おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

公開講座

連続講座「近江~記憶と記録のかたち-8ミリフィルムからみる近江の暮らし-」講座報告

日時:2018年6月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:おうみ映像ラボ(長岡野亜、大原歩、大藤寛子、藤野ひろ美)
ゲスト:吉岡 博行 氏 (映像技師・株式会社吉岡映像代表取締役)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第1回「近江~記憶と記録のかたち-8ミリフィルムからみる近江の暮らし-」
講座内容
滋賀県内のくらしや文化を記録する映像の発掘・発信をしている「おうみ映像ラボ」。映像を通して、地域に引き継がれた技術や知恵・共同体の姿に「共感する場」をつくることを目的に活動しています。本講座は「8ミリフィルム発掘プロジェクト」の中で提供された滋賀県各地(主に草津・彦根・能登川等)のフィルムを映像技師の吉岡氏にお話しを伺いながら映写機やプロジェクターで上映します。また、地域における映像アーカイブのネットワークの可能性を探ります。
おうみ映像ラボ
長岡野亜、大原歩、大藤寛子、藤野ひろ美
2014年より滋賀県全域を対象にくらしや文化を記録する映像の発掘・発信をしている。少人数で鑑賞する「見聞会」、100人規模の「上映会」、映像の制作背景に出会い撮影地を訪ねる「遠足」などを行う。’16年から「8ミリフィルム発掘プロジェクト」を実施。’14~17年 滋賀県「美の滋賀」地域づくりモデル事業受託。’17年「文化で滋賀を元気に賞―映像を未来につなぐ文化賞」受賞。
ゲスト 
吉岡 博行 氏 (映像技師・株式会社吉岡映像代表取締役)
1955年京都生れ。44歳でフィルムの修復を始める。’98年吉岡映像設計事務所設立。’08年株式会社 吉岡映像へ移行。8mmフィルム、16mmフィルム、9.5mmフィルムの修復と、映画フィルムをビデオ・DV・DVD等に変換する作業「テレシネ」を行う。10年間におよそ5000本ものフィルム修復をてがける。
詳細は後日ご報告します。

8ミリフィルムについて解説する 吉岡氏

8ミリフィルムについて解説する 吉岡氏


8ミリフィルムを撮影した小林さんに、フィルムを見ながら解説いただいた。

8ミリフィルムを撮影した小林さんに、フィルムを見ながら解説いただいた。


小林さん撮影の8ミリフィルム 大津市仰木地区のお正月準備の餅つきの様子

小林さん撮影の8ミリフィルム 大津市仰木地区のお正月準備の餅つきの様子


8ミリフィルム映像を提供いただいた岸野さんと大原研究員

8ミリフィルム映像を提供いただいた岸野さんと大原研究員


岸野さんが提供した8ミリフィルム「琵琶湖一周大学駅伝」の一場面

岸野さんが提供した8ミリフィルム「琵琶湖一周大学駅伝」の一場面


実際に8ミリ映写機を使って8ミリフィルムを見ました。

実際に8ミリ映写機を使って8ミリフィルムを見ました。


8ミリフィルムの魅力について解説する長岡氏

8ミリフィルムの魅力について解説する長岡氏

後半は映像の記録や保存、その活用について対談形式で進みました。

後半は映像の記録や保存、その活用について対談形式で進みました。

特別公開講座 「杜と地層の風景を描く-近江と西日本」報告2018年 4月 21日

日時:2018年4月21日(土)10:50~12:20
場所:聚英館 3階 聚英ホール
講師:西久松 吉雄(成安造形大学名誉 教授、近江学研究所 所長)
タイトル:特別公開講座「杜と地層の風景を描く-近江と西日本」
平成30年度(2018年度)一回目の特別公開講座として、2018年3月に成安造形大学を退任され、4月より名誉教授となりました日本画家西久松吉雄先生の講演を行いました。
80枚にも及ぶこれまでの作品の変遷をたどりながら、先生が地層や風景にどのように理解し作品につなげてきたのか、その制作の背景が語られました。
詳しいご報告は後日更新します。

