講座名:琵琶湖観光の過去・現在・未来
日 時:平成22年10月2日(土) 10:40~12:00
場 所:成安造形大学 聚英館三階 聚英ホール
講 師:中井保氏(株式会社 琵琶湖汽船 代表取締役社長)

前回に引き続き、少し前の歴史として、琵琶湖観光の今と昔が紹介されました。お話しいただいたのは琵琶湖汽船株式会社 代表取締役社長の中井保先生です。120年を超える歴史を誇る琵琶湖汽船株式会社の貴重な映像と写真を中心にその歴史が紹介されました。
 始めは湖上交通として鉄道連絡船や運送業として活躍していた琵琶湖汽船は、明治27年(1894)から方向性を転換、湖上遊覧船を就航させ、大正3年(1914)には「竹生島めぐり」が開始、昭和5年(1930)にマキノスキー場開設に伴ってスキー船が就航するなど早くも琵琶湖観光時代に突入した。昭和57年(1982)には大型外輪船ミシガンが、平成2年(1990)には大型客船ビアンカが就航し、湖上に異空間を演出するという新しい観光のあり方が提案された。そして、平成21年(2009)にエコクルーズ船megumiが就航し、琵琶湖にとけ込み、琵琶湖をじっくりと眺めるという形式の琵琶湖観光が今まさに始まった・・・。中井先生は琵琶湖汽船の歴史を辿りながら琵琶湖観光を語られ、まとめとして滋賀県の観光のあり方を問う観光論にまで及びました。
 最後に琵琶湖観光の発展のためには、生物多様性をはじめとして琵琶湖が持つ特有の観光資源の価値を再認識し、「琵琶湖ブランド」を確立して世界に発信すべきであると熱く語られました。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治