おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

公開講座

連続公開講座『近江~魂のかたち―木彫―』開講しました。

講座名 『近江~魂のかたち―木彫―』
日 時 平成23年10月1日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 江里康慧氏(仏師)
対 談 加藤賢治(近江学研究所研究員)

「近江のかたちを明日に繋ぐ」連続公開講座の最終章「魂のかたち」ということで、今回は京都岡崎の工房で「仏師」として活躍される江里康慧先生にご登場いただきました。初めの50分間は基調講演として江里先生が仏像彫刻の歴史と近江の関わりについて話されました。奈良時代から平安時代までの彫刻史をその時代背景とともに丁寧に解説され、その中で、混迷の奈良時代から平安時代に入って最澄が登場した。その影響の強い天台様式の仏像は、「一切衆生悉有仏性(すべてのものに仏性が宿り皆が仏になれる)」という天台の教えに基づき、仏性が宿る白木の木造仏が多くなる。ここ近江にはそのような仏様が多く伝わっているとその要旨を語られました。
 その後、近江学研究所研究員の私加藤が、対談者として登壇させていただき、仏師としての江里先生にスポットを当て、仏像制作の様子をたずねました。
霊性をおびた木を選ぶことや、鑿(のみ)を入れる前に願主を迎えて鑿入式という儀式を行うこと、截金(きりがね)という技法を使い装飾することなどたくさんの貴重なお話を聞くことができました。
 中々普段うかがうことのできない精神性の深い仏像制作の一場面を知ることができ、140名を超える受講者の方々も満足そうに見えました。
報告者:近江学研究所研究員 加藤賢治

2011年度近江学研究所主催公開講座(後期)受講申込受付中

2011年度後期公開講座 受講申込み受付中です。近江学研究所主催の公開講座は以下の通りです。

附属近江学研究所設立3周年記念講演
第3弾「近江の寺と城-中世の湖国に生きた人々-」
実施日時:平成23年9月24日(土)10:40~12:00
応募締切日:9月9日(金)必着
講師名:下坂守氏(奈良大学教授)

連続講座(講演・対談)「近江のかたちを明日につなぐ」
第3弾「近江~魂のかたち」

「近江~魂のかたち-木彫-」
実施日時: 平成23年10月1日(土)10:40~12:00
応募締切日:9月9日(金)必着
講師名: 江里康慧氏 (仏師)
対談:加藤賢治(本研究所研究員)

「近江~魂のかたち-絵馬-」
実施日時: 平成23年11月12日(土)10:40~12:00
応募締切日:10月28日(金)必着
講師名:吉村俊昭(本学教授)
対談:小嵜善通(本学教授・本研究所研究員)

淡海の夢2011
『淡海の夢2011-坂本・石垣と里坊の町写生会』
セ:10月22日(土) ソ:10月23日(日)
9:30~17:30※雨天中止
会場:滋賀県大津市坂本周辺 
応募締切日:10月3日(月)必着
講師:永江弘之(本学教授・近江学研究所研究員)

公募展「淡海の夢2011 風景展」についてはこちらをご覧ください。

2011-09-27T09:48:53+09:002011年9月27日|お知らせ, 公開講座|

公開講座「近江の寺と城」開講しました

講座名:「近江の寺と城」
日 時:平成23年9月24日(土) 10:40~12:00
場 所:成安造形大学 聚英ホール
講 師:下坂守氏(奈良大学 教授)

中世と呼ばれる鎌倉、室町時代は強大な中央権力が弱く、寺院や町衆など様々な新興勢力の台頭など非常に複雑で捉えにくい時代である。その中世を僧侶(寺)と武士(城)の対立を中心として奈良大学文学部教授下坂守先生に語っていただきました。
下坂先生は、中世は寺院の勢力が最も強く、大きく時代の流れに影響を与えたということを前提に、「仏法(仏教勢力)」と「王法(朝廷)」のバランスによってこの時代が成立していたと多くの文献を紹介しながらこの時代の特徴を述べられました。
やがて、新興の武士団勢力が台頭してくると、武装化した寺院と武士団の対立が激化し、寺院建築物も城塞化していった。交通の要衝にあたる近江は観音寺城に代表されるように寺院要塞がたくさんあったことで知られる。そしてその最終戦争として織田信長の比叡山延暦寺の焼き討ちが行われ、中世の時代が終焉を迎えた。
下坂先生はこのような視点で中世の時代を説明され、織田信長は延暦寺の焼き討ちは単に、武士に反旗を翻したから行ったのではなく、仏教勢力と朝廷の権力(仏法と王法)を根本から覆すために行ったと中世の時代の最後をまとめられました。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

連続公開講座「近江~風景のかたちー心象絵図ー」開講しました

講座名 『近江~風景のかたち―心象絵図―』
日 時 平成23年7月9日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 上田洋平氏(滋賀県立大学地域づくり調査研究センター研究員)
対 談 永江弘之

