近江学フォーラムニュース

現地研修「草津宿と朝鮮人街道 八幡別院を訪ねて」報告


平成29年10月14日(土)に、第9回近江学フォーラム 現地研修「草津宿と朝鮮人街道 八幡別院を訪ねて」を開催しました。
近江学フォーラム会員のみなさん70名、スタッフ9名が参加しました。天候が心配されましたが、午後には晴れ間が出るほどの研修日和の一日となりました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいた地域のみなさまありがとうございました。
(写真:永江弘之研究員)

2班に分かれて、草津駅から東海道へ向かいます。

2班に分かれて、草津駅から東海道へ向かいます。


■草津宿本陣 
草津宿街道交流館館長の八杉淳先生に、皇女和宮や新撰組など幕末の要人が立ち寄ったという草津宿本陣で、臨場感あふれる解説をしていただきました。
草津宿本陣

草津宿本陣


八杉先生のわかりやすく面白い解説

八杉先生のわかりやすく面白い解説


貴重な本陣の内部についても解説。

貴重な本陣の内部についても解説。


■草津宿街道交流館
草津宿街道交流館では、江戸時代の「旅」の風情や、街道沿いの人々の暮らしに触れていただきました。
草津宿街道交流館

草津宿街道交流館


学芸員さんより宿場町の成り立ちについてお話を聴く。

学芸員さんより宿場町の成り立ちについてお話を聴く。


■御料理処「宝山園」
創業50年の四千坪の日本庭園に包まれた御料理処『宝山園』で風情あるお庭を臨みながらお食事をいただきました。
手の入ったお庭を見ながら昼食。

手の入ったお庭を見ながら昼食。



■本願寺八幡別院
朝鮮通信使は、2代将軍徳川秀忠以来、将軍就任祝いの祝賀使節として江戸を訪れた使節団で、第11代将軍まで、12度来日。約500名からなる朝鮮通信使一行は、必ず八幡で昼食をとりました。
午後からは、近江八幡 本願寺八幡別院へ。

午後からは、近江八幡 本願寺八幡別院へ。


八幡別院の書院にて、木村至宏近江学研究所顧問が解説。
当時正使・副使等をもてなした食器や、従事官の李南岡が書いた七言絶句を見学しました。
本堂では、加藤副所長が仏教文化の歴史について解説。
八幡別院 本堂

八幡別院 本堂


加藤副所長

加藤副所長


■近江八幡の街並み
朝鮮人街道を歩いて、八幡商人の屋敷跡が並ぶ近江八幡の旧市街地を自由見学します。 伴家住宅や西川家住宅等では、畳表や蚊帳等の商いで活躍した八幡商人の暮らしを、八幡堀では琵琶湖とつながる水運と街の発展を、日牟禮八幡宮では巨大松明や左義長で知られる火祭りとともに町衆の意気込みを、それぞれの場所で感じていただきます。
今回初めての試み。自由に近江八幡の散策。思い思いに交流しながら歩きました。

今回初めての試み。自由に近江八幡の散策。思い思いに交流しながら歩きました。


伴家住宅

伴家住宅


八幡掘

八幡掘


西久松所長から閉会のご挨拶

西久松所長から閉会のご挨拶

近江学フォーラム会員限定講座 第3回「近江の街道の魅力」講座報告

日時:2017年9月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:八杉 淳氏(草津市立草津宿街道交流館館長)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「近江の街道の魅力~道は文化・情報の通り道」

近江の道をテーマにすすめてきました会員限定講座ですが、今回は「現地研修」の事前学習も兼ねて開講されました。講師は、草津宿街道交流館館長の八杉淳先生です。現地研修で訪ねる草津宿の話を中心に、東海道や中山道の宿場町の暮らしを丁寧に解説していただきました。

