5月2日、近江国は宮座の宝庫と呼ばれています。宮座とはいわゆる村の鎮守の神様を守る人々の祭礼のことで、著名な神社仏閣の宗教行事とは異なります。
一つの村や複数の村が鎮守社を順番に当番を設けて祭礼を行います。そのかたちはそれぞれの村によって微妙にあるいは大きく異なりますが、滋賀県にはこのような祭礼が多く残っていることで知られています。
その代表的な事例の一つが馬見岡神社の祭礼で、近江八幡市の国道8号線沿いにある馬淵、千僧供、岩倉の3つの集落の郷祭です。
祭礼は4月末からすでに始まっていますが、5月2日は早朝5時から鐘と太鼓が鳴り始め、5時半には裃をまとった3集落の大人衆が馬見岡神社に集結、神事が行われました。
6時半には近くの椿神社に移り、同じく神事が行われました。この祭礼は農耕に深く関係し、椿神社の楼門の前には馬淵、千僧供、岩倉の水利権「4分・4分・2分(しぶしぶのにぶ)」を標示する敷石が設置され、村人はその敷石の間を歩くことでその水利の割合を確認するということです。
5月、近江は春祭りのピークです。明日はいよいよ地元仰木祭りの本祭の日です!楽しみです。

報告:附属近江学研究所 研究員 加藤賢治