本研究所が毎年発刊する文化誌「近江学」の表紙などで多くのお力をいただいてきた、写真家の寿福滋さんが、2019年2月に亡くなられました。
この度、1周忌を機に、高校時代の同窓生やご遺族の方々が追悼展を滋賀県犬上郡多賀町にある「あけぼのパーク多賀」にて開催されております。
寿福さんの素晴らしい近江の風景、文化財、人々の営みをとらえた写真の数々が展示されています。
ぜひ、お足をお運びください。
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「歴史に魅せられた文化財カメラマン 寿福滋」
・令和2年2月1日(土)~2月15日(土)
(休館日2月3日、10日、11日 開館時間平日10-18時 土日10-17時)
・あけぼのパーク多賀
「寿福滋を偲ぶ会」追悼講演と交流会
講師:中島志郎氏(「寿福滋君をおもう会」・花園大学教授)
日時:令和2年2月9日(日)14時~
会場:あけぼのパーク多賀 大会議室 申込不要
主催:「寿福滋君をおもう会」・多賀町立文化財センター
協力:滋賀県琵琶湖文化館・文化遺産プランニング・サンライズ出版
問合せ:多賀町立文化財センター 0749-48-0348
多賀町あけぼのパーク >>>WEBサイトはこちら
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近江学研究所では、多賀町立文化財センターにお声をかけていただき、
本展に寿福さんがご尽力いただき共に作ってきた文化誌「近江学」と、
メッセージなどのパネル展示させていただきました。
ここに、メッセージを掲載いたします。
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寿福滋さんを偲んで
写真家・寿福滋先生には、当時成安造形大学学長で近江学研究所初代所長、現在
顧問である木村至宏氏の推薦があり、近江学研究所が成安造形大学の附属研究機関
として設置された平成20 年(2008)4 月から様々なかたちで研究所に関わっていた
だきました。
寿福先生の近江に対する深い洞察、風景だけでなくその背後にある神仏の姿や人々
の暮らし、歴史、文化、自然すべてを網羅した鋭い眼差しで見つめてこられた先に
生み出された作品の数々は、歳を重ねるごとに近江学研究所にとってなくてはなら
ない存在として支えていただきました。心から深く感謝いたします。
振り返りますと、文化誌「近江学」の表紙写真、成安造形大学内での写真展覧会、
そして公開講座、いずれの仕事も緻密であり、とことん突き詰める寿福先生の真摯
な姿勢を、傍で拝見しておりました。
仕事のためというよりは近江のためなら時間を惜しまず、どこへでもすぐに行動
に移され、対応してくださる寿福先生ご自身は、琵琶湖とその周りを囲む山々、川、
そしてそこに生きる生命、神仏、すなわち近江の風土すべてに溶け込んでおられた
のではないかと思っています。
今、近江のどこを訪ねても、寿福先生の写真作品のいずれかを思い出すことがで
きます。その度に、寿福先生の存在を感じます。寿福先生は近江の風土の一部とし
て私たちの記憶の中に生き続けておられるのです。安らかに近江の地でお眠りくだ
さい。成安造形大学附属近江学研究所一同、心からご冥福をお祈り申しあげます。
成安造形大学附属近江学研究所副所長 加藤賢治
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パネル これまで寿福滋さんに多くの力をいただき成安造形大学附属近江学研究所で実施してきた刊行物・講演会・展覧会についてご紹介します。