講師:磯野英生 (成安造形大学教授)
日時:2008年5月10日(土) 10:40~12:00
場所:成安造形大学 本部棟三階ホール
建築論と建築史をタテとヨコの軸におき、本学開学2年目から新しい建築造形教育を目指してこられた磯野教授が環境デザインクラスの教育活動を通じで未来の造形教育を語られました。戦後の建築史の流れを見ながら近年を振り返ると、いわゆる新素材ではなく、竹や木材などの天然素材に着目した建築家が多くなってきている。それをふまえて、湖畔に群生するヨシという滋賀県を代表する天然素材に着目した。ヨシの特徴は建築物においてはヨシ葺きの屋根やすだれなどが代表的だが、自然に群生しているときは、水の浄化を助け、鳥や魚のすみかや産卵の場所ともなる。実習の授業にそれを取り入れ、ヨシの特徴をふまえてモニュメントのデザインや空間デザインを考えてきた。としたうえで、滋賀県は素材にこだわった企業が多く、学生たちも21世紀のデザインの切口を早く見つけ活躍してほしいと最後に思いを述べられました。
報告者:近江学研究所研究員 加藤賢治