おうみブログ
近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。
10月21日開催 淡海の夢2017坂本写生会は中止します
本日10月21日(土)開催予定でした「淡海の夢2017」 坂本・石垣と里坊の町写生会は、
雨天のため中止致します。
どうぞよろしくお願い致します。
近江学研究所
夏季休業期間および、近江学研究所事務所移転のお知らせ
2017年8月9日(水)~2017年8月17日(木)の期間は、大学窓口は休業となります。
近江学研究所は、2017年8月24日(木)から、平常どおり開室します。
また、8月18日(金)から、近江学研究所の事務室の場所が下記のように移転します。
8月8日までは【成安造形大学 聚英館1階】→8月18日からは【成安造形大学 本館棟1階】。
どうぞよろしくお願いいたします。
近江学研究所
「淡海の夢2017風景展」出品作品公募します。
淡海の夢風景展では、琵琶湖の豊かな水系の中で育まれた棚田・里山、そして歴史ある町並みや湖岸の景観を中心とした湖辺の郷が織りなす風景を、さまざまな視点・アプローチで表現した 平面作品(絵画・版画・写真など)を公募します。ふるってご応募ください。
【公募展名】 「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2017風景展」
【会 期】 12月12日(火)~12月23日(土)
12:00~18:00 | 入場無料 | 日曜休館 |
【会 場】 成安造形大学 ギャラリーアートサイト
(応募多数の場合は、学内の2会場で展示します)
◎ 期間中に企画者 永江弘之、ほか本学教員によるアーティストトークを予定しています。
【企画・監修】 永江弘之(成安造形大学教授・本研究所研究員)
【主 催】 成安造形大学附属近江学研究所
【協 賛】 株式会社クサカベ、ホルベイン工業株式会社
応募要領 ※詳細は作品募集要項をご確認ください。----------
応募資格 プロ、アマ、幼小中高校生を問わず、どなたでも応募できます。
※ 応募作品多数の際は、審査を実施いたします。
作品サイズ 幅120㎝以内(50号の長辺幅まで。額・マットは作品サイズに含まず)
出品点数 1人1点まで
出品料 無料
応募方法 「作品募集要項」に掲載の出品票を、郵送にて送付ください。「作品募集要項」は、下記の作品募集要項[PDFデータ]からダウンロードしてください。
出品申込締切 2017年11月6日(月)〔当日消印有効〕
搬入日 2017年11月20日(月)・21日(火)・22日(水)
搬入方法 送付または、附属近江学研究所 窓口へ持ち込み
>>>淡海の夢2017公募チラシ ダウンロード[PDFデータ770kb]
>>>淡海の夢2017風景展 募集要項[PDFデータ347kb]
>>>「淡海の夢2010~2016風景展」出品作品を近江ギャラリーで公開しています。
成安造形大学【キャンパスが美術館】公式サイト
近江学フォーラム会員限定講座 第2回「信仰の道-石塔が運ばれた道-」講座報告
日時:2017年7月8日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:兼康保明氏(NPO法人東海学センター理事)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「道は文化の伝播者 信仰の道-石塔が運ばれた道-」
近江に数多く見られる中世の石塔に、最近の研究で室町時代後期以降、湖西、湖南を中心に、京都の鞍馬で採れる閃緑岩を用いるものが数多く分布することがわかりました。また、福井の足羽山周辺で採れる笏谷石とよばれる凝灰岩も、湖南にまで分布しています。湖西の坂本や、山間の朽木や若狭街道沿いに見られる石塔や墓標には、特にその傾向が強く見られます。
講座では、最近の研究成果から、その分布をとおして若狭街道や九里半越えなどの道を通った特殊な石の流通が紹介され、多くの資料と共に丁寧に解説されました。
【講座内容】
近江に数多くみられる中世の石塔に、最近の研究で室町時代後期以降、湖西、湖南を中心に、京都の鞍馬で採れる閃緑岩を用いるものが数多く分布することがわかりました。また、福井の足羽山周辺で採れる笏谷石とよばれる凝灰岩も、湖南にまで分布しています。
湖西の坂本や、山間の朽木や若狭街道沿いに見られる石塔や墓標には、特にその傾向が強くみられる。その分布をとおして、最近の研究成果から、特殊な商品の流通を紹介したい。
【講師プロフィール】
1949年、神戸市生れ。関西大学文学部史学科卒業。考古学、民俗学の視点から、祭祀、宗教文化を研究。元興寺仏教民俗資料研究所、滋賀県教育委員会、滋賀県文化財保護協会などを経て、 現在NPO法人東海学センター理事。
主な著書:『考古学推理帖』(大巧社)『信仰の山を旅する』(近江文化社)、『石造物の研究』(共著・高志書院)他多数。
近江学フォーラム会員限定講座 第1回「近江の道とその特性」講座報告
日時:2017年6月24日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:木村至宏(近江学研究所顧問)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「道は文化の伝播者 近江の道とその特性」
近江は地形的に東日本と西日本の結節点にあたる位置に存在します。その地勢的条件を背景に東西を結ぶ日本の大動脈というべき東海道、中山道といった主要街道が古くから通っています。これ以外にも、北陸道、北国脇往還、御代参街道、朝鮮人街道、杣街道など主要な街道が網の目のように巡らされていました。これら街道の発達によって、近江が物流や商人の活躍、巡礼、人々の往来の発展を促し、近江の文化の構築の大きな要因を占めていたと考えられます。