西久松吉雄所長

西久松吉雄所長


会場の様子

会場の様子



講座内容
日本画家・西久松吉雄が、日常風景の中で出会い、また発見した非日常的な風景のかたちを象徴的に取り出した杜や古墳のある風景、日本列島の誕生と自然豊かな地形から生まれた日本の風土とその思想、そして地のかたちに即した生活空間のある里や町並みなどの風情を作品に込めてきた足跡をたどります。また近江と西日本の風景の魅力について、豊かな感性から表現された作品を通して語っていただき、自然との共存を考え暮らしのあり方を探ります。
講師プロフィール
西久松 吉雄(にしひさまつ・よしお)1952年京都市生まれ。日本画家。京都市立芸術大学美術専攻科修了。’18年3月まで成安造形大学教授。現在、一般社団法人創画会会員・常務理事、京都日本画家協会会員・理事。‘94年京都新聞日本画賞展大賞受賞、’95年山種美術館賞展優秀賞受賞、’10年京都美術文化賞受賞、’15年秀明文化賞受賞など。’15年浜田市立石正美術館にて個展。主な著書:「古の贈り物 日本画家西久松吉雄の世界」サンライズ出版。

特別公開講座「杜と地層の風景を描く-近江と西日本」

近江学研究所 西久松吉雄所長の特別公開講座を下記の内容で開催します。
特別公開講座「杜と地層の風景を描く-近江と西日本」
講師:西久松吉雄(近江学研究所所長・日本画家)
日時:2018年4月21日(土) 10:50~12:20
応募締切日:4月11日(水)
受講料:500円(当日受付にて徴収いたします)※本学学部生および研究生、2018年度近江学フォーラム会員は受講料無料
会場:成安造形大学
定員:180名
対象:中学生以上
《講座内容》
日本画家・西久松吉雄が、日常風景の中で出会い、また発見した非日常的な風景のかたちを象徴的に取り出した杜や古墳のある風景、日本列島の誕生と自然豊かな地形から生まれた日本の風土とその思想、そして地のかたちに即した生活空間のある里や町並みなどの風情を作品に込めてきた足跡をたどります。また近江と西日本の風景の魅力について、豊かな感性から表現された作品を通して語っていただき、自然との共存を考え暮らしのあり方を探ります。
ぜひお申し込みください。
>>>お申込みはこちらから

淵のある風景(2016年)

淵のある風景(2016年)


西久松吉雄

西久松吉雄


また、西久松所長の成安造形大学教授ご退任の退任記念展「西久松吉雄-地のかたち」と「成安造形大学日本画卒業生展」が開催されます。
ぜひご高覧ください。
退任記念展「西久松吉雄-地のかたち」
会期 |2018年4月2日[月]-4月28日[土]
時間 |12:00 ‒18:00
休館 |日曜日 *ただし4月22日(日)は開館
会場 |成安造形大学【キャンパスが美術館】ギャラリーアートサイト、ギャラリーウインドウ
主催 |成安造形大学
協力 |成安造形大学美術領域、成安造形大学【キャンパスが美術館】、(株)マルイ美術
同時開催 「成安造形大学日本画卒業生展」
会期 |2018年4月2日[月]-4月28日[土]
時間 |12:00 ‒18:00
休館 |日曜日 *ただし4月22日(日)は開館
会場 |成安造形大学【キャンパスが美術館】ライトギャラリー、スパイラルギャラリー
主催 |成安造形大学
協力 |成安造形大学美術領域、成安造形大学【キャンパスが美術館】、(株)マルイ美術
詳細は近江学研究所WEBサイト(こちらから)をご確認ください。

2022-03-11T03:01:33+09:002018年1月30日|おうみブログ, お知らせ, イベント, 公開講座|

近江学研究所設立10周年記念対談『近江~未来のかたち-近江のかたちを明日につなぐ-』公開講座報告

日時:2017年11月4日(土) 10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:三日月 大造 氏(滋賀県知事)
   岡田 修二(成安造形大学学長)
タイトル:連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」 近江学研究所設立10周年記念対談『近江~未来のかたち-近江のかたちを明日につなぐ-』

