

第7回近江学フォーラム現地研修 開催
2015年12月9日
2015年10月3日(土)、第7回目近江学フォーラム現地研修が行なわれました。
今年のテーマは、「近江の偉人の足跡を訪ねて」です。
近江学フォーラム会員限定講座として、9月26日(土)に「俳人・森川許六の絵画」と題して、大彦根城博物館学芸員の髙木文恵氏より講演いただき、現地研修で訪れる彦根の井伊家ゆかりの禅寺龍潭寺の森川許六の襖絵について、事前勉強を行ないました。

(撮影:津田睦美研究員)
今年は近江の偉人を訪ねる現地研修です。
近江商人伊藤忠兵衛の生家、ヴォーリズ建築、彦根藩主井伊家ゆかりの寺、近世の俳人・絵師 森川許六の襖絵、小堀遠州作庭と伝わる庭など、それぞれの人物の足跡をたどりました。
当日は、現地研修を始めて一番のお天気に恵まれ、東京や福岡、和歌山、岡山などの遠方や、兵庫、大阪、京都、滋賀の京阪神から近江学フォーラム会員80名の方がご参加いただきました。
バス2台に分かれて、コースをめぐり、各箇所では解説を行いました。

多賀大社 参集殿
昼食は、多賀大社参集殿へ。
昼食前には、多賀大社片岡禰宜によるごあいさつと、
食後は、木村所長によるミニレクチャーがあり、今回取り上げた偉人と彦根地域にまつわる歴史・文化のお話がありました。

ご挨拶
多賀大社 片岡禰宜

木村至宏所長によるレクチャー
[コース案内]
■ 浄土宗 宗安寺/彦根市
佐和山城正門を移築した赤門がある宗安寺。石田三成の念持仏「千体仏」、本尊の阿弥陀如来像は淀殿の念持仏が祀られる。また大坂夏の陣で敗れた豊臣方の勇将木村重成の首塚でも知られています。
吉村俊昭研究員と加藤賢治研究員による木村重成の首塚の解説も行いました。

浄土宗 宗安寺
佐和山城正門を移築した赤門


木村重成の首塚(撮影:津田睦美研究員)
■ 臨済宗龍潭寺 /彦根市
井伊家発祥の地、井伊谷(現静岡県浜松市)から移建し開山した井伊家の菩提寺。
森川許六筆による山水・人物・花鳥・走獣など多様な襖絵、昊天和尚と小堀遠州合作と伝わる「鶴亀蓬莱庭園」など、井伊家との縁が深く、見所が多いお寺でした。
小嵜善通研究員による森川許六についての解説と、住職による 龍潭寺の歴史や庭園の解説を聞き、堪能しました。

臨済宗 龍潭寺

(撮影:津田睦美研究員)

住職による解説
(撮影:津田睦美研究員)

森川許六筆と伝わる襖絵
(撮影:津田睦美研究員)
■ 多賀大社
「伊邪那岐大神は淡海の多賀に坐すなり」(古事記712年)とあり、古くから多賀の地で、熊野・伊勢と並び厚い信仰を集める。多賀大社の総本山。多賀大社前の絵馬通りのおみやげ物も楽しみました。

多賀大社
■ 伊藤忠兵衛記念館/犬上郡 豊郷町
伊藤忠・丸紅の創始者、初代伊藤忠兵衛の旧邸、二代忠兵衛の生家である豊郷本家。繊維卸から「総合商社」への道を拓いた その足跡を見学しました。
記念館ボランティアスタッフの方が解説くださいました。

伊藤忠兵衛記念館
(撮影:津田睦美研究員)

ガイドによる解説
(撮影:津田睦美研究員)
■ 豊郷小学校旧校舎群/犬上郡 豊郷町
昭和12年に竣工された「豊郷尋常高等小学校」。
丸紅の専務である古川鉄治郎による私財3分の2もの寄付を元に、ヴォーリズが設計され「東洋一の小学校」といわれた。地域のボランティアガイドの解説に合わせて、館内をめぐり、「貴賓室」「理科室」など特別見学しました。

