連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉近江~地域文化のかたち-「風と土の交藝」にみる地域活動-開催

2013 年 12 月 21 日

連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉近江~地域文化のかたち-「風と土の交藝」にみる地域活動

日時:2013年12月21日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師: 清水 安治 氏(滋賀県職員・一級建築士)
対談:辻 喜代治 (本学教授・本研究所研究員)
タイトル:「近江~地域文化のかたち-「風と土の交藝」にみる地域活動」

講師 清水安治氏

講師 清水安治氏

2011年から、高島市全域を使って開催されている「風と土の交藝」の陰の仕掛け人である清水安治氏に、
このプロジェクトの具体的な内容について紹介していただきました。

講演ではまず、4回目となる2013年のイベントをまとめたダイジェスト版ビデオによるプレゼンテーションで、全体が紹介されました。
近年各地域で開催されているアートイベントとの違いについて、「他のイベントとは違い工芸や地域の産業、古民家の再生、農業や漁業も含んだ、暮らしを意識した地域イベントである」ことを強調されました。
さらに開催期間もあえて寒い冬の11月から12月を選び、高島らしい季節を体験してもらうことも、特徴の一つになっています。
今年からは開催地域を二つにわけて、二週の週末3日間ずつ計6日間開催されました。
このプロジェクトのきっかけは、毎年春に開催されている地域の工芸家たちのオープンアトリエをヒントにして、地域間住民の交流と、外に向けて高島市の魅力をアピールする目的でスタートしました。
高島市も高齢化と過疎化が進み空き家も多く見られ、それらを活用することも大きな目的になっています。タイトルの“風”は来訪者や移住した作家、“土”は地域の作家や住民をさします。
お互いがその暮らしや作品を通じて交流し、多くの人に高島の魅力を感じてほしいと生み出された、滋賀スタイルのプロジェクトです。
今回は50か所の会場が設けられ、会期中それらの会場を巡った人は4500人以上になります。

講演会場には90人近くの聴取の人が集まりました。その中には他の地域のモノづくりの人も多く参加していて、最後の意見交換のところでは、これから出来れば連携をしていきたいと提案されていました。
すでに信楽を中心とする工芸家たちも会期中に視察を行っており、交流が始まろうとしています。
今後こうした取り組みが進み、この滋賀スタイルのプロジェクトが広がれば、県全体の活性化と、他府県にその魅力を強くアピールできると強く感じました。    

(辻喜代治)

講師プロフィール
清水 安治 氏(高島市職員・一級建築士)
1961 年滋賀県高島市生まれ。滋賀県庁職員として、滋賀県立大学「近江環人地域再生学座」の
開設や半世紀ぶりとなる高校の木造校舎新築を地元産木材で造ることに関わるなど、地域資源を
活かすことにこだわる活動を続けている。地元高島市では、地域の工芸作家の暮らしぶりと作品
を住み開きする「風と土の交藝」を立ち上げ、高島の魅力を発信する。一級建築士。

対談 辻 喜代治研究員

対談 辻 喜代治研究員

文化誌『近江学』第6号(特集 火の物語り)発刊しました

2013 年 12 月 17 日

成安造形大学附属近江学研究所は、「芸術による社会への貢献」を教育の理念とする
成安造形大学の附属研究機関として2008年4月に発足し、
この3月で開所6周年を迎えることになります。

このたび、近江学研究所では、初年度から発刊して参りました
文化誌『近江学』第6号(特集 火の物語り)を下記の通り出版いたしました。

文化誌「近江学」6号表紙

文化誌「近江学」6号表紙

文化誌「近江学」第6号
特集    「火の物語り」

■内容紹介
近江の火にまつわる世界に着目し、「火の物語り」を特集。
比叡山の「不滅の法灯」に関する論考、国産の櫨にこだわった「和ろうそく」
職人へのインタビュー、国友鉄砲鍛冶からつづく花火職人の想いなど。
不滅の法灯、火祭り、かまどの火、常夜灯、和ろうそく、花火師など、
近江の火にまつわる世界を、様々な切り口で語ります。

■目次
● 「火と営みの文化」
木村 至宏 (近江学研究所 所長)
● 比叡山の「不滅の法灯」
武 覚超 (比叡山延暦寺執行)
● 《対談》「櫨の和ろうそくー命が宿る炎」 
大西 明弘 (和ろうそく職人)×大岩 剛一 (近江学研究所客員研究員)
●「人を包み込む自然 琵琶湖」
今森 光彦 (写真家)
●「近江の火祭りー火の風流を楽しむ」
米田 実 (日本民俗学会評議員)
●「村における信仰の灯ー神主の献灯、講の常夜灯」
大塚 活美 (京都府立総合資料館主査)
●「花火 夏の風物詩湖国の花火を訪ねて」
加藤 賢治 (近江学研究所研究員)
●「火と食」
岩田 康子 (有限会社ブルーベリーフィールズ紀伊國屋代表取締役)
●「蒲生氏郷の光」
寿福 滋 (写真家)
●「安土城随想ー安土山より三上山を眺む」
小嵜 善通 (本学教授・近江学研究所研究員)
●《インタビュー》成安のファインアート「田辺由子ー思考と触覚の造形」  
 辻 喜代治 (本学教授・近江学研究所研究員)
●《近江の意匠Ⅴ》「麻の物語ーすべては近江の蚊帳生地との出会いから」
河原林 美知子 (近江学研究所客員研究員)
●「仏領ニューカレドニアの滋賀移民 犬上郡 多賀町 リリアンの墓参り 」   
津田 睦美 (本学准教授・近江学研究所研究員)
●「仰木ふるさとカルター気持ちやいのちをカルタに映す」
永江 弘之 (本学准教授・近江学研究所研究員)

