近江―未来社会かたち「近江から考える 新スロー・イズ・ビューティフル」講座映像視聴会 報告

公開講座 近江のかたちを明日につなぐ
近江―未来社会かたち
「近江から考える 新スロー・イズ・ビューティフル」

【講座映像視聴会】
日時:5月7日(土)11:00~12:30
場所:成安造形大学 聚英ホール
講師: 辻 信一 氏(明治学院大学名誉教授、文化NGO「ナマケモノ倶楽部」代表、文化人類学者)※映像出演

2022年度第1回目の公開講座は、昨年度に引き続き、
オンデマンド配信と講座映像視聴会で開催しました。
オンデマンド配信は4月22日から5月6日まで。
配信終了の翌日に講座映像視聴会を大学内で実施しました。

今回の講師である辻先生は、日本で最初のスローライフ提唱者であり、
また、元近江学研究所研究員の故 大岩剛一先生の弟様でもあります。
この度、大岩先生が生前に執筆された論考をまとめた書籍
大岩剛一選集 ロスト&ファウンド 懐かしい未来の風景と建築」を出版され、
文化誌「近江学」に掲載された文章も収録いただきました。

講座では、近代化のなかで描かれてきた未来の風景とは違う、
自分たちが住みたい未来の風景-懐かしい未来、古代的未来の姿が滋賀にはある。

コロナ禍の今、人類の未来をスローという言葉を用いて、
環境問題、自然界の問題だけではなく、
人間の生き方の問題や文化の問題を統一的に考えていく必要があるということ。

また、現在「SDGs-持続可能」という言葉が重要視されているが、
家族・コミュニティ・農的な営みなど、古代から続いてきたものこそが持続可能であり、
滋賀(近江)の豊かさ・営みが続いてきていることは世界モデルになる、
など、世界から見えてくる滋賀の魅力についてもお話いただきました。

 

[講師プロフィール]

辻 信一氏(明治学院大学名誉教授、文化NGO「ナマケモノ倶楽部」代表、文化人類学者)
1952年生まれ。1977年北米に渡り、カナダ、アメリカの諸大学で哲学・文化人類学を学び、
1988年米国コーネル大学で文化人類学博士号を取得。
1992年より2020年まで明治学院大学国際学部教員として
「文化とエコロジー」などの講座を担当。
またアクティビストとして、「スローライフ」、「ハチドリのひとしずく」、
「キャンドルナイト」、「しあわせの経済」などの社会ムーブメントの先頭に立つ。
『スロー・イズ・ビューティフル』、『常世の舟を漕ぎて』など著書多数。
映像作品に『アジアの叡智』(DVDブックシリーズ、現在8巻)など。
最新刊は『「あいだ」の思想』(大月書店)、
DVDブック「レイジーマン物語-タイの森で出会った“なまけ者” 」(ゆっくり堂)。