日時:2014年9月13日(土)10:40〜12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:柿木 博幸 氏 (㈱柿木花火工業代表取締役)
対談:加藤 賢治(本学附属近江学研究所研究員)
タイトル:近江〜空のかたち「湖国の夜空をデザインする ー近江の花火師-」

柿木花火店が運営する彦根花火大会(写真提供:柿木博幸)

柿木花火店が運営する彦根花火大会(写真提供:柿木博幸)


全国各地で繰り広げられる夏の風物詩「花火大会」。
その打ち上げ花火の起源は戦国期に武器として使用された鉄砲や大筒に遡ります。
 この日の連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」は、日本有数の鉄砲の産地として知られる長浜市国友の流れを継承し、今も湖国で唯一打ち上げ花火を製造、湖国の花火大会を手がける花火師柿木博幸氏(㈱柿木花火工業代表取締役)に登壇いただきました。

花火師の柿木博幸氏

花火師の柿木博幸氏


対談の加藤賢治(近江学研究所研究員)

対談の加藤賢治(近江学研究所研究員)


 講座は、打ち上げ花火の歴史から、コンピュータで制御される最新の仕掛け花火まで図版や写真で紹介いただきました。また、危険を伴う花火製造の裏側や、自然に優しいエコ花火、花火を通じた地域貢献など多岐にわたった内容で対談が進みました。

 講座の中で、柿木氏は、「湖北地域の先人が継承してきた伝統を受け継ぎ、そのバトンを次に繋げるために日々仕事をしています。」と語られ、また、新作花火をつくるには試し打が必要で、「いつ試し打をしても苦情が出て来ない地域の方々の理解には感謝しています。」と湖北地域の風土について話されました。
昔ながらの花火とエコ花火を水につけて、花火玉の外皮が水にとけるのを実験しました

昔ながらの花火とエコ花火を水につけて、花火玉の外皮が水にとけるのを実験しました


 単に花火を打ち上げて終わるのではなく、花火の破片(燃えかす)が自然に還るエコ花火の制作や、小学生に花火づくりを体感させ制作行程を見せることで、物が出来上がるまでの苦労や手間を体験させるなど、他の花火師には見られない社会貢献活動が紹介されました。
 花火は誰もが知る素晴らしい娯楽の一つとなっていますが、その裏側を知る人はほとんどありません。「これからの花火の見方が変わりました」という参加者からの感想がたくさん寄せられました。
報告:近江学研究所加藤賢治
【情報コーナー】
■ ㈱柿木花火工業 について>>>公式ホームページはこちら
■ 柿木博幸さんの花火映像 2012全国新作花火競技大会 YOUTUBEより >>>こちらから