おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

公開講座

写真家 寿福滋氏 公開講座の応募はこちらから

京都新聞 2016.08.04[滋賀判]

京都新聞 2016.08.04[滋賀判]


本日の京都新聞に大きく掲載された写真家の寿福滋氏を迎え開催する公開講座。
2011年には滋賀県文化賞をとられ、ますます活躍される寿福滋さんが、
考古資料、仏像など文化財資料を撮りつづけた仕事について、またその技術について語ります。
近江学研究所 公開講座連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」
『近江~風土のかたち-写真家・寿福滋 私が見る近江の今と未来-』
2016年9月17日(土) 10:50~12:20
応募締切日2016年9月2日(金)
ご応募は>>>こちらから

2016-08-04T10:05:55+09:002016年8月4日|おうみブログ, お知らせ, イベント, 公開講座|

近江学フォーラム会員限定講座第2回「近江の山 信仰とくらし-円空と山岳信仰」

日時:2016年7月9日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:福家 俊彦(天台寺門宗総本山 三井寺執事長)
タイトル:近江の山 信仰とくらし-円空と山岳信仰
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 「近江の山 信仰とくらし」をテーマとした会員限定講座の第二回目は、天台寺門宗総本山三井寺の執事長で、本学附属近江学研究所の客員研究員でもある福家俊彦氏にご登壇いただきました。
 「円空と山岳信仰 〜日本宗教史のもうひとつの水脈〜」と題された講座は、全国を遍歴しながら多くの仏像を制作した遊行僧「円空」に焦点を当てていただきました。
 講座のはじめは聖地巡礼など、僧や巡礼者が、旅をする意義、そして霊場の重要性について話され、本題の円空に移っていきました。
 現在の岐阜県羽島に生まれた円空は、生涯十二万体の造仏を祈願して全国を歩いたことで知られ、延宝七年(一六七九)に三井寺の長吏尊栄から血脈を受法されたことで三井寺とは非常に深い縁があることなどが解説されました。
 最後に、円空にとっての放浪とは、イコン(しるし)としての円空仏について、また、円空の生涯から見える自然観や宗教観などがまとめとして語られました。
 山岳修験の影響を受け、自然に宿る神仏の存在などを仏像に込めて様々な場所にその足跡を残した円空の知られざる姿を垣間見ることができました。
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淡海の夢2016堅田・湖族の郷写生会 報告

日時:2016年6月18日(土)
場所:大津市堅田地区
講師:永江弘之(本学イラストレーション領域教授・近江学研究所研究員)
講師:待井健一(本学非常勤講師)
タイトル:淡海の夢2016 堅田・湖族の郷写生会
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当日は暑いくらいの快晴となりました。太陽の光で湖面が輝く中、堅田ならではの漁業の営み、湖、船、路地などのたくさんのモティーフを写生されました。
講評では、永江研究員・待井先生の写生作品も紹介され、的確なアドバイスを参加者のみなさんは熱心に聞いておられました。参加者の作品では水彩の作品以外にもヨシペンなどを使った作品などもありバラエティーに富んだ内容にたいへん盛り上がりました。

堅田漁港にて写生の解説をする永江研究員と待井先生

堅田漁港にて写生の解説をする永江研究員と待井先生


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講評の様子。(左:永江研究員・右:待井先生)

講評の様子。(左:永江研究員・右:待井先生)

