令和5年度 第4回 近江学フォーラム会員限定講座
「疫病と向き合う ―祈りから医術へ―」
【講座映像視聴会】
日時:12月6日(水)14:30~16:00
場所:成安造形大学 本館棟2階025教室
講師:※映像出演
岡井健司 氏|近江日野商人ふるさと館館長
令和5(2023)年度第4回目の近江学フォーラム会員限定講座を
オンデマンド配信と講座映像視聴会で開催しました。
オンデマンド配信は11月21日から12月5日まで。
配信終了の翌日に講座映像視聴会を大学内で実施しました。
今年度の近江学フォーラムのテーマは「禍 転じて」。
4回目の会員限定講座では、疫病に対抗する手段の変遷について
近江日野商人ふるさと館館長の岡井健司 氏にご講演いただきました。
疱瘡、麻疹、コレラ。古来、日本では様々な感染症が流行し、
多くの人々の命を奪ってきました。
講座では、岡井氏のフィールドである日野町を中心に、
感染症を乗り越えるために戦ってきた庶民の姿、
祈ることだけが疫病に対抗する手段であった頃から、
医術へと向かう転換期の様子をお話しいただき、
コロナ禍においていまだ祈りの護符が流行していることから見えてくる、
疫病に向き合う人々の姿を語っていただきました。
受講者のみなさんからは、
・昔は疫神をもてなし他所へ送り出していたのが、西洋医学の導入と共に退治する様な考え方に変化していった点が特に興味深かったです。
・疫病は古来より近江でも発生し、これに対して祭礼やまじないによる非科学的な対策を講じたことがよくわかった。また江戸後期に疱瘡が流行し、これに対しては種痘という医科学を基にした方法で向き合ったことがよく分かりました。
・疫病に向き合う人々の姿をさまざまな祭礼等の紹介を通じて学ことができ、その後、医術が苦労を重ねながら人々に信頼されていった過程も勉強になりました。
・コロナを体験したところだったので、自分事として受講できました。非常にわかりやすく、興味をもてました。また数年前に日野町を遠足で訪れていたので、お祭りの様子が目に浮かぶようでした。
などといったご感想をいただきました。
[講師プロフィール]
岡井健司 氏(近江日野商人ふるさと館館長)
1970年、滋賀県生まれ。関西大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻は日本近世史。日野町教育委員会町史編さん室を経て、現在、日野町教育委員会生涯学習課主席参事・近江日野商人ふるさと館長。共著に『近世の畿内と西国』(清文堂出版)、『近江日野の歴史』第3巻近世編、『近江日野の歴史』第8巻史料編などがある。