木村所長「白洲正子」を語る!

2010年3月1日

2月24日(水)11:00~大津プリンスホテルにて、近江学研究所木村至宏所長が「白洲正子と近江」と題して講演されました。これは大津プリンスホテルが会員さんを対象として企画されたもので、当日は120名を越える近江を愛する熱心な方々の参加がありました。
近江の風土を愛した随筆家白洲正子の名著「近江山河抄」「かくれ里」をたどりながら、彼女が訪ねたところを撮影したスライドを中心に眺めながらの講演でした。いつもどおりの木村所長の軽快な口調の解説で、時折笑いを挟みながら1時間半が一瞬のように過ぎました。近江の魅力をたっぷりと鑑賞した参加者のみなさんは満足そうで、近江学研究所の活動に興味を持たれている様子もうかがえました。
木村所長お疲れ様でした。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

近江学研究所第4回参与会議が行なわれました!

2010年2月23日

2月22日(月)1時半から近江学研究所参与会議が行なわれました。参与会議は県内の経済、文化、宗教、芸術など一線でご活躍される参与の方々と成安造形大学の理事長、学長をはじめとする関係者にご出席いただき、近江学研究所の活動に対してのご意見をいただくという重要な会議です。
会議は研究所の今年度の活動報告と、次年度の活動計画がスライドで紹介するということから始まり、参与の方々並びに学内関係者からご意見をいただきました。
今年度の報告の中では、研究紀要第2号が発刊されたこと、今年度始めて近江学フォーラムが発足したこと、そしてその取り組みとして湖北の観音を訪ねる現地研修(10月実施)や交流会(2月実施)が行なわれた報告がありました。
次年度の取り組みとしては、近江学研究所が独自に行なう研究として地元仰木を舞台に「里山水のみち研究」を実施する計画が発表され、今後の研究所の取り組みの方向性も話されました。さらに次年度は成安造形大学の聴講生制度として、土曜日の1限目に木村所長の「文化史(本学開講の選択科目の一つ)」を開講し、積極的に社会人の方々の受入を行ないますが、フォーラムの会員さんの受講メリットとして検定料が免除されることも報告されました。また、3月8日から20日までギャラリーアートサイトで開催される、現代アートの視点で近江を見るという展覧会「望遠」の紹介がありました。
参与の方々や学内関係者からは活動内容については大切なことをしっかりと実行されていると評価をいただいた一方で、「フォーラム会員さんを出来るだけ多く募り、この活動を広く発信するべきである。」また、「近江学の研究が如何にものづくりに活かされ、結びつくのかという考察を深めてほしい」など貴重なご意見をいただきました。
次年度は開設3年目を迎えます。いただいたご意見を十分活かし、さらなる発展に結び付けたいと思います。

仰木の里の文化講座で「蓮如上人」を語ってきました!

2010年2月12日


2月11日(木)、毎年この日が恒例となっています仰木の里文化振興会が主催する「文化講座」が仰木の里公民館で開催され、講師として堅田にゆかりのある浄土真宗中興の祖「蓮如上人」を語ってきました。
私は今年で4回目となりますが、その前は木村至宏所長が講師をされたこともあるそうです。この日は悪天候にもかかわらず、60名をこえる多数の参加者が来場されました。講演は先ず蓮如上人の生涯を編年でたどり、その信仰のあり方や思想、浄土真宗の伝承を話しました。最後に蓮如上人の旧跡を訪ねた際の写真をスライドで紹介しました。
このようにあるテーマで講演の機会を与えていただきますと、その度に再度調べなおします。そこにまた新たな発見があり、非常に勉強になります。10年前、京都からここ滋賀に移り住んできましたが、その時は蓮如上人が堅田にゆかりがあることを知りませんでした。なぜ、堅田なのか・・・。調べるとその理由がわかってきます。
昨年は仰木と堅田の伝承について話をしましたが、琵琶湖に面し、背後に比叡山がひかえるこの地域はまだまだ語りつくせないと実感しています。
次回は一休禅師? また機会をいただければ・・・。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

寿福滋先生の写真展が開催されています

2010年2月3日

2月2日(火)、近江学研究紀要「Omi 近江学」の表紙や挿入写真を飾っていただいています写真家の寿福滋先生の写真展を見に行ってきました。
場所は京阪浜大津駅から徒歩で京都方面へ5分ほど、商店街の中にある古書店「古今書房」の2階にある「ぎゃらりい古今」です。

寿福滋写真展「近江水風景PartⅡ」は、夕日の竹生島や菅浦の集落、沖の白石など美しい琵琶湖の水辺の風景で埋め尽くされていました。
中でも見物は、「観音正寺 回峰行」と題されたギャラリー中央の展示です。観音正寺を山腹に持つ繖山の山中を闊歩する回峰行者を追った写真群です。古木を利用しながら円形状にうまく展示され、それらを中央から眺めます。山川草木と回峰行者が溶け合った祈りのシーンは見応えがありました。
会期は2月14日まで。すばらしい寿福ワールドを是非ご高覧ください。

