講師:大槻倫子 (滋賀県陶芸の森 学芸員)
日時:2007年11月17日(土) 10:40~12:00
場所:成安造形大学 生涯学習センター

第10回 滋賀県陶芸の森学芸員 大槻倫子「信楽焼の美」11月17日 生涯学習センター

第10回 滋賀県陶芸の森学芸員 大槻倫子「信楽焼の美」11月17日 生涯学習センター

本講義の特別講師である大槻倫子さんは、信楽にある滋賀県立陶芸の森美術館で、数々の展覧会を企画され、主任学芸員としてご活躍されています。今回は日本を代表する陶器産地のひとつである信楽の歴史と特色を、各時代順にスライドを交えて詳しく講義していただきました。信楽は常滑、瀬戸、備前、丹波と共に、中世より続く窯<中世六古窯>のひとつに数えられます。信楽では古くからやきものに適した良質の土が大量に産出され、地理的にも京の都に近いことから、陶芸の産地として重要な位置を占めてきました。そこから生み出される陶器は、都の人々の生活道具、文化に深く関わり続けてきました。その始まりは13世紀末といわれ、その中でも室町期から江戸期にかけて信楽焼きは、侘び茶の茶人たちによって茶道具として用いられ、表舞台に登場することになります。その後登り窯の導入によって生産量が増大し、一大窯業地として発達していきます。現代でも多様なやきものが作られる信楽が、身近に感じられる講義でした。

報告者:辻喜代治 (成安造形大学教授 近江学研究所研究員)