連続講座 近江のかたちを明日につなぐ
「近江―受け継ぐかたち―信楽勅旨、茶器をつくる―」
日時:11月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:大西 左朗 氏(陶芸家)
対談:石川 亮 (本学准教授・本研究所研究員)
古くから焼き物の産地として知られる甲賀市信楽町勅旨の陶芸家大西左朗氏の仕事に迫る講座を開催しました。 戦後まもなく小物づくりの復興を目指し、先人の仕事を学びながら機能性に優れた独自の作風を確立してきた左朗氏の実父である大西忠左氏のものづくりの精神性について、また、大西左朗氏がその伝統を継承しながらも新素材の研究開発に取り組まれ、近年では朝宮の茶農家と連携するなど、煎茶を美味しく飲むための茶器の追求している制作活動について、信楽勅旨の歴史に裏付けられた「陶璃窯」の普遍的なものづくりについて語っていただきました。講座の中では、左朗さん自らが、作陶した2種類の茶器でお茶を煎れていただき、前列の方に飲み比べをしていただきました。
また、当日は関連企画として「近江のかたちを明日につなぐ展vol.13 信楽勅旨、茶器をつくる」を開催しました。忠左氏と左朗氏の作品の数々、陶璃窯の名前の由来となった掛け軸、作品のインスピレーションを受ける室町時代の陶器の破片など、作品の世界観が伝わる展示となりました。
[講師プロフィール]
大西 左朗 氏(陶芸家)
1964年 滋賀県信楽町生まれ。’88年 東洋大学社会学部応用社会学科卒業。 ’93年 京都府立陶工高等技術専門校図案科修了。滋賀県立陶芸の森 創作研修館嘱託を経て、‘96年 自宅工房で独立。‘07年 第17回秀明文化基金賞受
賞。’13年 信楽焼伝統工芸士(総合部門)認定。個展を中心に作品を発表。
対談:石川 亮 (本学准教授・本研究所研究員)