おうみブログ
近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。
特別公開講座「アートと暮らし」開講しました。
日時:2012年4月28日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:鷲田 清一 氏
タイトル:「アートと暮らし」
附属近江学研究所は今年度で開設5年目を迎え、公開講座の内容もより充実させようと講座の時間を80分から90分に延長するなど、取り組みを進めています。その初回となる今回は、特別公開講座として位置づけ、哲学者で前大阪大学総長、現大谷大学教授の鷲田清一先生を講師に迎えました。
講座のタイトルは「アートと暮らし」。鷲田先生は冒頭で「生活の中にアートを取り入れようという話ではなく、アートに暮らしを取り入れる話をします」と宣言され、社会学的な視点で社会におけるアートの役割を話されました。
鷲田先生は、かつて芸術家と呼ばれた人々の活動が現代においては音楽やパフォーマンスなど大きく広がり、アーティストという名で、様々な活動を展開しているとアートの現状を報告されました。その中で、2003年の秋、大阪ミナミに眠る巨大地下空間を舞台に繰り広げられた「湊町アンダーグラウンドプロジェクト」を具体例に挙げられ、「若いボランティアスタッフがそのプロジェクトに参加する事で、学校という教育機関では学べないような貴重な経験をして成長する様子を目の当たりにした。アートプロジェクトは常に0(ゼロ)からスタートするため、参加するスタッフや企画者は大変な苦労を強いられる。従って、そこから得る成果は無限大に広がる」とアートプロジェクトの力を強調されました。
また、「昔の人は出産から始まり、しつけや教育、病を治す事、葬式を行う事まで生老病死のすべてのケアを自分たちで行ってきた。しかし、近代化が進んだ現代社会では、それらを国や自治体、企業が合理的に担うようになり、生活が便利になった一方で、個人ではまったく何もできなくなってしまった。」と指摘され、そのような弱い現代人を強くする機会をつくるのがアートプロジェクトの役割であると語られました。
最後に「そのようなプロジェクトを担うアーティストの卵を育てている成安造形大学の更なる活躍を願っています」と期待が込められた熱いメッセージをいただきました。
近江学研究所 研究員 加藤賢治
近江の催し:2012年4月

琵琶湖疏水の桜
4月1日(日)~6月3日(日)
ギャラリー展示「鉱物・化石展2012湖国の大地に夢を掘るⅣ」
琵琶湖博物館(草津市)
4月21日(土)~6月17日(日)
春季特別展「湖を見つめた王-継体大王と琵琶湖-」
滋賀県立安土城考古博物館(近江八幡市)
3月3日(土)~4月15日(日)
第58回企画展 車石-江戸時代の街道整備-
4月17日(火)~5月27日(日)
第96回ミニ企画展 大津絵大図解
大津市歴史博物館(大津市)
2月18日(土)~4月8日(日)
ブライアン・ウィリアムズ 曲面絵画誕生展
4月14日(土)~6月24日(日)
生誕100年 彫刻家 佐藤忠良 展
-“人間 ”を探求しつづけた表現者の歩み-
佐川美術館(守山市)
3月3日(土)~7月6日(金)
特別展「陶芸の魅力×アートのドキドキ」
滋賀県立陶芸の森(甲賀市)
3月9日(金)~4月10日(火)
テーマ展「直弼発見!彦根藩世継・井伊直弼」
4月13日(金)~5月15日(火)
テーマ展「国宝・彦根屏風」
彦根城博物館(彦根市)
3月10日(土)~6月10日(日)
開館15周年記念特別展「MIHO GRANDAMA Ⅱ 母なる方へ」(北館)
MIHO MUSEUM(甲賀市)
4月14日(土)~6月3日(日)
『日本絵画 組み合わせの美』
4月3日(火)~6月24日(日)
『「縦」と「横」』
4月3日(火)~6月24日(日)
『志村ふくみと滋賀の工芸』
滋賀県立近代美術館
4月8日(日)
建部祭
日吉神社(東近江市)
4月12日(木)、13日(金)、14日(土)
山王祭
日吉大社一帯(大津市)
4月13日(金)、14日(土)、15日(日)、16日(月)
長浜曳山まつり
長浜市街地一帯
4月14日(土)、15日(日)
八幡まつり
日牟禮八幡宮(近江八幡市)
4月18日(水)
川上祭(サンヤレ祭)
日置神社・津野神社・平ヶ崎馬場(高島市)
4月19日(木)、20日(金)
水口曳山祭
水口神社(甲賀市)
4月20日(金)
苗村祭
苗村神社(蒲生郡竜王町)
4月21日(土)
古例祭
胡宮神社(犬上郡多賀町)
NHKカルチャー「近江学入門」開講!