連続公開講座 近江のかたちを明日につなぐ「鮒寿しとその環境が教えてくれること」報告

日時:2016年6月11日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:左嵜 謙祐 氏(魚治七代目治右衛門・熟鮓職人)
対談:石川 亮(近江学研究所 研究員)
タイトル:近江のかたちを明日につなぐ「近江~受け継ぐかたち 鮒寿しとその環境が教えてくれること」
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今年度はじめの、連続公開講座は、受け継ぐかたちとして、高島市マキノの海津で、江戸中期創業の老舗「魚治」の7代目左嵜謙祐氏にご登壇いただきました。
石川亮研究員との対談で講座がはじまり、鮒寿しの歴史から、鮒寿しのつくり方、ニゴロブナの話しなど、鮒寿しづくりの左嵜氏の丁寧な仕事が紹介されました。
その後、最も強調されたのが、海津という場所の風土です。「江戸時代には港町、宿場町として栄えた海津で、魚屋(うおや)として出発した「魚治」はその風土の中で育った。清い水と、水田、そして鮒という3つの資源がこの地に豊富にあったことが鮒寿しづくり条件となり、子持ちの鮒が鮒寿しになっているのは、田んぼに産卵に来る鮒を農家の人が捕獲したところにはじまるので、あえて子持ちの鮒を求めて捕獲したのではなく、半農半漁の生業(なりわい)のかたちが今の鮒寿しをつくることになった」と話されました。
最後に、石川研究員が、これからの「魚治」の活動について尋ねると、先代が残された家訓にある「歯車になれ」(変えてはならないものは確実に守り続け、次代に伝えなさい)という言葉を大切に、変わらず海津の風土を生かしながら、今の時代にあった活動をコツコツ続けていきたいと抱負が語られました。

左嵜氏に会場で実演もしていただきました。

左嵜氏に会場で実演もしていただきました。


参加者からの質問に応える左嵜氏

参加者からの質問に応える左嵜氏


【講師プロフィール】
1976年、滋賀県高島郡マキノ町海津(現高島市)に生れ。天明4年(1784)創業の老舗鮒寿し店「魚治」7代目治右衛門。’99年大学卒業後、京都吉兆嵐山店にて三年間の修行を積み、’04年 魚治七代目襲名し、一子相伝の鮒寿しの伝統を継承。現在、奥琵琶湖の料亭「湖里庵」にて鮒寿し懐石を提供する。鮒寿しの伝統を守りながら、食文化の本質を追求している。
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.5「鮒寿しとその環境が教えてくれること」
2016年5月30日(月)~6月11日(土)10:00-17:00
会場:情報発信ギャラリー(聚英館一階)
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淡海の夢2016棚田・里山写生会 報告

日時:2016年5月28日(土)
場所:大津市仰木地区
講師:永江弘之(本学イラストレーション領域教授・近江学研究所研究員)
講師:板東勲(本学非常勤講師)
タイトル:淡海の夢2016仰木・棚田里山写生会
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あいにくの曇り空でしたが、水が張られた棚田の風景のなか参加者の皆さん思い思いの場所で熱心に写生されていました。
当日は比叡山国際トレイルレースも開催され、応援の仰木太鼓が響いて賑わっていました。
講評は辻尾地区の自治会館をお借りし、一日の成果を披露されました。
前回も参加された方から、前回の写生会での板東先生からのアドバイスを活かして写生しましたとのコメントもいただき、スタッフ一同励みになりました。

上仰木自治会館にて、はじめに永江研究員から写生についての説明とアドバイスがありました。

上仰木自治会館にて、はじめに永江研究員から写生についての説明とアドバイスがありました。


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辻が下自治会館にて作品の講評をする永江研究員(右)と板東先生(左)

辻が下自治会館にて作品の講評をする永江研究員(右)と板東先生(左)

特別公開講座 上原行照師「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」報告

日時:2016年5月14日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 体育館
講師:上原 行照 氏(千日回峰行 大行満大阿闍梨、伊崎寺住職)
タイトル:「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」

上原行照 師

上原行照 師


5月14日、今年度最初の講座として、特別公開講座を開催しました。
今回は、「千日回峰行ー山に溶け込むことから見えるもの」と題して、平成6年(1994)に千日回峰行を満行された上原行照大阿闍梨を講師にお迎えしました。
上原大阿闍梨は、「千日回峰行の舞台となる仏が宿る山は、様々な煩悩から守ってくれる包容力を持っている」と話され、また、9日間の断食・断水・不眠・不臥という難行の内容や、山上山下を距離にして7里半歩く意義など、わかりやすく解説されました。
たくさんのご応募をいただき、体育館にて講演を行いました

たくさんのご応募をいただき、体育館にて講演を行いました




最後に山に溶け込むことから見えるものとして、「山の修行は、行だけでなく洗濯や料理など全てのことを自分でしなければならないが、ふと他人が何かを助けてくれると、大きな感謝の念が湧いてくる。便利な世の中も居心地が良いかもしれないが、ちょっと不便な方が自らが動くことにつながり、本当の意味で、自己の危機を救ってくれることにつながる」と大切なメッセージを来場者に投げかけていただきました。
当日は、定員150名の3倍となる約400名が来場され、大学としては初めて体育館で講座を行いましたが、多くの来場者が熱心に上原大阿闍梨のお話に聞き入っておられました。
(報告:加藤賢治副所長)