豊郷小学校旧校舎群
(撮影:津田睦美研究員)

豊郷小学校旧校舎講堂
(撮影:津田睦美研究員)

「棚田・里山、湖辺の郷ー淡海の夢2015風景展」開催・受賞作品発表
2015年12月8日
「淡海の夢2015風景展」
今年で13年目を迎える、公募風景展です。
琵琶湖を中心とした湖国の自然や風景、町並みは今、次世代に引き継ぎたい美しく貴重な日本の原風景として
広く注目されています。
一般の方や学生の作品を通して、近江の素晴らしい景観と固有の価値を再発見していただけると幸いです。
また、関連企画として、アーティスト・トークを開催します。
企画者の永江弘之研究員と、写生会の講師と賛助作品を出品いただいている待井健一先生(イラストレーション領域非常勤講師)が、展示作品や風景写生の醍醐味について語ります。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
【公募展】 「棚田・里山、湖辺の郷 淡海の夢2015風景展」
【会 期】 12月8日(火)~12月19日(土)
12:00~18:00 | 入場無料 | 日曜休館 |
【会 場】 成安造形大学 ギャラリーアートサイト
【関連企画】 アーティスト・トーク
12月12日(土)15:00~16:30
会場:成安造形大学 I棟1階プレゼンルーム(アートサイト横教室)
「淡海の夢」企画者の永江弘之と、本学非常勤講師の待井健一が、展示作品や風景写生会の醍醐味について語ります。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
入場無料・申込不要
【企画・監修】永江弘之(成安造形大学准教授・近江学研究所研究員)
【主 催】 成安造形大学附属近江学研究所
【協 賛】 株式会社クサカベ、ホルベイン工業株式会社
【作品数】55点
【淡海の夢2015風景展 受賞者】(五十音順)
クサカベ賞
■玉本 望さん『反射』(油絵)

2015クサカベ賞 玉本 望さん『反射』(油絵)
■鯰江 浅樹さん『幻案寺』(鉛筆画)

2015クサカベ賞 鯰江 浅樹さん『幻案寺』(鉛筆画)
■新谷 婦美子さん『あはうみ』(日本画)

2015クサカベ賞 新谷 婦美子さん『あはうみ』(日本画)
■西本 明夫さん『Dreams time』(写真)

2015クサカベ賞 西本 明夫さん『Dreams time』(写真)
■福永 勝治さん『魚群シリーズ鯉「越冬」』(油絵具、カラースプレー、クレパス、鉛筆)

2015クサカベ賞 福永 勝治さん『魚群シリーズ鯉「越冬」』(油絵具、カラースプレー、クレパス、鉛筆)
ホルベイン賞
■奥居 慧さん『かおる陽』(クレパス)

2015ホルベイン賞 奥居 慧さん『かおる陽』(クレパス)
■金崎 留美子さん『古木』(水彩画)

2015ホルベイン賞 金崎 留美子さん『古木』(水彩画)
■仁志出 孝春さん『6月の庭園』(アクリル・ボールペン)

2015ホルベイン賞 仁志出 孝春さん『6月の庭園』(アクリル・ボールペン)
■野田 さゆかさん『堅田水路』(アクリル)

2015ホルベイン賞 野田 さゆかさん『堅田水路』(アクリル)
■細矢 昌孝さん『棚田の思ひ出(仰木の棚田にて)』(アクリル)

2015ホルベイン賞 細矢 昌孝さん『棚田の思ひ出(仰木の棚田にて)』(アクリル)
成安造形大学キャンパスが美術館webサイトはこちら
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また、学内のギャラリーで他にも“風景の展覧会”開催されます!あわせてご高覧ください!!
「第20回 湖国を描く絵画展 ―湖国の表現展2015―」/ ライトギャラリーと、G棟103教室
会期:12月8日(火)〜12月17日(木) 12:00〜18:00
日曜休・入場無料 ※入賞作品のみ展示
「イラストレーション領域3年選択科目作品展【風景描写】」/ クロッシングギャラリー(C棟102教室)
会期:12月8日(火)〜19日(土)
会場:クロッシングギャラリー(C棟102号室)
日曜休・入場無料
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連続公開講座 藤森照信氏『神様の作った自然と人の作る建築のつなぎ方ー』報告
2015年11月25日
日時:2015年11月21日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:藤森 照信 氏(建築史家、建築家[工学博士])
タイトル:特別公開講座 『近江~縄文のかたちー神様の作った自然と人の作る建築のつなぎ方ー』