講座では、この事実を前提として、近江の道を見つめて歩き続けてきた近江学研究所の初代所長である木村至宏顧問に会員限定講座の初回に登壇いただき、近江の道の概論を語っていただきました。木村顧問の研究の原点は、その街道に寄り添って佇む「道標」にあり、その道標は、歴史の証人であると熱く語られました。
【講座内容】
近江は地形的に東日本地域と西日本地域の結節点にあたる位置にあります。その地勢的条件を背景に東西を結ぶ日本の大動脈と言うべき東海道・東山(中山)道といった主要街道が古くから通ります。
このように近江は上記した東海道など以外にも北陸道・北国脇街道・御代参街道・朝鮮人街道・杣街道など主要な街道が存在します。
これらの道の発達によって近江が物流や商人の活躍、巡礼、人々の往来の発展を促し、近江の文化の構築の大きな要因を占めていたと考えられます。
【講師プロフィール】
1935年滋賀県生れ。大津市歴史博物館初代館長。成安造形大学教授を経て2000年同大学学長。ʻ09年成安造形大学名誉教授・同大学附属近江学研究所所長。ʻ16年同研究所顧問。専攻日本文化史。ʻ96年第40回京都新聞文化賞受賞。ʻ04年滋賀県文化賞受賞。ʻ13年平成25年度地域文化功労者文部科学大臣表彰。
主な著書「琵琶湖‐その呼称の由来」(2001ライズ出版)、「日本歴史地名大系 滋賀県の地名」(1991共編著 平凡社)他多数
「近江~四季のかたち-湖国の風景と私」公開講座報告
日時:2017年6月3日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:中路融人氏(日本画家・日展顧問)・石丸正運氏(美術史家・名都美術館館長)
タイトル:連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ 近江~四季のかたち-湖国の風景と私-」
6月3日土曜日、本年度の第1回目となる連続公開講座に、日本画家で滋賀県にかかわりの大変深い中路融人先生をお招きして、美術史家の石丸正運先生との対談を企画しました。
2016年春に東近江市五個荘に中路融人記念館がオープンしたこともあり、是非にとお願いしたところ快く引き受けていただきました。また、石丸正運先生とも旧知の仲ということもあり、どのような話を聞かせていただけるのかと期待感がありました。
当日の講座では、晩秋の湖北の畦畔木(けいはんぼく)作品から冬の湖岸の樹木作品、そして伊吹山や四季折々の京都の寺院作品をスライドに添って話が進みました。
作品になる前の写生のあり方や自然と対峙する気持ちの有り様などの話をされ、湖国の現風景を60年余り見つめて来られた視点を共有することが出来ました。
まさに命をかけて描き続けられた情熱と絵に対する深い愛情が時にユーモアを交えてのお話に、受講した多くの方々の感想が物語るように、この講座を受講した満足感に満ちていました。
石丸正運先生も作品解説と作品の意味合いをお話しされ、一人の人間が成し得る仕事の深さを解説されて、それを知ることが出来た一時でした。また、中路融人先生の写生は魅力的な数多くの写生があり、その時々の感動がよく伝わりました。
本講座のために、作品2点と写生2点を拝借し、講座の当日に特別展示をさせていただき、受講の方や学生たちに鑑賞していただきました。先生には、大変ご無理をお願いしました。ここに謹んで御礼申し上げます。
公開講座から1ヶ月半後の7月18日火曜日、突然の悲報がありました。
公開講座で湖国の四季折々の自然と絵の話を没頭されていた中路融人先生がご逝去されました。
6月3日土曜日には、とてもお元気で熱弁されていたので、大変驚愕した知らせでした。
ご生前のご厚情に深く感謝するとともに故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。合掌
2017年7月19日
附属近江学研究所長 西久松吉雄
【講座内容】
昨年4月、東近江市五個荘町のてんびんの里文化学習センターに中路融人記念館が開館しました。中路氏の創作は、幼い頃から度々訪れた五個荘町の動植物や人々との交流が原点となり、滋賀県をくまなく歩き自然と心を通わせ、風景の四季を通じて写生し、作品にその感性を描きとめました。特に、湖北の風景の肌寒い季節の凜とした空気や水辺の潤い、土や木々の匂いを五感で感じ、その心の風景を描き続けておられます。本講座では美術史家の石丸正運氏が、湖国の風景の魅力や、画家としての感性などを中心に日本画家中路融人氏に迫ります。
【講師プロフィール】
中路融人(なかじ・ゆうじん)
1933年京都市生れ。日本画家。’52年京都市立日吉ケ丘高等学校美術科卒業。’54年晨鳥社に入塾、山口華楊に師事。現在、公益社団法人日展顧問。’62年日展「郷」、’75年日展「冬田」特選。’95年日展「輝」文部大臣賞、’97年日展「映象」日本芸術院賞、’99年五個荘町名誉町民、2001年日本芸術院会員、’12年文化功労者、’15年東近江市名誉市民。主な著書:『中路融人 湖北讃歌(新現代日本画家素描集)』(日本放送出版協会)
石丸正運(いしまる・しょううん)
1937年、富山県生れ。美術史家。’65年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。元滋賀県立近代美術館館長。現在、一般財団法人林美術財団名都美術館館長。2008年滋賀県文化賞受賞。’10年京都新聞大賞文化学術賞受賞。’16年平成28年度地域文化功労者表彰。おもな著書:「近江の画人たち」サンブライト出版、「文化財を楽しむために 鑑賞の手引」淡交社。その他多数。