開会のごあいさつ 木村至宏 (近江学研究所 顧問)

開会のごあいさつ
木村至宏 (近江学研究所 顧問)


閉会のごあいさつ 西久松吉雄(近江学研究所所長)

閉会のごあいさつ
西久松吉雄(近江学研究所所長)


【講座内容】
山中を7年間で千日間を歩き、5年目には、9日間の断食、断水、不眠、不臥を行うという比叡山延暦寺の千日回峰行は、数ある修行の中でも最も過酷なものとして知られています。なぜそのような修行が行われているのでしょうか。今回の特別講座では、平成6年(1994)に千日回峰行を満行された上原行照大阿闍梨を講師に迎え、山での厳しい修行の内容や、その行の中に見る思想、そして、現代社会へ向けてのメッセージも含めてお話しいただきます。
【講師プロフィール】
上原行照 師(千日回峰行 大行満大阿闍梨、伊崎寺住職)
姨倚耶山 伊崎寺 住職。1959年 群馬県前橋市生まれ。15歳で得度。’85年より比叡山に23年間こもり、’94年には千日回峰行を満行。天正年間以降48人目の大行満大阿闍梨となる。’06年に伊崎寺住職となり、’08年12月より下山して寺の発展に尽力している。
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.4「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」
2016年4月25日(月)~5月14日(土)10:00-17:00
休館日:日祝、4/30~5/5、7日、8日
会場:聚英館1階フロア
展覧会場

展覧会場


2016年度 近江学研究所 公開講座 応募申し込み開始しました!

2016公開講座パンフ表紙
成安造形大学附属近江学研究所の2016年度公開講座の応募申込を開始しました。
本年度も、特別講師を招聘しての特別公開講座や、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」、そして仰木・堅田・近江八幡を舞台とした写生会など多彩なラインナップとなっております。
これらの公開講座を通じて、近江が持つ特性を再発見し、見らへ向け新たな価値観の想像につながればと長っております。
お申込・詳細はこちらから
みなさまのお申込を心からお待ちしております。
2016年度近江学研究所主催公開講座 一覧

特別公開講座
『千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの』
5月14日(土)10:50~12:20
応募締切日:4月26日(火)必着
講師名:上原 行照 氏(千日回峰行・大行満大阿闍梨)
連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」
『近江~受継ぐかたち-鮒寿しとその環境が教えてくれること-』
6月11日(土)10:50~12:20
応募締切日:5月27日(金)必着
講師名:左嵜 謙祐 氏(魚治 七代目治右衛門・熟鮓職人)
対談:石川 亮(近江学研究所研究員)
『近江~風土のかたち‐写真家・寿福滋 私が見る近江の今と未来‐』
9月17日(土)10:50~12:20
応募締切日:9月2日(金)必着
講師名:寿福 滋 氏(写真家)
『近江~水の恵みのかたち-水郷を活かした農の里づくり-』
10月22日(土)10:50~12:20
応募締切日:10月7日(金)必着
講師名:大西 實 氏(権座・水郷を守り育てる会事務局長、近江八幡市島学区まちづくり協議会事務局長)
『近江~音色のかたち-絃をつくる 湖北に生きづく伝統の生業(なりわい)』
11月19日(土)10:50~12:20
応募締切日:11月4日(金)必着
講師名:橋本 英宗 氏(丸三ハシモト株式会社 代表取締役社長)
コーディネーター:加藤 賢治(近江学研究所研究員)
連続講座(写生会)「淡海の夢2016」
『仰木・棚田里山写生会』
5月28日(土) 9:30~17:30
会場:滋賀県大津市仰木周辺
応募締切日:5月13日(金)必着
『堅田・湖族の郷写生会』
6月18日(土) 9:30~17:30
会場:滋賀県大津市堅田周辺
応募締切日:6月3日(金)必着
『近江八幡・八幡堀と城下町写生会』
10月15日(土)9:30~17:30
会場:滋賀県近江八幡市八幡堀周辺
応募締切日:9月30日(金)必着