藤森 照信 氏
この日は、「近江のかたちを明日につなぐ」連続公開講座シリーズの特別講座として、日本国内はもとより、世界でご活躍されている建築家の藤森照信先生にご登壇いただきました。
藤森先生は、一貫して自然素材や植物を用いて、独創的な建築をつくり続け、藤森先生の思想に賛同する建築集団「縄文建築団」が建築に関わることも大きな特徴となっています。
滋賀県においては、2015年の1月に近江八幡の北ノ庄にオープンした「たねやグループ」のフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡 メインショップ(草屋根)」を手がけられ、自然と人を結びつける建築のあり方を提案されています。
講座では、藤森先生がこれまでに設計された建築物が解説され、「建築物にはつぎ目という厄介なものがあるが、人間や動物には、つなぎ目は無い」など藤森哲学の一端が所々で披露されました。

建築作品について語る

満席の会場
■講座内容
藤森氏は建築史家として近代建築史、都市史研究の第一人者として多くの業績を残され、1991年に出身地の長野県茅野市で「神長官守矢資料館」を建築家としてはじめて設計されました。
以後は、一貫して自然素材や植物を用いて、これまで20作品を超える独創的な建築を創り続け、建設業者が対応できない建築の一部を藤森氏の思想に賛同する建築集団「縄文建築団」が行うことも藤森建築の大きな特徴となっています。
また、藤森氏が参加する「路上観察学会」の活動は、都市の隠された神秘や社会背景を浮びあがらせ、藤森氏の建築物に影響していると考えられます。
2015年1月滋賀県近江八幡市に完成した「たねやグループのフラッグシップ店 ラ コリーナ 近江八幡メインショップ〈草屋根〉」ができるプロセスを含め、自然と人と対話しながらつくる「フジモリ哲学」に迫ります。
■藤森 照信 氏プロフィール (建築史家、建築家[工学博士])
1946年長野県諏訪郡宮川村(現茅野市)生まれ。‘71年東北大学工学部建築学科卒業。東京大学大学院にて近代建築、都市計画史専攻。‘86年赤瀬川原平、南伸坊らと路上観察学会を結成。‘91年神長官守矢資料館で建築家デビュー。東京大学生産技術研究所教授、東京大学大学院教授を経て、現在東京大学名誉教授。‘06年第10回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展にて日本館コミッショナーを務める。‘15年滋賀県近江八幡市北之庄「ラ・コリーナ たねやフラッグシップ店〈草屋根〉」竣工
主な受賞:1980年日本都市計画学会賞、‘83年毎日出版文化賞、‘86年建築探偵の冒険・東京篇サントリー学芸賞、‘97年日本芸術大賞、2001年日本建築学会賞受賞。
佐々木悦也氏:2015近江学フォーラム会員限定講座 第4回
2015年11月16日
日時:2015年11月14日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:佐々木悦也氏(高月観音の里歴史民俗資料館副参事/学芸員)
タイトル:「誠信外交の実践者・雨森芳洲~異文化理解のこころを学ぶ~」

講師 佐々木悦也先生

近江の近世の偉人たちを顕彰する今年度の近江学フォーラム会員限定講座は、今回で四回目となります。
この日は、長浜市の高月観音の里歴史民俗資料館副参事で学芸員の佐々木悦也先生にご登壇いただき、
「誠信外交の実践者」と題して朝鮮通信使を通じて異文化交流を実践した雨森芳洲についてお話いただきました。

木村所長による紹介を受ける佐々木先生
(報告:加藤賢治 近江学研究所研究員)

