令和5年度 第5回 近江学フォーラム会員限定講座
「長浜の天正大地震」

【講座映像視聴会】
日時:1月24日(水)14:30~16:00
場所:成安造形大学 本館棟2階025教室
講師:※映像出演
畑中英二 氏|京都市立芸術大学教授

令和5(2023)年度最後となる第5回目の近江学フォーラム会員限定講座を
オンデマンド配信と講座映像視聴会で開催しました。
オンデマンド配信は1月9日から1月23日まで。
配信終了の翌日に講座映像視聴会を大学内で実施しました。

今年度の近江学フォーラムのテーマは「禍 転じて」。
5回目の会員限定講座では、長浜で起こった大地震が歴史に与えた影響について
京都市立芸術大学教授の畑中英二 氏にご講演いただきました。

「禍福は糾(あざな)える縄の如し」。
天正時代に起こった大地震という禍は、天下の安寧を願う、
豊臣秀吉と徳川家康に大変大きな被害を与え、その行く末を左右しました。
2人の天下人にとって、この禍は、一方で福をもたらすものであったとも考えられます。
禍の後には、必ずその経験をもとに、福に転じる時がくる。
講座では、天正の大地震という長浜で起きた大きな禍が
日本の歴史に及ぼした影響についてお話しいただきました。

受講者のみなさんからは、
・自然災害が歴史の大きな転換点になったことがとても興味深く、人の手の及ばないどうしようも無さを改めて感じました。
・当時の歴史を詳しく説明いただき長浜地震のことを初めて知りました。地震が歴史に与えた影響等興味深かったです。
・1月1日の能登半島地震の直後に「長浜の天正大地震」の講義とはなんという巡り合わせなのかただ驚くばかりです。日本はやはり地震大国であり、何時何処で地震が起こっても仕方のないことであることを改めて知らされました。また、地震は世の中の仕組みや体制そのものを変えることがよく分かりました。
・わざわい転じてというのは、こういうことを言うのだろうなと思いました。歴史の出来事や、思惑で歴史が変わったかも、と言う目線でみるのも興味深かったです。また、こう言う視点で話を聞いてみたいと思います。
などといったご感想をいただきました。

[講師プロフィール]

畑中英二 氏(京都市立芸術大学教授)
1967年、京都府生まれ。龍谷大学文学部卒業。滋賀県立大学大学院人間文化学にて論文により博士の学位を取得。京都市立芸術大学美術学部教授。専攻は考古学、工芸史、城郭史。考古学と社会やアートとのより良い関係を模索している。著書に『続信楽焼の考古学的研究』『ここまでわかった甲賀忍者』『岡本太郎 信楽へ』(いずれもサンライズ出版)、『なんで信長はお城を建てたの?』(新泉社)、共著に『戦国大名の権力と城郭 織田信長の城郭』(戎光祥出版)、『中近世陶磁器の考古学』第11巻(雄山閣出版)などがある。