近江学フォーラム会員限定講座 第1回「大津事件の真相」を開講しました。

2012 年 6 月 30 日

 今年度第1回目の近江学フォーラム会員限定講座「大津事件の真相 -はたして司法権の独立は守られたのか-」をその研究の第一人者である大津市歴史博物館館長の樋爪修先生に語っていただきました。
 大津事件は、明治24年5月11日、当時日本と緊張関係にあったロシアの皇太子ニコライが訪日中、大津市街地で警備にあたっていた巡査津田三蔵に突然サーベルで斬りつけられ怪我をした事件を言うが、この事件は単なる傷害事件というよりは、津田巡査の罪に関してロシアとの国交を意識し、死刑を求める日本政府に対して法律に基づく公平な判決を下そうとする大審院院長(現在の最高裁判所長官)児島惟謙が法に基づき、政府の圧力を押し切って司法権の独立を守ったという近代法学史上、大変重要な事件とされています。
 この講座で、樋爪先生は事件当日の5月11日から判決がくだされる5月27日までの詳細な記録を資料で示され、大津の裁判所と内閣総理大臣、大審院院長児島惟謙、司法大臣、そして明治天皇までが絡むやり取りを臨場感あふれる語り口で熱く語られました。

 児島惟謙は、ロシア帝国の脅威に屈し、軽傷を負わせただけの津田に対して、当時の刑法を曲げて死刑を宣告すれば、弱小日本を世界にさらしてしまうと政府を説得したというのが定説となっているが、樋爪先生は津田の無期懲役の判決が決定する直前の5月24日に児島が津田の判決をひっくり返すには天皇の緊急勅令を出すしかないと司法大臣に助言を送った電報に注目し、児島は単に司法権を守ったのではなく、深い思慮に基づいて、ロシアの脅威から日本を守るために天皇の勅令を出し、判決を覆す方法を考えるという、本当の意味で日本国を守ろうとした偉大な人物であると評価されました。
 今では大津事件の現場に小さな石碑が一つ残されているだけですが、当時は日本国の運命を大きく左右する大事件に発展したということが樋爪先生の熱弁を通して体感できました。1時間30分という短い時間では、樋爪先生の研究の一端しか聞くことができず、「はたして司法権の独立は守られたのか」という一つのテーマに限られましたが、また、機会があれば巡査津田三蔵の行動や思想についてもお聞きしたいと思いました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

また、開講のはじめには、木村所長より近江フォーラム会員限定の講座スタートのあいさつが
ありました。

今年は、会員限定講座は5講座を予定しており、
考古学、民俗学、文化史、などの研究者の講演会が続きます。
ご期待ください!

日時:2012年6月30日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:樋爪 修氏 (大津市歴史博物館 館長)

滋賀web大賞2012表彰式に出席しました。

6月15日のおうみブログで報告しました「滋賀web大賞2012」の表彰式が、昨日の6月29日に草津市立市民交流プラザで行われました。
近江学研究所から代表として加藤研究員が出席し、表彰を受けました。

表彰式では、各受賞サイトの受賞理由の発表があり、教育団体部門で最優秀賞をいただいたこの近江学研究所webサイトへは、「分かりやすく見やすいサイト構成で、画像・文章量もバランスよく、内容を落ち着いてストレスなく見れるwebサイト」と高評価をいただきました。
今後とも多くのみなさんに見ていただけるwebサイトになるよう、気持ちを新たに頑張っていきます!

大津曳山祭 調査団が結成されます!

2012 年 6 月 26 日

このたび、大津市教育委員会が立ち上げる「大津曳山祭総合調査団(仮称)」が
結成され、本研究所の木村所長が参画することになりました。

湖国三大祭の一つである大津祭、その祭の1カ月に及ぶ行事、組織、お囃子や曳山などを
学識経験者によって祭の全容を丹念に調査していくそうです。

この活動にご注目ください!