学生にもわかりやすく、クイズも交えた講座
【講座概要】
長浜市高月町雨森出身と伝える雨森芳洲(1668~1755)は、江戸時代中期、対馬藩(現長崎県対馬市)に仕えた儒学者です。藩では文教をつかさどるかたわら、内政・外交・藩主の御用人などを務めました。ことに外交面では、隣国朝鮮との交流で「誠信の交わり」を説き、朝鮮通信使を通じて善隣外交を実践した国際人です。 その「対等互恵」「相互理解」の思想は、そのまま現代の国際認識にも当てはまり、時空を超えてなお、我々に多文化共生の指針を示し続けています。
【講師プロフィール】
佐々木悦也 氏(高月観音の里歴史民俗資料館副参事/学芸員)
1960年生まれ。大谷大学文学部卒業。湖北地方の仏教文化をはじめ、歴史・民俗・先人など幅広く調査研究をおこなうほか、各種講座の企画運営、地域の文化財の保護、メディアを利用して文化財情報の発信などをおこなっている。現在、日本と韓国が共同で進めている「朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産登録」の日本学術委員会委員も務めている。主な著書 『近江歴史回廊 近江観音の道』(共著・淡海文化を育てる会)、『京都・滋賀 かくれ里を行く』(共著・淡交社)、『宗家記録と朝鮮通信使』(共著・朝日新聞社)、『江戸時代人づくり風土記25滋賀』(共著・農文協)『雨森芳洲関係資料調査報告書』(滋賀県教育委員会編)
◆高月観音の里歴史民俗資料館 WEBサイトは>>こちらから
淡海の夢2015-堅田・湖族の郷写生会を開催しました
2015年10月21日
10月18日(日)、淡海の夢2015「堅田・湖族の郷写生会」を開催しました。
天候に恵まれ、暑さを感じるくらいの雲一つない快晴のなかで写生会はスタート。
一般のかた20名、学生10名の30名の参加をいただきました。
はじめに、堅田漁業会館前で企画者の永江研究員から写生のポイントの解説やコツのレクチャーがあり、その後参加者のみなさんは写生場所を探しに行かれました。
快晴で琵琶湖も空も青々と美しく、絶好の写生日和
講評会では、永江研究員と本学非常勤講師の待井先生から、参加者の描きたかったポイントや、狙いなどを聞きながら丁寧な講評が行われました。
思い思いの場所で描かれた作品の講評をする講師の永江研究員と待井先生
講評では琵琶湖と空の構図のバランスのとり方や、今回のような快晴の日の写生のポイントの解説がありました。
快晴の風景には、空の青さの影響で影の色に青味があったり、明暗がはっきりするので、そこもよく観察するとより魅力的な絵になるとのアドバイスがありました。
野外での写生の醍醐味を味わうことができる一日になりました。
またこの日は、堅田にぎわい市も開催されていて、堅田の町はにぎやかな一日となっていました。
堅田にぎわい市の様子
木村所長・加藤研究員 大津歴史博物館企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座
2015年9月28日

