講師:加藤賢治 (近江学研究所学内研究員)
日時:2009年10月3日(土)
場所:比叡山延暦寺

10月3日(土)近江学Aの特別補講として「比叡山延暦寺三塔をめぐる」というフィールドワーク授業を行いました。近江学Aという授業は講義が中心ですが一回は近隣のフィールドワークを取り入れています。昨年は「坂本散策」、今年は「堅田を歩く」を実施しましたが、学生さんの反応が良く、今年は特別に補講として今回のフィールドワークを行いました。引率は近江学研究所研究員で芸術文化デザインクラスと日本美術史担当の小嵜先生、近江学研究所事務担当の中村主査と私加藤で行いました。
午前10時比叡山坂本駅に集合、坂本の街を散策しながら坂本ケーブルへ向かいました。坂本では日本最古の茶園、伝教大師最澄誕生の生源寺、日吉大社の神仏習合、穴太積の石積みなど解説しました。坂本ケーブルに乗車10分で比叡山延暦寺東塔へ。入山後すぐに根本中堂へ入り堂内で法話を聞いた後、1200年灯り続けているという不滅の法灯をみんなで見ました。
その後、大講堂、戒壇院を見ながら西塔へ。20分山道を歩き西塔へ到着。にない堂、釈迦堂、仏足石など見学してお昼ご飯にしました。昼食後、横川へ向けて出発。千日回峰行で回峰行者が歩く山道を歩き、40分で中間点の玉体杉へ到着。休憩しながら千日回峰行の解説を行い、なぜこのような荒行があるのかを考えました。そして横川へ。横川中堂の前で記念撮影。ここではここを中心に修行した比叡山中興の祖元三大師(慈恵大師)良源、その弟子で「往生要集」を執筆した恵心僧都源信の話をしました。
そして下山。成安造形大学がある仰木に向かって下山しました。かなり長時間山道を歩き、身体的には疲労感を感じましたが、好天に恵まれ、山頂からのすばらしい琵琶湖の景色や、すがすがしい風に元気付けられ何とか午後5時、最終おごと温泉駅にたどり着きました。阿弥陀信仰や地蔵信仰など、日本仏教の不思議に触れた学生たちは何かを得てくれたと思っています。

報告者:近江学研究所研究員 加藤賢治