おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

オープンキャンパスに「ちま吉」登場!

10月に行われる「大津祭」の公式キャラクター「ちま吉」は成安造形大学の学生がデザインしました。
今年度もプロジェクト科目として、授業の一環で大津祭本番までに京阪電車のちま吉ラッピング電車や、自動販売機のデザイン、携帯ストラップ・クリアファイルなどのグッズ販売などちま吉に関する企画をどんどん展開していく予定です。
大津祭の歴史は古く江戸時代初期にさかのぼり、長浜の曳山まつりと並んで湖国三大祭りの一つに数えられます。その源流は京都の祇園会に見ることができますが、精巧なからくりや装飾幕は大津祭独自の文化を今に伝えています。
大津祭を運営するNPO法人大津曳山連盟は2004年に発足し、大津祭の運営に加えて地域活性化の運動も含めてWebサイトの運営の他、様々な取り組みをされています。「ちま吉」もそのような取り組みの中で生まれてきました。
今やちま吉は大津祭を盛り上げ地域活性化のシンボルとして活躍しています。
今回は大津祭の中心地から飛び出しふるさとである成安造形大学に来てくれました。たくさんの来場者に囲まれ人気者でした。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-04-30T10:55:03+09:002010年4月30日|おうみブログ, イベント|

堅田小学校で歴史の授業!?

4月28日(水)、堅田小学校体育館で6年生203名を対象に歴史の授業をしてきました。
この授業のきっかけは、本学の教職員と学生がseian net.TVの企画で制作した中世の堅田衆を主人公としたアニメーションのドキュメンタリーが放映されたことで、それをご覧になった堅田小学校の先生が6年生の歴史の授業の一環でということで声をかけていただいたことにはじまります。私の本務が地域連携推進センターで地域貢献を仕事としていることもあり、喜んで引き受けさせていただきました。
堅田衆は古くから、特定の権力者に支配されることなく自治が行なわれていたこと、地侍層である殿原衆(とのばらしゅう)と農工商を中心とする全人衆(まろうどしゅう)が身分の違いがありながら役割分担をうまく行っていたことなど、スライドを交えて話をしました。6年生に中世の堅田衆を詳しく解説することは難しいことですが、そのところはアニメーションがわかりやすく解説してくれました。
小学生たちが少しでも歴史やアニメーションづくりに興味を持ってくれればと思いながら小学校を後にしました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-04-29T14:00:28+09:002010年4月29日|おうみブログ, イベント|

近江学研究プロジェクト「里山〜水と暮らし」始まる

4月24日(土)、今年度の近江学研究所の最も注目すべき取り組みである研究所独自の研究「里山〜水と暮らし」がスタートしました。この研究はプロジェクト演習A1・A2という授業名で授業の一環として行われます。当日は10名の学生が021教室に集まり、近江学研究所研究員の大岩先生、永江先生、蔭山先生、そして私加藤がそれぞれこの研究の概要をレクチャーしました。
また、参加した学生は一人ずつ自己紹介しを交えながら、研究への意気込みを語ってくれました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-04-27T09:29:23+09:002010年4月27日|おうみブログ, フィールドワーク|

大津市歴史博物館土曜講座で研究報告をしてきました!

近江学研究所公開講座の初回が終了して、その足ですぐに大津市歴史博物館へ。17日午後1時半から大津市歴史博物館講堂において近江学研究所研究員の加藤が4年前から取り組んできた自分の研究を発表しました。
この講座は歴史博物館の企画展「元三大師良源展」の関連企画で開催されたもので、今回私は比叡山横川(よかわ)の麓にある仰木地区の古式祭礼について報告をしました。
成安造形大学が位置する仰木地区には小椋神社を中心としていわゆる「宮座」が運営され、村人が古くから伝わる祭礼を守ってきた。仰木地区は比叡山の麓にあり、琵琶湖を中心とする湖上交通の要衝にあたり、多くの人物や物資がそこを通過しました。そのような位置関係が仰木の歴史や伝承を深め、他には見られない風習が今に伝えられています。
近江は「宮座」の宝庫と呼ばれ、古くから宮座研究の舞台となりました。その村落組織の形態は多様であり複雑で神仏分離が厳しく行なわれた小椋神社を中心とする仰木地区はその中でも珍しい風習や伝承が多く残されています。
「親村」と呼ばれる村組織を詳しく見ながら、その古式祭礼の大切さを語りました。
150名という多くの方々にご清聴いただき、この講演が近江学研究の一助とご理解いただければこのうえない幸せです。今後も足元の研究を続け、多くの皆さんにその成果をお伝えしていきたいと考えています。