街道は、参覲交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢参りの旅人など、多くの人々が行き交いました。そして、重要なことは、それらの人々が、文化や情報をもたらしたということです。特に大名行列は、地方や中央の文化と情報を各宿場にもたらし、宿場の人々によって周辺地域にも広がっていきました。街道を通じて展開される交流は、現代のグローバリズムのように、一度に文化と情報が席捲するのではなく、程よく時間をかけて必要とされるものが伝わっていくというものであり、大量の情報に溺れることのない良き時代であったことが理解できました。
(加藤賢治)

【概要】
道の国・近江。江戸と京・大坂を結ぶ東海道や中山道など全国的な交通路とともに、村や町、隣国とを結ぶ多くの街道が通っていました。これらの街道は、参勤交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢まいりの旅人など、多くの人々が行き交い、旅人とともに文化や情報の通り道でもありました。近江の街道や宿場を中心に、江戸時代の街道や宿場、そして旅が果たした役割や、いまの私たちに伝えるものを探ってみたいと思います。
【講師プロフィール】
八杉 淳氏
1959年、兵庫県生れ。佛教大学大学院修士課程修了。草津市教育委員会教育部副部長兼草津市立草津宿街道交流館長・草津市史跡草津宿本陣館長。専攻は日本近世交通史・地域文化史。江戸時代の街道を歩く事で、当時の街道の姿や旅の実際を研究。著書に『近江の宿場町』・『近江東海道を歩く』(サンライズ出版)他多数。

2017年度近江学フォーラム会員募集開始いたしました!

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滋賀県(近江)の持つ豊かな自然と歴史、文化に対し、興味・関心のある方、ご自身の持っている知識や見聞を深めたい、広げたいとお考えの方は、是非会員にお申込ください。
近江学フォーラムは、1年を通して1つのテーマを多角的に学びます。
2017年度の特集テーマは《道は文化の伝播者》です。
みなさまの近江学フォーラムへのご参加をお待ちしております。
2017年度近江学フォーラムの期間は、2017年4月1日~2018年3月31日です。
会員は随時募集しております。※途中入会でも年会費は同額です。
>> 詳しくはこちらをご覧ください

近江学フォーラム会員限定講座 第5回 「近江の山 信仰とくらし―湖北己高山の宗教文化圏と十一面観音―」報告

日時:2016年12月10日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:加藤 賢治(近江学研究所 副所長・研究員)
ゲスト:木村 至宏(近江学研究所 顧問)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「近江の山 信仰とくらし―湖北己高山の宗教文化圏と十一面観音―」
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古代、湖北にそびえる己高山を中心として形成された宗教文化圏から湖北十一面観音像が生まれました。
木村顧問と加藤副所長が、湖北己高山を取材した過去の記録を紹介しながら、文豪井上靖の小説「星と祭」にも登場する湖北十一面観音の紹介をしながら、観音の里と呼ばれる湖北の集落に息づく観音様をスライドで巡り、その魅力を語りました。
講座の詳細は後日報告します。
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近江学フォーラム会員限定講座 第4回 「近江の山 信仰とくらし―松尾寺山・霊仙山の場合―」報告

日時:2016年11月12日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:江竜 喜之 氏(前近江地方史研究会会長)
タイトル:近江の山 信仰とくらし―松尾寺山・霊仙山の場合―

江竜喜之先生

江竜喜之先生


会員限定講座の4回目は「近江の山 信仰とくらし―松尾寺山と霊仙山―」というタイトルで、前近江地方史研究会会長の江竜善之先生にご登壇いただきました。江竜先生は、國學院大学をご卒業後、地元米原に戻られ、高等学校で教鞭をとりながら、地元の歴史、民俗について研究を続けてこられました。
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この日の講座は、霊仙山と霊山寺、山岳信仰と修験道、霊仙山の雨乞い信仰、松尾寺の歴史と信仰という、米原という地域に根付いた祭礼や信仰に関する4つの項目について語っていただきました。歴史的文献と、地域の伝承など、手元の資料に基づいて詳しく紹介され、山と人々との密接なくらしのかたちを理解することができました。
研究の傍ら、地元米原市下丹に継承されている祭礼や信仰を担われ、学者としての客観的な視点と、実際に祭礼に関わっておられる主観的な視点と両方の目で、伝統的な祭礼を分析されているという非常に興味深い講座となりました。
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第8回近江学フォーラム 現地研修「綿向山の麓・日野を訪ねて」報告

