児童文学の総合誌『飛ぶ教室』で今森光彦特集!

2012年8月3日


様々な児童文学について総合的に知ることができる雑誌『飛ぶ教室-児童文学の冒険-』。
7月25日発売の300号は、今森光彦特集です!

特集『<生きもの少年> 今森光彦の世界』と題して、
詩人の工藤直子さんの「今森光彦さんの日々にささげるうた」。
脳科学者の茂木健一郎さんと今森さんの昆虫少年談義。
絵本作家のあべ弘士さんの今森さんとの仲良しさが伝わるくすっと笑えるエッセイ。
などなど、
絵本・児童文学好きにはたまらない面々との対談や寄稿などのコラボレーションがされています。
そして、特別付録のフンコロガシ切り絵のテンプレートがついてます!

スタッフで作ってみました。フンコロガシがフンの中に卵を生みつけ育むように、近江学研究所も育っていきますようにと思いを込めて。

スタッフで作ってみました。フンコロガシがフンの中に卵を生みつけ育むように、近江学研究所も育っていきますようにと思いを込めて。


近江学のラックに飾ってみました。

近江学のラックに飾ってみました。


ぜひ、お手に取ってみてください。
詳しくは 光村図書出版株式会社から
そして、只今近江学研究所では、文化誌『近江学』5号を制作中です。
今森光彦さんにも、毎号、写真ポートレートを掲載させていただいます。
5号のテーマは「木と暮らし」。
封筒も素敵。

封筒も素敵。


先日原稿が届きました。
今森さんの素敵なページ、皆さん、楽しみにしていてください。
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飛ぶ教室 第30号 (2012年夏)
特集「<生きもの少年> 今森光彦の世界」
定価:1,000円(本体952円)  B5変型判
ISBN978-4-89528-673-2
光村図書出版株式会社
http://www.mitsumura-tosho.co.jp/shohin/fly/
■特集「<生きもの少年> 今森光彦の世界」
<グラビア>
「水とあそぶ」 詩 工藤直子/写真 今森光彦
<対談>
  「子ども時代がつくるもの」 茂木健一郎×今森光彦
「世界を見る、絵本を作る」 小風さち×今森光彦
<小論  今森光彦の仕事>
  写真論 「『里山の写真家』の誕生――写真家・今森光彦の軌跡」 飯沢耕太郎
  絵本論 「今森光彦さんの眼」 兼森理恵
<絵本>
「ぼくのアトリエ」 今森光彦
<童話>
「恋(コヒ)は罪(ツミ)……現刻(イマ)は杜(モリ)へ」 二宮由紀子
むしむし座談会「ある夏の日」 今森光彦
<エッセイ>
  あべ弘士/越智典子/野上 暁/辻 恵子/ 
新沢としひこ/長倉洋海/嘉田由紀子/いわむらかずお
<特別付録!>
フンコロガシ切り紙テンプレート
                            ほか
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近江学フォーラム会員限定講座 第2回「葛川の太鼓廻し」を開講しました!

2012年7月21日

 7月21日(土)、第2回目の近江学フォーラム会員限定講座を開催しました。
講師に大津市歴史博物館学芸員で近江学研究所の客員研究員である和田光生先生を迎え、
京都と若狭を結ぶ渓谷に位置する葛川坊村の明王院で行われる
「太鼓廻し」について講演いただきました。


 毎年7月18日に行われる葛川明王院の「太鼓廻し」という行事は、葛川地域の民俗行事であると同時に、比叡山延暦寺で行われる千日回峰行という僧侶の修行の一部でもあるという非常に稀な形式をとる祭礼です。和田先生は、その起こりが千日回峰行の礎を築いた相応和尚(そうおうかしょう)(831〜918)にあるとして、相応の人物像を資料に基づいて解説されました。
 伝承によると、相応和尚は法華経の「常不軽菩薩品」に基づき、毎日花を根本中堂に捧げるという行為を繰り返し、そこから長期間、山中を闊歩することで悟りを得るという回峰行にたどり着いた。その修行の起源は、比叡山ではなく比良山の麓、葛川の坊村「三の滝」で、山中での修行を支えてくれる不動明王を観想していた際、滝壺に不動明王が現れ、それに相応が飛びつき抱きついたところ桂(かつら)の古木であった。この古木で不動明王を彫り、安置したのが明王院の始まりである。

