連続講座「近江~受け継ぐかたち-びわ湖真珠のもつ潜在能力に迫る」講座報告

日時:2018年11月10日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:杉山 知子 氏 (神保真珠商店店長)
対談:石川 亮 (本学准教授、近江学研究所研究員)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第3回「近江~受け継ぐかたち-びわ湖真珠のもつ潜在能力に迫る-」
講座内容
大津市東海道沿いにお店を構える神保真珠商店は長年びわ湖で淡水真珠を養殖される方々との信頼関係を保ち良質な淡水真珠を発信、提供されてきました。淡水真珠を養殖し、宝飾品としてかたちになるには様々な条件が整い、多くの人の手に渡ってようやくその輝きを放ちます。それは時代の波に左右されない思い、自然と向き合う姿勢と丁寧なものづくりを持続する努力に他ありません。真珠を作り出すイケチョウガイの貝殻の美しさを生かした新たな展開にも迫ります。
講師プロフィール
杉山 知子 氏 (神保真珠商店店長)
1974年 滋賀県大津市生れ。’95年 平安女学院短期大学卒業。’96年日本アートスクール卒業。’96年 GEAプロセスエンジニアリング株式会社 でCAD設計として勤務を経て、’14年 家業の神保真珠店に入社。県庁前に実店舗をオープン。’17年 店舗を拡張し、煎茶サロンを併設。神保真珠店は、1954年親戚が有限会社神保真珠を創業、養殖を開始。’62年竹治の長男・神保恵一が神戸に神保真珠貿易を設立(伊吹末次郎が関わる)。’66年 祖父・伊吹末次郎が神保真珠商店を開業。
石川 亮 (本学准教授、近江学研究所研究員)
1971年、大阪府生まれ。1995年京都精華大学美術学部造形学科卒業。現在成安造形大学准教授。美術家。交通インフラやのそのシステムの興味から作品制作を始める。近年は国内の神仏にゆかりのある地に出向き、その場所の持つ性質やルーツを探ることが作品制作の糸口になっている。近作に地域伝承や地名をもとに名付けられた湧水を収集した作品「全体‐水」は個々の水が混ざりあい一つになるプロセスを作品にしている。宗教観と自然観を生活の中に取り込み、自然と対峙しながらも共存してきた日本人の感覚に注目している。

講師 杉山知子さん

講師 杉山知子さん


石川亮研究員との対談をしながら、お話しをお聞きしました

石川亮研究員との対談をしながら、お話しをお聞きしました



関連企画 
近江のかたちを明日につなぐ展vol.11「近江~受け継ぐかたち-びわ湖真珠のもつ潜在能力に迫る-」

会期 11月1日(木)~11月10日(土)
場所 聚英館1階 情報発信ギャラリー
本講座に合わせた関連企画「近江のかたちを明日につなぐ 展 vol.11」として、びわ湖真珠やそれを産み出す池蝶貝を利活用した様々なクラフトの展示を行いました。
展示において2015年本学地域連携推進センターが滋賀県水産課のプロポーザル「ビワパールまるごとブランディング事業」の採択を受け、滋賀県内の様々な技術者や発信者と手を組んで取り組んだ成果の一部を紹介します。
主催|成安造形大学附属近江学研究所
協力|神保真珠商店、中川木工芸比良工房、COMMUNE、NOTA &Design 、成安造形大学 キャンパスが美術館 他


連続講座「近江~暮らしのかたち-琵琶湖の生業」講座報告

日時:2018年10月27日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:澤村 芳幸 氏 (漁師)、松井 芳之 氏 (小松水産株式会社代表取締役社長)
対談:加藤 賢治(本学准教授、近江学研究所研究員)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第2回「近江~暮らしのかたち-琵琶湖の生業」
講座内容
「待ちの漁法」といわれる琵琶湖独特の「エリ漁」。魚の習性を利用して、「つぼ」と呼ばれる数か所ある仕掛けに誘導し、集まってきた魚をすくい捕る漁法である。コアユ、ワカサギ、モロコ、コイ、フナ、エビなど「つぼ」入る獲物は季節によって異なる。天候にも左右されながら、自然とともに暮らすエリ漁師の1日に密着し、その暮らしを紹介する。また、オイサデ漁や地引網など、かつては盛んに行われていた漁法や、現在行われている漁など豊かな琵琶湖の水産業を現況を解説。湖と生きる人の生業の昔と今を追い、暮らしの幸福度についても考えます。
講師プロフィール
澤村 芳幸 氏 (漁師)
志賀町漁業共同組合(滋賀県大津市)の漁師。
松井 芳之 氏 (小松水産株式会社代表取締役社長)
滋賀県大津市北小松で小松水産業を営む。
加藤 賢治(本学准教授、近江学研究所研究員)
1967年、京都市生れ。立命館大学産業社会学部卒業、高等学校地歴科・中学校社会科 非常勤講師を経て、1997年成安造形大学事務局勤務。現在、同大学准教授・附属近江学研究所副所長・研究員として滋賀県をフィールドに宗教民俗の研究を続けている。

