藤樹書院というコミュニティ
―中江藤樹の教えを伝える村の結束
日時:6月13日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:高島市教育委員会文化財課課長 兼 中江藤樹・たかしまミュージアム館長
「藤樹書院というコミュニティ」をテーマに公開講座を開催
6月13日(土)、今年度(令和8年度)最初のイベントがいよいよスタートしました。その記念すべきプログラムは公開講座です。
今回は「藤樹書院というコミュニティ」と題し、高島市教育委員会文化財課課長・中江藤樹・たかしまミュージアム館長の山本晃子さんにご登壇いただきました。研究所が発行する文化誌『近江学』最新号にご執筆いただいた内容を中心に、中江藤樹の偉業や教えを受け継ぎながら形成されてきたコミュニティの姿についてお話しいただきました。
まず、「近江聖人」とたたえられた中江藤樹とはどのような人物だったのか、また、藤樹が学び人々に伝えた儒学・陽明学とはどのような教えなのかについて、わかりやすいスライドを交えながらご紹介いただきました。「致良知」、すなわち人が本来持つ良知(良い心)を磨き、それを実践することの大切さについてのお話は、大変印象的でした。
また、藤樹書院のある高島市大溝には江戸時代に大溝藩が置かれ、藤樹の教えが藩政にも生かされていたことや、安土桃山時代(織豊時代)に築かれた大溝城が、現在放送中の大河ドラマの舞台の一つとなっていることなど、地域の歴史にまつわる興味深いお話も伺うことができました。
講座の冒頭では、この4月に研究所長に就任した筆者(加藤)が挨拶し、「近江学は未来学である」という研究所の考えをお伝えしました。中江藤樹が学び、広めた陽明学には「知行合一」という考え方があります。これは、知識を得るだけでなく、それを実践に移すことを重視する教えです。
人工知能(生成AI)や情報通信技術(ICT)の発展が進む現代において、この考え方はますます重要になっているのではないでしょうか。パソコンやスマートフォンの画面上で多くのことが完結する時代だからこそ、本物を見て、触れて、考えたことを実際に行動へ移していくことの大切さを、改めて藤樹の教えから学ぶことができたように感じます。
皆さまもぜひ、「中江藤樹・たかしまミュージアム」に足を運んでみてください。
文責:成安造形大学附属近江学研究所 所長 加藤賢治


受講者のみなさんからは
・今日の講義を胸に秘め、たかしまミュージアムへ伺います。ありがとうございました。
・藤樹先生の名前くらいしか知らず今回の講座に参加しましたが、現在の教えにも通じているのかと、あらためて勉強が必要だと思いました。
・何度か訪れたことがあり理解しているつもりでいたのですが、講義により藤樹の偉大さが前にも増して知れることとなりました。
・近江聖人40才没、私は70才ですが……考えさせられました!明日から生き方を再考させ歩みたいと思いました!
などといった感想をいただきました。
[講師プロフィール]
山本 晃子氏(高島市教育委員会文化財課課長 兼 中江藤樹・たかしまミュージアム館長)
佛教大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻は日本仏教史。
今津町教育委員会町史編さん係を経て現在、高島市教育委員会文化財課課長兼中江藤樹・たかしまミュージアム館長。