令和6年度 第2回 近江学フォーラム会員限定講座
「惣-私たちの公」

【会員限定講座】
日時:7月27日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:水本邦彦 氏|歴史学者・京都府立大学名誉教授

令和6(2024)年度第2回目の近江学フォーラム会員限定講座を開催しました。

今回の会員限定講座では、日本において、14世紀ごろから19世紀後半に作られた「惣」というコミュニティに存在した
独自の「掟」、いわゆる「公(おおやけ)」について歴史学者であり、京都府立大学名誉教授の水本邦彦氏にご講演いただきました。

「私たちによる、私たちのための、そして私たちを縛る」いわゆる「公」というものは、村人が自ら作ったゆるぎない掟として
絶対的な力を持っていたと解釈されています。
水本先生には、実際に今に伝わる古文書をもとに、掟でつながる江戸の村社会の姿を紐解いていただきました。

受講者のみなさんからは、
・身近な地域の掟などの歴史を知ることができて面白かった。

・草肥農業から金肥農業への変化の話が面白かった。

・江戸時代の「惣」の維持管理の状況がよく分かりました。
かなり厳しい掟を決め、惣を維持しており、惣の自治を守っていたことがうかがえました。

・日本の村の生い立ち、村の縛りの原点がよく分かる講義であった。

などといったご感想をいただきました。

[講師プロフィール]
水本邦彦氏(歴史学者・京都府立大学名誉教授)
1946年、群馬県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。京都府立大学名誉教授・長浜バイオ大学名誉教授。
専攻は日本近世史。古文書に加えて、絵図や屏風絵などを活用しながら、日本近世という時空間の構造的・写実的な描写をめざしている。
主な著書に『近世の村社会と国家』(東京大学出版会)、『徳川の国家デザイン』(小学館)、『草山の語る近世』(山川出版社)、『村 百姓たちの近世』(岩波新書)などがある。