講演にお招きした(左)漁師の澤村芳幸さん、(右)水産業を営む松井芳之さん。

講演にお招きした(左)漁師の澤村芳幸さん、(右)水産業を営む松井芳之さん。


加藤賢治研究員との対談でした

加藤賢治研究員との対談でした







関連企画 
近江のかたちを明日につなぐ展vol.10「近江~暮らしのかたち-琵琶湖の生業」

会期 10月24日(水)~10月27日(土)
場所 聚英館1階 情報発信ギャラリー
本講座に合わせた関連企画「近江のかたちを明日につなぐ 展 vol.10」として、加藤研究員が北小松のエリ漁を取材した際の写真スライドショーを展示しました。

近江学フォーラム会員限定講座 第3回「里湖としての琵琶湖-水辺の村落景観と民俗文化」講座報告

日時:2018年9月29日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:佐野 静代 氏(同志社大学教授)
タイトル:2018年度近江学フォーラム会員限定講座 第3回「里湖としての琵琶湖-水辺の村落景観と民俗文化」
概要 
琵琶湖のほとりでは、漁撈やヨシ刈りなど、水辺の資源を利用した営みが古代から続けられてきました。これらの生業活動はいわば「人の手の加わった自然」として、里山と並ぶ「里湖」の景観を作り出してきたといえます。今回はこの「里湖」としての琵琶湖の景観史と民俗文化について、菅浦など水辺の村々を事例に取り上げ、今日的な意義も含めて考察したいと思います。
講師プロフィール
1968年京都市生れ。奈良女子大学助手・滋賀大学准教授を経て、現在、同志社大学文学部教授、博士(文学)。専門は歴史地理学。著書に『中近世の村落と水辺の環境史―景観・生業・資源管理』(吉川弘文館、2008年)、『中近世の生業と里湖の環境史』(吉川弘文館、2017年)。
詳細の報告は後日行います。

会場風景

会場風景

連続講座(写生会)「淡海の夢2018 」近江八幡・八幡堀と城下町写生会 報告

日時:2018年9月22日(土)9:30~17:30
場所:近江八幡市 八幡掘周辺
講師:永江 弘之 (本学教授 本研究所研究員)、待井 健一(本学非常勤講師)
タイトル:2018年度 連続講座(写生会)「淡海の夢2018 」近江八幡・八幡堀と城下町写生会
講座内容
琵琶湖を中心とした棚田・里山、湖国の風景は今、次世代に引き継ぎたい美しく貴重な日本の原風景として広く注目されています。「淡海の夢」は、年2回の写生会と公募風景展を通して、近江の素晴らしさを体感し固有の価値を再発見する講座です。成安造形大学の教員が、風景写生のコツをレクチャーし、講評会を実施します。「プロのアドバイスを受けられるチャンス」とご好評いただいております。ぜひお申込みください。
【写生会場について】
近江八幡は、豊臣秀次が築いた八幡山城下町から発展した近江商人と水郷の町。八幡堀周辺や豪商たちの白壁の土蔵や旧家が建ち並ぶ旧市街地は、国の重要文化的景観の第1号と重要伝統的建造物群保存地区に選定され、歴史情緒を感じる風景が魅力です。
永江 弘之 (本学教授 本研究所研究員)
1960年大阪府生まれ。大阪教育大学教育学部卒業。中学校美術科教諭を経て、2003年成安造形大学講師となり、現在、成安造形大学芸術学部芸術学科イラストレーション領域教授、08年から同大学附属近江学研究所研究員。近江学研究所公開講座「淡海の夢」(写生会・公募展)企画責任者。近江の風景に魅せられ、色彩感あふれる写実風景画や幻視風景画を制作。