京都新聞【大津祭の全容解明へ 専門学識者で「調査団」】記事はこちらから。

大津祭曳山連盟のホームページはこちらから。

淡海の夢2012「仰木・棚田写生会」開催しました。

2012 年 6 月 25 日


6月23日・24日に淡海の夢2012「仰木・棚田写生会」を開催しました。
今回も、両日あわせて44名の一般の参加者に、本学イラストレーション領域の学生さんたちも参加し賑やかな写生会となりました。
天候は直前までの台風4号の動向で雨天中止かとハラハラしましたが、両日とも晴れ男の永江先生のパワーで少し曇りがちながら、この時期にしては涼しい絶好の写生日和となりました。
両日とも、永江研究員から、写生開始前に現地で風景画を描く上での空気遠近法について参加者の皆さんへレクチャーがありました。

今回は、6月下旬と例年より少し遅い開催になり、青々とした生命力あふれる棚田が広がり気持ちのいい写生となりました。
その分綠が多い風景になり、参加者の皆さんは表現するのが少し難しかったとおっしゃっていました。


講評会では、フォトグラファー・グラフィックデザイナーの阪東勲先生に講師として初登場していただきました。
イラストレーションクラスの永江研究員と、グラフィックデザイナーの阪東先生お二人から、参加者一人一人へ構図から画材についてのアドバイスを丁寧にされ、参加者の皆さんは大変参考になったと思います。

阪東勲先生からの講評のようす

阪東勲先生からの講評のようす


永江研究員からの講評のようす

永江研究員からの講評のようす


阪東先生も棚田の風景がすっかり気に入られたそうで、ぜひみなさんに四季折々の棚田の風景や、棚田桜を描いてほしいとおっしゃっていました。

今年度の写生会は、10月27日・28日の坂本・石垣と里坊の町写生会が最終になります。

2012年度近江学研究所の公開講座についてはこちらから↓

滋賀Web大賞2012 「教育団体部門」最優秀賞を受賞しました!

2012 年 6 月 15 日

近江学研究所のWEBサイトが、
滋賀Web大賞2012 教育団体部門最優秀賞を受賞しました!

この賞は、滋賀県地域情報化推進会議が主催し、
滋賀県内の企業、各種団体、学校、個人、自治体などのWEBサイトを対象に、
安全・安心で豊かな地域社会を築くことに貢献する優れたサイトを表彰し、紹介することで、
コンテンツの充実、利用の促進につながり、
そしてどんどん滋賀の魅力ある情報発信が進んでいければ、という目的で開催されています。

2008年に開設したこのWEBサイトは、
[企画・監修] 永江弘之研究員(イラストレーションクラス准教授)、
[デザイン]  岡澤理奈先生(デザイン科 非常勤講師) →こちらから 岡澤理奈事務所
お二人によるご尽力でできました。
ありがとうございました!

これで、また広く多くの方に近江学研究所を知っていただけると、嬉しい限りです!
これからも近江にまつわる情報を公開していければと思います。

後日、授賞式も行われますので、その模様もご報告します。

滋賀WEB大賞2012について→こちらから 滋賀県地域情報化推進会議

受賞結果について→こちらから 県政e新聞

<滋賀WEB大賞2012>
主催 滋賀県地域情報化推進会議
後援 滋賀県、滋賀県教育委員会、滋賀県産業支援プラザ、滋賀県市長会、滋賀県町村会、滋賀県経済団体連合会

【近江学研究】カルタ読み札 ほぼ完成してきました!

2012 年 6 月 13 日

近江学研究所の研究活動として
昨年度から永江研究員が進めている「仰木カルタ」制作活動。

語句に間違いなどがないか、
仰木の俳句会「畦草会(けいそうかい)」の皆さんの多大なご協力を得て、
読み札の確認読み合わせ会を6月13日(水)に下仰木自治会館にて行いました。



一句一句皆で読み合わせながら、
語句の言い回しや、言葉のリズム感を確認していきました。
次々と、暮らしのにじみだす読み札にバージョンアップされていく様子は、
感激ものでした。

途中、カルタに描かれる思い出話に花を咲かせながら、
楽しく、そして集中した時間となりました。

その中の一部をご紹介。

仰木には700体以上の野仏地蔵が、道端や田んぼのあぜ道などにいます。
8月の地蔵盆は盛大で、お供えやお花、よだれかけが新調され、
地域みんなで大切にされています。

仰木の嫁入りは夜に行います。
闇夜の中、提灯の灯りの元、行列を組む嫁入りを地域の人はこぞって見に行ったそうです。
「よめりみが楽しみだった!」と皆さん口々に話されています。

仰木独自の食文化「納豆餅」は皆さんの大好物です。
家で餅をつくると、ご近所にふるまうため、
隣の家で餅つきが始まると、
子供たちは、この歌を口づさんでいたそうです。

昨年から取り組み、時間をかけて聞き取りを進めて、ようやく読み札に。
仰木のくらしが手に取るようなカルタになってきそうです。
ご期待ください!