おうみブログ
近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。
イベント
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イベント
平成29年10月14日(土)に、第9回近江学フォーラム 現地研修「草津宿と朝鮮人街道 八幡別院を訪ねて」を開催しました。
近江学フォーラム会員のみなさん70名、スタッフ9名が参加しました。天候が心配されましたが、午後には晴れ間が出るほどの研修日和の一日となりました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただいた地域のみなさまありがとうございました。
(写真:永江弘之研究員)
日時:2017年9月16日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:大岩剛一 氏(建築家・近江学研究所客員研究員)
タイトル:連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」『近江~住まうかたち-命とつながる藁と土の家づくり-』
日時:2017年9月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:八杉 淳氏(草津市立草津宿街道交流館館長)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「近江の街道の魅力~道は文化・情報の通り道」
近江の道をテーマにすすめてきました会員限定講座ですが、今回は「現地研修」の事前学習も兼ねて開講されました。講師は、草津宿街道交流館館長の八杉淳先生です。現地研修で訪ねる草津宿の話を中心に、東海道や中山道の宿場町の暮らしを丁寧に解説していただきました。
街道は、参覲交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢参りの旅人など、多くの人々が行き交いました。そして、重要なことは、それらの人々が、文化や情報をもたらしたということです。特に大名行列は、地方や中央の文化と情報を各宿場にもたらし、宿場の人々によって周辺地域にも広がっていきました。街道を通じて展開される交流は、現代のグローバリズムのように、一度に文化と情報が席捲するのではなく、程よく時間をかけて必要とされるものが伝わっていくというものであり、大量の情報に溺れることのない良き時代であったことが理解できました。
(加藤賢治)
【概要】
道の国・近江。江戸と京・大坂を結ぶ東海道や中山道など全国的な交通路とともに、村や町、隣国とを結ぶ多くの街道が通っていました。これらの街道は、参勤交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢まいりの旅人など、多くの人々が行き交い、旅人とともに文化や情報の通り道でもありました。近江の街道や宿場を中心に、江戸時代の街道や宿場、そして旅が果たした役割や、いまの私たちに伝えるものを探ってみたいと思います。
【講師プロフィール】
八杉 淳氏
1959年、兵庫県生れ。佛教大学大学院修士課程修了。草津市教育委員会教育部副部長兼草津市立草津宿街道交流館長・草津市史跡草津宿本陣館長。専攻は日本近世交通史・地域文化史。江戸時代の街道を歩く事で、当時の街道の姿や旅の実際を研究。著書に『近江の宿場町』・『近江東海道を歩く』(サンライズ出版)他多数。
本日10月21日(土)開催予定でした「淡海の夢2017」 坂本・石垣と里坊の町写生会は、
雨天のため中止致します。
どうぞよろしくお願い致します。
近江学研究所
淡海の夢風景展では、琵琶湖の豊かな水系の中で育まれた棚田・里山、そして歴史ある町並みや湖岸の景観を中心とした湖辺の郷が織りなす風景を、さまざまな視点・アプローチで表現した 平面作品(絵画・版画・写真など)を公募します。ふるってご応募ください。
【公募展名】 「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2017風景展」
【会 期】 12月12日(火)~12月23日(土)
12:00~18:00 | 入場無料 | 日曜休館 |
【会 場】 成安造形大学 ギャラリーアートサイト
(応募多数の場合は、学内の2会場で展示します)