「ぎゃらりい古今」大津市中央1−5−5 古今書房2階 TEL077−525−7880

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

長浜城歴史博物館を訪ねました

2010年1月25日

1月23日(土)
平成21年度長浜城歴史博物館特別展「糸の世紀・織の時代 〜湖北・長浜をめぐる糸の文化史〜」を見学してきました。湖北長浜の伝統産業は浜縮緬(はまちりめん)をはじめ、浜蚊帳や浜ビロードなど織物と糸に関わる産業としてこの地域を支えてきました。

長浜城歴史博物館

長浜城歴史博物館


その歴史と文化が文献、絵画、絵図、写真、など多くの資料でわかりやすく解説されていました。美しい絹織物の振袖や民俗行事の祭礼に使用された踊りの衣装、養蚕業にまつわる民俗史料などの展示も見物です。

加えて、湖北長浜だけでなく、高島産地の綿織物やクレープ、湖東産地の麻織物や近江上布など近江商人が全国に販売した近江全体の織物の展示解説もされており、近江学としての知識が増えました。

展示風景

展示風景


会期:平成22年1月23日(土)〜2月24日(水)
会場:長浜市長浜城歴史博物館(JR長浜駅下車琵琶湖方面徒歩5分)

また、この展覧会の開催記念講演会として、昨年講座「近江学」で本学においてご講演いただきました滋賀県立大学准教授森下あおい氏がご講演されます。
日時:平成22年1月31日(日)午後1時30分から
場所:長浜勤労者福祉会館「臨湖」 受講料:500円 事前申し込み不要

ぜひご高覧ください。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

みぞれ降る湖北(長浜城天守閣から北を臨む)

みぞれ降る湖北(長浜城天守閣から北を臨む)

文化・経済フォーラム開催される!

2010年1月7日

12月23日に「文化で滋賀を元気に!キックオフ・フォーラム」(滋賀県・文化庁・実行委員会主催)<1部>と「文化・経済フォーラム2009」(実行委員会主催)<2部>が大津市のピアザ淡海で開催されました。
1部の基調講演は劇作家で内閣官房参与、大阪大学大学院教授の平田オリザ氏が「文化の公共性を問う~なぜ今、地域に文化が必要なのか」と題して講演されました。漫画「ドラえもん」に出てくる広場や阪神・淡路大震災の復興の過程など例を挙げられ、コミュニケーションの重要性を指摘、そのコミュニケーションをいかに持つかというところに音楽や美術、スポーツなどのいわゆる芸術文化が効果的に機能する。そしてそれらをつなぐ新たなネットワークの構築がこれからの社会には不可欠であると語られました。
また、フランスのナントと北海道の富良野を例に挙げ、文化による地方都市の活性化とブランド力アップの必要性を訴え、国際的な優れた芸術文化の振興を国が進める一方で、文化行政や芸術教育を地方が支えるという二局で芸術文化を推進させることが大切であると指摘されました。
その後、平田氏に青木保・前文化庁長官と嘉田由紀子滋賀県知事を加えてパネル討論会がおこなわれました。その中で嘉田知事は「滋賀県は豊かな環境や歴史文化資源を潜在的に持っており、それをいかに上手く活かす必要性がある」としながら、県立施設の見直し問題についてはその難しさを強調されました。
夕刻5時からは「第2回文化・経済フォーラム2009」と題してその実行委員会が懇親会を開催し、県内の文化団体や活動家、経済団体など約200名が集い、さまざまなかたちで交流が行われました。
成安造形大学からも多くの教職員が参加し、県内唯一の芸術大学である責務を感じ、いかに県内の文化活動に寄与し、滋賀ブランド構築の一助にならなければならないという自覚をあらためて感じました。近江学研究所所員もまず歴史文化資源の発掘とそれらをわかりやすくより多くの県民に知ってもらう努力を続け、その新たな地域学から生まれる21世紀の社会に必要な考え方を構築しなければならないと再認識しました。

加藤賢治(近江学研究所研究員)

講座「近江の城物語」開講しました。

2009年12月12日

講座名 近江の城物語
日 時 平成21年12月12日(土) 10:40~12:00
場 所 成安造形大学 本部棟三階ホール
講 師 中井 均 (NPO法人 城郭遺産による街づくり協議会理事長)

平成21年度最後の近江学フォーラム会員限定講座「近江の城物語」開講しました。近江がまさに城の国であることを分かりやすく解説いただきました。ご来場いただきました会員の皆様ありがとうございました。

棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2009 風景展

2009年11月25日

公募風景展です。
近江(滋賀県)を題材とした、一般の方、学生の素敵な作品をご高覧ください。

会期: 2009年11月23日(月)〜12月4日(金)
    12:00〜18:00 日曜休館

会場: 成安造形大学 ギャラリー アートサイト
    〒520-0248 滋賀県大津市仰木の里東4-3-1
    TEL: 077-574-2118(芸術文化交流センター直通)