2016-03-14T10:24:23+09:002016年3月14日|おうみブログ, お知らせ, イベント, 公開講座|

連続公開講座 藤森照信氏『神様の作った自然と人の作る建築のつなぎ方ー』報告

日時:2015年11月21日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:藤森 照信 氏(建築史家、建築家[工学博士])
タイトル:特別公開講座 『近江~縄文のかたちー神様の作った自然と人の作る建築のつなぎ方ー』

藤森 照信 氏

藤森 照信 氏


この日は、「近江のかたちを明日につなぐ」連続公開講座シリーズの特別講座として、日本国内はもとより、世界でご活躍されている建築家の藤森照信先生にご登壇いただきました。
藤森先生は、一貫して自然素材や植物を用いて、独創的な建築をつくり続け、藤森先生の思想に賛同する建築集団「縄文建築団」が建築に関わることも大きな特徴となっています。
滋賀県においては、2015年の1月に近江八幡の北ノ庄にオープンした「たねやグループ」のフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡 メインショップ(草屋根)」を手がけられ、自然と人を結びつける建築のあり方を提案されています。
講座では、藤森先生がこれまでに設計された建築物が解説され、「建築物にはつぎ目という厄介なものがあるが、人間や動物には、つなぎ目は無い」など藤森哲学の一端が所々で披露されました。
建築作品について語る

建築作品について語る


満席の会場

満席の会場


■講座内容
藤森氏は建築史家として近代建築史、都市史研究の第一人者として多くの業績を残され、1991年に出身地の長野県茅野市で「神長官守矢資料館」を建築家としてはじめて設計されました。
以後は、一貫して自然素材や植物を用いて、これまで20作品を超える独創的な建築を創り続け、建設業者が対応できない建築の一部を藤森氏の思想に賛同する建築集団「縄文建築団」が行うことも藤森建築の大きな特徴となっています。
また、藤森氏が参加する「路上観察学会」の活動は、都市の隠された神秘や社会背景を浮びあがらせ、藤森氏の建築物に影響していると考えられます。
2015年1月滋賀県近江八幡市に完成した「たねやグループのフラッグシップ店 ラ コリーナ 近江八幡メインショップ〈草屋根〉」ができるプロセスを含め、自然と人と対話しながらつくる「フジモリ哲学」に迫ります。
■藤森 照信 氏プロフィール (建築史家、建築家[工学博士])
1946年長野県諏訪郡宮川村(現茅野市)生まれ。‘71年東北大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院にて近代建築、都市計画史専攻。‘86年赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を結成。‘91年神長官守矢資料館で建築家デビュー。東京大学生産技術研究所教授、東京大学大学院教授を経て、現在東京大学名誉教授。‘06年第10回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展にて日本館コミッショナーを務める。‘15年滋賀県近江八幡市北之庄「ラ・コリーナ たねやフラッグシップ店〈草屋根〉」竣工
主な受賞:1980年日本都市計画学会賞、‘83年毎日出版文化賞、‘86年建築探偵の冒険・東京篇サントリー学芸賞、‘97年日本芸術大賞、2001年日本建築学会賞受賞。

淡海の夢2015-堅田・湖族の郷写生会を開催しました

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10月18日(日)、淡海の夢2015「堅田・湖族の郷写生会」を開催しました。
天候に恵まれ、暑さを感じるくらいの雲一つない快晴のなかで写生会はスタート。
一般のかた20名、学生10名の30名の参加をいただきました。
はじめに、堅田漁業会館前で企画者の永江研究員から写生のポイントの解説やコツのレクチャーがあり、その後参加者のみなさんは写生場所を探しに行かれました。
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快晴で琵琶湖も空も青々と美しく、絶好の写生日和
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講評会では、永江研究員と本学非常勤講師の待井先生から、参加者の描きたかったポイントや、狙いなどを聞きながら丁寧な講評が行われました。
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思い思いの場所で描かれた作品の講評をする講師の永江研究員と待井先生
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講評では琵琶湖と空の構図のバランスのとり方や、今回のような快晴の日の写生のポイントの解説がありました。
快晴の風景には、空の青さの影響で影の色に青味があったり、明暗がはっきりするので、そこもよく観察するとより魅力的な絵になるとのアドバイスがありました。
野外での写生の醍醐味を味わうことができる一日になりました。
またこの日は、堅田にぎわい市も開催されていて、堅田の町はにぎやかな一日となっていました。
堅田にぎわい市の様子
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連続公開講座 吹田政雄氏「高島扇骨と近江扇子」報告

