おうみブログ

近江学研究所研究員が、近江にまつわるさまざまな情報を発信するブログです。

イベント

連続講座「近江~住まうかたち-命とつながる藁と土の家づくり-」公開講座報告


日時:2017年9月16日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:大岩剛一 氏(建築家・近江学研究所客員研究員)
タイトル:連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」『近江~住まうかたち-命とつながる藁と土の家づくり-』

ナビゲーターの永江弘之研究員との立ち話から講座が始まりました。

ナビゲーターの永江弘之研究員との立ち話から講座が始まりました。


講師 大岩剛一 先生

講師 大岩剛一 先生


近江かたちを明日につなぐシリーズの公開講座。この日は「住まうかたち 命とつながる藁と土の家づくり」と題して、客員研究員の大岩剛一研究員が、ストローベイルハウスを軸に、現代に息づく建築のあり方を語られました。
ストローベイルハウスとは、圧縮した藁のブロックを積んで厚い壁をつくり、土を塗り込んでいく環境循環型の建築です。
大岩研究員は、2000年に「藁」と「スロー」をキーワードに滋賀の地でストローベイルハウスの研究を始められました。便利さと物質的豊かさを追い求めたこれまでの家づくりに対して、全てが自然に戻る素材でつくる循環型の家づくりを提案。加えて、江戸時代がそうであったように、地域の人々ともに協働で作業する仕組みを取り入れるなど、家づくりを通して人とのつながりをつくる21世紀型の理想の家づくりについての実践事例が報告されました。

【関連展示】「近江のかたちを明日につなぐ展」を開催しました。


【講座内容】
ストローベイルハウスとは、圧縮した藁のブロックを積んで厚い壁を作り、上から土を塗った環境循環型の建築です。大岩剛一氏は、2000年に「藁」と「スロー」をキーワードに滋賀の地でストローベイルハウスの研究を始め、以来全国各地に広がるオルタナティブな生き方を模索する人々のためのコミュニティの拠点づくりに関わってきました。便利さと物質的豊かさを追い求めたこれまでの家づくりに対し、循環する命の豊かさを求める藁の家づくりとは?近江の優れた素材と技と、新たな住の可能性についてお話をうかがいます。
【講師プロフィール】
大岩 剛一(おおいわ・ごういち)
1948年東京都生れ。建築家。早稲田大学大学院修士課程修了。2013年3月まで成安造形大学教授。現在、一級建築士事務所 大岩剛一住環境研究所代表。スローデザイン研究会、ナマケモノ倶楽部世話人。滋賀の魅力に惹かれ、昨年より東京から滋賀へ住まいを移す。「善了寺」(神奈川)、「カフェスロー」(東京)、「N邸」「Café ネンリン」(滋賀)を始め、稲藁やヨシ等の循環型素材を使った設計を手がける。著書に『わらの家』『草のちから藁の家(共著)』他。文化誌『近江学』対談連載中。

近江学フォーラム会員限定講座 第3回「近江の街道の魅力」講座報告

日時:2017年9月30日(土)10:50~12:20
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師:八杉 淳氏(草津市立草津宿街道交流館館長)
タイトル:近江学フォーラム会員限定講座「近江の街道の魅力~道は文化・情報の通り道」

近江の道をテーマにすすめてきました会員限定講座ですが、今回は「現地研修」の事前学習も兼ねて開講されました。講師は、草津宿街道交流館館長の八杉淳先生です。現地研修で訪ねる草津宿の話を中心に、東海道や中山道の宿場町の暮らしを丁寧に解説していただきました。

街道は、参覲交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢参りの旅人など、多くの人々が行き交いました。そして、重要なことは、それらの人々が、文化や情報をもたらしたということです。特に大名行列は、地方や中央の文化と情報を各宿場にもたらし、宿場の人々によって周辺地域にも広がっていきました。街道を通じて展開される交流は、現代のグローバリズムのように、一度に文化と情報が席捲するのではなく、程よく時間をかけて必要とされるものが伝わっていくというものであり、大量の情報に溺れることのない良き時代であったことが理解できました。
(加藤賢治)

【概要】
道の国・近江。江戸と京・大坂を結ぶ東海道や中山道など全国的な交通路とともに、村や町、隣国とを結ぶ多くの街道が通っていました。これらの街道は、参勤交代の大名をはじめ、歴史の表舞台に名を馳せた人物や、名もない伊勢まいりの旅人など、多くの人々が行き交い、旅人とともに文化や情報の通り道でもありました。近江の街道や宿場を中心に、江戸時代の街道や宿場、そして旅が果たした役割や、いまの私たちに伝えるものを探ってみたいと思います。
【講師プロフィール】
八杉 淳氏
1959年、兵庫県生れ。佛教大学大学院修士課程修了。草津市教育委員会教育部副部長兼草津市立草津宿街道交流館長・草津市史跡草津宿本陣館長。専攻は日本近世交通史・地域文化史。江戸時代の街道を歩く事で、当時の街道の姿や旅の実際を研究。著書に『近江の宿場町』・『近江東海道を歩く』(サンライズ出版)他多数。

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