近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-04-22T09:32:00+09:002010年4月22日|おうみブログ, お知らせ, イベント|

公開講座「近江学概論」を開講しました。

講座名:近江学概論-とくに琵琶湖の呼称について-
日 時:平成22年4月17日(土) 10:40-12:00
場 所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講 師:木村至宏(成安造形大学 附属近江学研究所 所長)

近江学研究所も開設3年目を迎えることができました。その研究所の主要な事業である公開講座も今まで以上に発展させていきたいと考えています。
4月17日(土)は今年度初めての公開講座を開催しました。毎年度初回の公開講座は恒例となっていますが木村所長が担当となっています。今回は「琵琶湖の呼称について」をテーマになぜ琵琶湖という名前がついたのかを多くの資料を提示しながら解説されました。
今でこそ地図で見ると何とか楽器の琵琶に似ていると言えなくもないが、地図がなかった近世初期になぜ琵琶の形に見えたのか。木村所長が何年も前から疑問に思われていたことについてその答えがこの講義によって明らかになりました。
琵琶湖には霊島「竹生島」があり、そこには古来インドの神である弁才天が祀られ、琵琶湖の湖辺に生活する人々の信仰の対象になっていた。その弁才天は別名妙音天とも呼ばれ、楽器の琵琶を抱えたその姿が尊崇されてきた。
確かに湖のかたちが琵琶に似ているということは否定しないが、砂浜に打ち寄せる細波の音は、自然の中で琵琶の音色と重なり、湖辺の人々はその湖を無意識のうちに弁才天の湖、琵琶の湖、と呼ばれるようになったとはいえないだろうか。
時のたつのを忘れさせるいつもの軽快な木村所長の語りで進んだ公開講座。写真や図版も含め多くの資料をひも解きながら、琵琶湖の呼称についての考察が論理的にまたロマンチックに語られました。学生も含め200名を越える参加者は満足そうでした。

近江学研究所研究員 加藤賢治

ギャラリーアートサイト主催の展覧会『望遠』始まる!

上下画像内/左2点 “日出山(遠景)” “日没山(遠景)” 2009  300×300/mm
上下画像内/右2点 “日出山(近景)” “日没山(近景)” 2009  230×185/mm
上 照明有り 下 照明無し 蓄光インク、アクリル

美術作家で本学非常勤講師の石川亮氏の展覧会『望遠』が3月8日(月)から始まりました。近江の風土を現代アートの視点でとらえた斬新な展覧会です。滋賀県は琵琶湖を中心として山々が取り囲み、その山から水が湧き出て川となり琵琶湖へ注いでいます。この環境に注目した石川氏はそれら山の信仰と麓のくらし、そして水との関係を解き明かしながら、自ら県内を歩き回り、80ヶ所の湧水を集めて展示しています。また、山の稜線をモチーフにした平面作品は空の部分を蓄光塗料で塗り重ね、部屋の照明を消すとその部分が光って稜線を浮かび上がらせるという趣向を凝らせた展示は見物です。
近江学研究所の協力で完成した滋賀県の山と川の地図も見応えがあります。是非とも成安造形大学ギャラリーアートサイトまで見に来てください!3月20日(土)まで。入場無料。最終日は1時から作家の講演会やゲストが参加しての座談会も行われます。私も出ます。ぜひご参加を!

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-03-09T09:51:48+09:002010年3月9日|おうみブログ, お知らせ, イベント|

大津歴博企画展「元三大師良源」見てきました!

3月6日(土)、話題の大津市歴史博物館企画展「元三大師良源」を見学してきました。サブタイトルが「比叡山中興の祖」。最澄、円仁、円珍と続く延暦寺の系譜もいったんは力をなくしてしまいますが、この良源が疲弊した山内を復興します。サブタイトルはこのことに由来しますが、凄まじい改革を強い意志を持って断行したために、恐ろしい形相の天台座主のイメージが強く、良源自身が厄除の御札などになって民間信仰の対象になっていきました。
おみくじの元祖であるとか僧兵をつくったとか祈祷によって皇室の病を打ち払ったとか、たくさんの伝承が今に伝わっています。最澄や法然、親鸞などに比べると一般的には知られていない僧侶なのかもしれませんが、日本浄土教の祖ともいえる恵心僧都源信を弟子に持ち、自らが観音の化身であるとされた良源は、日本文化の基層をつくった魅力のある人物です。この展覧会の入り口から並ぶ全国各地より集まった元三大師像は圧巻です。
是非ともご高覧ください。4月18日(日)まで。一般800円/高大生400円/小中生200円

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-03-07T09:39:16+09:002010年3月7日|おうみブログ, お知らせ, イベント|

木村所長「白洲正子」を語る!