日時:2015年9月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:吹田政雄氏(有限会社すいた扇子2代目)
対談:大原歩(近江学研究所研究員)
タイトル:「近江~風のかたちー高島扇骨と近江扇子ー」

講師 吹田 政雄 氏 (有限会社すいた扇子2代目)

講師 吹田 政雄 氏
(有限会社すいた扇子2代目)

9月12日(土)、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズの3回目の講演会を
滋賀県高島市安曇川町にて高島扇骨や近江扇子を製造販売を継承し、2代目となる吹田政雄さんをお迎えして開催しました。
対談は、大原歩研究員が行ないました。
扇子ができるまでを解説

扇子ができるまでを解説

仲骨が全員に配られました

仲骨が全員に配られました

はじめに、吹田政雄さんから、「扇子ができるまで」の作業工程過程を実際の道具を見せながら解説。
その後、作業工程の中の「締直し」の作業をご披露いただき、締直しの作業前と作業後の違いを触って感じさせていただきました。
扇骨の仲骨の「締直し」作業

扇骨の仲骨の「締直し」作業

職人の技を触って感じる

職人の技を触って感じる

そして、後半は、大原研究員が吹田政雄さんに質問する形式で、扇子ができるまでに多くの職人が分業し、組織で扇子をつくる仕組みについてや、国産扇骨の90パーセントが高島扇骨であり、そのほとんどが京扇子として販売されている事実とその歴史について。
また、吹田さんが扇子の伝統産業として行われている「絵付け体験」や、地元の方々と協働で立ち上げた安曇川沿いの竹林を整備し、安曇川産の扇骨を復活させる活動の「竹林整備組合」についてを聞かせていただきました。
大原研究員(左)と対談

大原研究員(左)と対談

また、昨年滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ扇骨だけでつくる扇子「扇骨扇子」のデザイン提案の事業についても紹介し、高島発の新しい試みが始まっていることも話されました。
高島の「地場」で350年の歴史ある伝統産業は、一人ひとりの職人と、その地域のネットワークで育まれているということが伝わる講演となりました。
【講演内容】
近江の伝統産業として約350年の歴史を誇る扇子の骨格である高島扇骨。 全国の生産量の約90%を占めることはあまり知られていません。 扇骨の生産工程は親骨で18工程もありすべて手作業で行われます。 15歳で扇骨職人となり滋賀県扇子工業協同組合前理事長である吹田政雄氏をお招きし、その繊細で複雑な加工作業を見せていただきます。 また、近年取り組む地元の若手職人が設立した「SENKOTSU工房」や安曇川の竹林整備などについてなど、新たな「近江扇子」の未来を語っていただきます。
【吹田 政雄 氏プロフィール】
1948年滋賀県生まれ。1963年15歳で、有限会社「すいた扇子」2代目の扇骨職人となる。2007年~2015年滋賀県扇子工業協同組合理事長。工房には、扇子の絵付け体験や扇子作りを学ぶスペースをつくり、地元や観光客に地場産業を学ぶ取り組みを精力的に行っている。
【すいた扇子】について詳しくは「高島市観光協会」>>>こちらから
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.3「高島扇骨と近江扇子」
2015年9月1日(火)~9月25日(金)12:00-18:00
休館日:日祝 ※ただし、9月12日(土)は開館
会場:聚英館1階フロア
詳しくは>>>こちらから
「高島扇骨と近江扇子」展 成安造形大学聚英館1階

「高島扇骨と近江扇子」展
成安造形大学聚英館1階

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子

近江扇子の展示・販売
2015年9月8日(火)~9月25日(金)11:00-18:00
会場:カフェテリア「結」内ミュージアムショップ
Closed on Sundays/日祝休館

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