5月3日「仰木祭」の見学を行いました。研究プロジェクトの一環で先ず仰木という村落を知るため、その代表的な祭礼である仰木祭りを体感しました。授業の登録者の他にも参加者があり、総勢20名で見学を行いました。引率者はプロジェクト担当教員大岩先生、永江先生、蔭山先生と私加藤です。午後1時45分JRおごと温泉駅に集合し、仰木へ向かいました。途中で仰木の歴史や中心となる小椋神社の解説を入れました。
今回のポイントはなぜ「仰木祭」が今に残っているのかを考えるということです。必要なければ祭礼もなくなっているはずです。この祭りはかつて仰木の地に11年間すんだといわれる源満仲の伝説に基づいています。仰木は近世以降四ヶ村と呼ばれ上仰木、辻ヶ下、平尾、下仰木の四つの村に分かれ、水利の問題で様々な争いごとがあったといわれています。
満仲は義経や頼朝の先祖であり、清和源氏の祖ともいわれる武将です。仰木では神様として扱われています。もしかすると四ヶ村の水利争いを満仲の伝承が一つにまとめる働きをしていたのではないかとも考えられます。
昭和になっても所々祭りの形式は変化してきています。今年度から実施する仰木研究プロジェクトは「水と暮らし」をテーマに様々な方面から村落を調査していきます。伝承の役割など何か見えないものが見えてくるような期待でいっぱいです。
午後8時、神輿が小椋神社に戻り、祭りは終了です。学生たちは少し疲れた様子でしたが、それぞれが何かを発見したように見え満足そうに思えました。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治