朝のレクチャーの様子

朝のレクチャーの様子




講師の永江研究員によるアドバイスを受ける受講者さん

講師の永江研究員によるアドバイスを受ける受講者さん


永江研究員の写生の様子

永江研究員の写生の様子


講師の待井先生

講師の待井先生


講評の様子

講評の様子

【お知らせ】淡海の夢「近江八幡・八幡掘と城下町写生会」(9/22)実施について


淡海の夢「近江八幡・八幡掘と城下町写生会」受講者の皆様
明日9月22日(土)は、現時点(9月21日14:30)の天気予報では、
朝は弱雨、その後は徐々に天候が回復する予想となっています。
写生会につきましては、開催いたしますので、お気をつけてお越しください。
お待ちしております。
なお、欠席される場合の連絡は特に必要ありません。
近江学研究所

近江学フォーラム会員限定講座 第2回「琵琶湖と人のかかわり」講座報告

日時:2018年7月14日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:仁連 孝昭(成安造形大学客員教授)
タイトル:2018年度近江学フォーラム会員限定講座第2回「琵琶湖と人のかかわり」
概要 
琵琶湖再生保全法(2016)は「自然と共生する社会の実現」を謳い、滋賀県のマザーレイク21計画(2000)はその基本理念として「琵琶湖と人との共生」を掲げている。しかし、共生を根付かせることはそれほど簡単ではない。琵琶湖は古くからそこに暮らす人々にとってかかわりの深い湖であり、時代の変化とともにそのかかわり方を変えてきた。琵琶湖と人のかかわりの変遷を振り返りながら、琵琶湖と人の共生について考えてみたい。
講師プロフィール
1948年、大阪市生れ。京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。広島大学、日本福祉大学、滋賀県立大学で教育研究に携わる。2016年より成安造形大学客員教授。生命世界と共生できる人間社会の再構築を模索している。著書として『持続可能な水環境政策』『環境と開発』『小舟木エコ村ものがたり』などがある。
講座の詳細は後日報告いたします。

仁連 孝昭 氏(成安造形大学客員教授)

仁連 孝昭 氏(成安造形大学客員教授)


熱心に講義を聞く近江学フォーラム会員のみなさん

熱心に講義を聞く近江学フォーラム会員のみなさん

連続講座「近江~記憶と記録のかたち-8ミリフィルムからみる近江の暮らし-」講座報告

日時:2018年6月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:おうみ映像ラボ(長岡野亜、大原歩、大藤寛子、藤野ひろ美)
ゲスト:吉岡 博行 氏 (映像技師・株式会社吉岡映像代表取締役)
タイトル:2018年度 連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」第1回「近江~記憶と記録のかたち-8ミリフィルムからみる近江の暮らし-」
講座内容
滋賀県内のくらしや文化を記録する映像の発掘・発信をしている「おうみ映像ラボ」。映像を通して、地域に引き継がれた技術や知恵・共同体の姿に「共感する場」をつくることを目的に活動しています。本講座は「8ミリフィルム発掘プロジェクト」の中で提供された滋賀県各地(主に草津・彦根・能登川等)のフィルムを映像技師の吉岡氏にお話しを伺いながら映写機やプロジェクターで上映します。また、地域における映像アーカイブのネットワークの可能性を探ります。
おうみ映像ラボ
長岡野亜、大原歩、大藤寛子、藤野ひろ美
2014年より滋賀県全域を対象にくらしや文化を記録する映像の発掘・発信をしている。少人数で鑑賞する「見聞会」、100人規模の「上映会」、映像の制作背景に出会い撮影地を訪ねる「遠足」などを行う。’16年から「8ミリフィルム発掘プロジェクト」を実施。’14~17年 滋賀県「美の滋賀」地域づくりモデル事業受託。’17年「文化で滋賀を元気に賞―映像を未来につなぐ文化賞」受賞。
ゲスト 
吉岡 博行 氏 (映像技師・株式会社吉岡映像代表取締役)
1955年京都生れ。44歳でフィルムの修復を始める。’98年吉岡映像設計事務所設立。’08年株式会社 吉岡映像へ移行。8mmフィルム、16mmフィルム、9.5mmフィルムの修復と、映画フィルムをビデオ・DV・DVD等に変換する作業「テレシネ」を行う。10年間におよそ5000本ものフィルム修復をてがける。
詳細は後日ご報告します。

