調査・研究
地域学研究の試みは近年日本各地で活発に展開されています。それらの研究の目的は地域の歴史文化の掘り起しから、地域の活性化、地域連携などさまざまです。
本研究所では、滋賀県固有の文化資源を多角的な視点で掘り起こし、それぞれの分野の専門家・研究者が検証し、研究を深めます。その研究成果を報告・発表し、広く情報共有することで、「近江」という風土や文化の中に、変わらずに残るかけがえのないものを探り出し、21 世紀の社会にどのように結びつけるかを探求します。そして、それらが本学の教育・研究の核である「ものづくり」や「美」の概念と響きあい、活かしあうさまざまな取り組みを実践していきます。
研究プロジェクト
2023年度 研究テーマ
惣
2023年度から新たに3ヵ年の「近江のコミュニティ『惣・座・講』研究プロジェクト」がスタートしました。
コミュニティは、それが育まれる地形や位置、時代背景による社会状況などによって様々に変化します。また、その分類としては、地縁のコミュニティ、生業のコミュニティ、そして互助や趣味、嗜好によって形成されるコミュニティとして捉えることができます。それを踏まえて1年目は、地縁=「惣」、2年目生業=「座」、3年目互助・趣味・嗜好=「講」とテーマづけました。
今年度は近江の「惣」について近江学の視点で読み解きながら、現代の課題にも目を向け研究活動を進めています。
研究者一覧(50音順)
東 幸代 (滋賀県立大学 人間文化学部 地域文化学科 教授)
今森光彦 (写真家・成安造形大学 客員教授)
草野顕之 (大谷大学 名誉教授)
田口真太郎 (成安造形大学芸術学部 助教)
深町加津枝 (京都大学大学院地球環境学堂 准教授)
水野 章二 (滋賀県立大学 名誉教授)
水本邦彦 (京都府立大学・長浜バイオ大学 名誉教授)
和田光生(大津市文化財保護課 主査)
木村至宏 (成安造形大学附属近江学研究所顧問)
石川 亮 (成安造形大学芸術学部 准教授・附属近江学研究所研究員)
小嵜善通(成安造形大学芸術学部 教授・学長・附属近江学研究所所長)
加藤賢治 (成安造形大学芸術学部 教授・副学長・附属近江学研究所副所長)
真下武久(成安造形大学芸術学部 准教授・附属近江学研究所研究員)
成果発表 文化誌「近江学」第 15 号(2024 年 2 月 10 日発刊予定)
出町地区の地蔵盆のようす|岡村益夫氏提供
調査・研究・制作協力
近江学研究所は、学内外から様々な依頼を受けて、講演・執筆・校閲・取材・制作などを行っています。
制作協力
・「大津北観光・健康ウォーキング MAP&BOOK」コース選定、地図制作コーディネイト、歴史解説(2014年度)
・「仰木イラストマップ」制作学生指導・監修(2015年度)
・『松明・結の伝承‐近江八幡の火祭り文化』デザイン、原稿寄稿、取材協力(2015年度)
・ 日吉大社 境内案内絵図「日吉山王宮曼荼羅」制作学生指導・監修(2015年度)
・ 日吉大社蔵 長沢芦雪筆「猿図絵馬」復元模写、制作学生指導・監修(2015年度)
・「MUSUBU 地図 Ver.2.0」制作(2016年度)
・「旧東海道案内看板」デザイン計画、学生指導(2016年度~)
・びわ湖放送「琵琶湖まんだら」テレビ・ラジオ番組制作協力(2023年度~)
執筆・寄稿・校閲
・季刊誌『湖国と文化』連載
・『歴史街道』連載
・滋賀県近江文化発見・発信事業「はっけん!近江文化」プロジェクト冊子『近江路』校閲(2019年度)