講師:小嵜善通 (成安造形大学教授 近江学研究所研究員)
日時:2007年6月16日(土) 10:40~12:00
場所:成安造形大学 本館棟028教室

no image

湖北の戦国大名浅井家家臣の家に生まれ、桃山画壇の巨匠の一人に数えられる海北友松(1533〜1615)について、これまでの研究成果と今後の研究課題について講義しました。友松の代表作をスライドを用いて解説し、水墨画から金碧画に及ぶその作風の展開を示しつつ、彼の作風の特徴を指摘しました。また、友松は未だ謎の多い画家で、62歳までの人生や画業については研究途上にあります。例えば、彼が若年時に師事したのは狩野元信か、あるいはその孫の永徳か、また、62歳以前の作品は残されているのか、といった点について、友松の初期作の可能性がある作品のいくつかを紹介し検討を加えました。また、当時画壇に君臨していた同時代の狩野派や、次世代にあたる狩野探幽にも彼が影響を与えていることを指摘し、友松の桃山画壇における存在の大きさを再確認しました。

報告者:小嵜善通 (成安造形大学教授 近江学研究所研究員)