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文化誌「近江学」第6号
1,800円+税
ISBN978-4-88325-495-8 C1402
AB 96ページ 並製
初版発行年月日:2014年1月10日
書店発売日:2013年12月20日

発行    成安造形大学附属近江学研究所
      〒520-0248滋賀県大津市仰木の里東4丁目3-1
発行者   木村 至宏(近江学研究所所長)
編集    辻 喜代治(近江学研究所研究員)
写真    寿福 滋
デザイン  大向デザイン事務所
印刷    宮川印刷株式会社
発売元   サンライズ出版株式会社
      〒522-0004滋賀県彦根市鳥居本町655-1
発効部数  1,600部
定価    1,800円+税
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<購入方法>
◎12月中旬には、滋賀県下の主な書店にて販売いたします。

「サンライズ出版WEBサイト」から>>>こちらから
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近江の火にまつわる文化の総論「火と営みの文化」 著:木村至宏 写真:寿福滋

近江の火にまつわる文化の総論「火と営みの文化」
著:木村至宏 写真:寿福滋

比叡山延暦寺執行が語る「不滅の法灯」の物語り 著:武覚超

比叡山延暦寺執行が語る「不滅の法灯」の物語り
著:武覚超

民俗学者米田実氏のよる、近江の火祭りを読み解き、地域に引き継がれる「風流」に関する論考

民俗学者米田実氏のよる、近江の火祭りを読み解き、地域に引き継がれる「風流」に関する論考

国産櫨を使った和ろうそく職人・大西明弘氏の手仕事を追うインタビュー 著:大岩剛一 写真:永江弘之

国産櫨を使った和ろうそく職人・大西明弘氏の手仕事を追うインタビュー 著:大岩剛一 写真:永江弘之

櫨の和ろうそくができるまでの取材をイラスト図解で表現 イラスト・編集:大原歩

櫨の和ろうそくができるまでの取材をイラスト図解で表現
イラスト・編集:大原歩

国友鉄砲鍛冶の歴史をくみ活躍する「花火師」へのインタビュー 著:加藤賢治

国友鉄砲鍛冶の歴史をくみ活躍する「花火師」へのインタビュー
著:加藤賢治

米田 実氏:近江学フォーラム会員限定講座 第5回

2013 年 12 月 14 日

日時:2013年12月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:米田 実氏(日本民俗学会評議員)
タイトル:「民俗の力―近江の地域史と伝承―」

講師:米田実氏

講師:米田実氏

今年度のフォーラム会員限定講座の最終回は、日本民俗学会評議委員で甲賀市教育委員会事務局
歴史文化財課市史編さん室室長の米田実先生にご登壇いただきました。
 講演は「民俗の力 –近江の地域史と伝承−」と題し、甲賀市油日の油日神社や「奴振り」で
知られる油日祭りを例に挙げながら、急速に変わりつつある祭礼について語っていただきました。

 はじめに、祭礼のような無形の民俗文化財は、国宝や重要文化財のようないわゆる有形の
文化財と違って、伝承として受け継いできた人物がいなくなればその時点で無くなってしまう
非常にはかない文化財であるとしながら、歴史資料ともなる貴重で素晴らしいものであると紹介されました。

 それらの祭礼が、高度経済成長の時代から急速に形を変え、農村と都市の境が曖昧となってきている近年、
伝統の祭礼を何のためにやっているのかという問いかけに答えられず、重層的で複雑な村落の
素晴らしい儀礼が簡素化あるいは消滅する場合も多くなってきているとの現状も報告されました。

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 講義の終盤には、五年に一回行われるという油日祭りの「奴振り」を紹介する映像が流され、
その祭礼を見ることで近世の村組織の構造が理解できることや、それらを後世に伝えることで
村の人々の絆が深まって行く現状を理解することができました。

 民俗文化財を継承することは、第三者として村の外から見れば美しいものであるかもしれないが、
それらを受け継ぐために祭礼を行っている村の人々の苦労は計り知れない。その両面を知りながら、

現代の民俗文化財のあり方を常に考えなければならない。
今回の講座では民俗の持つ素晴らしき「力」と、その継承の難しさを改めて学ぶことができました。

報告:附属近江学研究所研究員 加藤賢治 

講師プロフィール
1959年大津市生れ。立命館大学経済学部卒、同文学部史学科中退。日本民俗学とくに祭礼文化史に関心を持ち、滋賀県内を中心に調査・研究を進め、各自治体史などに執筆する。現在甲賀市史編さん室勤務。日本民俗学会評議員

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「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2013風景展」 を開催します!

2013 年 12 月 6 日

「淡海の夢風景展2013風景展」
琵琶湖を中心とした湖国の自然や風景、町並みは今、次世代に引き継ぎたい美しく
貴重な日本の原風景として広く注目されています。
本展は公募風景展です。
一般の方や学生の作品を通して、近江の素晴らしい景観と固有の価値を再発見していただけると幸いです。
ご高覧ください。

【公募展】  「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2013風景展」
【会 期】  12月7日(土)~12月19日(木)
       12:00~18:00 | 入場無料 | 日曜休館 |
【会 場】  成安造形大学 ギャラリーアートサイト

【企画・監修】永江弘之(成安造形大学准教授・近江学研究所研究員) 
【主 催】  成安造形大学附属近江学研究所
【協 賛】  株式会社クサカベ、ホルベイン工業株式会社