◎ 期間中に企画者 永江弘之、ほか本学教員によるアーティストトークを予定しています。
【企画・監修】 永江弘之(成安造形大学教授・本研究所研究員)
【主 催】 成安造形大学附属近江学研究所
【協 賛】 株式会社クサカベ、ホルベイン工業株式会社
応募要領 ※詳細は作品募集要項をご確認ください。----------
応募資格 プロ、アマ、幼小中高校生を問わず、どなたでも応募できます。
※ 応募作品多数の際は、審査を実施いたします。
作品サイズ 幅120㎝以内(50号の長辺幅まで。額・マットは作品サイズに含まず)
出品点数 1人1点まで
出品料 無料
応募方法 「作品募集要項」に掲載の出品票を、郵送にて送付ください。「作品募集要項」は、下記の作品募集要項[PDFデータ]からダウンロードしてください。
出品申込締切 2017年11月6日(月)〔当日消印有効〕
搬入日 2017年11月20日(月)・21日(火)・22日(水)
搬入方法 送付または、附属近江学研究所 窓口へ持ち込み
>>>淡海の夢2017公募チラシ ダウンロード[PDFデータ770kb]
>>>淡海の夢2017風景展 募集要項[PDFデータ347kb]
>>>「淡海の夢2010~2016風景展」出品作品を近江ギャラリーで公開しています。
成安造形大学【キャンパスが美術館】公式サイト
日時:2017年7月8日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:兼康保明氏(NPO法人東海学センター理事)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「道は文化の伝播者 信仰の道-石塔が運ばれた道-」
近江に数多く見られる中世の石塔に、最近の研究で室町時代後期以降、湖西、湖南を中心に、京都の鞍馬で採れる閃緑岩を用いるものが数多く分布することがわかりました。また、福井の足羽山周辺で採れる笏谷石とよばれる凝灰岩も、湖南にまで分布しています。湖西の坂本や、山間の朽木や若狭街道沿いに見られる石塔や墓標には、特にその傾向が強く見られます。
講座では、最近の研究成果から、その分布をとおして若狭街道や九里半越えなどの道を通った特殊な石の流通が紹介され、多くの資料と共に丁寧に解説されました。
日時:2017年6月24日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:木村至宏(近江学研究所顧問)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「道は文化の伝播者 近江の道とその特性」
近江は地形的に東日本と西日本の結節点にあたる位置に存在します。その地勢的条件を背景に東西を結ぶ日本の大動脈というべき東海道、中山道といった主要街道が古くから通っています。これ以外にも、北陸道、北国脇往還、御代参街道、朝鮮人街道、杣街道など主要な街道が網の目のように巡らされていました。これら街道の発達によって、近江が物流や商人の活躍、巡礼、人々の往来の発展を促し、近江の文化の構築の大きな要因を占めていたと考えられます。
講座では、この事実を前提として、近江の道を見つめて歩き続けてきた近江学研究所の初代所長である木村至宏顧問に会員限定講座の初回に登壇いただき、近江の道の概論を語っていただきました。木村顧問の研究の原点は、その街道に寄り添って佇む「道標」にあり、その道標は、歴史の証人であると熱く語られました。
日時:2017年6月3日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:中路融人氏(日本画家・日展顧問)・石丸正運氏(美術史家・名都美術館館長)
タイトル:連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ 近江~四季のかたち-湖国の風景と私-」
公開講座から1ヶ月半後の7月18日火曜日、突然の悲報がありました。
公開講座で湖国の四季折々の自然と絵の話を没頭されていた中路融人先生がご逝去されました。
6月3日土曜日には、とてもお元気で熱弁されていたので、大変驚愕した知らせでした。
ご生前のご厚情に深く感謝するとともに故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。合掌
2017年7月19日
附属近江学研究所長 西久松吉雄
【講座内容】