パンフレット

パンフレット


平成28年10月1日(土)に、第8回近江学フォーラム 現地研修「綿向山の麓・日野を訪ねて」を開催しました。
近江学フォーラム会員のみなさん72名、スタッフ11名が参加しました。天候が心配されましたが、朝には雨が止み、晴れ間が出る研修日和の一日となりました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいた地域のみなさまありがとうございました。
《西久松所長ご挨拶》
本年度は「近江の山 信仰とくらし」をテーマに講座等を開講しています。今回の現地研修も8回目を迎えることができました。これも皆様の日頃の当研究所への温かいご厚情の賜物と厚く御礼申し上げます。本日は綿向山の麓、日野町の趣のある町並みや古社を訪ね、信楽院の天井画等を巡り、信仰とくらしを体感したいと思います。家屋の耐震化が取り沙汰される時代でもあり、また自然環境や気候の変動の中で、日本の風土に適した建物や文化を再考する機会になるのではと思います。(西久松)
■馬見岡綿向神社
もとは、綿向山(1110m)の頂上に鎮座していたが、蒲生氏が城下町を開いてから現在地に移され、湖東の大宮として信仰を集めた。山頂から2羽の雁が飛んできて消えたのを見て、村人たちが神が降りてきたと思い、山麓に社を建てたという話が残っており、このことから「二羽雁」が神紋(しんもん)となっている。壮大な境内には、拝殿や本殿をはじめ、江戸時代に日野商人が寄進したという立派な石灯籠(いしどうろう)や石橋がある。
馬見岡綿向神社に参拝 撮影:津田睦美

馬見岡綿向神社に参拝 撮影:津田睦美


現地研修スタート 木村顧問からご挨拶 撮影:津田睦美

現地研修スタート木村顧問からご挨拶
撮影:津田睦美


吉村研究員 絵馬の解説

吉村研究員 絵馬の解説


■信楽院
浄土宗寺院。奈良時代前期、聖武天皇の勅建と伝えられている。中世にこの地方を統治していた蒲生氏の菩提寺であり、安土・桃山時代に現在地に移された。境内には県指定の文化財の本堂や書院などがあり、寺宝に、伝恵心(でんえしん)作の観音像がある。本堂の天井には、日野町出身の著名な日本画家高田敬輔作の「雲竜(うんりゅう)」を中心に描かれた縦横11mの見事な水墨画があり、墓地には蒲生氏郷の遺髪塔がある。
信楽院では、小嵜研究員の解説を聞きながら雲竜図を拝観 撮影:津田睦美

信楽院では、小嵜研究員の解説を聞きながら雲竜図を拝観 撮影:津田睦美


日本画家高田敬輔のお墓をお参り 撮影:津田睦美

日本画家高田敬輔のお墓をお参り 撮影:津田睦美


■近江日野商人ふるさと館(旧山中正吉邸)
山中正吉家は山中兵右衛門家(現近江日野商人館)の分家で、初代正吉は1809(文化6年)に生まれた。初代正吉は、1831(天保2年)に大間村(静岡県富士宮市)で醸造業を始め、その後、造り酒屋として財をなした。また庭園には仁正寺藩主拝領の梅古木をはじめ、近江の石工小松嘉兵衛(西村嘉兵衛)作の燈篭などが据えられ、商人の暮らしぶり、繁栄を感じることができる。
岡井先生による日野商人のレクチャーを受けました

岡井先生による日野商人のレクチャーを受けました


ふるさと館シアタールーム 撮影:津田睦美

ふるさと館シアタールーム
撮影:津田睦美


ふるさと館から桟敷窓をのぞく

ふるさと館から桟敷窓をのぞく
撮影:津田睦美


■歴史民俗資料館「近江日野商人館」(旧山中兵右衛門邸)
近江日野商人の山中兵右衛門邸を資料館として、近江商人が使っていた小物、歴史を感じるものを展示されている。
日野商人館で説明を真剣に聞く会員のみなさん