展覧会チラシ01 千手観音立像 平安時代 比叡山延暦寺蔵

大津市歴史博物館では、開館25周年を記念した企画展(第68回企画展)「比叡山―みほとけの山―」を開催されます。
その関連講座を8回企画されており、近江学研究所からも木村至宏所長、加藤賢治研究員が講演されます。
とても貴重で興味深い展覧会や講座となっておりますので、ぜひご参加ください。
以下WEBサイトより抜粋
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開館25周年記念企画展(第68回企画展)「比叡山―みほとけの山―」
平成27年 10月10日(土)~11月23日(月・祝)
時間:9時~17時(展示室への入場は16時30分まで)
休館:10月13・19・26日、11月2・4・9・16日
会場:大津市歴史博物館
観覧料:一般:1000円(800円) 高校・大学生:500円(400円) 小中学生:300円(240円)
※( )内は、前売、15名様以上の団体。および、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障害者の方の割引料金(証明するものをご提示ください)。
大津市と京都市をまたぎ、古来より信仰の山として崇められた比叡山に、伝教大師最澄が延暦寺を建立したのは延暦7年(788)のことです。それ以来、平安京を守護する山として多くの崇拝を集め、延暦寺は天台宗の総本山として日本の仏教界の中心を担っていきます。山内には平安仏教の根本道場として、多くの堂舎や山坊が林立し、膨大な数の仏像や仏画が造像、安置されました。さらに広範囲にわたる山麓にも里坊や関連寺院が多く建立され、全体として巨大な霊山を形成しました。
今回、大津市歴史博物館では、大津が育んだ重要な文化の一つである比叡山の仏教文化について紹介します。広範囲にわたる比叡山の山麓に伝わる仏像や仏画、さらには比叡山の知識の宝庫、叡山文庫の古文書や絵図などを展示することで、その秘められた美しさと歴史を紹介します。
【比叡山では】
伝教大師最澄ご生誕1250年の記念の年を平成28年(2016)にむかえる予定で、さらに慈覚大師円仁や恵心僧都源信、建立大師相応和尚といった高僧の記念の期間にあたり、祖師先徳鑽仰大法会が行われています。
■チラシPDF >>> こちらから
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企画展「比叡山―みほとけの山―」関連講座
■比叡山の歴史―その特質と教え―
武 覚超氏(比叡山求法寺住職、叡山学院教授)
平成27年10月17日(土) 14:00~15:30
比叡山は、伝教大師最澄(766~822)によって開かれ、後の鎌倉時代には各宗各派の祖師・高僧を数多く輩出したので、日本仏教の母山と呼ばれています。本講座では、比叡山仏教の基礎を築いた祖師方を紹介した上で、その特質と教えについて論究をすすめていきます。
【申込締切】10月7日(水) 【参加料】500円
■比叡山と近江
木村 至宏氏(成安造形大学近江学研究所長)
平成27年10月24日(土) 14:00~15:30
日本の宗教文化の聖地比叡山の存在は、日本の歴史文化の構築のうえにおいて、大きな影響を及ぼしてきました。一方、大湖琵琶湖をもつ近江も、比叡山と深い相関関係を有してきました。ここでそのかかわりの諸相について、年代を追って探ってみたいと思います。
【申込締切】10月14日(水) 【参加料】500円
■横川の元三大師良源とその信仰
加藤 賢治氏(成安造形大学近江学研究所研究員)
平成27年11月7日(土) 14:00~15:30
元三大師良源は、大火によって荒廃していた延暦寺の復興や、僧侶の規律の粛正などの改革を行ったことから、比叡山中興の祖といわれています。それらの偉業を背景として、豆(魔滅)大師、角大師、鬼大師などの別称とともに、お大師さまと親しみを込めた呼び名で全国に広がる民間信仰が存在します。また、三十三観音の化身、おみくじの創始者など、良源を取り巻く伝承を取りあげるときりがありません。伝承の一部を紹介しながら、元三大師の魅力に迫ります。
【申込締切】10月28日(水) 【参加料】500円
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● 展覧会について詳細については >>> こちらから
● 関連講座ついては >>> こちらから
髙木文恵氏:2015近江学フォーラム会員限定講座 第3回

講師 髙木文恵氏
日時:2015年9月26日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:髙木文恵氏(彦根城博物館学芸員)
タイトル:「俳人・森川許六の絵画」

フォーラム会員限定講座の3回目となる今回は、次週(10月3日土)に行われる現地研修の事前講座として開催されました。
現地研修では、彦根の井伊家ゆかりの禅寺龍潭寺を訪ねる予定となっていますが、その方丈の襖絵を描いた森川許六にスポットを当て、彦根城博物館学芸員の髙木文恵先生に許六の画業について語っていただきました。

