日時:2014年7月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:寺島 典人氏(大津市歴史博物館学芸員)
タイトル:「近江の仏像とその見方」

寺島典人氏

寺島典人氏


 7月12日(土)、近江学フォーラム会員限定講座「近江の仏教文化」シリーズ第2弾、
「近江の仏像とその見方」を開催しました。
 講師には、大津市歴史博物館学芸員で仏像の調査・研究がご専門の寺島典人先生にご登壇いただきました。
 この日は、湖南市の古刹をめぐる現地研修(10月5日開催)のための事前講義として設定しており、専門的な仏像研究の話ではなく、現地研修で拝観する仏像の種類や、信仰のかたち等をわかりやすく紹介していただきました。
 はじめに、仏像の基本として、釈迦誕生仏から、苦行像、涅槃像、仏舎利、塔の紹介、そして、インドのバラモン教から異端派として登場してきた仏教の六道輪廻転生という思想の解説がされました。
如来の印を学ぶ受講者のみなさん

如来の印を学ぶ受講者のみなさん


 そのうえで、仏像を①如来部、②菩薩部、③明王部、④天部という4つのグループにわけて解説いただきました。
具体的には、釈迦如来や西方極楽浄土の阿弥陀仏、大日如来の手のかたちや、観音菩薩が三十三に姿を変えることや、不動明王の不思議、梵天・帝釈天の偉大さなど、少ない時間でしたが複雑な仏像の形式を詳しくまたわかりやすく解説いただきました。

 最後には神仏習合や本地垂迹など神像の話しにも触れられ、近江の仏像を中心としながら信仰の深さを知ることができました。
講座修了後、「仏像のわからなかった難しいところを教えていただき、現地研修が楽しみです」「先生の話し方がわかりやすく大変勉強になりました」など満足度の高いメッセージをたくさんいただきました。
報告:加藤賢治(近江学研究所研究員)
寺島 典人氏 プロフィール
1969年北海道札幌市生れ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程中退。仏教美術(彫刻史)専門。