おうみブログ2022-03-29T17:42:04+09:00

おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

【公開講座】近江-はじまりのかたち「近江の惣村 自治コミュニティのはじまり」報告

近江-はじまりのかたち
「近江の惣村 自治コミュニティのはじまり」

日時:6月15日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:水野 章二 氏|滋賀県立大学名誉教授

令和6(2024)年度2回目の公開講座を行いました。

今回の公開講座では、近江の「惣」について
滋賀県立大学名誉教授の水野 章二 氏にご講演いただきました。

近江は惣村の宝庫と言われ、その名残を各地で見ることができます。
惣村とは、一般に中世後期の自治性の高い村落のことを指し、祭礼や年中行事を行い、強いつながりを維持してきました。
本講座では水野先生に湖東蒲生野の「今堀」、琵琶湖の最北端葛籠尾崎の先端近くの「菅浦」など近江を代表する中世自治村落をご紹介いただきながら、強い規制力を作り出し、紛争や飢餓、自然災害を乗り越えてきた村落の姿を眺め、人々の知恵を探ることができました。

受講者のみなさんからは、
・昔の人達の暮らしぶりや結束の様子など興味が持ててよかった

・先生の語り口が大変面白かった。一度、菅浦、大浦方面を訪ねてみたいと思う。

・かつての村の生存の厳しさと立ち向かう村民の決意団結の一端を知ることができた。

・幅広くまた深くお話が展開して、とても楽しく聞かせていただきました。

などといったご感想をいただきました。

[講師プロフィール]

水野 章二 氏(滋賀県立大学名誉教授)

1954 年、名古屋市生まれ。京都大学文学部・同大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。滋賀県立大学名誉教授・滋賀大学経済学部附属史料館客員研究員。専攻は日本中世史。中世の村落・荘園の実態分析や環境史・災害史研究に取り組んでいる。主な著書は『日本中世の村落と荘園制』(校倉書房)・『中世の人と自然の関係史』(吉川弘文館)・『里山の成立』(吉川弘文館)・『災害と生きる中世』(吉川弘文館)などがある。

2024年6月17日|Categories: 近江学フォーラム|

近江学フォーラム会員限定講座「近江の「惣」-堅田惣荘と金森寺内町」報告

令和6年度 第1回 近江学フォーラム会員限定講座
「近江の「惣」-堅田惣荘と金森寺内町」

【会員限定講座】
日時:6月1日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:草野 顕之 氏|大谷大学名誉教授

 

令和6(2024)年度最初となる第1回目の近江学フォーラム会員限定講座を
開催しました。

今回の会員限定講座では、近江の「惣」について
大谷大学名誉教授の草野顕之氏にご講演いただきました。

近江は真宗王国と呼ばれるほどに、県内各地で浄土真宗の大きな寺院を見ることができます。
その元をつくりあげた蓮如上人が京都の本願寺を離れ、近江に入ってはじめに拠点としたのが、
堅田と金森です。また、浄土真宗は「寺内町」という信仰でつながる深いコミュニティがありました。
草野先生にはご専門の視点で中世の強いコミュニティについて語っていただきました。

受講者のみなさんからは、
・堅田については、大津市史で読んである程度知っていたつもりだが、今回の講義でさらに知識が深まった。

・古文書を丁寧に説明していただいてとても興味深く、楽しかった。

・「惣」のあり方がよく分かる事例でした。密度の濃い講座だった。

・コミュニティの成り立ちを知ることでさらに土地への興味や愛着が深まると実感している。

などといったご感想をいただきました。

[講師プロフィール]

草野 顕之 氏(大谷大学名誉教授)
1952年、福岡県生まれ。大谷大学名誉教授。同大学院(文学研究科仏教文化専攻博士後期課程)満期退学。博士(文学)。大谷大学文学部専任講師、同助教授、同教授を経て、2018年より現職。大谷大学学長(2010-2016)。著書に『戦国期本願寺教団史の研究』(法蔵館)、『真宗教団の地域と歴史』(清文堂書店)、『親鸞の伝記―『御伝鈔』の世界』(筑摩書房)、『親鸞伝の史実と伝承』(法蔵館)などがある。

2024年6月6日|Categories: 近江学フォーラム|

「淡海の夢2024 仰木・棚田里山写生会」を開催しました!

