


そして、後半は、細居源悟さんに、小幡人形のひとつひとつのいわれについてお話いただきました。
先代の細居文蔵さんの制作作業をビデオ上映から小幡人形の作業工程について解説いただき、
小幡人形の絵付け作業もご披露いただきました。



 講演会後、細居さんと小幡人形を取り囲み、質問が相次ぎました

講演会後、細居さんと小幡人形を取り囲み、質問が相次ぎました


※詳細な報告は後日行います。
【講演内容】
東近江市五個荘小幡町の旧中山道沿いに、享保年間(1716~1736)から郷土玩具「小幡人形」の製造販売を継承する工房があります。
現在その工房を守り続けるのが初代安兵衛から数えて九代目となる細居源悟さん。土人形の元祖といわれる伏見人形の系譜を継ぐ小幡人形を制作するただ一人の職人です。
講座では、細居さんの工房をそのまま大学に移し、人形づくりの現場を再現しながら、土人形の歴史や、種類、そのあたたかさと、かわいらしさなど、小幡人形を紹介しながら、今に伝えられる土人形そのものの普遍的な魅力をひも解きます。
【細居源悟氏 プロフィール】
1939年滋賀県東近江市小幡生れ。‘59年彦根工業高校機械科卒、近江織物(株)入社。‘65年親会社のテイジン、伊藤忠に出向、海外事業部に配属。海外技術指導員を体験。‘89年会社生活の傍ら8代目の父の作業を見習う。‘91年九代目襲名。‘92年年賀切手に「桃持猿」採用。‘95年年賀はがき裏絵に「走り猪」採用。‘08年全国伝統工芸品展「寝牛」優秀賞。‘12年年賀はがき裏絵に「雲のり龍」採用。’13年全国伝統工芸品展「馬のり天神」優秀賞。 受賞歴:‘95年小幡人形滋賀県伝統工業品指定。‘12年東近江市にて伝統工芸技術師指定。
【小幡人形について】ホームページは>>>こちらから
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展vol.2
かわいらしさのかたち −土人形の魅力 小幡人形−

2015. 5.25(mon) - 6.13(sat)
12:00-18:00
カフェテリア「結」内ミュージアムショップ Closed on Sundays/日祝休館
詳しくは>>>こちらから

淡海の夢2015-坂本・石垣と里坊の町写生会開催しました


5月23日、大津市坂本にて、公開講座「淡海(おうみ)の夢 坂本・石垣と里坊の町写生会」を開催しました。
曇り空の過ごしやすい写生日和となり、一般37名、学生約20名の方が受講されました。
講師は、風景画家・イラストレーション領域准教授の永江弘之研究員と、アーティストの阪東勲非常勤講師。
集合は、最澄が生まれたお寺である生源寺境内。
永江研究員より坂本の写生ポイント解説があった後、
滋賀院門跡前や、慈眼堂付近、日吉大社前など、思い思いの場所での写生を行いました。
今回ははじめて写生会に参加する方もおられ、開会の後に永江先生からレクチャーが行われました。

永江先生(左)からアドバイスを受ける受講者さん

永江先生(左)からアドバイスを受ける受講者さん



成安造形大学で取組んだ日吉大社蔵長沢芦雪筆「猿図絵馬」の復元模写した絵馬が完成し、先日(5月19日)に西本宮拝殿に奉納しました。
今年は日吉大社さんのご協力で、参加者の皆さんは特別に無料拝観ができ、学生の力作を皆さんに見ていただくことができました。
日吉大社西本宮拝殿にて。絵馬の奉納式。

日吉大社西本宮拝殿にて。絵馬の奉納式。


講評会は、生源寺境内にある別当大師堂にて行いました。
一人一人の作品について、講師より的確なアドバイスがあり、みなさん熱心に耳を傾けられていました。

阪東先生のスケッチ作品

阪東先生のスケッチ作品


次回の淡海の夢は6月20日(土)開催の仰木・棚田写生会です。
今年度は、これまで開催してきた仰木平尾地区の棚田から、上仰木地区の里山・棚田の場所へ変更します。
写生会はどなたでも参加できます。ご興味のある方は是非ご参加ください。

連続公開講座 山本昌仁氏「近江~受け継ぐかたちーたねやが世界に蒔くものー」報告

日時:2015年5月9日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:山本昌仁氏(たねやグループCEO)
タイトル:「近江~受け継ぐかたちーたねやが世界に蒔くものー」