近江学研究所が京都で「近江の魅力」を発信する講座「近江学入門」が4月23日スタートしました。
初回は木村至宏所長が担当され、「近江学 その魅力」と題して、近江の魅力の概要を講義されました。
講義の中で、「我々が構築した近江学の要素は琵琶湖の存在と周囲の山々、そして湖上交通と街道の3点で、これは他の地域に見られない要素であり、近江に優れた文化が根付いた根拠となる」と近江文化の独自性を強調されました。
受講生は約20名、知られざる近江の魅力を肌で感じて満足そうでした。
2回目以降の講座予定です。途中からの受講も可能です。
受講等に関する詳細なお問い合わせはコチラまで
第2回 05/28(月) 大津絵と三井寺 福家俊彦 総本山三井寺執事長
第3回 06/25(月) 湖北十一面観音 高梨純次 滋賀県立美術館学芸課長
第4回 07/23(月) 絵図に見る近世近江の宿場町 水本邦彦 長浜バイオ大学教授
第5回 08/27(月) 日吉山王祭と日吉山王曼荼羅 和田光生 大津市歴史博物館学芸員
第6回 09/24(月) <現地講座>三井寺(非公開国宝建築含む) 木村所長 加藤賢治近江学研究所研究員
『湖国と文化 春号』が絶賛発売中!
滋賀の様々な文化情報が盛りだくさんの季刊誌『湖国と文化』。
今月1日に春号が販売されました。
特集は近江の原風景『近江八景』。
近江八景が選定された背景や歴史、絵図などが網羅されていて、大変読み応えがある内容になっています。
近江学研究所からは、3つの記事にかかわっております。
特集『近江八景』には、加藤研究員と石川研究員が「瀬田の唐橋」の記事や写真が掲載されています。
また、連載は2本。
加藤研究員の連載『おうみ おうみ 歩く』では京都・山科から三井寺へ抜ける小関越を取り上げています。
そして、木村所長の連載『近江人物伝』では、
藤本太郎兵衛という、瀬田川に土砂がたまり度々氾濫が起こり、周辺の村々に被害が起こった際に、
親子三代で幕府に川ざらえ願い書を出し続け、琵琶湖の治水に奮闘した人物が描かれています。
ぜひ、興味のある方はご一読ください!
『湖国と文化』 139号 2012年春号
Lマガジン社「大人のぶら旅」必見です!
4月12日に発刊されたLマガジン社関西版「大人のぶら旅」に、
世界的にご活躍な写真家であり、
本年度から客員研究員として本研究所に携わっていただくことになった、
津田直さんが竹生島を訪ねるルポ特集が掲載されました!
また、「近江学の第一人者に聞く竹生島の歴史といま。」と題した木村所長との対談も掲載。
竹生島の歴史性を木村先生が語り、島を訪ねた経験を通した心象を津田さんが語り、
「写真家・研究者の垣根を越えて」言葉が交わされていることが伝わる対談となっています。
津田直さんの撮影された「竹生島」も必見です。
ぜひ、手に取ってご覧になってください!
京都新聞「湖国探研-8」に永江研究員が掲載されました!
本学のイラストレーション領域准教授であり、風景画家でもあり、
近江学研究所研究員として昨年度より「仰木ふるさとカルタ」制作の研究活動をされている永江弘之先生が、
「湖国探研」という滋賀の研究者を取り上げたシリーズの記事に掲載されました。
先生が仰木地域への暮らしへの考えや、研究活動へのやまなざしがわかる素敵な記事となっています。
ぜひ、ご一読ください。
2月27日朝刊 記事画像