5月14日(土)、堅田の国指定名勝庭園と茶室「天然図画亭(てんねんずえてい)」を見学してきました。
この庭園と茶室は、中世から琵琶湖の湖上特権を確立し、繁栄していた堅田衆の名家、居初(いそめ)家のもので、現在、ご当主居初寅夫氏が一般公開にご尽力されています。この日もご当主自ら解説をいただきました。庭園は琵琶湖と三上山(通称近江富士)を借景とする国指定名勝庭園です。
ヨシ葺き入母屋造の茶室は千利休の孫千宗旦の四天王の一人である藤村庸軒とその弟子で堅田郷士北村幽安の合作で、天和元年(1681)頃に完成しました。中には海北友松作といわれる障子の腰板に描かれた花鳥画や室町時代の袈裟型の手水鉢など見るものがたくさんあります。
この茶室から見る庭園は絶景であり、近世多くの文人墨客がここを訪れたといわれています。
初夏のひと時、堅田の名勝庭園で湖国の風流を楽しむのも良いものです。
成安造形大学附属近江学研究所研究員 加藤賢治