「淡海の夢2024 仰木・棚田里山写生会」

日時:5月18日(土)9:30~16:30
場所:大津市仰木周辺
講師:永江 弘之(本学イラストレーション領域教授・本研究所研究員)、待井 健一(本学イラストレーション領域准教授)

5月18日(土)、大津市仰木にて、公開講座「淡海の夢2024 仰木・棚田里山写生会」を開催しました。
「淡海の夢」は、年2回の写生会と公募風景展を通して、近江の素晴らしさを体感し、近江の固有の価値を再発見する講座です。
当日は暑いくらいのとても良いお天気で、一般の方28名、学生14名にご参加いただきました。

今回の写生会では、琵琶湖を中心に広がる自然豊かな滋賀の水系。そこで育まれてきた棚田・里山の風景を描きます。等高線のような畔の曲線。丘陵地にゆったりと広がる階段状の水田と森、広い空。比叡、比良の山並みと琵琶湖を遠望し、 三次元に広がる造形美を見せる仰木の棚田は、農家の方たちの日々たゆまぬ労働により保たれてきた、自然や生き物と人との共存空間です。

まずはじめに講師から写生中の注意点などの説明を受けていただいた後、参加者のみなさんは、それぞれ思い思いの場所で棚田の風景を描きます。講師は、写生中のみなさんを巡回して個別に風景写生のコツについてアドバイスを行いました。

 

 

15:30からは、仰木太鼓会館にて作品鑑賞会を開催。みなさんの作品がずらりと並びました。
暑い一日だったのでみなさんお疲れの様子でしたが、一般の方も学生たちもお互いの作品を鑑賞しながら、講師に質問を投げかけたり、どんな画材を使っているかや描いた場所などの情報交換に花が咲いていました。

受講者のみなさんからは、
「五月晴れのよいお天気に恵まれ鳥のさえずりを聞き、そよ風に吹かれて、気持ちよく田園風景を描けました。」
「丁寧で的確な指導をいただき、両先生ありがとうございました。勉強になりました。」
「初めての参加です。丁寧に指導いただき分かりやすかったです。」
「美しい新緑が目に心に染み入り癒されました。無心で描くことができました。」
など、たくさんのご感想をいただきました。

次回の写生会は、10月12日(土)に大津市堅田で開催します。
初心者の方も気軽にご参加いただけますので、ご興味のある方はぜひ下記よりお申込みください。
ご参加をお待ちしています。

「淡海の夢2024 堅田・湖族の郷写生会」お申込みフォーム
お申込みはこちら

2024年5月22日|Categories: イベント, 公開講座|

【開催決定】「淡海の夢2024写生会」仰木・棚田里山写生会

淡海の夢2024 仰木・棚田里山写生会
お申込みの皆さま

本日(5/18)の写生会は、予定通り開催いたします。
気温が高くなることが予想されますので、
熱中症対策に十分ご留意いただき、
ご参加くださいますようお願い申し上げます。
どうぞお気をつけてお越しください。

成安造形大学附属近江学研究所 5月18日(土)7:15

2024年5月18日|Categories: お知らせ, イベント, 公開講座|

設立15周年記念イベント「近江学の日」を開催しました!

 

成安造形大学附属近江学研究所設立15周年記念事業「近江学の日」
開催日 2024年4月27日(土)

近江学研究所では、2023年に開設15周年を迎えたことを記念して、1日を通して近江学の魅力をたっぷりと体験していただけるイベント「近江学の日」を開催しました。当日は200名を超える大勢の方にご参加いただき、ワークショップや講演会、ギャラリーガイド、研究員との交流イベントをお楽しみいただきました。

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ワークショップ
「大津絵って何?近江和紙とスタンプでオリジナルのお札をつくる」
時間 11:00-12:30(10:30受付開始)
講師 山田真実氏(成安造形大学 地域実践領域 助教)
会場 成安造形大学 I棟 プレゼンルーム

