おうみブログ2022-03-29T17:42:04+09:00

おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

「近江―挑戦のかたち―完全農薬不使用栽培を通してみる、朝宮茶のちから―」報告

連続講座 近江のかたちを明日につなぐ
「近江―挑戦のかたち―完全農薬不使用栽培を通してみる、朝宮茶のちから―」
日時:11月9日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:片木 明 氏(茶農家)
対談:真下 武久 (本学准教授・本研究所研究員)

片木明氏と真下武久研究員

片木明氏と真下武久研究員


 信楽の西、国道422号線沿いに店を構える「かたぎ古香園」。6代目当主片木明氏は、昭和50年から朝宮で、お茶の完全農薬不使用栽培を開始し、現在はそのパイオニアとして広く知られています。
 今回の講座では、片木明氏をお迎えし、「かたぎ古香園」が目指す安全と安心の徹底した追求の経緯、また、従来から高級茶として知られている朝宮茶の魅力について語っていただきました。
 今回は片木氏の意向で、階段式の座席ではなく、講師を取り囲むような車座をつくり、前列はゴザに座布団をしいて、後列は椅子席を用意して、アットホームな環境つくりを試みました。片木さんのお人柄を身近に感じる雰囲気は受講者のみなさんに好評を得ました。
 
 完全農薬不使用栽培というとてつもない挑戦から見えてくる、朝宮の土地や自然、お茶が持つ「ちから」を片木さんのお話や、茶葉の試食体験や、全員にふるまわれたお茶を味わうことで、体験を通して感じることのできる講座となりました。
会場風景

会場風景


会場風景

会場風景


ふるまわれた朝宮茶

ふるまわれた朝宮茶

「淡海の夢2019 堅田・湖族の郷写生会」報告

「淡海の夢2019 堅田・湖族の郷写生会」
日時:10月26日(土)10:50~12:20
場所:大津市堅田 本福寺周辺
講師:永江 弘之 (本学教授・本研究所研究員)、上原 結子(本学准教授)

大津市堅田地区での写生会風景

大津市堅田地区での写生会風景


 今回の開催地は大津市堅田地区です。堅田は、琵琶湖の水運・漁業など、湖上の特権を持つ堅田衆(湖族)が栄えた歴史ある町。その町並みをはじめ、一休和尚、松尾芭蕉ゆかりの寺院、浮御堂、堅田漁港など、趣深い湖辺の風景が魅力です。今回は、蓮如が真宗の布教拠点として滞在した寺院「本福寺」にご協力を得て、本堂にて受付・講評をさせていただきました。
本福寺本堂で開催した講評会の様子

本福寺本堂で開催した講評会の様子

近江学フォーラム会員限定講座第3回「甲賀の神仏―櫟野寺を中心として―」報告

近江学フォーラム会員限定講座第3回 「甲賀の神仏 ―櫟野寺を中心として―」
日時:9月21日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:髙梨 純次 氏(日本美術史専攻、公益財団法人秀明文化財団参事)

髙梨純次氏

髙梨純次氏


 近江に現存する秘仏、一般公開されていないものも含め200余点の仏像、神像をカラー写真と文章でまとめた『近江の祈りと美』を出版された髙梨氏に、甲賀の平安彫刻について講演いただきました。この講座は、10月に行う近江学フォーラム現地研修『甲賀の里をゆく』の事前学習として開催しました。講座では、甲賀市は多くの文化財が伝えられている滋賀県の中でも、本山寺院が多い大津市に次いで、二番目の数量を誇っていること。特に、櫟野寺や阿弥陀寺(甲賀市櫟野)には平安古像が集中して伝えられていることを事例を基に解説いただきました。また、現存する神像や仏像について、近年の研究成果を踏まえながら、見学されるに際しての見どころなどについてお話しいただきました。
[講師プロフィール]
髙梨 純次 氏(日本美術史専攻、公益財団法人秀明文化財団参事)
昭和28年(1953年)京都市に生まれる。同志社大学大学院文学研究科博士前期課程修了。滋賀県立琵琶湖文化館から滋賀県立近代美術館に勤務、学芸課長をつとめ、現在は(公財)秀明文化財団参事としてMIHO MUSEUMの研究・展示を担当。著書は『近江祈りと美』(写真・寿福滋、サンライズ出版)、『近江の古像』(思文閣出版)など。