8ミリフィルムについて解説する 吉岡氏

8ミリフィルムについて解説する 吉岡氏


8ミリフィルムを撮影した小林さんに、フィルムを見ながら解説いただいた。

8ミリフィルムを撮影した小林さんに、フィルムを見ながら解説いただいた。


小林さん撮影の8ミリフィルム 大津市仰木地区のお正月準備の餅つきの様子

小林さん撮影の8ミリフィルム 大津市仰木地区のお正月準備の餅つきの様子


8ミリフィルム映像を提供いただいた岸野さんと大原研究員

8ミリフィルム映像を提供いただいた岸野さんと大原研究員


岸野さんが提供した8ミリフィルム「琵琶湖一周大学駅伝」の一場面

岸野さんが提供した8ミリフィルム「琵琶湖一周大学駅伝」の一場面


実際に8ミリ映写機を使って8ミリフィルムを見ました。

実際に8ミリ映写機を使って8ミリフィルムを見ました。


8ミリフィルムの魅力について解説する長岡氏

8ミリフィルムの魅力について解説する長岡氏

後半は映像の記録や保存、その活用について対談形式で進みました。

後半は映像の記録や保存、その活用について対談形式で進みました。

近江学フォーラム会員限定講座 第1回特別講座「朝鮮通信使と雨森芳洲」講座報告

日時:2018年6月23日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:木村 至宏(近江学研究所顧問)
タイトル:2018年度近江学フォーラム会員限定講座第1回「ユネスコ世界の記憶」登録記念 特別講座「朝鮮通信使と雨森芳洲」
概要 
かつて日本と朝鮮国とは友好な外交関係にあり、朝鮮国から派遣された使節は、「朝鮮通信使」と呼ばれていた。これは両国の平和と善隣友好の象徴であった。その後徳川家康によって国交回復し、江戸時代12回に及ぶ使節団が訪日し善隣友好を重ねた。そのうち2回は、長浜市高月町出身の雨森芳洲が尽力し功績を残す。芳洲は対馬藩儒として   迎えられ、現地の教育と外交等にわたって大きな足跡を残したことを探る。
講師プロフィール
1935年、滋賀県生れ。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。ʻ09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。‘16年同研究所顧問専攻日本文化史。ʻ96年第40回京都新聞文化賞受賞。ʻ04年滋賀県文化賞受賞。ʻ13年平成25年度地域文化功労者文部科学大臣表彰。主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001サンライズ出版)、「日本歴史地名大系 滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数。 
詳細の報告は後日行います。

楽しい話を織り交ぜながら歴史の魅力を語る木村顧問

楽しい話を織り交ぜながら歴史の魅力を語る木村顧問


熱心に受講するフォーラム会員のみなさん

熱心に受講するフォーラム会員のみなさん


スライドを解説する木村顧問

スライドを解説する木村顧問

特別公開講座 「杜と地層の風景を描く-近江と西日本」報告2018年 4月 21日

日時:2018年4月21日(土)10:50~12:20
場所:聚英館 3階 聚英ホール
講師:西久松 吉雄(成安造形大学名誉 教授、近江学研究所 所長)
タイトル:特別公開講座「杜と地層の風景を描く-近江と西日本」
平成30年度(2018年度)一回目の特別公開講座として、2018年3月に成安造形大学を退任され、4月より名誉教授となりました日本画家西久松吉雄先生の講演を行いました。
80枚にも及ぶこれまでの作品の変遷をたどりながら、先生が地層や風景にどのように理解し作品につなげてきたのか、その制作の背景が語られました。
詳しいご報告は後日更新します。

西久松吉雄所長

西久松吉雄所長


会場の様子

会場の様子



講座内容
日本画家・西久松吉雄が、日常風景の中で出会い、また発見した非日常的な風景のかたちを象徴的に取り出した杜や古墳のある風景、日本列島の誕生と自然豊かな地形から生まれた日本の風土とその思想、そして地のかたちに即した生活空間のある里や町並みなどの風情を作品に込めてきた足跡をたどります。また近江と西日本の風景の魅力について、豊かな感性から表現された作品を通して語っていただき、自然との共存を考え暮らしのあり方を探ります。
講師プロフィール
西久松 吉雄(にしひさまつ・よしお)1952年京都市生まれ。日本画家。京都市立芸術大学美術専攻科修了。’18年3月まで成安造形大学教授。現在、一般社団法人創画会会員・常務理事、京都日本画家協会会員・理事。‘94年京都新聞日本画賞展大賞受賞、’95年山種美術館賞展優秀賞受賞、’10年京都美術文化賞受賞、’15年秀明文化賞受賞など。’15年浜田市立石正美術館にて個展。主な著書:「古の贈り物 日本画家西久松吉雄の世界」サンライズ出版。

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