三日月知事と岡田学長の対談

三日月知事と岡田学長の対談


三日月知事

三日月知事


岡田学長

岡田学長


西久松吉雄 近江学研究所所長よりごあいさつ

西久松吉雄 近江学研究所所長よりごあいさつ


近江学研究所10年の活動をまとめた冊子をお配りしました

近江学研究所10年の活動をまとめた冊子をお配りしました


加藤賢治 近江学研究所副所長より 10年のあゆみを解説解説しました

加藤賢治 近江学研究所副所長より 10年のあゆみを解説解説しました


琵琶湖の湖岸を対象にした作品を見ながら、琵琶湖との出会い、作品への想いを語る岡田学長

琵琶湖の湖岸を対象にした作品を見ながら、琵琶湖との出会い、作品への想いを語る岡田学長


三日月知事、すべて滋賀産でつくられたジャケットで。生地は和紙で、ボタンは淡水パールの貝殻でつくられています。

三日月知事、すべて滋賀産でつくられたジャケットで。生地は和紙で、ボタンは淡水パールの貝殻でつくられています。


滋賀の魅力はどこにあるのか、哲学的・思想的に探る岡田学長作成の概図に三日月知事も共感し、語りが深まっていきました。

滋賀の魅力はどこにあるのか、哲学的・思想的に探る岡田学長作成の概図に三日月知事も共感し、語りが深まっていきました。


講座内容
成安造形大学附属近江学研究所設立10周年記念講座として、三日月大造滋賀県知事と岡田修二本学学長との対談を企画しました。三日月知事は、本研究所の近江学フォーラム会員であり、年に数回近江学フォーラム会員限定講座を受講されるなど、近江の歴史文化に大変造詣が深い方です。画家である岡田修二学長とともに、近年、地方の活力に期待される中、歴史、文化、芸術など豊かな文化遺産に恵まれる県内において様々な可能性を探ってみたいと思います。そして、近江学研究所のこれからについても考えます。
講師プロフィール
三日月 大造(みかづき・たいぞう)
1971年生まれ、滋賀県大津市立日吉中学校・滋賀県立膳所高等学校・一橋大学卒業。西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)入社、財団法人松下政経塾入塾(23期生)を経て、2003年11月衆議院議員初当選(以降、4期連続当選)。国土交通大臣政務官、国土交通副大臣等を歴任。2014年7月滋賀県知事(第53代)就任。「物だけ」「今だけ」「自分だけ」ではなく、将来も持続的に享受・実感できる、そして全ての人たちが心で感じることのできる「新しい豊かさ」の創造に向け取り組む。
岡田 修二(おかだ・しゅうじ)
1959年香川県生まれ。愛知県立芸術大学大学院修了。京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程修了。博士(美術)。博士論文にて梅原賞。1987~94年(株)電通勤務。第41回カンヌ国際広告祭入賞。元ニューヨークADC国際会員。滋賀県立近代美術館、大原美術館にて大規模な個展を開催。セゾン現代美術館にて2人展、他グループ展多数。2013年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ客員研究員。第32回滋賀県文化奨励賞、第3回創造する伝統賞、第26回秀明文化賞など受賞。成安造形大学教授、2015年4月から学長に就任。

連続講座「近江~住まうかたち-命とつながる藁と土の家づくり-」公開講座報告


日時:2017年9月16日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:大岩剛一 氏(建築家・近江学研究所客員研究員)
タイトル:連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」『近江~住まうかたち-命とつながる藁と土の家づくり-』

ナビゲーターの永江弘之研究員との立ち話から講座が始まりました。

ナビゲーターの永江弘之研究員との立ち話から講座が始まりました。


講師 大岩剛一 先生

講師 大岩剛一 先生


近江かたちを明日につなぐシリーズの公開講座。この日は「住まうかたち 命とつながる藁と土の家づくり」と題して、客員研究員の大岩剛一研究員が、ストローベイルハウスを軸に、現代に息づく建築のあり方を語られました。
ストローベイルハウスとは、圧縮した藁のブロックを積んで厚い壁をつくり、土を塗り込んでいく環境循環型の建築です。
大岩研究員は、2000年に「藁」と「スロー」をキーワードに滋賀の地でストローベイルハウスの研究を始められました。便利さと物質的豊かさを追い求めたこれまでの家づくりに対して、全てが自然に戻る素材でつくる循環型の家づくりを提案。加えて、江戸時代がそうであったように、地域の人々ともに協働で作業する仕組みを取り入れるなど、家づくりを通して人とのつながりをつくる21世紀型の理想の家づくりについての実践事例が報告されました。