講師 髙木文恵氏
許六は松尾芭蕉晩年の弟子として知られ、俳人でありながら画家としても活躍したという人物で、芭蕉は許六に絵を学び、許六は芭蕉に風雅を学んだという伝承が今もなお伝えられている。そして、その活躍の中で、許六は「すべて画図をよくせむものは、先風雅をしるべし。」と画論を展開し、画の中に俳諧を、俳諧の中に画を取り入れて、独自の美の世界を築き上げたとまとめられました。
最後に、龍潭寺の襖絵の写真を紹介していただき、次週、俳人画家という近世一流の文化人の足跡を訪ねる旅が待ち遠しくなりました。
報告:近江学研究所研究員 加藤賢治

連続公開講座 吹田政雄氏「高島扇骨と近江扇子」報告
2015年9月15日
日時:2015年9月12日(土)10:40~12:10
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
講師:吹田政雄氏(有限会社すいた扇子2代目)
対談:大原歩(近江学研究所研究員)
タイトル:「近江~風のかたちー高島扇骨と近江扇子ー」

講師 吹田 政雄 氏
(有限会社すいた扇子2代目)
9月12日(土)、連続公開講座「近江のかたちを明日につなぐ」シリーズの3回目の講演会を
滋賀県高島市安曇川町にて高島扇骨や近江扇子を製造販売を継承し、2代目となる吹田政雄さんをお迎えして開催しました。
対談は、大原歩研究員が行ないました。

扇子ができるまでを解説

仲骨が全員に配られました
はじめに、吹田政雄さんから、「扇子ができるまで」の作業工程過程を実際の道具を見せながら解説。
その後、作業工程の中の「締直し」の作業をご披露いただき、締直しの作業前と作業後の違いを触って感じさせていただきました。

扇骨の仲骨の「締直し」作業

職人の技を触って感じる
そして、後半は、大原研究員が吹田政雄さんに質問する形式で、扇子ができるまでに多くの職人が分業し、組織で扇子をつくる仕組みについてや、国産扇骨の90パーセントが高島扇骨であり、そのほとんどが京扇子として販売されている事実とその歴史について。
また、吹田さんが扇子の伝統産業として行われている「絵付け体験」や、地元の方々と協働で立ち上げた安曇川沿いの竹林を整備し、安曇川産の扇骨を復活させる活動の「竹林整備組合」についてを聞かせていただきました。

大原研究員(左)と対談
また、昨年滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ扇骨だけでつくる扇子「扇骨扇子」のデザイン提案の事業についても紹介し、高島発の新しい試みが始まっていることも話されました。
高島の「地場」で350年の歴史ある伝統産業は、一人ひとりの職人と、その地域のネットワークで育まれているということが伝わる講演となりました。
【講演内容】
近江の伝統産業として約350年の歴史を誇る扇子の骨格である高島扇骨。 全国の生産量の約90%を占めることはあまり知られていません。 扇骨の生産工程は親骨で18工程もありすべて手作業で行われます。 15歳で扇骨職人となり滋賀県扇子工業協同組合前理事長である吹田政雄氏をお招きし、その繊細で複雑な加工作業を見せていただきます。 また、近年取り組む地元の若手職人が設立した「SENKOTSU工房」や安曇川の竹林整備などについてなど、新たな「近江扇子」の未来を語っていただきます。
【吹田 政雄 氏プロフィール】
1948年滋賀県生まれ。1963年15歳で、有限会社「すいた扇子」2代目の扇骨職人となる。2007年~2015年滋賀県扇子工業協同組合理事長。工房には、扇子の絵付け体験や扇子作りを学ぶスペースをつくり、地元や観光客に地場産業を学ぶ取り組みを精力的に行っている。
【すいた扇子】について詳しくは「高島市観光協会」>>>こちらから
【関連企画】
近江のかたちを明日につなぐ展 vol.3「高島扇骨と近江扇子」
2015年9月1日(火)~9月25日(金)12:00-18:00
休館日:日祝 ※ただし、9月12日(土)は開館
会場:聚英館1階フロア
詳しくは>>>こちらから

「高島扇骨と近江扇子」展
成安造形大学聚英館1階

滋賀県扇子工業協同組合と成安造形大学が取組んだ「扇骨扇子」パネルと試作扇子
近江扇子の展示・販売
2015年9月8日(火)~9月25日(金)11:00-18:00
会場:カフェテリア「結」内ミュージアムショップ
Closed on Sundays/日祝休館
石川亮研究員が第1回「みんなで創る美術館フォーラム」パネリストとして講演
2015年8月26日