満員の会場

満員の会場


山本昌仁氏

山本昌仁氏


5月9日(土)、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズの1回目の講演会を、近江八幡から世界に発信する菓子製造販売会社「たねや」の山本昌仁社長をお迎えして開催しました。
今回は、シリーズの基調講演としながら、「たねや」さんはもとより、近江八幡との連携を重ねてきた石川亮研究員が山本社長に質問するかたちで進め、難しい会社経営のお話から、「たねや」のデザインの方向性など、ものづくりにこだわった質問を投げかけました。
左 進行 加藤賢治研究員 インタビュアー 石川亮研究員


進行 加藤賢治研究員
インタビュアー 石川亮研究員


山本社長は、滋賀県の風土など、その土地にあるものを大切に、それらを引き出すことを大事にし、また、「自然に学ぶ」をテーマにしながら様々な取り組みを紹介していただきました。
また、事前にラコリーナを見学した本学総合領域の学生からも質問があり、世界で活躍する建築家藤森照信氏に新店舗「ラコリーナ」の設計をお願いされた経緯も解説していただきました。
現在たねやでデザインを担当する本学卒業生3名も紹介されました

現在たねやでデザインを担当する本学卒業生3名も紹介されました


学生の質問に答える山本氏

学生の質問に答える山本氏


近江八幡には、左義長まつりや松明まつりなど大きな春祭りが行われますが、それらの伝統行事をしっかりと次世代に残して行こうとする活発な活動があり、「たねや」さんもそれらをバックアップしておられます。
それらの伝統行事のように、「たねや」さんも、「自然に学ぶ」というコンセプトのもと、このラコリーナの建設や、たねや農芸の運営など、お菓子の製造販売を基にしながら、次世代に、つなげなければならない大切な思想を、世界に向けて発信し、伝えておられるのだと、理解できました。
200席が満席となった会場からは、山本社長に大きな拍手が贈られました。
報告:加藤賢治(近江学研究所研究員)
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【講演内容】
1872年、旧八幡町池田町(近江八幡市)に「種屋末廣」の屋号で菓子業を創業。
1945年、敗戦後の物不足の時代に「栗まん」が好評となり、たねやの基本作りとなって以来、近江(滋賀県)を象徴する老舗菓子業としてその名を轟かせています。
その精神は近江の歴史、文化を背景に京都では見いだせない「鄙(ひな)びた美」にいち早く気付き、生活様式の変化や時代の移り変わりを敏感に感じながらも受継ぐものを大事にし、同時に新しい提案も進めてこられました。
近年では、イタリアの食材を和菓子に取り入れる斬新なアイデアを創出するなど、期待と夢を与える提案をされています。
2015年1月には近江八幡市北之庄に、背景の八幡山と自然環境の一体化を目指すたねやグループのフラッグシップ店ラ コリーナ近江八幡メインショップを開店。
来たるべき時代へ向かってこれからの「たねや哲学」に迫ります。
【講師プロフィール】
1969年滋賀県近江八幡市生まれ。16歳より10年間和菓子の修行を重ねる。1994年に全国菓子大博覧会にて最高賞の「名誉総裁工芸文化賞」を24歳最年少受賞。2011年四代目たねや社長に就任。‘13年たねやグループCEO就任。
【関連企画展】
近江のかたちを明日につなぐ展vol.01 
たねやが蒔くもの 歴史に学ぶ・自然に学ぶ
会期:2015/3/30(月)~5/17(日)
休館:日曜日(5/17(日)を除く)、5月4、5、6日、
時間:12:00~18:00
会場:成安造形大学【キャンパスが美術館】スパイラルギャラリー・聚英館1Fロビー
入場:無料
協力:たねや、クラブハリエ、成安造形大学附属近江学研究所
主催:成安造形大学【キャンパスが美術館】
詳しくは成安造形大学【キャンパスが美術館】WEBサイトをご覧ください。

公開講座100回記念講演 五木寛之氏「双面の人 蓮如」報告

日時:2015年4月25日(土)13:30~15:30
場所:大津市民会館 大ホール
講師:五木寛之氏(作家)
タイトル:「双面の人 蓮如」

五木寛之氏

五木寛之氏


4月25日(土)、大津市民会館大ホールにて、近江学研究所の公開講座100回を記念して、作家の五木寛之さんをお迎えして記念講演を開催しました。
タイトルは、「双面の人 ー蓮如ー」。近江に深いゆかりのある浄土真宗中興の祖、蓮如上人についてお話をいただきました。
満席の大津市民会館大ホール

