講師:武覚超 (叡山学院教授)
日時:2007年4月28日(土) 10:40~12:00
場所:成安造形大学 本部棟三階ホール

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日本仏教各宗派の祖師を輩出し、日本思想の母山とも言うべき霊峰比叡山の思想について、その開祖伝教大師最澄の生涯を通して語っていただきました。講義いただいた叡山学院教授武覚超先生は比叡山の位置や歴史的背景などの概観から話をはじめられ、本論である伝教大師最澄の生涯と思想を残された文献をもとにわかりやすく解説されました。『叡山大師伝』が伝える最澄の誕生から、比叡山初登山の様子など有名な文献のくだりが紹介され、現在の根本中堂の基となった一乗止観院の創建、天台宗の開宗、入寂と遺戒まで、最澄の生涯を多くの文献を手がかりに説明いただきました。思想については、現在も叡山学園や比叡山の思想の根本となっている『山家学生式』の一節が詳しく紹介され、悟りを得るために菩薩が修行するその心得の理念を学生たちは大きくうなずきながら聞き入っていました。

報告者:近江学研究所研究員 加藤賢治