 和田先生はこの伝承が鎌倉時代前期の高僧である慈円によって書かれたと言われる『葛川縁起』によるところが多くあるとしながら、この葛川明王院から比叡山の千日回峰行が始まったという意義について話されました。そして、千日回峰行を行う行者がその通過儀礼として、この太鼓廻しに参加するということ、そして、その行事を葛川地区の住民が支えているという関係性が、この民俗行事の注目すべきところであると述べられました。
 また、先日18日の夜に行われた「太鼓廻し」の写真を投影され、この行事の全貌を臨場感あふれるスライドショーで紹介していただきました。来年の7月18日は是非とも葛川を訪れたいと思いました。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治
日時:2012年7月21日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:和田 光生氏 (大津市歴史博物館 学芸員)
今年開催された「葛川の太鼓廻し」の京都新聞の記事はこちら
 

近江 里山フィールドワーク授業スタート!

2012年7月17日

山頂付近から琵琶湖を遠望 右隅に大学が見える

山頂付近から琵琶湖を遠望 右隅に大学が見える


今森光彦客員教授が監修するプロジェクト演習が7月8日スタートしました。
前半の3回は仰木の森林保全活動に協力し、後半の3回は今森教授の雑木林再生プロジェクトに参加します。
この日は、仰木の上仰木地区と辻ヶ下地区が保有する山林の保全活動に総合領域、イラストレーション領域、美術領域の学生7名と、このプロジェクト授業に特別講師として担当する佐藤悦子講師が参加しました。
道なき道を森林に向かって歩く

道なき道を森林に向かって歩く


この回は森林踏査という内容で、上仰木・辻ヶ下地区が保有する森林の境界線を保有者である生産森林組合の方々と歩きました。
山頂付近の植林地お昼ご飯

山頂付近の植林地お昼ご飯


昼食後のミーティング

昼食後のミーティング


参加した学生たちは、
「道なき道を歩きながらこのように森林に入るのは初めて。色々な発見があり、気持ちもリフレッシュできました。」
「このように地元の方々が自分たちの森林を守るために、努力されていることを知り、勉強になりました」
「山頂でのすばらしい景色は忘れられません。また、組合員の方にいただいた地元のトマトやおにぎり、
お漬け物を本当においしくいただきました。ありがとうございました。」など、
午後2時半の終了時の反省会で感想を語ってくれました。
次回は実際に森林保全のための枝打ち、間伐作業です。次回が楽しみです。

報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」第2弾近江上布開講!

2012年7月14日


附属近江学研究所主催の「近江のかたちを明日につなぐ」をテーマに
連続講座の第2回目として「まとうかたち~湖東の織物-近江上布」を開講しました。
滋賀県の湖東地域は、長浜の絹織物(ちりめん)、とならんでこの地に自生する麻を素材とする織物の一大産地であった。
それらは近江上布と呼ばれ、古くから近江商人によって日本全国に流通し、近江の一大ブランドであった。

受講者に触れてもらいたいと紹介された近江上布や麻の作品

受講者に触れてもらいたいと紹介された近江上布や麻の作品


講演会は先ずコーデネータ―の辻喜代治が、テキスタイルアーテイストである河原林美知子近江学客員研究員を、作品を通じて紹介した。次に、麻織物の伝統を守り続けている大西實氏の仕事をビデオで紹介し、それを糸口に河原林氏が質問する形で進められた。
大西 實さん

大西 實さん


河原林 美知子研究員

河原林 美知子研究員


まず素材の麻の性質と、現在使用されている麻糸について話された。
現在、滋賀県では素材の麻は手に入らず、他の地域のチョマと呼ばれる麻素材を使っているが、ぜひとも滋賀県の麻栽培を復活させたいと力説されていた。特に大麻栽培は法律に引っかかる難しい部分があるので、多くの問題の解決が必要とされる。
次にその制作技法に話がおよび、大西氏は特に細い糸を使い、昔からの技法により絣模様を作りだされていることを、会場に持参された道具をつかって詳しく紹介された。
近江上布の特徴は、絣文様の麻織物で独特のしわ入ったものといわれている。
しかし県内の人にもあまり知られていないのが現状で、若い人たちに先ず麻素材を触って知ってもらうことの大切さが話題となった。そのために大西氏は伝統的な手織りだけでなく、電動織機を使ったりして様々なレベルの麻織物を制作されている。一般の人に広く知ってもらい、徐々にいいものに触れてもらうように工夫をされている。さらに近江上布は日常の暮らしの中で受けつがれてきたがゆえに、国や県の文化財としての保護や指定もないことが報告された。近江の歴史と風土と深くかかわる近江上布は、これからも大切に受け継がれていくべき滋賀県の文化財だと思われる。そのための保護運動も必要だと強く認識させられた。
報告:辻喜代治(コーディネーター)
ハネと呼ばれる織物の模様をつくる染め台の解説をする大西さん、辻研究員