好評をいただいております今年度の連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズ4回目となりました今回(7月9日)は滋賀県立大学地域づくり教育研究センター研究員の上田洋平先生をお招きして、心象絵図についてお話しいただきました。
基調講演は2008年に上田先生と本学の学生さんが共に取り組みをさせていただきました「南比良ふるさと絵屏風」について絵解きをしていただくかたちで始まりました。
この絵屏風は地域のお年寄りを中心に聞き取りをして、特に印象に残った大切なものを丁寧に描き込んでいくというもので、50年〜60年、70年くらいの少し昔の懐かしい人々の暮らしがとけ込んでいます。
講座の中で上田先生は、この取り組みは単に懐かしいものを描くだけのものではなく、聞き取りをすることや、完成した絵屏風をみんなで見ながら会話をするなど、お年寄り同士やお年寄りと次世代を担う人々とのコミュニケーションの機会となる大変重要なプロジェクトであるとその意義を強調されました。
後半は近江学研究所研究員の永江弘之先生が聞き手となり、記録と記憶の違いや体験したものを思い出しそれを表現するというこの絵屏風の魅力について問いかけられました。上田先生はかつて体験した自分にとって忘れることのできない大切な物事、すなわち過去の記憶を引き出し、お年寄りがそのことを共有して交流するということは本人たちにとっても地域にとっても有意義なことであり、未来の社会のあり方を考えるヒントにもなると語られました。
人間は入ってきた情報のほとんどをどんどん忘れていきます。逆に今記憶に残っているということは大変大切なことであるということが言えます。その大切が詰まった絵屏風。やさしい語り口調で解説いただき、150名を越えるたくさんの参加者の皆さんは上田先生から大切なものをいただかれたのでは・・・。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

連続公開講座「近江~風景のかたちー琵琶湖と丸子船ー」開講しました

講座名 『近江~風景のかたち―琵琶湖と丸子船―』
日 時 平成23年6月25日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 津田直氏(写真家)
対 談 木村至宏   

江戸時代から戦前まで琵琶湖の湖上交通の主役であった「丸子船」。現在その勇姿を湖上に見ることはできません。丸子船が消えてしまった琵琶湖の風景を写し、展覧会を通して「漕(こぎ)」という一冊の本を出版したという写真家津田直(つだなお)氏を講師に迎えました。
はじめの50分間は津田先生の著書「漕」の解説をスライド中心に行っていただき、斬新な写真表現の世界と近江の風景について語っていただきました。
津田先生ご本人がかつては船でしか行くことのできないことから陸の孤島と呼ばれた湖北菅浦集落に入り、現代にはなくなってしまった丸子船の幻影を追いつつ、須賀神社の参道の階段を裸足で登った経験から、今の風景を目で見るのではなくその場の歴史や人の営みを足裏で感じ取るという感覚をそこで学んだと話されました。
また、丸子船をつくる技術を持つ造船所を訪ねたとき、その船大工の棟梁が木造船を造る材料となる木にまず祈りを捧げてから切り出すということを聞き、船自体が森であると感じたなど、丸子船自体が単なる湖上交通に使われる道具ではなく、それを使用する人々の一部として同化しているように思ったと、独自の自然観が語られました。
その後、附属近江学研究所木村至宏所長との対談があり、木村所長は「見えないものを撮る」という津田先生の写真家としての活動の方向性に共感され、過去の暮らしの知恵を今後の生活に活かせるよう様々な取り組みを続ける近江学研究所の指針と重なって見えたと感想を述べられました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

連続公開講座「近江~大地のかたちー穴太衆積みー」開講しました

講座名 『近江~大地のかたち―穴太衆積み―』
日 時 平成23年6月11日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 粟田純司氏(穴太衆第十四代目石匠)
対 談 大岩剛一

6月11日(土)連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第1弾の2回目が、「大地のかたち~穴太積み」と題して開催されました。今回は一般から230名の応募があり、聚英ホールが満席となりました。
当日の講座は近江学研究所大岩剛一研究員(本学住環境デザインコース教授)のコーディネイトで「穴太衆」第14代目石匠の粟田純司さんをお迎えし、講演と対談というかたちで行ないました。
はじめの40分間は粟田さんによる講演で、湖西地域にある古墳群にある横穴式石室見られる石積みにその原点があり、信長の安土城築城により全国の城にその技術が広がったという「穴太衆積み」の起源や、野面積みといわれる「穴太衆積み」独特の技法もスライドによって解説されました。
対談では、大岩研究員がその技術を裏で支える精神的な部分について粟田さんに質問され、粟田さんは師匠である先代に「石の声を聞け」厳しく指導されながらその境地を知ることができたと語られました。石を生き物のように身体で感じ、数式では計りきれないファジーな感覚によって何百年と崩れることのない石積みをつくるという「穴太衆積み」の技術は非常に素晴らしいと大岩研究員がまとめられました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

淡海の夢2011 仰木・棚田写生会を開催しました

6月4日(土)・5日(日)の2日間、附属近江学研究所主催の写生会が前回の湖族の郷堅田に続き第2回目として仰木の棚田を舞台に行なわれました。
主催者で担当の近江学研究所研究員でイラストレーション領域の永江弘之准教授が2日間引率し、ご指導いただきました。
両日とも多少風はありましたが、写生日和に恵まれ、一般参加者、学生とも存分に写生会を楽しまれました。
秋には第3回目として比叡山麓坂本の町で写生会を開催します。また、11月末から12月にかけてこの淡海の夢2011の公募展覧会を本学【キャンパスが美術館】のメインギャラリーで開催する予定です。写生会にご参加いただきたくさんのご応募を期待しています。
附属近江学研究所研究員 加藤賢治

2011-06-06T10:28:01+09:002011年6月6日|お知らせ, 公開講座|

近江学研究所主催連続公開講座始まる!

