近江-はじまりのかたち
「近江の惣村 自治コミュニティのはじまり」

日時:6月15日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:水野 章二 氏|滋賀県立大学名誉教授

令和6(2024)年度2回目の公開講座を行いました。

今回の公開講座では、近江の「惣」について
滋賀県立大学名誉教授の水野 章二 氏にご講演いただきました。

近江は惣村の宝庫と言われ、その名残を各地で見ることができます。
惣村とは、一般に中世後期の自治性の高い村落のことを指し、祭礼や年中行事を行い、強いつながりを維持してきました。
本講座では水野先生に湖東蒲生野の「今堀」、琵琶湖の最北端葛籠尾崎の先端近くの「菅浦」など近江を代表する中世自治村落をご紹介いただきながら、強い規制力を作り出し、紛争や飢餓、自然災害を乗り越えてきた村落の姿を眺め、人々の知恵を探ることができました。

受講者のみなさんからは、
・昔の人達の暮らしぶりや結束の様子など興味が持ててよかった

・先生の語り口が大変面白かった。一度、菅浦、大浦方面を訪ねてみたいと思う。

・かつての村の生存の厳しさと立ち向かう村民の決意団結の一端を知ることができた。

・幅広くまた深くお話が展開して、とても楽しく聞かせていただきました。

などといったご感想をいただきました。

[講師プロフィール]

水野 章二 氏(滋賀県立大学名誉教授)

1954 年、名古屋市生まれ。京都大学文学部・同大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。滋賀県立大学名誉教授・滋賀大学経済学部附属史料館客員研究員。専攻は日本中世史。中世の村落・荘園の実態分析や環境史・災害史研究に取り組んでいる。主な著書は『日本中世の村落と荘園制』(校倉書房)・『中世の人と自然の関係史』(吉川弘文館)・『里山の成立』(吉川弘文館)・『災害と生きる中世』(吉川弘文館)などがある。