満席の大津市民会館大ホール



平安時代の末期、疫病や飢饉などで、多くの屍が街を埋め尽くし、死後に地獄へ行かねばならぬと自覚している庶民の苦しみを、阿弥陀仏の本願にすがり、念仏を唱えることで救おうとしたのが法然であり、それを深めたのが親鸞で、そして中世に登場した蓮如はその親鸞の教えを広めた。現在も、日本の文化に現れ、日本人の心に深く浸透している念仏の文化は、蓮如上人の布教活動によるものであるとお話がありました。
その他にも、蓮如に限らず、双面の心を持つ人間の性(さが)や、後白河法皇の今様の歌に見られる庶民の心などを、わかりやすい言葉で優しく解説いただき、ほぼ満席の約1000名の聴取者から、大変満足度の高い感想をいただきました。
報告:加藤賢治(近江学研究所研究員)

公開講座100回記念特別講演 作家五木寛之氏 『双面の人 蓮如』をお申込みの皆様

近江学研究所公開講座100回記念特別講演 作家五木寛之氏 『双面の人 蓮如』をお申込みの皆様へ
4月8日(水)に、お申込いただいた方へ参加証のハガキを発送いたしました。
参加証は、お1人様につき1枚発行しております。
講座当日に参加証を必ずお持ちいただき、受付にてご提出いただきますよう、お願いいたします。
※複数名でお申込の方につきましては、参加証が同日に届かない場合があります。お届けまでしばらくお待ち下さい。
一週間以上たってもお手元に届かない場合はお手数ですが、近江学研究所までお問い合わせください。

2015-04-09T16:56:28+09:002015年4月9日|おうみブログ, お知らせ, イベント, 公開講座|

2015年度近江学研究所 公開講座 応募申し込み開始しました!

成安造形大学附属近江学研究所の2015年度公開講座の応募申込を開始しました。
開設7年目を迎え、近江に潜在する文化資源を多角的に検証し、未来の新たな価値観を創出するため、第一線で活躍される様々な分野の講師を招聘し公開講座は100回を数えることとなりました。
その公開講座の開講100回を記念して、五木寛之氏にご登壇いただき、「双面の人 蓮如」と題しての特別講演を開催します。
また、建築家の藤森照信氏や、たねやグループCEO山本昌仁氏、小幡人形師の細居源悟氏、高島扇骨職人の吹田政雄氏など、様々な講師をお迎えしての公開講座を企画しています。
また、恒例の本学教員による写生会「淡海の夢2015」も開催いたします。
お申込・詳細はこちらから
みなさまのお申込を心からお待ちしております。
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2015-03-02T11:21:54+09:002015年3月2日|おうみブログ, お知らせ, イベント, 公開講座|

連続講座 近江~受け継ぐかたち「桶からシャンパンクーラー」中川周士氏が講演しました

日時:2014年11月29日(土)10:40〜12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:中川周士氏(中川木工芸 比良工房 主宰)
対談:石川亮(本研究所研究員)
タイトル:近江~受け継ぐかたち–桶からシャンパンクーラー–

講師の中川周士氏

講師の中川周士氏


対談 石川亮研究員

対談 石川亮研究員


11月29日(土)、連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」は、京都白川で祖父の代から続く桶職人を受け継ぎ、11年前に大津市比良に中川木工芸比良工房を構える中川周士氏を演壇に招きました。たくさんの道具を使い、実演を交えながらの講演が行われました。対談は、石川亮研究員が行ないました。
詳細の報告は後日詳しく行います。




ドン・ペリミオン公式のシャンパンクーラー

ドン・ペリミオン公式のシャンパンクーラー




【講演内容】
京都白川で祖父の代から続く桶職人を受け継ぎ、11年前に大津市比良に中川木工芸比良工房を構える中川周士氏を演壇に招きます。
大学時代は彫刻を専攻、ものづくりにおいては美術家と職人のスタンスを常に意識し、「用」と「美」と「技」の集約を追求してこられました。
今回の講座では桶が生活にかかすことのできない日用品であった時代の背景をたどりながら、生活様式や時代の変化に対峙し、受け継がれた技術や精神に迫ります。
近年、デザイナーや現代美術作家とのコラボレーションを発表され、その紹介や自身が受ける日本人のものづくりに対する「今日の眼差し」などお話いただきます。
中川周士氏プロフィール
1968年 京都府生まれ。1992年京都精華大学美術学部立体造形卒業。卒業と同時に父清司(重要無形文化財保持者)に師事、木工職人として桶、指物、刳物、ろくろなどの技術を学ぶ。2003年 滋賀県志賀町(現在は合併により大津市)に独立工房。 “中川木工芸 比良(ひら)工房”をひらく。 中川木工芸は京都の老舗桶屋「たる源」で
修行を積んだ祖父中川亀一が、
京都・白川に工房を構えたのが始まり。

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