ハネと呼ばれる織物の模様をつくる染め台の解説をする大西さん、辻研究員


■大西 實さんの近江上布を購入するには、こちらから
日時:2012年7月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:大西 實氏 (伝統工芸士)
対談:河原林 美知子(ファイバーアート作家、本研究所客員研究員)
コーディネーター :辻 喜代治(本学教授、本研究所研究員)
タイトル:「まとうかたち~湖東の織物-近江上布」

湖国と文化[夏号]は『ヨシものがたり』特集!

2012年7月2日


滋賀の様々な文化情報が盛りだくさんの季刊誌『湖国と文化』。
7月1日に今年の夏号が販売されました。
特集は『ヨシものがたり』。
琵琶湖の原風景でもあるヨシを様々な角度から取り上げる充実した号になっています。

『ヨシものがたり』特集ページでは、
本学住環境デザインコースが、平成10年から長年学生たちと取り組んできた
「ヨシの造形教育」についてが特集されています!

そして、インタビュー記事「湖と生きる」には、
2010年度の文化誌『近江学』の対談にも出ていただいたヨシ葺き職人の竹田勝博さんの、
最近のヨシ葺き仕事や、中学生への総合学習での講演などの取り組みが語られています。
そして、近江学学研究所からは、
加藤研究員の連載『おうみ おうみ 歩く』では、
南彦根の霊山荒神山の祭礼大祭を取材。荒神山の神社に足を運んでいます。
そして、木村所長の連載『近江人物伝』では、
中井源左衛門光武(なかいげんざえもんみつたけ)という、日野出身の近江商人で、
関東や東北に多くの出店構え、陰徳善事を心掛けた人物が描かれています。

ぜひ、興味のある方はご一読ください!

滋賀web大賞2012表彰式に出席しました。

2012年6月30日

6月15日のおうみブログで報告しました「滋賀web大賞2012」の表彰式が、昨日の6月29日に草津市立市民交流プラザで行われました。
近江学研究所から代表として加藤研究員が出席し、表彰を受けました。

表彰式では、各受賞サイトの受賞理由の発表があり、教育団体部門で最優秀賞をいただいたこの近江学研究所webサイトへは、「分かりやすく見やすいサイト構成で、画像・文章量もバランスよく、内容を落ち着いてストレスなく見れるwebサイト」と高評価をいただきました。
今後とも多くのみなさんに見ていただけるwebサイトになるよう、気持ちを新たに頑張っていきます!

淡海の夢2012「仰木・棚田写生会」開催しました。

2012年6月25日


6月23日・24日に淡海の夢2012「仰木・棚田写生会」を開催しました。
今回も、両日あわせて44名の一般の参加者に、本学イラストレーション領域の学生さんたちも参加し賑やかな写生会となりました。
天候は直前までの台風4号の動向で雨天中止かとハラハラしましたが、両日とも晴れ男の永江先生のパワーで少し曇りがちながら、この時期にしては涼しい絶好の写生日和となりました。
両日とも、永江研究員から、写生開始前に現地で風景画を描く上での空気遠近法について参加者の皆さんへレクチャーがありました。

今回は、6月下旬と例年より少し遅い開催になり、青々とした生命力あふれる棚田が広がり気持ちのいい写生となりました。
その分綠が多い風景になり、参加者の皆さんは表現するのが少し難しかったとおっしゃっていました。


講評会では、フォトグラファー・グラフィックデザイナーの阪東勲先生に講師として初登場していただきました。
イラストレーションクラスの永江研究員と、グラフィックデザイナーの阪東先生お二人から、参加者一人一人へ構図から画材についてのアドバイスを丁寧にされ、参加者の皆さんは大変参考になったと思います。

阪東勲先生からの講評のようす

阪東勲先生からの講評のようす


永江研究員からの講評のようす

永江研究員からの講評のようす


阪東先生も棚田の風景がすっかり気に入られたそうで、ぜひみなさんに四季折々の棚田の風景や、棚田桜を描いてほしいとおっしゃっていました。
今年度の写生会は、10月27日・28日の坂本・石垣と里坊の町写生会が最終になります。
2012年度近江学研究所の公開講座についてはこちらから↓