日野商人館で説明を真剣に聞く会員のみなさん


■昼食 グリーンホテル日野
綿向山を望みながら日野の郷土料理をいただきました。
昼食後、木村顧問のミニレクチャー 撮影:津田睦美

昼食後、木村顧問のミニレクチャー
撮影:津田睦美


■御上神社
近江富士と呼ばれる三上山の麓に位置する。祭神は天御影之神。この神が三上山に降臨したのを祀ったのが始まりといわれている。楼門をくぐると優雅な拝殿、千木のそびえる本殿、その左右に若宮社・三宮社が並んで建っている。特に本殿は県下神社建築の国宝の第一号であり、約700年前のもので、神社・仏堂・御殿の3様式が合成された御上造とよばれる建築様式をしている。
御上神社 拝殿と本殿を拝観

御上神社 拝殿と本殿を拝観


西久松所長よりお礼のご挨拶

西久松所長よりお礼のご挨拶

近江学フォーラム会員限定講座 第3回 「綿向山と祭礼~日野祭を中心に~」報告

日時:2016年9月24日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:岡井 健司 氏(日野町教育委員会生涯学習課歴史文化財担当主任)
タイトル:綿向山と祭礼~日野祭を中心に~

講師 岡井健司氏

講師 岡井健司氏


今回の会員限定講座は、10月1日に開催する現地研修の事前学習として、日野町教育委員会の文化財担当主任である岡井健司先生にご登壇いただきました。
岡井先生は、大学院修了後、日野町史編纂に長年携わられ、10年ほど前から日野の城下町に在住。現在は日野祭に参加され、その文化の継承を実践されています。
 講座では、まず日野町の歴史や、自然の紹介から始まり、中盤は、仏教文化や、大岳神社の式年遷宮、そして後半に日野祭りの特徴についてという流れで、わかりやすく解説をしていただきました。

 馬見岡綿向神社の氏子による祭礼である日野祭りは、本来は神輿が氏子町を練り歩くものであるが、近江商人の中でも関東地方に商圏を持った日野商人の財力によって豪華な曳山が登場し、最大16基が綿向神社に集結する。また、その曳山の巡行を桟敷窓から眺める風情や、関東秩父のお囃子のリズムが取り入れられ勢い良く演奏されるお囃子の話などが語られました。
 最後に日野商人ふるさと館(旧山中正吉邸)でもてなされる鯛そうめんなどの祭り料理が紹介され、日野町の魅力が一層深まり、次週の現地研修がますます楽しみになりました。

【講座概要】
鈴鹿山脈の一峰、綿向山。標高1,110メートルの山容は美しく、とりわけ麓の日野谷から望む綿向山は、左に竜王山、右に水無山をしたがえて、谷を抱きかかえるような雄大な姿をたたえています。気高くそびえる姿ゆえに、古来、綿向山は神が坐す聖なる山として人びとの信仰をあつめてきました。今回は、綿向山麓にある日野の人びとの信仰とくらしについて、里宮・馬見岡綿向神社の春の例大祭である「日野祭」を中心に紹介します。
【講師プロフィール】
岡井 健司 氏(日野町教育委員会生涯学習課歴史文化財担当主任)
1970年滋賀県生れ。関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得退学。日野町史編さん室事務局を経て、現在、日野町教育委員会生涯学習課歴史文化財担当主任。近江の近世地域史を研究する。共著『蒲生町史』(第三巻)・『近江日野の歴史』(第三・五・八・九巻)や、論文「寛文~正徳期における対馬府中の人口動態と朝鮮貿易」『近世の畿内と西国』(2002清文堂出版)などがある。

