講師:今関信子 (児童文学作家)
日時:2008年12月13日(土) 10:40~12:00
場所:成安造形大学 生涯学習センター
近江に伝えられる多くの民話を取材し、再話という手法で物語に息吹をかけ、子供たちに大切なものを伝え残そうと活動を続けられている児童文学作家の今関信子先生に近江の民話の魅力について語っていただきました。
授業は「琵琶湖ができた話」「こんな人物がいた話」「不思議な話」などの項目に分けられた近江の民話を丁寧に解説されるという形式で進みました。民話の解説は、先生自らが語りべとなり、あるときはささやくように、あるときは大声で、またあるときは笑い、泣きと物語の一説を感情いっぱいに表現されるというもので、学生たちもその物語に引き込まれていきました。
近江の民話の特徴は生命の源である琵琶湖が舞台となるため、生きとし生けるものすべてを謳歌するようなスケールの大きい物語が多い。また、伝承として語り続けられ今に残っている物語の中には大切なメッセージが残されている。特に登場する人間がやがて自然の一部に帰っていく物語など自然と人間が一体となり共存するものが多いと感じる。など今関先生が近江の民話から見えるものを熱く語っていただきました。講義終了後、多くの学生が先生の出版物を興味深く見ながら、民話の魅力に感じ入っていました。