特別公開講座『私の見た近江』を開講しました。

2012年6月9日



日時:2012年6月9日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:山折 哲雄 氏
タイトル:「私の見た近江」 
6月9日(土)、特別公開講座『私の見た近江』と題して、日本を代表する宗教学者山折哲雄先生にご登壇いただき、山折先生の目で見た近江の魅力について語っていただきました。
 山折先生は特に2つ近江の魅力を取りあげられました。一つは「琵琶湖と比叡山の関係がおもしろい」ということです。
 言うまでもなく比叡山は仏教の母山といわれるように、最澄に始まり、法然、親鸞、日蓮、道元など鎌倉新仏教を興隆した高僧らが修行をしました。その厳しい修行の中で彼らを一層苦しめたのは琵琶湖がもたらす高い湿気という風土でした。しかし、この湿気は、和辻哲郎がかつて論じたように、モンスーンの影響を受ける日本の風土の一つであり、この高い湿気から涼感という中国や欧米にない感覚が生まれました。涼しいという感覚は連歌や俳句等の日本文学に織り込まれ、日本独特の文化の基層となりました。そのような湿気の高い空間を琵琶湖と比叡山がつくり出し、数々の哲人を生み出した事は特筆に値すると述べられました。
 もう一つは、「蓮如上人と近江商人の関係が微妙で、興味がつきない」ということです。
 山折先生は『人間蓮如』をご執筆の際に、蓮如が歩いた近江の地をたどったことを懐かしく思い出しますと話されながら、蓮如は難しい教義ではなく、一般民衆に解りやすい御文章(ごぶんしょう)を書きながら布教し、浄土真宗を近江から出発して最終的に大教団につくりあげた。その中で大事なことは、浄土真宗が徹底的に権力や武力に抵抗した反社会的な宗教ではなく、根底には民衆のため世の中のためになると言う救いの宗教であったことであると述べられ、そのような真宗の考え方が近江商人の「三方よし」の中の「世間よし」につながったのではないかと指摘されました。
 近江には比叡山と琵琶湖があり、まさにここが日本文化の根源を形成したと言えると力強く近江の魅力を語っていただき、定員を大きく上回る多くの参加者から大きな拍手がおこりました。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

お知らせ 今森光彦「萌木の国 昆虫教室」

2012年6月6日


写真家であり、本学客員教授、本研究所参与の今森光彦氏が
昆虫教室を開催されます。
場所は、今森さんが所有する滋賀県高島市マキノ町の「萌木の国」です。
今森光彦さんと語らい
小さな生命をとおして雑木林の魅力を学ぶ、2泊3日です。
ご興味のある方は、ぜひご参加ください!
開催日  2012年8月3日(金)~5日(日) 2泊3日 
場所   滋賀県高島市・マキノ高原(民宿泊)
集合   JR湖西線マキノ駅(現地まで送迎あり)
      ※車の方は現地集合となります。
費用   おとな35,000円/小中学生33,000円 (2泊3日6食・宿泊費・保険料含む)
定員   200人
申込締切 6月15日(金)
詳しくは、「今森光彦ワールド」まで。

淡海の夢2012「堅田・湖族の郷」開催しました。

2012年5月28日

5月26日・27日に淡海の夢2012「堅田・湖族の郷」を開催しました。
両日あわせて約40名の一般の参加者に、本学イラストレーション領域の学生さんたちも参加し賑やかな写生会となりました。
天候も両日とも晴れで暑い日差しのなかでしたが、参加者の皆さんは魅力的な堅田の町の写生を楽しんでおられました。



講評会では、一般参加者の力作を永江先生(両日担当)・待井先生(26日担当)・岸田先生(27日担当)が丁寧にかつわかりやすく制作のアドバイスをされ、参加者のみなさんにとって有意義な写生会になったと思います。

5/26永江先生(左)と待井先生(右)による講評の様子

5/26永江先生(左)と待井先生(右)による講評の様子


5/27永江先生(左)待井先生(右)による講評の様子

5/27永江先生(左)岸田先生(右)による講評の様子


次回の写生会は、6月23日・24日の仰木・棚田の写生会です。次回も晴れますように。
成安造形大学イラストレーション領域の日々blogにも写生会の様子が報告されています。
イラストレーション領域の日々ブログはこちらから
2012年度近江学研究所の公開講座についてはこちらから↓