近江学フォーラム会員限定講座「近江の山とその特性」報告

日時:2016年6月25日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:木村 至宏(近江学研究所 顧問)
タイトル:近江の山とその特性
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今年度近江学フォーラム会員限定講座の1回目は、今年度から顧問に就任された木村前所長に早くもご登壇いただきました。今年度のフォーラム特集テーマは「近江の山 信仰とくらし」で、限定講座のライナップもそれに合わせています。その第1回目ということで概論的に「近江の山とその特性」というタイトルで木村顧問に語っていただきました。
講座は、はじめの50分間で、田上、金勝、比良、比叡など琵琶湖を囲むように連なる山々と、三上山、長命寺山、繖山などその手前や周りに散在する独立峰の紹介、そして、山の信仰や文化が豊かな文化財を育んだことや、山が文学や風景の形成の要素になったことなどが資料をもとに話されました。その後、写真家の寿福滋先生の山の写真がふんだんに紹介しながら、木村近江学の中心をなす「近江の山」、そして近江自体が池泉回遊式庭園であるという素晴らしい文化資源について語られました。
今年度の会員限定講座の概論として、大変内容の濃い講座となりました。「今年度の現地研修も含めて、限定講座が楽しみです」という声が会員さんから聞かれました。
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【講師プロフィール】
1935年滋賀県生れ。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。‘09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。‘16年同研究所顧問。専攻日本文化史。‘96年第40回京都新聞文化賞受賞。‘04年滋賀県文化賞受賞。‘13年平成25年地域文化功労者文部科学大臣表彰。主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001サンライズ出版)、「日本歴史地名大系 滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数

2016年度近江学フォーラム 会員募集開始しました!

バナー画像 会員募集2016
滋賀県(近江)の持つ豊かな自然と歴史、文化に対し、興味・関心のある方、ご自身の持っている知識や見聞を深めたい、広げたいとお考えの方は、是非会員にお申込ください。
近江学フォーラムは、1年を通して1つのテーマを多角的に学びます。
2016年度の特集テーマは《近江の山 信仰とくらし》です。
みなさまの近江学フォーラムへのご参加をお待ちしております。
2016年度近江学フォーラムの期間は、2016年4月1日~2017年3月31日です。
会員は随時募集しております。※途中入会でも年会費は同額です。
>> 詳しくはこちらをご覧ください

木村至宏氏:2015近江学フォーラム会員限定講座 第5回

日時:2015年12月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:木村至宏氏(近江学研究所所長)
タイトル:近江の偉人たち近世「芭蕉と近江」

木村至宏所長

木村至宏所長


平成27年度近江学フォーラム会員限定講座の締めくくりは、木村所長に、ご専門の中でも特に力を入れて研究された松尾芭蕉について、熱く語っていただきました。
「近江の風景をこよなく愛したという松尾芭蕉には、大津や堅田にたくさんの門人がおり、頻繁に彼らを訪ねてこの地にやってきた。晩年には、石山に幻住庵、膳所に無名庵を築き、大津絵の筆のはじめは何仏、鎖(じょう)あけて月さし入れよ浮御堂、など有名な句を残した。」など、芭蕉の生涯が年表でじっくり紹介されました。
最後に木曽(源)義仲に対する芭蕉の思いと、その思いによって芭蕉の亡骸が大阪から、大津に移され、木曽義仲の墓所の隣に葬られたという話が語られ、芭蕉という偉大な人物と、近江という風光明媚で歴史文化風土豊かな土地との素晴らしい出会いがあったと締めくくられました。


■講演内容
芭蕉は42歳のとき初めて近江を訪れました。
その後、木曽義仲の眠るそばの無名庵を定宿にし、多くの門人と交遊し、「行く春を近江の人と惜しみける」などの名句を残します。とくにこよなく近江の風景を愛した芭蕉が、近江を第二の故郷にした経過を探ります。

■講師プロフィール

1935年滋賀県生れ。大谷大学大学院文学研究科中退。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。‘09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。‘96年第40回京都新聞文化賞受賞。‘04年滋賀県文化賞受賞。‘13年平成25年地域文化功労者文部科学大臣表彰
主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001サンライズ出版)、「日本歴史地名大系滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数

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