日時:2016年5月14日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 体育館
講師:上原 行照 氏(千日回峰行 大行満大阿闍梨、伊崎寺住職)
タイトル:「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」

上原行照 師

上原行照 師


5月14日、今年度最初の講座として、特別公開講座を開催しました。
今回は、「千日回峰行ー山に溶け込むことから見えるもの」と題して、平成6年(1994)に千日回峰行を満行された上原行照大阿闍梨を講師にお迎えしました。
上原大阿闍梨は、「千日回峰行の舞台となる仏が宿る山は、様々な煩悩から守ってくれる包容力を持っている」と話され、また、9日間の断食・断水・不眠・不臥という難行の内容や、山上山下を距離にして7里半歩く意義など、わかりやすく解説されました。
たくさんのご応募をいただき、体育館にて講演を行いました

たくさんのご応募をいただき、体育館にて講演を行いました




最後に山に溶け込むことから見えるものとして、「山の修行は、行だけでなく洗濯や料理など全てのことを自分でしなければならないが、ふと他人が何かを助けてくれると、大きな感謝の念が湧いてくる。便利な世の中も居心地が良いかもしれないが、ちょっと不便な方が自らが動くことにつながり、本当の意味で、自己の危機を救ってくれることにつながる」と大切なメッセージを来場者に投げかけていただきました。
当日は、定員150名の3倍となる約400名が来場され、大学としては初めて体育館で講座を行いましたが、多くの来場者が熱心に上原大阿闍梨のお話に聞き入っておられました。
(報告:加藤賢治副所長)

開会のごあいさつ 木村至宏 (近江学研究所 顧問)

開会のごあいさつ
木村至宏 (近江学研究所 顧問)


閉会のごあいさつ 西久松吉雄(近江学研究所所長)

閉会のごあいさつ
西久松吉雄(近江学研究所所長)


【講座内容】
山中を7年間で千日間を歩き、5年目には、9日間の断食、断水、不眠、不臥を行うという比叡山延暦寺の千日回峰行は、数ある修行の中でも最も過酷なものとして知られています。なぜそのような修行が行われているのでしょうか。今回の特別講座では、平成6年(1994)に千日回峰行を満行された上原行照大阿闍梨を講師に迎え、山での厳しい修行の内容や、その行の中に見る思想、そして、現代社会へ向けてのメッセージも含めてお話しいただきます。
【講師プロフィール】
上原行照 師(千日回峰行 大行満大阿闍梨、伊崎寺住職)
姨倚耶山 伊崎寺 住職。1959年 群馬県前橋市生まれ。15歳で得度。’85年より比叡山に23年間こもり、’94年には千日回峰行を満行。天正年間以降48人目の大行満大阿闍梨となる。’06年に伊崎寺住職となり、’08年12月より下山して寺の発展に尽力している。
【関連企画】 
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.4「千日回峰行 山に溶け込むことから見えるもの」
2016年4月25日(月)~5月14日(土)10:00-17:00
休館日:日祝、4/30~5/5、7日、8日
会場:聚英館1階フロア
展覧会場

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