【関連展示】「近江のかたちを明日につなぐ展」を開催しました。


【講座内容】
ストローベイルハウスとは、圧縮した藁のブロックを積んで厚い壁を作り、上から土を塗った環境循環型の建築です。大岩剛一氏は、2000年に「藁」と「スロー」をキーワードに滋賀の地でストローベイルハウスの研究を始め、以来全国各地に広がるオルタナティブな生き方を模索する人々のためのコミュニティの拠点づくりに関わってきました。便利さと物質的豊かさを追い求めたこれまでの家づくりに対し、循環する命の豊かさを求める藁の家づくりとは?近江の優れた素材と技と、新たな住の可能性についてお話をうかがいます。
【講師プロフィール】
大岩 剛一(おおいわ・ごういち)
1948年東京都生れ。建築家。早稲田大学大学院修士課程修了。2013年3月まで成安造形大学教授。現在、一級建築士事務所 大岩剛一住環境研究所代表。スローデザイン研究会、ナマケモノ倶楽部世話人。滋賀の魅力に惹かれ、昨年より東京から滋賀へ住まいを移す。「善了寺」(神奈川)、「カフェスロー」(東京)、「N邸」「Café ネンリン」(滋賀)を始め、稲藁やヨシ等の循環型素材を使った設計を手がける。著書に『わらの家』『草のちから藁の家(共著)』他。文化誌『近江学』対談連載中。

近江学フォーラム会員限定講座 第3回「近江の街道の魅力」講座報告

日時:2017年9月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:八杉 淳氏(草津市立草津宿街道交流館館長)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「近江の街道の魅力~道は文化・情報の通り道」

近江の道をテーマにすすめてきました会員限定講座ですが、今回は「現地研修」の事前学習も兼ねて開講されました。講師は、草津宿街道交流館館長の八杉淳先生です。現地研修で訪ねる草津宿の話を中心に、東海道や中山道の宿場町の暮らしを丁寧に解説していただきました。

街道は、参覲交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢参りの旅人など、多くの人々が行き交いました。そして、重要なことは、それらの人々が、文化や情報をもたらしたということです。特に大名行列は、地方や中央の文化と情報を各宿場にもたらし、宿場の人々によって周辺地域にも広がっていきました。街道を通じて展開される交流は、現代のグローバリズムのように、一度に文化と情報が席捲するのではなく、程よく時間をかけて必要とされるものが伝わっていくというものであり、大量の情報に溺れることのない良き時代であったことが理解できました。
(加藤賢治)

【概要】
道の国・近江。江戸と京・大坂を結ぶ東海道や中山道など全国的な交通路とともに、村や町、隣国とを結ぶ多くの街道が通っていました。これらの街道は、参勤交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢まいりの旅人など、多くの人々が行き交い、旅人とともに文化や情報の通り道でもありました。近江の街道や宿場を中心に、江戸時代の街道や宿場、そして旅が果たした役割や、いまの私たちに伝えるものを探ってみたいと思います。
【講師プロフィール】
八杉 淳氏
1959年、兵庫県生れ。佛教大学大学院修士課程修了。草津市教育委員会教育部副部長兼草津市立草津宿街道交流館長・草津市史跡草津宿本陣館長。専攻は日本近世交通史・地域文化史。江戸時代の街道を歩く事で、当時の街道の姿や旅の実際を研究。著書に『近江の宿場町』・『近江東海道を歩く』(サンライズ出版)他多数。