講座名 『近江~大地のかたち―信楽焼―』
日 時 平成23年5月28日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 聚英ホール
講 師 奥田博土氏(元信楽陶芸作家協会会長)
対 談 辻喜代治

5月28日(土)、近江学研究所では今年度初めての試みとして一つのテーマで講座を結ぶ連続公開講座を開講することになりました。
「近江のかたちを明日につなぐ」というテーマで、近江学研究所研究員がコーディネイターとして造形家を招聘し、第1弾「大地のかたち」、第2弾「風景のかたち」、第3弾「魂のかたち」と3つのステージに別け、それぞれ2回ずつ連続講座を開講します。
この日はその第1弾の1回目、「大地のかたち-信楽焼-」と題し、辻喜代治研究員がコーディネイト、現在国際的に活躍されている陶芸家奥田博土(おくだひろむ)氏を迎えて、現代陶芸の諸相について語っていただきました。
奥田氏は江戸期から代々続く信楽の献上茶壷をつくる窯元に生まれ、奥田三衛門家15代目として陶芸をはじめられました。1969年の大阪万博では、太陽の塔の裏面にあるタイル地の「黒い太陽の顔」を故岡本太郎氏とともに制作され、これを転機として陶彫の世界に入られました。以後、アメリカやヨーロッパを舞台に現代アート作品を次々に発表され、最近は信楽高校でのワークショップなどの開催など、後進の造形教育にも力を入れておられます。講座では、これらのスライドに加えて、自然環境にもう一度真摯な目を向けようというメッセージがこもった直近の作品なども含め、たくさんのスライドを紹介していただきました。
最後に辻喜代治研究員は、信楽から一歩も出ることなくここの土にこだわり、そしてその思想は常に未来を見ているという奥田氏はこの講座のテーマである「近江のかたちを明日へつなぐ」をいままさに実践されているとその制作活動を賞賛されました。

報告:附属近江学研究所研究員 加藤賢治

淡海の夢2011 堅田・湖族の郷写生会を開催しました!

5月14日(土)・15日(日)の2日間、附属近江学研究所主催の写生会が湖族の郷堅田で行なわれました。
両日とも午前9時半にJR堅田駅に集合。堅田漁港を本部として写生会の説明が行なわれ、10時から写生が開始されました。公開講座としての一般の参加者が約30名、学生さんも約30名が参加、講師は近江学研究所研究員でイラストレーション領域准教授の永江弘之先生にご担当いただきました。
両日とも天候に恵まれ、3時半からの好評会にも多くの作品が出され盛りあがりました。

6月4日・5日は仰木・棚田の写生会です。多くのご参加お待ちしています。また、11月末から12月にかけてこの淡海の夢2011の公募展覧会を本学【キャンパスが美術館】のメインギャラリーで開催します。写生会にご参加いただきたくさんのご応募を期待しています。

近江学研究所研究所研究員 加藤賢治

2011-05-16T16:08:06+09:002011年5月16日|お知らせ, 公開講座|

近江学研究所設立3周年記念講演 第二弾 開講しました!

講座名:「戦国近江の歴史的位置」
日 時:平成23年5月7日(土) 10:40~12:00
場 所:ピアザ淡海 ピアザホール
講 師:小和田哲男(歴史家・静岡大学名誉教授)

5月7日(土)13:30から、研究所設立3周年記念講演が行われました。近江学研究所主催の講演会としてははじめて大津市打出浜の「ピアザ淡海」のピアザホールで開催しました。
講師は歴史家で静岡大学名誉教授、NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」の時代考証をされている小和田哲男先生にご担当いただきました。
この日、近江学フォーラムの会員さんも含めて300名以上が会場に来られました。
近江学研究所では常に近江の独自性について検証をしていますが、木村所長は「近江を歴史の視点で捉えると「金太郎あめ」である。歴史のどこを切っても近江が出てくる。」といつもお話しされますが、この日は小和田先生が戦国時代を切ってくださいました。話しは近江の守護六角氏と京極氏から始まり、織田信長、明智光秀、羽柴秀吉、石田三成、浅井三姉妹と続いていきます。姉川の合戦、小谷城陥落、賤ヶ岳の合戦、安土城築城などこの時代の重要な出来事はすべて近江が舞台となっています。
小和田先生はその内容を丁寧に解りやすく解説いただきました。その中で大河ドラマの時代考証についても触れられ、史実をいかに脚色するかという難しさを楽しく語っていただきました。
参加者の皆さんの多くは「大変勉強になりました」と満足そうでした。

報告:近江学研究所 研究員 加藤賢治

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