「淡海の夢2019風景展」出品作品公募します。


淡海の夢風景展では、琵琶湖の豊かな水系の中で育まれた棚田・里山、そして歴史ある町並みや湖岸の景観を中心とした湖辺の郷が織りなす風景を、さまざまな視点・アプローチで表現した 平面作品(絵画・版画・写真など)を公募します。ふるってご応募ください。
【公募展名】   「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2019風景展」
【会  期】   12月2日(月)~12月14日(土)
11:00~17:00 | 入場無料 | 日曜休館 |
【会  場】   成安造形大学 ギャラリーアートサイト
(応募多数の場合は、学内の2会場で展示します)
◎ 12月14日(土)14時~ 企画者 永江弘之、ほか本学教員によるアーティストトークを予定しています。
【企画・監修】  永江弘之(成安造形大学教授・本研究所研究員)
【主  催】   成安造形大学附属近江学研究所
【協  賛】   株式会社クサカベ、ホルベイン画材株式会社
応募要領  ※詳細は作品募集要項をご確認ください。----------
応募資格   プロ、アマ、幼小中高校生を問わず、どなたでも応募できます。
※ 応募作品多数の際は、審査を実施いたします。
作品サイズ  幅120㎝以内(50号の長辺幅まで。額・マットは作品サイズに含まず)
出品点数   1人1点まで
出品料    無料
応募方法   「作品募集要項」に掲載の出品票を、郵送にて送付ください。「作品募集要項」は、下記の作品募集要項[PDFデータ]からダウンロードしてください。
出品申込締切 2019年10月30日(火)〔当日消印有効〕
搬入日    2019年11月12日(火)・13日(水)・14日(木)
搬入方法   送付または、附属近江学研究所 窓口へ持ち込み
>>>淡海の夢2019公募チラシ ダウンロード
>>>淡海の夢2019風景展 募集要項
>>>「淡海の夢2010~2018風景展」出品作品を近江ギャラリーで公開しています。

2019年8月6日|Categories: おうみブログ, お知らせ, イベント, 近江イベントカレンダー|

2019近江学フォーラム会員限定講座第2回「衣生活用具からみる里の暮らし」報告

近江学フォーラム会員限定講座第2回 「衣生活用具からみる里の暮らし」
日時:7月13日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:須藤 護 氏(民俗学者、龍谷大学 名誉教授、龍谷大学 里山学研究センターフェロー)

須藤護氏

須藤護氏


 大津市田上牧地区にある田上郷土史料館に収蔵された民具の調査を10年かけてされている須藤護氏をお迎えし、民具から土地の暮らしを読み解いていただきました。
 郷土史料館が設立されたのは昭和43(1968)年。収蔵品のうち最も充実しているのが衣生活に関わる資料で、現在80歳から90歳くらいのおばあさんが、田上にお嫁に来るときに持って来られた日常着、作業着、訪問着その他美しい小物類がたくさん保管されています。この豊富な衣生活用具を通して、当時の田上の女性たちがいかに賢い暮らしを築いてきたか、その暮らし方をひとつひとつ解説いただきました。この調査を経て、2019年2月8日に国の登録有形民俗文化財として文科相へ答申されることになりました。地元の方々の継続的な調査への協力が結実し文化財登録につながったと須藤氏は語られました。
[講師プロフィール]
須藤 護 氏(民俗学者、龍谷大学 名誉教授、龍谷大学 里山学研究センターフェロー)
1945年、千葉県生まれ。民俗学者。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。日本観光文化研究所(近畿日本ツーリスト)、大学共同利用機関放送教育開発センター教員、龍谷大学国際文化学部教授を経て現職。著書に『木の文化の形成  日本の山野利用と木器の文化』(未来社)、『雲南省ハニ族の生活誌』(ミネルヴァ書房)などがある。2010年、今和次郎賞受賞。

2019近江学フォーラム会員限定講座第1回「近江と美濃を結ぶ里―奥伊吹・甲津原」報告

「近江と美濃を結ぶ里 ―奥伊吹・甲津原」
日時:6月29日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:髙橋 順之 氏(米原市教育委員会歴史文化財保護課主、伊吹山文化資料館学芸員) 

髙橋順之氏

髙橋順之氏


 米原市で歴史文化・資料館運営を通して広く市民に伊吹山の自然・歴史文化について教育普及に努められている髙橋順之氏をお迎えし、国の重要文化的景観「東草野の山村景観」に登録された奥伊吹・甲津原集落について講演いただきました。
 奥伊吹・甲津原集落は、標高520メートルの高地にあり、西日本屈指の豪雪地として知られており、かつて、3本の峠道で湖北と美濃を結ぶ拠点であったことから、顕教踊りや廻り仏、能面などの古い文化や文化財が入り込み、里人によって伝承されてきました。甲津原や坂下の村々が、山深い集落でありながら閉塞した土地ではなく、峠を介した往来がさかんな地域であったことが具体的な事例をもとに語られました。
[講師プロフィール]
髙橋 順之(たかはし・のりゆき)氏
1962年、滋賀県生まれ。奈良大学文学部史学科卒業。伊吹町教育委員会を経て、現職。滋賀県立大学非常勤講師。専門は日本考古学。著作に『伊吹山を知るやさしい山とひと学の本』(監修・共著)、『伊吹山物語―神の山と歩む上野人―』(編集・共著)、「近江の上平寺城から小谷城へ」(『中世城館の考古学』高志書院)などがある。

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