近江学フォーラム会員限定講座 第2回「信仰の道-石塔が運ばれた道-」講座報告

日時:2017年7月8日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:兼康保明氏(NPO法人東海学センター理事)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「道は文化の伝播者 信仰の道-石塔が運ばれた道-」
 近江に数多く見られる中世の石塔に、最近の研究で室町時代後期以降、湖西、湖南を中心に、京都の鞍馬で採れる閃緑岩を用いるものが数多く分布することがわかりました。また、福井の足羽山周辺で採れる笏谷石とよばれる凝灰岩も、湖南にまで分布しています。湖西の坂本や、山間の朽木や若狭街道沿いに見られる石塔や墓標には、特にその傾向が強く見られます。
 講座では、最近の研究成果から、その分布をとおして若狭街道や九里半越えなどの道を通った特殊な石の流通が紹介され、多くの資料と共に丁寧に解説されました。

兼康保明先生

兼康保明先生


多くのスライドを使用し、石塔が運ばれた道を解説する兼康先生

多くのスライドを使用し、石塔が運ばれた道を解説する兼康先生


web_IMG_1819
【講座内容】
近江に数多くみられる中世の石塔に、最近の研究で室町時代後期以降、湖西、湖南を中心に、京都の鞍馬で採れる閃緑岩を用いるものが数多く分布することがわかりました。また、福井の足羽山周辺で採れる笏谷石とよばれる凝灰岩も、湖南にまで分布しています。
湖西の坂本や、山間の朽木や若狭街道沿いに見られる石塔や墓標には、特にその傾向が強くみられる。その分布をとおして、最近の研究成果から、特殊な商品の流通を紹介したい。
【講師プロフィール】
1949年、神戸市生れ。関西大学文学部史学科卒業。考古学、民俗学の視点から、祭祀、宗教文化を研究。元興寺仏教民俗資料研究所、滋賀県教育委員会、滋賀県文化財保護協会などを経て、 現在NPO法人東海学センター理事。
主な著書:『考古学推理帖』(大巧社)『信仰の山を旅する』(近江文化社)、『石造物の研究』(共著・高志書院)他多数。

近江学フォーラム会員限定講座 第1回「近江の道とその特性」講座報告

日時:2017年6月24日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:木村至宏(近江学研究所顧問)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「道は文化の伝播者 近江の道とその特性」
近江は地形的に東日本と西日本の結節点にあたる位置に存在します。その地勢的条件を背景に東西を結ぶ日本の大動脈というべき東海道、中山道といった主要街道が古くから通っています。これ以外にも、北陸道、北国脇往還、御代参街道、朝鮮人街道、杣街道など主要な街道が網の目のように巡らされていました。これら街道の発達によって、近江が物流や商人の活躍、巡礼、人々の往来の発展を促し、近江の文化の構築の大きな要因を占めていたと考えられます。
 講座では、この事実を前提として、近江の道を見つめて歩き続けてきた近江学研究所の初代所長である木村至宏顧問に会員限定講座の初回に登壇いただき、近江の道の概論を語っていただきました。木村顧問の研究の原点は、その街道に寄り添って佇む「道標」にあり、その道標は、歴史の証人であると熱く語られました。

木村顧問

木村顧問


多くのスライドを使用して分かりやすく近江の道の特性を解説する木村顧問

多くのスライドを使用して分かりやすく近江の道の特性を解説する木村顧問


web_IMG_1803
【講座内容】
近江は地形的に東日本地域と西日本地域の結節点にあたる位置にあります。その地勢的条件を背景に東西を結ぶ日本の大動脈と言うべき東海道・東山(中山)道といった主要街道が古くから通ります。
このように近江は上記した東海道など以外にも北陸道・北国脇街道・御代参街道・朝鮮人街道・杣街道など主要な街道が存在します。
これらの道の発達によって近江が物流や商人の活躍、巡礼、人々の往来の発展を促し、近江の文化の構築の大きな要因を占めていたと考えられます。
【講師プロフィール】
1935年滋賀県生れ。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。ʻ09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。ʻ16年同研究所顧問。専攻日本文化史。ʻ96年第40回京都新聞文化賞受賞。ʻ04年滋賀県文化賞受賞。ʻ13年平成25年度地域文化功労者文部科学大臣表彰。
主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001ライズ出版)、「日本歴史地名大系 滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数

Go to Top