参加者のみなさまからは、「大津絵は知らなかったけど、意味を知って実際に制作してみると、面白くて、最後には良い作品ができてよかった」、「子どもに戻ったように、たくさんのスタンプを押して楽しかった」などのご感想をいいただきました。
小さなお子さまから大人の方まで、大津絵を学びながら楽しく制作されている姿が見られました。

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特別公開講座
演題 「コモンの再生」
時間 14:00-15:30(13:30受付開始)
講師 内田 樹 氏(凱風館 館長・神戸女学院大学 名誉教授)
会場 成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール

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展覧会&ギャラリーガイド
展覧会名「MUSUBU地図からみる未来のかたち」
会期 4月25日(木)-5月11日(土)(4月28日-5月6日は休館)
時間 11:00-17:00 入場無料・申込不要
会場 ギャラリーアートサイト(I棟1階)

〇ギャラリーガイド
日時 4月27日(土)15:40-16:15 参加無料・申込不要
ガイド 石川 亮(成安造形大学准教授・附属近江学研究所研究員)
会場 成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール、I棟1階 ギャラリーアートサイト

石川亮研究員による「MUSUBU地図」のギャラリーガイド。はじめに聚英ホールにて地図の特徴や見方について説明を行った後、ギャラリーアートサイトに移動して実際の地図を鑑賞していただきました。

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近江学研究員との交流イベント
タイトル 「話そう!近江学」
時間 16:30-17:45(16:15開場) 参加無料・申込不要
会場 成安造形大学 コミュニティスペース「結」

交流会では、近江学研究所の研究員がそれぞれ自己紹介を行った後、参加者のみなさまと一緒に近江ならではのお料理や地酒を味わい、近江学談議に花が咲きました。コロナ禍中は大勢が集まったり食事することが制限されていたため、今回久しぶりにこのような交流会を開催することができ、直接お顔を合わせてお話することの素晴らしさを改めて感じることができました。

2024年5月8日|Categories: イベント|

【特別公開講座】成安造形大学附属近江学研究所設立15周年記念特別公開講座報告

成安造形大学附属近江学研究所設立15周年記念特別公開講座
「コモンの再生」

【公開講座】
日時:4月27日(土)14:00~15:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:内田 樹 氏(凱風館 館長・神戸女学院大学 名誉教授)

成安造形大学附属近江学研究所は、2008年4月に発足し2023年に開設15周年を迎えました。
今年の特別公開講座には、内田樹先生にご登壇いただき、「コモンの再生」と題して、
近江に限らず全国各地に残るコモン(共同体・地域コミュニティ)を維持するためには何が必要かという内容を中心に、
コミュニティの本質からその重要性など幅広く語っていただきました。

受講者のみなさまからは、
・今日の公演を聞いて、資本主義の恐ろしさを知りました。この先も自分達の地域を残していくために、都市部ではなく地方で生活して行くべきだと改めて思いました。

・久しぶりの対面講義でこれぞ講演という気分を味わえることができました。非常に満足した意義ある講義でありました。内田先生の「過疎を作るな」「都市一極集中を防げ」という話はよく理解できました。

・新鮮な発想に感服した。

・「コモン」とか「資本主義」の意味、その働きがよく解った。

・「自分たちがフロンティアを守っている」非常に分かりやすい話、ありがとうございます。

・大変よかった。モヤモヤしている思いが整理されたようだ。

・マスコミや出版社があまり発信しないことがたくさん話していただけたので非常によかったです。
今後の日本のブランドデザインを考えていかないといけないとも感じました。

などといったたくさんのご感想をいただきました。

【講師プロフィール】

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京都立大学人文学部助手、神戸女学院大学文学部助教授を経て同教授。2011年退職後、神戸に武道と哲学研究のための学塾凱風館を設立。専門はフランス文学・哲学、武道論、教育論。合気道七段。
主著に『ためらいの倫理学』、『寝ながら学べる構造主義』、『レヴィナスと愛の現象学』、『死と身体』、『武道論』など。第六回小林秀雄賞(『私家版・ユダヤ文化論』)、2010年度新書大賞(『日本辺境論』)、第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『レヴィナスの時間論』、『街場の米中論』など。

2024年5月7日|Categories: 公開講座|
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