アクセス: JR湖西線「雄琴駅」下車、駅前よりスクールバスにて5分。

成安造形大学の詳細(地図など)

成安造形大学が立地する滋賀県大津市仰木(おおぎ)には、比叡山、比良山を遠望し、豊かな琵琶湖の水系に育まれた里山環境が残されています。 自然と人の暮らし(いとなみ)の調和、多様な命の共存、そのありようは近年、多くの人々の関心を集めています。
 琵琶湖=あたたかく恵み多き淡水の湖、そこから生まれてくる未来へのヴィジョン、そんな意味を込めて名付けた「淡海の夢(あわみのゆめ)」。広く一般の方にご出品いただいた本展は、「棚田・里山、湖辺の郷」をテーマとした成安造形大学附属芸術文化交流センター公開講座「淡海の夢2009」企画の一環です。
 アートには日常の中にある「美」を認識させる力があります。意識して見ようとしなければ見えてこないものが私たちのまわりにはあふれています。画家の眼、写真家の眼は、そうした何気ない「美」を鋭敏にとらえて作品を生み出します。そうして表現された作品と鑑賞者との間に共通の想いが響きあい、感動が生まれます。アートを通して豊かな感受性を目覚めさせ、磨くことが、本学の使命であり、この企画の目指すところです。
 都会で育った人たちにも棚田・里山風景は「日本の原風景」のなつかしさを感じさせ、感銘を与えます。 この展覧会を通して、滋賀県(近江)の自然や町並み、生活の営みのあり方が、美しく、価値あるものだと感じていただければ幸いです。

比叡山延暦寺三塔を訪ねて

2009年11月17日

11月15日(日)本学教育後援会(保護者会)のOBG会である楽波会(さざなみかい)恒例の研修旅行が行われました。講師は近江学研究所研究員である私、加藤が担当させていただきました。
 9時15分JR大津京駅集合出発、参加者19名で一路比叡山へ。天候は晴れということで恵まれましたが、山頂は肌寒く感じました。
 紅葉がきれいな山頂ドライブウエイ。琵琶湖を下に眺めながら東塔地区へ向かいました。大講堂・根本中堂を拝観し、1200年の間途絶えることなく灯り続けているという不滅の法灯を見学しました。また、法然、親鸞、栄西、道元、日蓮らがこの比叡山に学んだことにも触れました。
 この研修旅行は比叡山のすべてを巡るということで昼食後、西塔→横川へと向かいました。西塔ではにない堂、仏足石、釈迦堂を見学、道中では12年籠山行や千日回峰行など厳しい比叡山での修行の話をしました。
 横川地区では元三大師良源と恵心僧都源信の思想を紹介し、横川中堂、元三大師堂、恵心院を訪ねました。日本の浄土思想の基礎をつくった源信の思想は阿弥陀信仰や地蔵信仰、また観音信仰として庶民の心を救った。また、その師である比叡山中興の祖良源はたくさんの伝説が語られ、おみくじの元祖という逸話も含めて大師信仰が今も息づいていることなど解説しました。
 成安造形大学はこのような日本仏教の母山である比叡山の麓にあり、これら高僧たちが残した深遠な思想をすぐそばで学ぶことが出来ます。最後には「昨年開設された近江学研究所もそういったものに光を当て、忘れ去られようとするものや見逃しがちな大切なものを改めて検証しようとしています」と締めくくりました。
 身近にあってわかっているようでわかっていない日本仏教の不思議に触れた楽しい時間はあっという間に過ぎ、午後3時30分JRおごと温泉駅で解散しました。
 
 報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

環びわ湖大学コンソーシアム公開講座「近江考−近江のいまむかし−」始まる!

2009年11月2日

10月31日(土)表記の県民向け公開講座がJR南草津駅前「草津市立市民交流プラザ大会議室」で行われました。びわ湖を囲む大学が集まり、「近江のいまむかし」をテーマに各大学の教員がリレーで講師をつとめるという公開講座です。
そのトップを成安造形大学が担当し、近江学研究所木村至宏所長が「近江の歴史と文化の特性」と題して近江の魅力を語られました。
1時30分から力石伸夫滋賀大学理事のあいさつで連続講座が開幕し、一般参加者約100名の前で木村所長の講演が始まりました。木村所長は近江国は「湖の国」「山の国」「道の国」と大きくその特色を分け、レジメに従ってじっくり解説がされました。解説の後はスライドで視覚的にその魅力を確かめ、参加者の多くは臨場感のある講義に満足そうで、いつもの木村所長の話術に翻弄されていました。
近江学研究所が企画する公開講座も自然/文化の宝庫である滋賀県を再考し、様々な形で未来のくらしに役立てようとするものですが、環びわ湖大学コンソーシアムの活動の中にも同じ目的があります。21世紀に向けてますますの発展を目指すコンソーシアムの詳細は下記です。近江学研究所同様ご注目を!
http://www.kanbiwa.jp/ 環びわ湖大学コンソーシアム

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治