フォーラムチラシ
石川亮研究員が、9月5日(土)に行われる第1回「みんなで創る美術館フォーラム」にて、
パネリストとして出演します。
滋賀県立近代美術館をリニューアルし、新たな美術館として県民参加で進めていくひとつめの活動です。
ぜひ、ご参加ください。要申込み/締め切り8月31日です。
以下、ホームページより転載します。
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第1回「みんなで創る美術館フォーラム」
滋賀県では平成31年度までの開館をめざす新たな美術館について、「みんなで創る美術館」として広く県民の皆さんの理解と参画のもと整備を推進するため、現在の整備の状況や方針を県民の皆さんと共有するとともに、「美の滋賀」の拠点として、これからの滋賀に望まれる新たな美術館の姿について考え、その成果を今後の整備に反映していくことを目的としたフォーラム『みんなで創る美術館フォーラム ~「美の滋賀」+あなた+美術館~』を開催します。
つきましては、このフォーラムに参加いただける方を、以下のとおり募集します。
◆開催日時:平成27年9月5日(土曜日)14時00分~17時00分
◆会 場:ヤンマーミュージアム 1階 研修室(滋賀県長浜市三和町6-50)
◆フォーラムの内容:
新生美術館の設計概要等を設計者であるSANAA事務所の妹島氏・西沢氏から参加者にわかりやすく伝えるとともに、新たな美術館が目指す姿について長谷川滋賀県顧問からの講演後、参加者からの意見等も踏まえたパネルディスカッションを行うことにより、県民の皆さんからの共感を得て地域に根付いた滋賀ならではの美術館の実現につなげるフォーラムとする。
◇講演1.:妹島和世氏・西沢立衛氏(SANAA事務所)
◇講演2.:長谷川祐子氏(滋賀県顧問)
◇パネルディスカッション「出会い、可能性、美術館が目指すこと」
ファシリテーター アサダワタル氏 (日常編集家、「美の滋賀」創造事業コーディネーター)
パネリスト 妹島和世氏、西沢立衛氏(SANAA事務所)、長谷川祐子氏(滋賀県顧問)石川亮氏(成安造形大学附属近江学研究所研究員、美術家)、中島誠一氏(長浜市曳山博物館長、滋賀県文化審議会委員)、田端一恵氏(社会福祉法人グロー、国立美術館運営委員会委員)
◆参加募集期間:平成27年8月21日(金) 9時00分─平成27年8月31日(月)12時00分まで
◆参加募集人数:200人程度
◆応募方法:参加には事前申し込みが必要です。下記内容をFAXまたはメールにてお知らせください。
申込者氏名、所属(あれば)、住所、電話番号、FAX番号またはメールアドレス、申込み人数(申込者含め2名まで)、パネルディスカッションで議論してもらいたいこと。
◆参加者の決定:新生美術館整備室よりFAXまたはメールでお知らせします。なお、応募者多数の場合は、県内在住の方を優先して先着順により決定します。
◆応募先:滋賀県総合政策部文化振興課 新生美術館整備室
Eメール:newmuseum@pref.shiga.lg.jp FAX:077-528-4833 お問い合わせ先電話番号:077(528)3346(平日 8時30分~17時15分)
◆お問い合わせ:滋賀県総合政策部文化振興課新生美術館整備室
Tel.077-528-3346 Fax.077-528-4833 Male:newmuseum@pref.shiga.lg.jp
■滋賀県立近代美術館公式ブログ >>> こちらから
近江学研究所【夏季休業期間】
2015年8月7日
【夏期休業期間のお知らせ】
2015年8月7日(土)~2015年8月16日(日)の期間は、大学窓口は休業となります。
2015年8月17日(月)から、平常どおり開室します。
緊急の連絡の場合は、お手数ですが、成安造形大学代表番号077-574-2111までおかけください。
どうぞよろしくお願いいたします。
以上