昨年4月、東近江市五個荘町のてんびんの里文化学習センターに中路融人記念館が開館しました。中路氏の創作は、幼い頃から度々訪れた五個荘町の動植物や人々との交流が原点となり、滋賀県をくまなく歩き自然と心を通わせ、風景の四季を通じて写生し、作品にその感性を描きとめました。特に、湖北の風景の肌寒い季節の凜とした空気や水辺の潤い、土や木々の匂いを五感で感じ、その心の風景を描き続けておられます。本講座では美術史家の石丸正運氏が、湖国の風景の魅力や、画家としての感性などを中心に日本画家中路融人氏に迫ります。
【講師プロフィール】
中路融人(なかじ・ゆうじん)
1933年京都市生れ。日本画家。’52年京都市立日吉ケ丘高等学校美術科卒業。’54年晨鳥社に入塾、山口華楊に師事。現在、公益社団法人日展顧問。’62年日展「郷」、’75年日展「冬田」特選。’95年日展「輝」文部大臣賞、’97年日展「映象」日本芸術院賞、’99年五個荘町名誉町民、2001年日本芸術院会員、’12年文化功労者、’15年東近江市名誉市民。主な著書:『中路融人 湖北讃歌(新現代日本画家素描集)』(日本放送出版協会)
石丸正運(いしまる・しょううん)
1937年、富山県生れ。美術史家。’65年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。元滋賀県立近代美術館館長。現在、一般財団法人林美術財団名都美術館館長。2008年滋賀県文化賞受賞。’10年京都新聞大賞文化学術賞受賞。’16年平成28年度地域文化功労者表彰。おもな著書:「近江の画人たち」サンブライト出版、「文化財を楽しむために 鑑賞の手引」淡交社。その他多数。
日時:2017年5月27日(土)9:30~17:30
場所:近江八幡市 八幡堀周辺
講師:永江弘之(近江学研究所研究員)・待井健一(成安造形大学非常勤講師)
タイトル:「淡海の夢2017 近江八幡・八幡堀と城下町写生会」
今回で2回めとなる近江八幡の八幡堀周辺で、2017年度一回目の「淡海の夢」写生会を開催しました。
5月晴れで、強い日差しでしたが、風は涼しく心地よい気候のなか、リピーターの方も、初参加の方も城下町の風情ある風景のなかで思い思いの場所で写生を楽しまれました。
今回も写生会の本部として、近江八幡市の伝統的建造物群保存地区に指定されている永原町にある、江戸時代後期に建てられた築約150年の近江商人町家の奥村邸をお借りしました。
永江研究員と待井先生による講評会も奥村邸で行われ、力作ぞろいの新緑の近江八幡の風景画を講評されました。
今回の写生会で講師が描いた作品の紹介で、永江研究員は水彩絵の具の透明描写の作品を、待井先生はアクリル絵の具の不透明描写の作品を紹介され、絵の具での表現方法の違いなども解説され参加者のみなさんは興味深く聞いておられました。
日時:2017年4月22日(土)13:30~15:30
場所:びわ湖ホール 小ホール
講師:水本 邦彦 氏(歴史学者・京都府立大学名誉教授)
タイトル:「村の暮らしと道の社会史-私が見た近江学」
設立10周年を迎えた本学附属近江学研究所は、これまで、公開講座の開講や文化誌「近江学」の発刊を重ね、近江が保有する豊かな歴史文化資源に焦点を当て、それらの中から21世紀にいきづく大切な価値観を探ってきました。
記念の年である今年の4月22日(土)に、びわ湖ホール・小ホールにて近江学研究所設立10周年記念特別公開講座を開講しました。
冒頭では、近江学研究所の加藤副所長が本研究所のこれまでの活動をスライドで振り返り、続いて、本研究所開設当初から客員研究員である水本邦彦先生(歴史学者・京都府立大学名誉教授)にご登壇いただき、「村の暮らしと道の社会史 ー私が見た近江学」と題してご講演いただきました。
全国各地からのやってくる多くの人々が行き交った近江の道は、一方で、地域住民の手で維持管理される地元の道でもありました。講座では、旅人の目線ではなく、街道沿いに暮らす地域住民がどのように道を整備し、旅人を迎え入れたのか、など、地元の目線で見える江戸時代の暮らしを紹介していただきました。
近江国は、琵琶湖という大きな運河(水の道)を中心として、放射状に街道が全国に伸びていくという、まさしく日本の中心地であったことがわかります。西国から東国へ、北陸から畿内へ、人々の大移動の際は、必ずこの近江を通り、様々な文化が行き交ったのです。
講座の締めくくりは、街道の国「近江」は、様々な意味において日本の中心地であるとまとめられました。