2月24日(水)11:00~大津プリンスホテルにて、近江学研究所木村至宏所長が「白洲正子と近江」と題して講演されました。これは大津プリンスホテルが会員さんを対象として企画されたもので、当日は120名を越える近江を愛する熱心な方々の参加がありました。
近江の風土を愛した随筆家白洲正子の名著「近江山河抄」「かくれ里」をたどりながら、彼女が訪ねたところを撮影したスライドを中心に眺めながらの講演でした。いつもどおりの木村所長の軽快な口調の解説で、時折笑いを挟みながら1時間半が一瞬のように過ぎました。近江の魅力をたっぷりと鑑賞した参加者のみなさんは満足そうで、近江学研究所の活動に興味を持たれている様子もうかがえました。
木村所長お疲れ様でした。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-03-01T10:15:42+09:002010年3月1日|おうみブログ, お知らせ, イベント|

近江学研究所第4回参与会議が行なわれました!

2月22日(月)1時半から近江学研究所参与会議が行なわれました。参与会議は県内の経済、文化、宗教、芸術など一線でご活躍される参与の方々と成安造形大学の理事長、学長をはじめとする関係者にご出席いただき、近江学研究所の活動に対してのご意見をいただくという重要な会議です。
会議は研究所の今年度の活動報告と、次年度の活動計画がスライドで紹介するということから始まり、参与の方々並びに学内関係者からご意見をいただきました。
今年度の報告の中では、研究紀要第2号が発刊されたこと、今年度始めて近江学フォーラムが発足したこと、そしてその取り組みとして湖北の観音を訪ねる現地研修(10月実施)や交流会(2月実施)が行なわれた報告がありました。
次年度の取り組みとしては、近江学研究所が独自に行なう研究として地元仰木を舞台に「里山水のみち研究」を実施する計画が発表され、今後の研究所の取り組みの方向性も話されました。さらに次年度は成安造形大学の聴講生制度として、土曜日の1限目に木村所長の「文化史(本学開講の選択科目の一つ)」を開講し、積極的に社会人の方々の受入を行ないますが、フォーラムの会員さんの受講メリットとして検定料が免除されることも報告されました。また、3月8日から20日までギャラリーアートサイトで開催される、現代アートの視点で近江を見るという展覧会「望遠」の紹介がありました。
参与の方々や学内関係者からは活動内容については大切なことをしっかりと実行されていると評価をいただいた一方で、「フォーラム会員さんを出来るだけ多く募り、この活動を広く発信するべきである。」また、「近江学の研究が如何にものづくりに活かされ、結びつくのかという考察を深めてほしい」など貴重なご意見をいただきました。
次年度は開設3年目を迎えます。いただいたご意見を十分活かし、さらなる発展に結び付けたいと思います。

2010-02-23T15:21:17+09:002010年2月23日|おうみブログ, お知らせ, イベント|

仰木の里の文化講座で「蓮如上人」を語ってきました!


2月11日(木)、毎年この日が恒例となっています仰木の里文化振興会が主催する「文化講座」が仰木の里公民館で開催され、講師として堅田にゆかりのある浄土真宗中興の祖「蓮如上人」を語ってきました。
私は今年で4回目となりますが、その前は木村至宏所長が講師をされたこともあるそうです。この日は悪天候にもかかわらず、60名をこえる多数の参加者が来場されました。講演は先ず蓮如上人の生涯を編年でたどり、その信仰のあり方や思想、浄土真宗の伝承を話しました。最後に蓮如上人の旧跡を訪ねた際の写真をスライドで紹介しました。
このようにあるテーマで講演の機会を与えていただきますと、その度に再度調べなおします。そこにまた新たな発見があり、非常に勉強になります。10年前、京都からここ滋賀に移り住んできましたが、その時は蓮如上人が堅田にゆかりがあることを知りませんでした。なぜ、堅田なのか・・・。調べるとその理由がわかってきます。
昨年は仰木と堅田の伝承について話をしましたが、琵琶湖に面し、背後に比叡山がひかえるこの地域はまだまだ語りつくせないと実感しています。
次回は一休禅師? また機会をいただければ・・・。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

2010-02-12T11:51:27+09:002010年2月12日|おうみブログ, お知らせ, イベント|
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