講師:今森光彦 (成安造形大学客員教授 写真家)
日時:2009年9月19日(土) 10:40~12:00
場所:成安造形大学 本部棟三階ホール

開学以来、非常勤講師、特別講師、シンポジウムのパネリストなど様々なかたちで本学の教育・研究に支援、協力いただき、今年度本学客員教授に就任されました今森光彦先生に「琵琶湖の風景」と題して語っていただきました。
このタイトルの講座は過去にも行っており、水辺の風景や生き物、自然に環境全般について写真作品とともに解説していただきましたが、今回は近江学フォーラム会員限定講座ということで少し踏み込んだ内容となりました。
テーマは雑木林。雑木林は人間の生活と密接に結びついたもので、一般に「森」と呼ばれる環境とは区別される。高島市の雑木林では5年から6年に一度、数ヘクタールに及び、一挙に木々が刈られ、平原となる。切られた木々はシイタケ栽培等に使用され、その平原は切り株から再生が始まり、数年でもとの雑木林に戻っていく。一旦平原になることで太陽光が地面に届き、無数の生命が生まれ、その場所で生命循環が行われる。
雑木林での楽しい経験談と、そこに息づく小さな生命や、季節によって表情を変える美しい雑木林の写真をスライドで紹介いただき、人間の暮らしと一体化した自然、いわゆる「自然との共生」という本当の姿を教えていただきました。
巧みな話術と独自の自然観という今森ワールドに触れた受講者の顔は満足感であふれていました。